黙然日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

ひとりごと、よしなしごと、黙っているにも等しきこと。

2009-03-31(Tue) 0329-31 花見日和(まだだけど)。

[][]産経、大御心を踏みにじる。

 たいした理由もなく2日もさぼってしまいました。とりあえず書いてあったものだけ。

【軍事情勢】皇室自衛隊の温かなきずなを - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/koushitsu/236687

 29日付の記事です。前半では明治天皇と乃木大将の、涙なくては語れないエピソードを芝居がかった描写で紹介し、現在の皇室と自衛隊にもその関係を、という、例によっての野口裕之記者です。まず、明治天皇を「大帝」と表記しているのはどういうつもりでしょうか。「天皇」の称号は至尊にして唯一のものであり、西洋諸国ごときを真似てその水準に引き下ろす「大帝」の呼び名を使うべきでないことぐらいは常識でしょう。

 それはともかく後半では、現在の皇室が自衛隊に冷淡だ、といった不満を書いています。「現今(げんこん)と政体は異なるも」と書いていますが、その政体の違いを本当に理解しているのでしょうか。立憲君主制である以上、君主の行動は憲法に束縛されます*1。天皇が国軍の最高司令官だった旧憲法下と、天皇の国事行為を厳格に定めそれ以外は行わないとしつつ「軍隊」の存在を否定した現憲法下の天皇が違うのは、当たり前です。また、天皇と軍隊(自衛隊)は関わりを持たない、二度と軍隊に天皇を利用させないというのは、おそらく戦後昭和天皇は心がけていられたことでしょうし、少なくとも今上ご自身、また皇太子殿下ご自身のご意志でもあるでしょう。将軍に忠義を求めるのも、自衛隊基地に足を踏み入れないのも、いずれも「今上のご意志」なのです。念のため付け加えると、現政府には天皇のご意志を無視する権利があるのですが(ご高齢で公務を減らそうという相談をしているときに無闇に大臣認証仕事を増やすなど)。

*1日本国憲法立憲君主制であるのかはまた別の議論ですが、いずれにしろ憲法には束縛されます。

2009-03-28(Sat) 0328 雨雲に見えたけど降らず。

[][][]産経「主張」、10年遅いんだよ、他。

正論榊原英資 株式市場政府介入は有効か - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/236031/

 27日付「正論」です。主張している内容はそんなにおかしくないと思います。ただ、「(1998年東アジア通貨危機当時の)当局の介入は腰がすわったものだったので、最終的には成功裏に投機を沈静化させることができたのだった」って自画自賛ですか(榊原氏は当時大蔵省財務官)。まあ、“ミスター円”の裏付けがあってこそのコラムなので、実績を誇るのはわかりますが。しかし大蔵官僚感覚って、「介入資金がどこから出てくるのか」をまったく考えていないんだなあ……。

【主張】21年度予算成立 「デフレ」脱却をゴールに - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/236478/

 一方で28日の産経「主張」は、経済でも現実認識できていないことを露呈しています。昨年秋以来の金融危機で、日本経済がデフレスパイラルに陥ることを警告しているのですが、これって何年前の流行語でしたっけ。総合物価指数が10年前から下がり続けている、つまり根本的にはデフレ局面がずっと続いていることは、この「主張」も認識しているようです。しかし外需依存のこの数年間はデフレを自覚できていなかったというのが「主張」の指摘ですが、そんなボケはあんたらだけや。

 昨年前半は原油高・穀物高で(ガソリン税引き下げ騒動がちょうど1年前。もう懐かしいですね)、不況のまま物価が高騰するスタグフレーション危険性が叫ばれたところで秋の金融危機を迎え、なんとか「普通のデフレ」に戻ったという状況です。その一方、景気後退の一面である雇用の縮小は一貫して続いており、正社員は減り続け非正規雇用への依存で人件費総額を削減する経営がもてはやされ、政府もそれを容認または推奨していました。「派遣切り」はその結果の一つに過ぎなくて、根本には雇用縮小によるデフレを容認し続けた(としか思えない)経済政策がありました。少なくともわたしはそう認識しているのですが、違うでしょうか。

 最後になって、「1人100万円の還付金」とか「大型減税」とか突飛なことを言い出していますが*1、言うのが遅すぎます。

[anime]春の新番チェック。

 ぜんぜん関係ない話です。アニメおたくとして、4月が近いのでアニメの新番組をチェックしなきゃならんのですが、NHK教育バラエティ番組『すイエんサー』内の『マリー&ガリー*2が気になるんだけど今日の予告特番で見たらバラエティ部分がつまらなそうだなあ、とか、同じく今日の予告特番で『毎日かあさん*3がやはりアニメ&バラエティの構成だと知り、しかも『すイエんサー』以上につまらなそうだったり(テレ東は『アニメロビー』の失敗から懲りていないのか)、いろいろ悩んでおります。いちばんの悩みは『獣の奏者エリン*4再放送が23時台で、『真マジンガー*5微妙に重なってしまうことなのですが。前半を観ていなかったのでなんとかしたかったのに。

 『エリン』がどういう内容かといえばこちらこちらを見ていただければわかると思いますが、いわゆる名作もの・教育ものっぽい雰囲気で、なんでこれを23時台にやるのかな。『11PM』や『ウィークエンダー』をやっていた時間帯ですよ。

*1:「100万円の還付金」は、ここは極論を書かねばならないところなので、あえて言えばまともな例示だと思います。「大型減税」はたぶん「消費税を含めた大型減税」のつもりでしょうが、さすがにそれは明確に書けなかったののかな。100万円よりはまともな案だと思うのですが。

*2:公式 http://www.toei-anim.co.jp/tv/marie_gali/ 第0話(ニコニコ動画http://www.nicovideo.jp/watch/sm5193904

*3毎日jp http://mainichi.jp/life/riezo/ アニメ公式サイトってまだないのか?

*4http://www3.nhk.or.jp/anime/erin/

*5http://www.shin-mazinger.com/

2009-03-27(Fri) 0326-0327 わりと晴れたけど北風。

[][][]産経、目をそらす。

 なんかまたずるずる遅れています。とりあえず26日分を。

【主張】秋田2児殺害判決 死刑回避には疑問が残る - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/235680/

 「疑問がある」と言いながら不満を述べているだけで、なぜ死刑でなければならないのか、「ボクがそう思うから」以上の根拠を出せていません。裁判員制度に向けて量刑を見直すべきだ、というのは、いったいどういうことでしょうか。被害者参加制度導入で、被害者感情考慮幅が大きくなって量刑基準が変わるならまだ理解できますが、裁判員制度に向けて基準がぶれてはならないわけです。そのこと自体は指摘しているのに、最近の重罰傾向を引き合いに出してそちらに合わせるべきだ、ではなく、他の重罰判決が批判されるべきではないでしょうか。

【from Editor】「自虐メディア」にグッバイ - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/235667

 コメント欄でpipisanさんからご教示いただきました。新聞は悲惨な事件の報道ばかり、たまには心安まる記事も読みたい、ということは大昔から(たぶん明治時代、新聞が普及しはじめたころから)言われていて、そうした記事への感想イベントもけっこうなのですが、近藤豊和社会部長はこれを「産経新聞は、自虐史観との決別を唯一掲げる新聞」であることに結びつけています。それならこの際、産経社会面は悲惨な事件の報道と決別してみせたらどうでしょう。「悲しいけれど現実に起きたこと」から目を背けることなく、せめて「良いことも悪いこともあった」にとどめ、紙幅の制約があるならまず「悪いこと」「悲しいこと」を伝えなければならないのが事件報道であることを、社会部長ともあろう人が理解していないとは思えません。そして事件報道と歴史認識を関連づけるなら(安易に同一視することにも疑問はありますが)、同じ姿勢が求められるはずです。

発射基地攻撃、なぜ議論にならない? - はなさんのポリログ:イザ!

http://hanasan.iza.ne.jp/blog/entry/967640

 25日の「正論」に佐々淳行氏が書いた出鱈目に、さっそく被害者が出ています。同情する気はありませんが。

 というわけで花岡信昭氏は自らのブログで、弾道ミサイル人工衛星ロケット打ち上げ時点から区別ができるとか東向きに打ち上げなくてもいいはずだとか、わけのわからない話をしています。他にも「日本を標的にしている場合」と「日本に落下してきた場合」の区別をわざと混乱させているあたり、やはり佐々「正論」の影響を強く受けているのでしょうね。iza!の該当記事に関連づけしているので、「正論」を読んでいること自体は間違いないでしょう。見出しになっている、日本を狙っているなら個別的自衛権で発射基地を攻撃せよ、という提案は目新しいですが、議論にならないというかお話にならないレベルです。打ち上げる前に日本が標的か区別できるなら、こんな議論にはなってないっつーの。

 「正論」と違ってブログですから、コメント欄で指摘する人が当然現れたのですが、それに対する花岡氏の返答が「ご立派なご指導、ありがとうございます。 」。土井たか子名誉毀損裁判で敗訴したときも、同じようなリアクションでしたねえ。

2009-03-25(Wed) 0325 彼岸過ぎたのに冷たい雨。

[][][]産経正論」、玩具を手にする、他。

【正論】佐々淳行 日米正念場の北ミサイル対応 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/235314/

 言うことが片っ端から見当はずれで御自分が正念場の佐々氏ですが、テポドン2はミサイルだ、なにがなんでも人工衛星じゃないんだ、そうじゃていと危機管理の問題にならないからボク困っちゃうもん、とおっしゃっています。

 たとえば98年のテポドン1号発射にしても、イージス艦世界一ィィ!の能力を発揮して、人工衛星ではなく弾道ミサイルであることを「証明」したのだそうですが、あれを人工衛星打ち上げ(の失敗)だと認めていないのは、世界中日本政府ぐらいです。佐々氏は「地球の引力に抗して垂直上昇する人工衛星ロケットの推力は、引力で放物線を描く大陸間弾道弾のそれとは比較にならないほど大きいといわれる」としていますが、これは[要出典]ですね。あの、佐々氏はまさか人工衛星は真上に打ち上げると思っているわけじゃないですよね? 人工衛星(衛星軌道上の物体)が地球引力によって自由落下し続けていることも、当然ご存知ですよね?*1 上に引用した文章は「だが、その識別は難しい。「みょうこう」は、その至難の業を成し遂げたのだ」と続くのですが、難しいのは当たり前で、スタート直後のランナーを見てハーフマラソンフルマラソンかを判断するようなものです。イージス艦みょうこうの成果とやらも前述のとおりかなり怪しいわけで、直後に米軍が「Myoko」を「Miyoko」と間違えて打電してきたというのも、もしかしたらわざと間違えておちょくったんじゃないか、とさえ考えてしまいました*2

 ミサイル防衛(MD)システムがテポドンを撃墜できるのかどうか、佐々氏の説明を読んでさえ怪しげだとしか思えないのですが、まかり間違って麻生首相が撃墜命令を出し、さらになにかの間違いで撃墜できてしまった場合、実際にどうだったかとは無関係北朝鮮は「人工衛星を撃墜された」と国際社会に向けて主張するでしょう。北朝鮮にミサイル実験を禁じた安保理決議もありますが、それにもかかわらず、日本国が圧倒的に非難され、国際社会から孤立する結果になることは、容易に想像できます。米国だけは味方してくれるかもしれませんが(まさに「日米正念場」ですね)、それでもやっと、イラク戦争当時の米国の孤立を再現できるだけです。

 

 これは佐々氏に限らず、産経「正論」メンバー全般と産経新聞論説陣全般に、また北朝鮮問題に限らず海賊対策や中東での戦争についても言えることなのですが、なんかこう、あれですね。ええと。幼稚園児に人形を与えるととりあえず着せ替えさせてみるとか、合金ロボを与えるととりあえずロケットパンチを撃たせてみるとか、これは普通の話だろうと思います。玩具はそうやって使うために着せ替える機能やロケットパンチ機能がついているわけですし。ただ、「ご飯の時間までお人形で遊んでちゃダメだよ」とか「ロケットパンチは人に向けちゃダメだよ」と言い聞かせてわかる年齢かどうかは、よく考えてから玩具を与えてやらねばなりません。

 イージス艦やらMDやらを、まず使うことありき、使ったあとどうなるか考えていないような人たちは、まとめて幼稚園から通いなおしてもらいたいです。危険な玩具を与えてはなりません。*3

各紙、不気味なほど揃う。

【主張】公設秘書起訴 小沢氏続投は通らない - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/235313/

産経抄】3月25日 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/235312/

 長くなるのでいちいちリンクは貼りませんが、今朝の読売・朝日・毎日・日経・東京中日)・産経は六紙揃って、社説が小沢氏退陣を求めるもの*4、一面コラムがWBC優勝をメインにしたものでした。そうなるのはあるていど理解できるのですが、それにしても気持ち悪すぎ。もちろん各紙にニュアンスはあって、たとえばイチロー選手と小沢一郎氏の名前をかけたコラムは日経と産経だけとか*5、毎日はむりやり選抜高校野球の話題も入れていて必死だなとか、あるわけですが。

 なかでも産経は、昨日に引き続いての小沢氏非難です。あいかわらずクリーン民主党を求めていますが、産経は民主党をどうしたいんでしょうか。政権を獲得してほしいのかな?

*1:「COMICリュウ」5月号の『アステロイドマイナーズ』(あさりよしとお)はこのネタでしたが、基本的すぎて拍子抜けでした。前後編のようなので、後編ではもっとあさり氏らしいトリックを仕掛けてくれることを期待しています。

*2在日米軍の兵士が日本女性名にだけ妙に詳しかったのかも、とも考えましたが。

*3:もちろん、金正日下北朝鮮の指導部にも当てはまることです。

*4読売日経のみWBCと二本立て、他紙は小沢氏一本か西松建設事件として二本立て形式。

*5:ついでにちょっとopinion。わたしは、人種・性別・血液型など、生まれつきの属性について人を馬鹿にする行為は差別であると判断し、極力拒否するようにしています。名前に関しても、ハンドルネーム選手登録名等はともかく本名の場合、生まれたときに決められて本人の意志で自由に変える余地はほとんどないわけですから、できるだけ馬鹿にしないように心がけています。たとえば二代前の総理大臣とか某紙のワシントン駐在編集特別委員にしても、ネタを思いつくことはあるのですが書かないようにしています(書いてしまったことがあるかもしれませんが、それに関しては申し訳ありません)。同名異人を対比するぐらいは、差別に当たるのかぎりぎりだと思いますが。

2009-03-24(Tue) 0324 卒業式日和。

[][]産経サンケる

【主張】小沢民主党 理解できぬ続投論の拡大 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/234834/

 政治と金の問題にクリーン民主党はどこへ行った、だそうです。どの口が言うかこの口か。

 それよりもこの産経「主張」が問題なのは、小沢氏の秘書逮捕・起訴という状況について*1、小沢氏の責任を問うていることです。

 なにを問題視しているか、おわかりでしょうか。秘書のO氏が逮捕されたのも、彼が小沢氏の腹心だったのも事実です。小沢氏自身の政治団体の資金に関する問題であり、また秘書への監督責任も当然あります。ただし、O秘書が罪を犯していた場合です。起訴時点で、O秘書は容疑を否認しているそうです。「東京地検特捜部が逮捕した」「起訴する予定だだ」という事実は、「法的に有罪が確定した」ということを意味しません。小沢氏の周辺で犯罪が起きていたとは、現時点では言えないのです。「疑われるようなことをした」という道義的責任を追及することぐらいはできるでしょうが、もちろん辞任がどうのという話にはなりません。

 いや、個人的には「小沢さんやめちゃったほうがすっきりするんじゃないかなー」とは思うんですけどね。今の段階でこの事件を理由にするかぎり、決して辞任してはならないだろうと考えます。

 国民も、またマスコミも、「推定無罪」という大原則を、裁判関連記事だけでなく、あらゆる局面で、意識していてもらいたいものです。特にマスコミには、責任あるジャーナリズムには。

また産経か。

【民主党解剖】第2部 小沢ショック(1) 不満蓄積も不気味な静寂 動けぬ「反小沢」 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/234438/

 連載第一部第一回の冒頭からまったく裏付けの取れない小沢氏の発言を書いてしまったこの連載ですが*2、第二部も第一回からいきなり、のようです。

 この記事の中に、新党日本田中康夫氏か小沢一郎氏を訪ね、生前に小沢氏の支援者だった江藤淳のコラムを渡した、というエピソードが紹介されています。そのコラムというのが、江藤氏が1997年産経新聞に書いた、(当時の)小沢氏に捲土重来を勧めるものだったということは、同一会派を組む党首から党首への代表辞任勧告だ、と考えるべきでしょう。

 田中氏の渡したものが、本当に産経掲載のコラムだったら、です。

誰も通らない裏道: 小沢関連〜産経新聞記事への重大な疑問

http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2009/03/post-e4ae.html

植草一秀の『知られざる真実』: WBC侍ジャパン優勝と産経新聞捏造記事掲載疑惑

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/wbc-7363.html

 誰も通らない裏道氏*3は「週刊SPA!」今週号の「東京ペログリ日記リターンズ」、植草氏は田中氏から直接受け取ったメールソースに、実際に田中氏が手渡したのは別のコラムで、純粋に小沢氏を激励する内容だったことを明らかにしています。詳しくはそれぞれのエントリをご覧ください。

 いやもうさあ。産経の記者にとって、捏造するのは呼吸と同じなんだろうけど、なんでこうやってすぐバレる嘘をつくのかなあ。幼稚園レベル

*1:正確には、このコラムが出た今朝の時点では起訴はされておらず、文章も見込みの内容になっています。

*2d:id:pr3:20090302:1236006002 参照。

*3植草氏がこう表記しているし他にハンドルも表示されていないようなのでこうお呼びしますが、失礼があったら申し訳ありません。

2009-03-23(Mon) 0323 なんだこの北風は。

[][]産経「主張」の道徳観。

【主張】道徳教育 心のノートで公徳心養え - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/234532/

 産経「主張」の教育観は、あいかわらずこんなんです。見出しにある『心のノート』とは、小中学校道徳の副教材として文部科学省が全国に配布している冊子だそうです。道徳には正式な教科書がありませんから、いわゆる「どーとくのきょーかしょ」は副読本扱いで、その副読本的に使われるもののようです。この「主張」がなにを言いたいかというと、「一部教職組合は心のノートを「使わない」ことを組合活動の成果とするあきれた例さえあった」という部分によく現れていますが、要するに日教組(各地方教組)批判です。もういちいち説明するのも馬鹿らしくなるぐらい、いつもの産経の主張です。

 『心のノート』は一般の教科書や道徳副読本と違い、版元は文部科学省で全国一律配布という、形として修身の国定教科書に近いものだ、というのが各教組の最大の反対理由になっているようです(もちろん、根本には道徳の授業そのものが修身の復活だという拒絶があるわけですが)。個人的には教組の反応もナイーヴに過ぎると感じます。なんらかの道徳教育(徳育)を学校で行うことは必須だろうと思うのですが、文科省と、それ以上に産経が、「徳育を修身にして押しつける」ことにこだわり続けるお花畑思考が、まったく理解できません。

 なんかもう、実現するはずのない空理空論を「正論」と信じて繰り返すというこのメンタリティというかぶっちゃけ粘着ぶりは、なんなんでしょうね。

2009-03-22(Sun) 0322 強い南風からしとしと雨。

[][]産経帝国精神を受け継ぐ。

【軍事情勢】禁じ手つかうアブナイ政治家 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/234173

 「イラク駐留軍の大半を16ヶ月で撤退させる」という公約を掲げたオバマ大統領が、就任後にそれを19ヶ月に後退させ撤退する数も少ない、という批判に、これは軍人意見を採り入れた現実主義だ、と擁護しています。それはまあいいでしょう。ブッシュ政権イラク戦争にのめり込んでいったのは、前線*1を知らないワシントン政治外交経済上の目的を先行させたベトナム戦争と同じパターンだ、と指摘しているあたりは、野口裕之記者にしてはよく書いたと言えるでしょうね。

 オバマ大統領を擁護するなら「アブナイ政治家」とは誰かというと、小沢一郎民主党代表のことでした。「第七艦隊」発言を中心に、日米安保軽視だ、危険だ、と非難しています。「国家主権と国民生命財産を守る安保政策を政局に絡める野心」とまで言っているので、国家主権のことがどこかに書いてあるかと思ったのですが、この記事の小沢氏非難の根拠らしきものを文中から探してみても、対米姿勢にしかありません。文章構成の上からは、公約を(オバマ氏と同じように)“チェンジ”するだろう、というのも根拠らしいのですが、これは単なる憶測ですよね。国家主権云々はおそらく国連中心主義のことでしょうが、これを日米安保体制と比べてことさらに国家主権を持ち出すのは理解できません。

産経抄】3月22日 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/234155/

 全員一致なら無効、というイザヤ・ベンダサン(山本七平)『日本人とユダヤ人』の引用から始まっていて、ウォッチャーには大受けでした。39年前に出てさんざん批判された書物を持ち出すあたり、明治38年(1905年)に設計され翌年制式採用された39年前の三八式歩兵銃で玉砕攻撃をする帝国陸軍の精神を引き継いでいるようです*2

【土・日曜日に書く】誤った捜査 失われしもの 井口文彦 (1/4ページ) - MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090322/crm0903220309003-n1.htm

 捜査の可視化が進められていることに、かつてベテラン刑事たちが手練手管で情報収集したことを持ち出して、嘆いています。「自白があったから解決」という空気に対して一人抵抗した刑事の例を挙げているのですが、そうした職人芸は例外でしょうし、可視化する意味を本当に理解しているのかなあ、と不安になります。取調室のハーフミラーだけではなく、今は取り調べの完全録画録音をするかどうかまでが議論になっていて、警察側はこの手の職人芸を持ち出して反発しているのですが、これも21世紀には通用しない武器でしょうね。上記「産経抄」と並べると、いろいろ興味深く読めるコラムでした。

*1:ここで野口記者は「前戦」とtypoしているのですが。

*2:この比喩はすでに産経抄スレにも書いてしまいましたが、、Apemanさんのテキスト http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090320/p1 にある「70年代の道具立て(=山本七平)だけで21世紀の議論に挑むつもりだったのか。まさに旧軍精神の継承者といえましょう。」から着想しました。

2009-03-21(Sat) 0321 むやみに晴れましたね。

[][][]産経「主張」、問題をむりやり切り分ける。

【主張】AIGボーナス 金融安定が最優先課題だ  - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/233845/

 読み終えて、呆然としてしまいました。産経が経営者側を擁護するのはわかります。それでも、あまりに非常識なボーナスには、誰もが批判するでしょう。ですから、読み進めながら「ちょっとぐらいはAIG経営陣を批判するだろう」と思っていたのですが、批判なんてかけらもないのです。

 米国の常識として、大企業経営者のボーナス相場というものがあるのでしょうから、400人に160億円という金額そのものはさほど問題ないのかもしれません。しかし、公的資金注入を受けていてそれがボーナスの原資にもなっていること、さらに大きな問題として、破綻回避のために公的資金が注入されたということは、それがなければ破綻していたわけですから、経営責任が厳しく問われることになるのは当たり前です。日本でも、外資系金融企業、特に取引部門は高額ボーナスで知られ、1人あたり4000万円というのも耳にするかぎりでは珍しくないのですが、「その代わりに、損失を出したら即座に馘」という説明も必ずついてきます。その基本原則自体が、AIGではどうなっているのか、という疑問を、誰しも持つのではないでしょうか。米国でも財界保守派がAIGを擁護しているそうで、産経もその尻馬に乗っているだけかもしれませんが、いずれもどういう頭の構造になっているのか、かち割ってとは言いませんが強力なX線でも当ててみたい気持ちです。

 もうひとつこの「主張」は、オバマ政権の対応も強く批判しています。これも先述の件と同じように保守派が批判しているらしいのですが、公的資金注入によって政府が企業の大株主に(一時的に)なること自体に問題があると考えているのでしょうか。その点からオバマ政権を「社会主義的」(米国においては「非国民」に匹敵する言葉だと思っていました)とすら批判しています。でもそれって、1月19日まではブッシュ政権がやっていた政策ですよね? 当時、保守派はそんな批判をしていなかったと思うのですが。それどころか産経「主張」に限って言えば、日本の経験に学べ、一刻も早い公的資金注入を、と唱えていませんでしたっけ(2008年9月21日付)。

 おや、こんなところにこんな記事が。

アメリカは社会主義の国になるのか - ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/929500

[][]産経対馬キャンペーン、国際的に注目される。

 産経の対馬キャンペーンに対する発言なので取り上げておかねばと思いつつタイミングを逸していたのですが、小沢一郎民主党代表が「済州島を買ってしまえ」と発言したとされる問題について*1。本人の「そんなことは言っていない、土地を合法的に買うのはお互い様の経済行為だ」という主旨の否定によって、あっさり収束したようです*2。小沢氏は、発言も弁明もいつも微妙なのですが(微妙に間違っているというニュアンスではなく、正しいのか間違ってるのかわたしにもわからないといった意味合いで)、なぜかうやむやで収束してしまうことが多いという、不思議な人です。いろいろと。

朝鮮日報記事。

 さてこの発言をきっかけに、産経対馬キャンペーンの存在が改めて注目されています。日本ではほとんど相手にされていませんが韓国ではそれなりに注目されているようです。まあ、よくある話です。

 というところで、Elekt_raさんにコメント欄で、こんな記事を教えていただきました(いつもありがとうございます)。

[Why] 땅 0.0026% 한국인 소유라고 대마도가 위험? - 1등 인터넷뉴스 조선닷컴

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/03/20/2009032001176.html?Dep0=chosunmain&Dep1=news&Dep2=topheadline&Dep3=top

 って、読めねえ(笑)。同紙日本語版にもまだこの記事は出ていません。Elekt_raさんが部分訳を d:id:pr3:20090309:1236610289#c に書き込んでくださったので、Yahoo!の機械翻訳と併せてざっと読んでみました*3

 記事の趣旨は、小沢氏の妄言も「極右紙である産経新聞」の記事も「右翼団体『日本会議』」の視察も*4、要するに右翼が騒いでいるだけだ、島民も韓国側の観光関係者も迷惑している、というような感じでしょうか。

対馬特区。

 この記事の中にちょっと気になる記述がありました。

長崎県2004年土地利用及び取得規制を緩和する対馬島特区法が用意されながら外国人不動産を買うことができるようにした.外国企業に対する免税恩恵まで与えている.対馬島行政政府は外国である投資幼稚[誘致?]に積極出ている.

 機械翻訳なので明らかな誤訳もありますが、大筋は理解できる文章です。文章はわかりますが聞いたこともない話なので、いろいろ調べてみました。

長崎県:構造改革特区について

http://www.pref.nagasaki.jp/tokku/

(1)『しま交流人口拡大特区』計画について

平成15年11月28日認定・平成20年7月9日取消)

●特区区域
対馬(対馬市

:●特区概要

対馬は、韓国とは地理的にも歴史的にも関係が深く、また壱岐対馬国定公園に指定されているなど豊かな自然に恵まれています。この地域特性を活かし、現在韓国釜山との定期航路の開設を行うなど、韓国との国際交流を柱に地域振興に取り組んでいます。今回、韓国人観光客の短期滞在査証の発給手続きの簡素化や長崎県立対馬高校における韓国学に重点を置いた構造改革特区研究開発学校設置事業の規制の特例を導入することによって、さらなる交流人口の拡大と、受け入れ態勢の整備を可能とし、観光振興などによる地域の活性化を推進するものです。

*5

 産経対馬キャンペーンではまったく触れられていませんが、対馬は2003年から2008年まで、韓国との交流拡大を目的とした構造改革特区に指定されていました。主に韓国からのビザ取得に関するものと、リゾート開発に関する規制緩和を行うもので、学校で韓国語などを教えるという内容も含まれています。しかし、上記長崎県のページにリンクされている、しま交流人口拡大特区の当初計画「概要」*6を見ても、韓国人観光客向けのリゾート施設を作るために国定公園内の土地利用規制を緩和してくれ、という内容はありますが(バブルのころによくあった話ですね)、「外国人が土地を買えるようにする」などとは一言も書いてありません。

 ところがどういうわけか、対馬問題で韓国に批判的な人たち中心に「『対馬特区』は対馬の土地を外国人が買えるようにするものだ」というデマがはびこり、さらに2004年にそれが実現してしまったことにされているようです。最初の特区認定は2003年11月、1年ごとに見直され、目的を果たしたとして2008年7月(産経対馬キャンペーン開始の3ヶ月前)に終了しているわけですが、なぜ2004年に実現したことにされているのか、なにを誤解したのかさえ、いくら調べてもわかりませんでした。そもそも、少なくとも2004年には、外国人による土地取得は原則自由化されていたようなんですよね*7

対馬市の国際交流についての考え - 対馬市WEB通信局+市の政策+

http://www.city.tsushima.nagasaki.jp/policy/policy05_04.html

 このデマに基づく問い合わせには対馬市も苦慮したようで、このような公式発表までされています。朝鮮日報記事の上述の内容は、おそらくこのデマを真に受けたものでしょうが、責任あるマスメディアとしてはちょっと困ったものですね。産経新聞じゃあるまいし。*8

0.0026%。

 対馬市の財部能成市長の発言として産経新聞が紹介した「0.26%」という数字をずっと使ってきたのですが*9、朝鮮日報記事の見出しは「0.0026%」になっています。正直、どっちも信用できないので、確認してみました。島の面積708.5平方キロメートル(属島を含む)に対して、韓国資本の取得した土地は5500坪(18150平方メートル)と市長は発言したようで、これは産経記事でも朝鮮日報記事でも同じです。1平方キロメートル=1,000,000平方メートルとしてあらためて計算してみると、何度検算しても0.26%ではなく0.0026%になりますね*10。ちょっとこれは、元記事の時点で確認しなかったわたしも悪いのですが、「0.26%」という数字を算出したのは市長なのか産経新聞の記者なのか、市議会あたりで追求してくれないでしょうか。

あの団体。

 他に、韓国にある対馬専門旅行社が対馬の不動産取得をセールスしていて、その企業の名前ハッピーランドだというのもちょっと気になったんですが、まさかね。日本語で検索してもこの企業の名前が出てこないし、さすがにそこまでひどいマッチポンプあの団体でもやらないでしょう……。

*1:産経に直接絡む話題ではないからわざわざ取り上げなくてもいいのですが、言及しておかないと某スレあたりで「はてサ小沢擁護のためなら平気でダブスタを使う」とか言われそうで。

*2:いちおう該当記事を示します。12日付ってもう1週間以上前か……。 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/230893

*3:参考までに、Yahoo!翻訳ウェブ翻訳 http://honyaku.yahoo.co.jp/url

*4:おそらく昨年12月の国会議員11人による視察のことでしょうが、厳密には全員が日本会議所属ではないはずだし、Elekt_raさんの訳も機械翻訳も「地方議会議員15人」となっているところが気になります。11人+隊李出席1人の他に、地方議員が3〜4人いたのかもしれませんが。そういえば東京都議会で「三羽烏」と呼ばれている人たちがいるそうですが……。

*5:どうでもいいんだけど、このページにある「壱岐いき離島留学教育特区」というネーミングはいかがなものか。

*6http://www.pref.nagasaki.jp/tokku/gaiyou.html

*7:2004年に不動産登記法が全面改正され翌2005年から施行されましたが、外国人の土地取得が全面的に自由化されたのがこの改正によってなのかどうか、調べ切れませんでした。ただ、おそらくそんなことはなく、それ以前から自由化されていたと思われます。自由化されたのは1998年だと記述しているページもあるのですが( http://www.ohkuraya.co.jp/knowledge/back_num5.html )、これも改正内容を確認できませんでした。どっちにしても特区とは関係ありませんが。

*8:この項目については、こちらのブログがたいへん参考になりました。主張内容は別として、お礼申し上げます。「このブログには嘘が書いてあるかもしれません。:つれづれなるままに対馬」 http://blog.livedoor.jp/stray_cat1981/archives/652812.html

*9d:id:pr3:20081113:1226588322 以後

*10:この数値では0.00256%とした方が正確ですが、本島のみの696.1平方キロメートルに対しては0.0026%で問題ありません。

2009-03-20(Fri) 0320 豪雨猛暑冷え込みを一日で。

[][][]産経「主張」、書いてしまう。

【主張】北のミサイル阻止 首相は万全の策をつくせ - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/233545/

 なにこの妄想。軍事については正確な知識に乏しいので細かいことはツッコみませんが、予定通りに打ち上げられたテポドンを狙い撃ちするならともかく、実験失敗で破損した断片が落ちてきたのを、ミサイル防衛(MD)システムで打ち落とせとかいうのは、どんな素人から見ても妄想としか思えません。MDすげーなー。無敵だなー。幻の銀水晶のフルパワー(+仲間の力)で落下する小惑星から生還したプリンセス・セレニティ@『劇場版R』ぐらい無敵だなー。*1 *2

 もっとも、テポドンが予定通りに打ち上げられた場合、それが人工衛星のためでも米国本土を狙ったものでも、「高高度を飛ぶため、日本周辺に配備されたミサイル防衛(MD)では技術的に届かない」、日本周辺に配備したMDは無駄ということをはっきり書いちゃった上でMD必要論、集団的自衛権必要論を説いているこの産経「主張」は、こんなに対応しやすい自爆攻撃もないですね。

*1ネタっぽく書きましたが、このシーンは大好きです。歌(音楽)とドラマ(絵)のシンクロという、アニメソングを評価する最重要ポイントの意味で、ファーストガンダム『III』、ファーストマクロス劇場版』と並ぶ名シーンだと思っています。『F』はTV最終回でもまだそこまで評価していないのですが、劇場版はどうなるだろうか……。

*2:ついでに、先日の『ガンダム00』で(話数は忘れましたが1月ごろ)、成層圏衛星軌道からか落下してくる大量の大質量物体を、MS軍艦が射撃して破壊し、被害は最小限で済みましためでたしめでたし、という展開がありましたが、あれってどうなの? 数百トンの物体を1トン単位まで破壊したとしても、成層圏から地上に落下したら大被害には違いないですよ? もちろん、テポドンMDにも同じ疑問を持っています。

2009-03-19(Thu) 0319 室温25℃。

[][]産経正論」は、背筋を寒からしめる、他。

【正論】高崎経済大学教授八木秀次 教育正常化を揺り戻す動きだ - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/233139/

 八木氏が「正論」欄に登場するたびに毎回ネタ振りをしてから始めるのですが、今回はそれどころじゃありません。広島県広島市における「教育の荒廃」および「正常化」(いずれも八木氏の表現)の歴史について延々と述べたあと、児童の権利条約に基づいて市が制定しようとしている、子どもの権利条例に文句をつけ始めます。その内容が、「子供に「自分の考えを持ち、表現すること」「学び、遊び、休息すること」などが権利として保障されれば、教師や親の手足を縛ることになるのは言うまでもない」というものなのです。さらに、子供が権利を侵害されたときに救済を求めることも、八木氏は根本的に否定しています。子供が表現すること、救済を求めることが、「組合教師」などに利用されるから、というのです。

 子供を、主体的な権利を持った人間として扱わず、(八木氏側に対立するにせよ従うにせよ)大人の従属物としか考えられない人間が、日本教育再生機構理事長を名乗り、さらに実際に教育に携わっている(大学生だから子供とは言えませんが)という事実に、本気で背筋が寒くなりました。

金さんと年越し派遣村

 まず、16日付で産経新聞電子版に配信された「ある記事」から、一部引用します。

 金さんは、昨年、東京に現れた「年越し派遣村」に触れ、「日本人は『かわいそう』を好む。メディアセンチメンタルで、表層だけをなぞりがち。それが大衆社会堕落させた」と指摘した。その上で「私は派遣村のセンチメンタルなことではなく、実態が知りたかった」と話した。

 これだけ見ると、まったく正しいとしか思えない発言です。派遣村の光景を「かわいそう、気の毒」と同情し、一過性の出来事、ワイドショーのネタの一つとして流してしまうのではなくて、派遣切り非正規雇用、さらに雇用問題、経済構造全体の問題を象徴する一例として、背景を含めて捉える必要があります。また、派遣村立ち上げの意図もその点をアピールすることにあったわけです。

 この立派な意見を述べた「金さん」とは、誰でしょう。遠山の金さんなら言ってくれそうですが、残念ながら150年以上昔に亡くなっています。実はこの発言は、この記事から引用しました。

奈良「正論」講演会 金美齢さん「言うべきこと発言を」 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/232280

 えーと。金美齢氏が知りたかった派遣村の「実態」とは、どんなものだったのでしょうか。

YouTube - 【派遣切り】湯浅誠が金美齢の自己責任論に大激怒!!

http://www.youtube.com/watch?v=je5QJAdxIOU

 金氏の派遣村に対する考えは「自己責任だ、貯金していなかったのが悪い」というもののようです。ここでの発言から推測するに、金美齢氏が知りたかった「実態」とは、派遣村の若者は甘えているだけだ、といったようなことだったのでしょう。存在しないものを伝えろ、とメディアに要求しているのです。背中の桜吹雪が泣いてるぜ。

[][][]児ポ法民主党改正案提出。

民主党:児童ポルノ法改正案を衆院に提出 実効性と人権への配慮を両立

http://www.dpj.or.jp/news/?num=15504

新旧対照表(現行法と改正案による改正結果の比較,PDFファイル

http://www.dpj.or.jp/news/files/090319child-shinkyu.pdf

衆議院-議案

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

(提出済みの与党案本文)

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16901032.htm

 19日に衆議院に対して、児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案が民主党から提出されました(民主党案)。自由民主党公明党による同法改正案(与党案)もすでに提出され、今後衆院法務委員会で審議されることになります。

 これから衆参で審議され成立にいたるのか、その前に解散総選挙となれば廃案となるわけですか*1、とりあえず与党案か民主党案か、あるいはその折衷案となって成立するのか、正念場を迎えることになります。

 以下、ざっとしたまとめ。民主党案はすでに発表されていた骨子案とほぼ同じ内容ですが、改めて新旧対照表を眺めてみると、購入罪・取得罪の創設以外は、この法律本来の目的に照らして合理的な改正だと感じます。購入罪・取得罪は、販売・頒布がすでに禁止されている以上無意味な規制強化であり微罪逮捕の口実を増やすだけなのですが、もちろん与党案にある単純所持罪よりはマシです。

 さらに、与党案にある「漫画アニメーションコンピュータを利用して作成された映像、外見上児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真」への規制方針が民主党案にはまったく含まれていないことが重要です。これは重要であると同時に当たり前のことであって、児ポ法*2ポルノグラフィーを含めた表現行為を規制する法律ではなく、あくまでも実在の児童を虐待搾取から保護する法律なのです。

 また、民主党案では「児童ポルノ」という名称が廃され「児童性行為等姿態描写物?」という名称になって、これがポルノ規制法ではないことが明確化される点も、同じように重要です。

 カマヤン氏がすでにご指摘されていますが*3、所轄官庁が厚生労働省であると明確化されたこともポイントです。これは上述の法律の意義を確定させると同時に、警察恣意運用に利用されることを少しでも防ぐ効果があるかもしれません。

 購入罪・取得罪だけは、なんとかならないですかねえ。でっち上げ逮捕などには利用できないような条文にはなっていると思うのですが、なにがどうなるかわからないし。

 それにしても改めて比較してみると、与党案はひどい。本当にひどい。この法律本来の意味を忘れ、立法府の本来のあり方を忘れ、国民主権の基本原則を忘れた、児童の人権を口実にした国家統制のための国民取締法であるとしか思えません。少なくとも、法体系を合目的化するために改正するという目的がまったくないことははっきりしています。

*1:いったん廃案になった場合でも、民主社民・国新政権になれば再提出され民主党案でさっくり成立しそうですが。社民・国新両党および共産党は、単純所持禁止および二次元規制に反対の意向をはっきりさせています。

*2:民主党案に近い形で成立すれば「児童ポルノ法」ではなくなるので、別の略称が必要になるかもしれません。

*3http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090319#1237416669

2009-03-18(Wed) 0317 北風は冷たいけれど。/0318 今日は風もなく。

[][][]産経責任論、他。

 なんか順序が混乱してるけど、これが18日分です。

週刊新潮編集長が交代 朝日襲撃報道とは「関係ない」 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/232917

 赤報隊事件の“実行犯”手記報道は、朝日新聞他ほぼすべてのマスコミから批判され、「週刊新潮」側からのまともな反論もなく、99%誤報だったと見ていいようですが、新潮社・編集長とも、誤報の責任は取らないのだそうです。事実上は更迭人事だとしても、表向きは責任を取らない、と。

【主張】日テレ社長辞任 説明不足では不信消えぬ - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/232716/

 入手した情報の裏付け取材を徹底して行うというのは、報道に携わる者の最も基本的、かつ重要ルールだ。ここがおろそかになると読者や視聴者の信頼を失い、報道全体の危機に直結する。

 いやもう、なにも申し上げることはございません。かさにかかって日テレを非難していますが、責任を取っただけ日テレの方がマシじゃないかなー。

 

 ところで、まさに産経watch的な話なのですが、昨年6月論説委員長が千野境子氏から皿木喜久氏に交代し、皿木新委員長は堂々たる年頭社説も書いていたのですが、どういうわけかこの2月から中静敬一郎氏(前論説副委員長)が論説委員長を名乗るようになり*1、皿木氏はヒラの論説委員になってしまったようです。わずか7ヶ月で、昇進ならともかく降格人事というのはかなりの異常事態があったのだろうと思いますが、なんだったのかな? また、この人事について広報らしきものも、少なくとも電子版にはまったく出ていません。いったいなにがあったのかなー。

連合、ベア固執で“歴史的”大敗 春闘 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/232943

 昨日のエントリで、日教組ばかり攻撃せず連合も攻撃したら、と言ってみたのですが、さっそく飯塚隆志記者がこんな記事を書いてくれました。連合の戦略ミスのために春闘は労働側の大敗だった、このままでは雇用確保もできず賃上げもないので消費は冷え込み日本経済はさらに悪化するに違いない、どうしてくれる、みんな連合の責任だ、と指摘されています。……あのさあ。それって経営側が悪いんじゃないの? 経営側に責任はないの? 春闘妥結後に実質賃下げした東芝富士通とかは全然問題ないの? 飯塚記者は企業側の責任にまったく言及していないので、そういう見解なんでしょうね。

 ちなみに15日付の記事*2では、電機連合の労使が雇用確保で合意したことを伝えていました。

[opinion]正論原理主義

正論原理主義」を乗り越えて:佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 - CNET Japan

http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2009/03/17/entry_27021160/

 「正論原理主義」というミームが一部で話題になっているようです。これを見たときわたしは、産経新聞の「正論路線」が原理主義に走ったことを意味しているのだろうと思ってしまったのですが、ちと産経ウォッチのやりすぎだったようです。「文藝春秋」2009年4月号に掲載された村上春樹氏のインタビューに登場した言葉で、もちろん村上氏は本来の意味で「正論」という単語を使っています。

 そもそもは、産経が“正論”という言葉を僭称(その資格がないのに勝手に名乗ること)しているのが悪いんですが、いやしかしこれはもしかしたら、適切なネーミングだったのかもしれません。産経「正論路線」が原理主義に走るもなにも、最初から原理主義です(いろんな意味で)。「俺の意見は正論だ」という確信は、その意見の正誤を問わず、原理主義につながります。

 ここに挙げられた村上氏や佐々木氏の言葉がすべて正しい(正論だ)とはもちろん思いませんが、傾聴に値するともちろん思います。

[][][]産経記者、応援される、他。

 これは17日分です。

ホテル社長らを書類送検へ 日教組集会参加者の宿泊拒否で - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/232370

 コメント欄でElekt_raさんにもご教示いただきましたが、昨年2月にグランドプリンスホテル新高輪が日教組教研集会全体集会の開催を断り、参加者の宿泊も一方的に解約した事件について、1年以上を経てやっと警視庁が対応しました。当時から指摘していたように、これはホテルももちろん悪いのですが、根本的には日教組の集会とみれば妨害する街宣右翼がいちばん悪く、それに次いでまたは同じぐらい、妨害行為に迷惑防止条例その他を適用せずに手をこまねいていた、あるいは積極的にスルーしていた警視庁が悪いという事案です。

自民衆院選にらみ「保守色」鮮明 日教組に矛先 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/230327

 ここで関連して、11日付の阿比留瑠比記者による記事を引っ張り出してみます。

 麻生太郎首相鳩山邦夫総務相塩谷立文科相・笹川尭自民党総務会長森喜朗元首相ら自民党の重鎮による、日教組を名指しで批判する発言が続いています。この記事にはその他、安倍晋三小池正勝山谷えり子森山真弓義家弘介議員といった豪華メンバー名前も登場します。中川(酒)氏は謹慎中としても、あとは中山成彬氏あたりの名前が出てくれば、ほぼ自民党(の自称“真正保守”派)が揃い踏みといった印象です。

 その嚆矢となった2月22日麻生首相発言は、その前日に首相公邸を訪れた安倍晋三元首相のアドバイスによるものだ、というのが阿比留記者の見立てです。麻生氏の反応はともかく、安倍氏の行動についての記述は、阿比留記者の記述はかなり信頼性が高いと見ていいでしょう。

 日教組なんて民主党の支持団体の中では弱小で、上部組織である連合を叩いた方が効率的ではないかと思うのですが、なぜか自民党は、また産経新聞は、そして阿比留記者は、ひたすら日教組をターゲットにしています。特に阿比留記者が注目するのが輿石東・民主党参院議員会長で、彼のブログを見ればわかるのですが、もう何年にも渡って悪の総本山のごとく粘着的な批判を続けています。一方で、この記事を見た輿石氏は担当記者を通じて阿比留記者に「励ましてくれてありがとう。阿比留君によろしく」との言葉を伝えたそうで、人物の格が違うというか。

森、安倍両元首相に「違法なカネ」と指摘された輿石氏の選挙資金 - 国を憂い、われとわが身を甘やかすの記:イザ!

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/948644

 過去に輿石議員関係者*3政治資金規正法罰金刑を受けたこと、それが産経のキャンペーンによるものであることを阿比留記者は強調していますが、それ自体は法的に決着のついたものであり、現在はおそらく(書類上は)クリーンにしているものでしょう。「過去にこうだったから今も悪いに決まっている」という感情論に訴えたくなるのはわかりますが、完全に攻めどころを間違っていますね。

門真市でも「政治資金規正法」悪用し市議逮捕JanJanニュース

http://www.news.janjan.jp/government/0903/0903159406/1.php

戸田ひさよしの自由自在ホームページ

http://www.hige-toda.com/

 以前、このブログにも直接コメントを戴き、その後折に触れてメールニュースなども戴いている、ヒゲ戸田こと戸田ひさよし・門真市議会議員が、やはり政治資金規正法の書類上の扱いで起訴されていたのですが、3月11日最高裁判決が確定し、2年間の公民権停止処分で今月中にも議員失職となることを、やはりメールで教えていただきました。もちろんこのぐらいでくじける方ではないですし、ご本人も次期選挙への立候補を宣言されています。再起を期待しています。

 この事件にしても、やはり書類上の微罪で(組合員からのカンパを団体が集約して寄付したところ、団体献金とみなされたもの。小沢一郎氏の事件に比べると、戸田議員の手続き上のミスはあったと思いますが)、政治資金規正法が政府自治体、その手先となって働くメディア))側の都合のいいように使われている一例ではないかと思います。

 

 まったく別の事件についていくつか挙げていきましたが、どうもいろいろと、おかしなことが続くものです。すべてつながっている、というとただの陰謀論ですが、そうではなくて、根本的なところにある同じ問題が、たまたままとめて目についただけではないでしょうか。

追記。(03/18)

戸田・門真市議失職へ 最高裁が上告棄却 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/230585

 産経の記事もありましたが、上記のJanJan記事と比べると、一方的に悪人扱いですね。

*1http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090216/stt0902160844004-n1.htm

*2http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/231773

*3:コメント欄でgaullisteさんのご教示により修正。またあびるんに釣られてしまった……。

2009-03-16(Mon) 0316 妙に気温が高い。

[][]産経抄、連日の赤点

【産経抄】3月16日 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/231947/

 一つひどいのが出てくると、数日続くような気がします。コラムの冒頭では、映画カルメン故郷に帰る』を引き合いに、恥について語りはじめます。なんの話だろう、産経が絡んだ恥辱の殿堂級の話題はいくつもあるからなあ、と一瞬悩んだのですが、最新の殿堂入りネタ養護学校性教育クレームをつけた件についてでした。もちろん、自らの恥として振り返るわけもなく、「性=恥ずかしい」という古くさい観念をもとに、“過激な性教育”をあらためて非難する内容です。クレームの主役になった都議らに、教育への不当な介入であるとして賠償を命じた裁判所にも、「問題の本質から目をそらした判決」と、わけのわからない文句をつけています。なぜ自社が訴えられたのかを、そもそも理解していないようです。こういう相手と裁判を続けた原告側と裁判所の苦労に、心から敬意を表します。障碍児への性教育の必要性・重要性・特殊性も、そのメソッドが確立されていないことも、手探りの教育なら一時的な失敗もあり得るだろうことも、この産経抄はなんにも理解していないのですが、それ以上に重要なのは、政治家が(旧)教育基本法精神を踏みにじったことをなんとも思っていないらしい点と、それをとがめるのこそがジャーナリズムの役割であることをまったく意識していない点です。

 さらに言うに事欠いて、従軍慰安婦問題を扱ったNHK番組に政治家(安倍晋三氏と中川昭一氏)が圧力をかけたとされる問題についても、同レベルで理解できていない点です。番組で取り上げた内容が批判されるべきものだから、政治的圧力の有無は「そんなの関係ねぇ」(byタモちゃん)ということらしいのですが、この産経新聞とかいう存在は、本当にジャーナリズムを掲げるマスメディアなのでしょうか。

 最後に「やれやれ」とまとめていますが、思いっきりこっちのセリフですよ。*1

*1:ジャーナリズムや政治のあり方について産経が根元的に理解していない、あるいは一般の理解と食い違っているらしいことを考えると、お互いに「やれやれ」としか言えないかもしれません。あまりに悲しいことですが。

2009-03-15(Sun) 0314-0315 14日低気圧、15日高気圧。

[][]産経抄物理地理赤点、他。

ヤマハ「VMAX」を24年ぶり全面改良 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/product/230144

 「VMAX」は昭和60年に米国市場で発売され、平成2年には日本向けにも販売された。(中略)

 1年施行の「自主馬力規制」により、国内で生産・販売される750cc以上の二輪車は100馬力以下に規制されたため、欧米で発売された100馬力以上の逆輸入車の方が人気となり、99年には日本向けの製造・販売は中止された。19年に自主馬力規制が撤廃されたことで、新モデルは151馬力の高出力モデルとして、再デビューを果たす。

 論説記事は何とか追いかけているのですが、一般記事の未読を溜め込んでいる状態です。少しずつ消化しつつ、そんな状態でたまたま開いてみた10日付の記事にあった記述ですが、5日間も修正されていないので、産経的には問題ない表記なのでしょう。平成元年1989年)を「1年」と書いているのもすごいですが、平成99年(2087年)の出来事を予言できるのは素晴らしいですね。なんのつもりで元号表記をしているのか、小一時間問いつめてみたくなります。

【軍事情勢】文化を護る喧嘩の仕方 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/231740

 あいかわらずどこが【軍事情勢】なのかわからない野口裕之記者コラムですが、第二次アヘン戦争で英仏などが中国から略奪された文物について、民族の文化的権利を言うなら少数民族の文化そのものを認めずに弾圧している中国政府はどうなんだ、という、まあよくある産経人士の言い分です。野口記者は注意深く「今の価値観帝国主義時代を考察することには危険が伴うが」というエクスキューズを入れているのですが、日中戦争大東亜戦争として全肯定できる野口記者に、それなら日本はどうなんだ、と訊ねてみたくなります。

【産経抄】3月15日 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/231746/

 久方ぶりに猛烈な「産経抄」でした。

 ミサイルはいろんな方向に撃つかもしれませんが、人工衛星地球の自転を利用するため東向きに、またできるだけ赤道に近い位置から打ち上げる必要があります。人工衛星や宇宙開発に少しでも知識があるなら、あるいは人工衛星の原理ニュートン力学の基礎知識と「地球が丸くて自転している」という事実を知っていれば、説明の必要もないような事実です。

 東大生産研のロケット発射場が秋田県から鹿児島県に移ったのは、そこが日本のほぼ最東南端だったからです(当時は小笠原諸島沖縄県は返還前)。Wikipedia:宇宙船基地の一覧から各国(組織)の主なロケット発射場の記事を見ていくとわかるのですが(面白くて止まらなくなるので注意)、ほとんどのロケット発射場は自国領のできるだけ南(赤道の近く)で、東側に海または沙漠が開けた場所に建設されています。ケネディ宇宙センターが米国本土のほぼ最東南端にあることは、言うまでもありません。アリアンロケットのギアナ宇宙センターも、もっとも赤道に近いフランス領の一つで東側が大西洋に面しています。ロシアのバイコヌール基地ソ連領としては最南端に近い位置ですね(現在カザフスタン共和国内)。中国の主力発射場であり神舟シリーズを打ち上げたWikipedia:酒泉衛星発射センターだけは、北端に近い内陸というおかしな位置にありますが、該当記事の記述によると、冷戦中の機密保持のためで、現在は最東南端の海南島に基地を建設中だそうです。

 そして、地図を見ればわかることですが、というか普通の知識がある日本人ならわざわざ地図を見なくても頭に入っているレベルのことですが、北朝鮮の領土には、東側が大洋や大沙漠に面した部分がありません。東側に開けているのは日本海で、その先に日本列島存在します。人工衛星を領内から打ち上げようとしたら、日本海から太平洋へ向けて日本列島を飛び越す形で打ち上げるしかないのです。そういう地形的条件の下で人工衛星打ち上げを考えるのがそもそも間違っている、という指摘はできるかもしれませんが。

 実際のところ、北朝鮮は「人工衛星を打ち上げることでミサイルにも使えるロケット技術を検証する」ことが目的なのだろうと思います。その意図に対しては非難すべきでしょうが、あくまでも意図を正確に理解した上でのことでしょう。

2009-03-13(Fri) 0313 南風と低気圧。

[][][]産経正論」、筆者に恥を掻かす、他。

【正論】森本敏 北朝鮮ミサイルの迎撃決断を - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/231094/

ただ日本を飛び越えて、はるか太平洋上に着弾する射程も射高も大きいミサイルには、日本海に配備するミサイル防衛搭載イージス艦では技術的に対応不可能である。

 これはちょっと重要な指摘かもしれないのでメモしておきます。太平洋上に着弾する(と森本氏は決めつけていますが、人工衛星だとしたら目標地点は無限遠でしょう)ミサイルを発射地点近くで迎撃不可能ということなら、日本を目指すテポドンがさらに急角度で上昇したならば、ミサイル防衛システム(MD)自体が対応不可能ということになりませんか。

 また森本氏は、今回のテポドンが発射されたらとりあえず撃ち落としてしまえ、という主張のようですが、迎撃失敗の可能性も認めています。失敗して、それが実際に人工衛星の打ち上げだった場合、日米側が国際的非難を受けることになるのですが、わかっているのでしょうか。おまけに、昨日までにこんな報道もあったのです。

来月4日にも「衛星」発射 北が国際機関に通告 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/231083/

2009/03/13 01:42

 「正論」欄の締切などを考えると、この情報を反映できなかったことはしかたないと思いますが(しかし産経編集部は、こういうときボツにする勇気も必要ですよ)、衛星打ち上げの可能性をまったく考慮していないというのは、それ以前の問題でしょう。

【主張】フィリピン人一家 同情と法の運用は別問題 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/231093/

 「同情はしたい」と言いながら、法に従え、法を曲げるなの一点張りなんですね。「残留特別許可」のざの字もありません。これも法に定められた手続きなんですが。法的な正当性はイーブンであるという前提で、どちらを適用するかが問われている事例なのです。

 以下、不適切かもしれないと思いつつ、どっかに書いておきたかった揚げ足取りをひとつ。他の多くのマスコミ報道もそうですが、この「主張」も一家の長女について「今は中学1年生で、日本語しか話せない」としています。しかし中学1年生なら、"Hallo, My name is Noriko."ぐらいの英語は喋れるんじゃないでしょうか。いやもちろんこれだけで生活できるわけがないし、フィリピンは英語を公用語にしているといっても生活用語はやはりフィリピン語(タガログ語)でしょうから、それを根拠に強制送還してもいい、という話ではありません。ただ、たぶん真面目に英語の授業をこなしてきた彼女に対して「日本語しか」というのは失礼じゃないかな、と思ったわけです。あと、日本の中学校の授業を受けている、というところから思いついたのですが、両親と一緒に暮らしながらフィリピンの日本人学校に通うことなどはできなかったなかな、ともちょっと思っています。友人と別れるのは寂しいでしょうが、親の都合で見知らぬ土地に引っ越す子供はたくさんいるのですし。

[net]ネタ

 書いておきたかったネタつながりで。watchとはまったく関係ありません。

声優仏像】飛影役などでお馴染みの声優、檜山修之さんと鎌倉時代に活躍した仏師、運慶作の矜羯羅童子像がソックリで一部で話題に

http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1236781684/l50

比較画像

http://sikosiko.s8.x-beat.com/src/up3250.jpg

http://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_108763.jpg

 ちょっとすごすぎるので、keyword:檜山修之に以下のような記述を追加するという悪戯を思いついてしまったのですが、さすがにやる勇気はない。

 本人の画像は肖像権の関係でこのキーワードには添付できないため、運慶作・矜羯羅童子像の画像を示す。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f2/KONGARA_DOJI_KIMKARA_KOYASAN.JPG

2009-03-12(Thu) 0312 よく晴れましたね。

[][]産経「主張」ネタ切れになる、他。

【主張】小沢代表 疑念晴らさぬのは不可解 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/230758/

 3月3日夕に小沢氏の秘書逮捕され、4日付の各紙オピニオン欄で取り上げられてから、丸9日間になります。ちょっと勘定してみたのですが、産経「主張」欄(社説)がこの事件に関して書いたのは7回目です*1。1回(3/4)は2本分のスペースを使っているので、実質8回分ですか。見出しからざっと数えてみましたが、朝毎読は各紙とも9日間で3回だけでした。秘書逮捕を受けたもの・小沢氏の最初の会見を受けたもの・ほぼ1週間後の世論調査を受けたものという感じで揃っています。少なく見積もっても今日で6回目、他紙の倍ってのは、ちょっと産経もしつこすぎやしませんか。

 内容はといえば、もう書くことがなくなってきたのか、「こいつはろくでもないことをしているに違いない」という先入観と決めつけによる批判とも言えない代物で、まるでどこかの素人が書いている産経批判ブログと同レベルになってしまっています。書くことないんなら書くなよ。休めるときには休んだ方がいいよ、と、同レベルの先輩として忠告しておきます。

性教育訴訟 都議と都に賠償命令 本紙報道への請求は棄却 - MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090312/trl0903121940018-n1.htm

性教育訴訟 都議と都に賠償命令 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/230996

 こんな見出しを付けて、勝ったつもりになっているのでしょうか。

 細かい経緯をここで説明しなくても、自民党古賀俊昭都議・田代博嗣都議・民主党の土屋敬之都議らがやたらと問題視していた“過激な性教育”への批判は、教育への不当介入だという判決です、と述べるだけで十分でしょう。当時、産経新聞は都議側の立場から大々的に“過激な性教育”批判キャンペーンを繰り広げました。そして、議員らと同時に訴えられていたわけです。誰かが何かの問題を起こして裁判沙汰になったとき、それを報道した新聞が一緒に訴えられるって、普通ありえないですよね。よほど一方に荷担して、問題行動(“過激な性教育”批判)の一部を構成していないかぎり。

 産経の偏向報道・歪曲報道はいつものことですが、これは「政治による教育への介入」という、当時の教育基本法の理念を踏みにじる行為に荷担していた、より悪質だという事実が明らかになったわけです*2

教育基本法改正Q&A - 自由民主党

http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2006/kyouiku/qa/q13.html

 今回の判決でも問題にされた(旧)教育基本法の理念についてですが、このページを見ると、自民党による教育基本法の“改正”が、国家自治体による介入(と日教組の排除)を目的として行われたことがよくわかります。しかし実際には、教育への不当な介入が政治によって行われていたわけで、こうした問題を正当化するための“改正”だったとしか思えません。次の総選挙は、この教基法改正に対する信任投票の意味もあることを、思い出すきっかけにしてください。

*1:うち1回は漆間発言に関するもので、別の問題として扱うべきかもしれませんが。

*2:まあ、憲法理念を踏みにじる偏向・歪曲報道をのべつまくなしにやっているぐらいですから、ことさらに言うほどでもないのかもしれませんが。

2009-03-11(Wed) 0311 ひたすら北風。

[][]産経正論」、本音の日関係を唱える。

【正論】米バンダービル大学教授 ジェームス・アワー - イザ!

 ■日米は建前から本音で動け

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/230388/

 防衛庁汚職事件のほとぼりもそろそろ冷めたと思ったのか、ひさしぶりにアワー氏の登場です。このブログで取り上げた範囲では、07年11月の事件以来、アワー氏が「正論」欄に登場するのは初めてです。08年10月に、日米研究センター記念行事の記事で名前が出てきました。その他、08年2月のイージス艦事故の際に、まだ事情もわからないうちに「海自を非難するな」という主旨のコラムを書いています(電子版では配信されなかったので取り上げ損ねましたが)。また、見落としていたのですが、昨年秋に旭日中綬章を受けて記念インタビューが掲載されていました*1

 アワー氏の提唱する、本音で動く日米関係というのは、リニア新幹線技術米国供与せよというのはまあいいとして(その代償がF-22技術供与だそうです)、日本農業人口は少ないんだから切り捨てて日本農業を米国に売り渡せば消費者幸福になるとか、対外強硬派の谷内正太郎前外務事務次官を名指しで、法制局長官に据えて集団的自衛権を認めさせろとか、たいがいにしろというかお前いつからマッカーサーになったんだというぐらいの内容でした。

 文中に登場する、アワー氏の「両国の緊密な関係を支持する」「日本の友人」は、日米関係は"No Action, Talk Only"で、安保条約NATO条約改名しろ、という皮肉だか冗談だかを飛ばしたそうです。これが「日本国が米国様のご指示を行動として完遂していない」という意味なのかどうかはわかりませんが、そういう意味も含めて、アワー氏にそういうことを言いそうな日本の友人に、約一名心当たりがありますね。

2009-03-10(Tue) 0310 夜中雨、陽射しは強いが北風。

[][]産経正論」、まだ過去の人を擁護する。

 なんかずるずると日延べして、やっと9日の記事にツッコみますが。

【正論】元駐タイ大使岡崎久彦 未熟な「二大政党制」の犠牲者 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/229595/

 なにかと思ったら、いまだに安倍ちゃん擁護をやりたいらしいです。中川(酒)氏は野党のせいで忙しすぎたんだ、麻生氏も疲れているように見える、みんな野党が悪い、安倍晋三氏もあのままねじれ国会に臨んでいたらどうなっていたか、とか言っているわけですが(そもそもねじれ国会になったのはひとえに安倍氏の責任なんですが)、タラレバですか。直前のインド訪問も負担だった、と悪いことのように書いていますが、首相外交をやらなくてどうするのか、元外交官に聞いてみたいものです。

 さらに岡崎氏は、安倍氏の病気を(辞任の理由はすっかり病気のせいということになっていますね)「疲労が持病(静養後特効薬が見つかって完治された由)を再発させたのである」と述べていますが、これは本当なんでしょうか。そもそも正式に病名が発表されていません。潰瘍性大腸炎(難病指定)という報道がありましたが、もしそうだとすると、現時点でも特効薬など見つかっていません*1対症療法で押さえることはできるようですが、それなら在任中にも可能だったはずです。岡崎氏の言い分と違い、2006年8月安倍首相は「内閣改造の案を練る」と称して、戦没者追悼式などの儀式と数日のインド訪問以外は、政治家としてなにもしていませんでした。病院に通うぐらいの時間はあったはずです。というか実際に通っていたのかもしれませんが、岡崎氏の言うように、辞任前はどうしようもなくて辞任後急に完治したなんて話には、いったいどういう根拠があるのでしょうか。潰瘍性大腸炎でなければ、極度のストレス性大腸炎だったのでしょう*2。ストレスの原因が取り除かれれば事実上完治するもので、こう考えればすべて了解可能です。岡崎氏が言うように、内閣総理大臣という仕事がたいへんなストレスを伴う激務なのは間違いありません。それに対応できなかった、と一言いえば済むだけの話なのに、なぜ事実と異なることまで書いて安倍氏を不必要にかばおうとするのか、言論人としてなんとも不誠実な態度だとしか思えません。

追記。(3/11)

 コメント欄id:vanacoralさんにご指摘いただいて、見落としていたことに気づきました。岡崎氏は中川昭一氏についても「多少の抗ヒスタミン剤、少量のアルコールからも影響を受けるぐらい」と、「酒のせいではない」という本人の主張に基づいた同じような弁護をしています。先日わたしは、依存症について詳しい精神科ドクターと話す機会があり、その際に中川氏のことを訊ねてみたら、「あれは明らかに酒。眠くなる薬でああはならない。飲んじゃいけないときに我慢できなかったり、『飲んでない』と言い張るようになったら完全な依存症」とのことでした。

*1:期待される新薬はありますが、まだ開発段階のようです。http://members.ld.infoseek.co.jp/ibdgroup/uc.html

*2:以前も書きましたが、これはわたしも同病なので相憐れむ立場ではあります。

2009-03-09(Mon) 0308-0309 ほとんど曇りがち。

[][]産経対馬キャンペーン、相手にされず、他。

 昨日はさぼってしまったので、8日9日分をまとめて、というかほとんど8日分ですが。

「対馬の自衛隊拡充も」河村官房長官 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/229010

 6日の記事ですがいまごろ。冒頭が「長崎県対馬市過疎化が進み、韓国資本が一部不動産を買収などしている問題」と過疎化の話が先になり、ますます「韓国に占領される」とかそういうテーマが後退している産経の対馬キャンペーンですが、参院予算委員会での山谷えり子議員の質問と、官房長官の答弁を報じています。他紙はまったく報じていません。報じられている答弁の内容をよく読むと、離島対策として公共事業投資で配慮する、その一部に自衛隊拡充も含まれる、というニュアンスのようですね。別に、政府が対馬キャンペーンに賛同しているというわけではなさそうです。自衛隊基地の隣接地を海外資本が購入したことも、「合法なんでしょ?」に近い答弁です。

(魚拓)「対馬の自衛隊拡充も」河村官房長官 - MSN産経ニュース

http://s04.megalodon.jp/2009-0307-1531-35/sankei.jp.msn.com/photos/politics/local/090306/lcl0903062225011-p3.htm

休憩中の衆院予算委員会で話し込む麻生太郎首相(手前)、河村健夫・官房長官(右)、中川昭一財務金融担当相 =2月17日午後1時50分、国会・衆院第一委員室(酒巻俊介撮影)

 で、この記事に添えられている写真が*1、なぜか大臣だったころの中川昭一氏が首相・官房長官と話し込んでいる場面のもので、2月17日11時50分という説明がついています。夕方に辞任表明する直前の時点ですね。対馬問題に深く首を突っ込んでいた中川(酒)氏ですが、今はヒラの議員ですし、この山谷氏の質問とも官房長官の答弁とも関係ないのですが、どういうつもりでこの写真を添付しているのか、まったく不思議なところです。まさか先月から用意していた予定稿ってことはないと思いますが。

スーパーチラシ裏の連載一冊に、対馬の歴史自費出版長崎ニュース : 地域版 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞

http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/20090309-OYS1T00273.htm

 「対馬」でニュース検索していたら、こんな記事が目につきました。対馬にあるスーパーマーケットのオーナーが、自社チラシの裏に連載していたコラムをまとめ自費出版したそうです。「初代ミス日本は対馬出身」とか、そういう身近なレベルで対馬の歴史を知る手がかりになる本だそうです。「韓国に占領される」とかそういう話は、それこそチラシの裏にでも(鉛筆で)書いておいてください。

【軍事情勢】ニッポン進化を放棄した絶滅種 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/229302

 ニッポンならぬニッポソを代表する軍事記者・野口裕之専門委員によるコラムです。海賊対策など新たな国際協力の枠組みが必要になっているのに日本国はそれに合わせた進化を放棄している、ということらしいのですが、そもそも戦争を放棄しているのですから、他の国とは軍隊のあり方が違います。警察と軍事の仕事がはっきり分けられており、沿岸警備の仕事を他国は海軍が兼ねているとしても、日本国では海上保安庁による警察と海上自衛隊による軍事がはっきり役割分担されています。強盗対策は警察の仕事、海賊対策は海上保安庁の仕事です。ただ、現実問題として海上保安庁には遠距離航海が可能で海賊に対応できる船が1隻しかなく、そのしきしまはマラッカ海峡の海賊対策に忙しいので*2、今回の派遣では海自の船を借りて、司法処分は海保が引き受けることになっています。その中間、臨検まで今回は海自が行うことになっていますが、本来はこれも警察行動ですから海保の仕事でしょう。政府の方針がおかしいのであって、海自の権限がどうのという話ではありません。

 「まず自衛隊の海外派遣ありき」という考え方自体が、進化を放棄しているのではないでしょうか。

どいつもこいつもいっぺん死ね: 「ふらつかないで」は御自身にこそふさわしい

http://georg-agricola.seesaa.net/article/114800560.html#comment

どいつもこいつもいっぺん死ね: 【断・あぐりこら】血筋に甘える皇族たち

http://georg-agricola.seesaa.net/article/115274271.html

 最近自分のところのコメント返しをさぼって他人様のところにばかり書き込んでいたら、こんなことに(笑)。

 コメントはねー。情報をいろいろいただけるのは有り難いのですが。これはコメント欄に限らず2ちゃんねるマスコミ板「産経抄スレについても同じなのですが、朝読んだ産経論説をその日の深夜24時前に書き込むのが基本パターンなわけですが、当然取り上げるつもりだったものを先に論評されてしまうと、やりにくいというか。いやこれは単なる愚痴ですが。

*1:記事紹介はイザ!、写真ページの魚拓はMSN産経ニュースですが、両サイトとも記事内容および写真・説明は同じものでした。

*2:産経や野口記者は忘れているようですが、ソマリア沖と同じぐらいマラッカ海峡海賊対策も、国際的にも日本のシーライン防衛の意味でも重要で、西アジアアフリカよりは東南アジアでの対策を優先させるのも当然の話です。

2009-03-07(Sat) 0307 晴雨飛び石(今日は晴れ)。

[][][]産経、屋上屋を重ねる、他。

【土・日曜日に書く】論説委員・皿木喜久 北方の歴史への思い新たに - MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090307/erp0903070255001-n1.htm

 あいかわらず嘘ばっかり書いてあります。主に、帰属未定地が南樺太だけなのに樺太島全域の領有を主張できるかのようにミスリードしているところですが(産経のいつもの論調です)、出鱈目として特にひどいのが「前述の樺太千島交換条約である。この条約には、南樺太との交換で日本の領土となる千島列島の〜」という部分で、その前に自分で、樺太(全島)と千島の交換条約であったことを書いているではないですか。この条約が南樺太と(南千島以外の)千島列島との交換条約だったら、北樺太の帰属にはますます問題がないことになります。そこまでの部分で、樺太全島と南樺太をわざと混同させて書いているうちに、自分でもわけがわからなくなってしまったのではないですか? 

 結びの文章はこうなっています。「いま一度みんなが「北方の歴史」についてきちんと学ぶべきだという気がしてならない」。おまえがな。

【主張】米軍イラク撤退 日本の貢献で好循環促せ - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/229061/

 「ブッシュ様の御陰によりイラク戦争は泥沼化しない」と予言した人が恥辱の殿堂に叩き込まれてから6年近くになるわけですが、オバマ政権による撤退計画も発表され、予想以上に深かった泥沼にもなんとか光明が見えてきました。

 曲がりなりにも民主化が成ったイラクをオバマ大統領は「偉大な国家」と評価しましたが、それを「かつてはイラク戦争に反対したオバマ大統領も、ブッシュ前政権の成果を将来につなげる姿勢に転じたのである」と、いまだに「ブッシュ様の御陰」としているのは、いったいどういうつもりなのでしょう。選挙戦でのオバマ氏は、もう十分に民主化したし米軍駐留でかえって治安が悪くなっているから撤退しよう、と主張していたと思うのですが。なにひとつ「転じて」などいません。殿堂の屋上にさらに屋を重ねたいのでしょうか。

「小沢一郎氏の過去の汚れが民主党最大の弱点か」――米紙が伝えた小沢事件 - ステージ風発:イザ!

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/941372

 上の部分を書いたらなぜかふと思い出したので、古森義久氏のブログを見に行きました。古森氏が嫌いな存在といえばニューヨーク・タイムズに民主党(日米とも)です。もちろんその他にも、国連からはてなダイアリーまで嫌いなものはさまざまあるのですが、とりあえず最初の二つが関連したとき、彼がどう行動するのか、興味津々といったところです。というわけで、小沢一郎・民主党代表のスキャンダルを伝えるNewyorkTimesのMartin Fackler記者*1による記事を、古森氏はどう紹介しているでしょうか。

 検索してみるとNYTサイトには該当記事が2本ありますが、1本は「秘書が逮捕された」というだけの速報記事なので*2、元にしているのはこちらの記事でしょう。

Scandal Threatens Opposition in Japan - NYTimes.com

http://www.nytimes.com/2009/03/05/world/asia/05japan.html

 例によって翻訳サイトを通してざっと読んだだけなのですが、どう読んでも小沢氏を批判する記事には見えません。記事本文のほとんどは、「国策捜査だ」という小沢氏側の主張にあてられています。もちろん、古森氏が引用した部分以外にも、たとえば森英介法相による反論なども紹介されていますが、法相の名前の後にわざわざ「a Liberal Democrat,(自民党員)」という注釈がついています*3。また、日本国における国策捜査の実例として、強力なメディアグループの一つを買収しようとした堀江貴文氏が直後に逮捕されて失脚したことを挙げています。わたしにはここがいちばん興味深かったのですが(事実関係としてちょっとどうか、という意味も含めて)、もちろん古森氏はこの部分には触れていません。

 一方、古森氏がいちばん興味を惹かれ、ブログエントリのタイトルにもしたのは、Fackler記者が「小沢氏は自民党員よりクリーンではないかもしれない」と指摘している部分です。しかし記事はその後すぐ、自民党にも捜査が及ぶかもしれないことを指摘し、そうなれば相打ち状態で有権者は政治に絶望するだろう、と述べています。小沢氏だけを攻撃しているわけではありません。

 なんにしても、見事に恣意的な記事の抜粋としか言いようがないですね。

*1:古森氏はFackler記者の名前をカタカナ書きしているのですが、例によって独自の表記、という以上に、普通それは書かないだろという表記をしています。

*2http://www.nytimes.com/2009/03/04/world/asia/04briefs-AIDETOOPPOSI_BRF.html

*3:ここんところは、議院内閣制と大統領制の国の違いを示しているのかなと思うと興味深いですね。

2009-03-06(Fri) 0306 また冷たい雨。

[][]産経、逃げちゃダメだ、他。

 普通今日の分です。

【主張】民主党 「疑惑」解明から逃げるな - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/228677/

 民主党は思考停止状態に陥っているのではないだろうか。

 いやあ。こういう単語を産経から聞かされると堪えますね。

 なんというか、あとはコメントに困りますね。言ってることが全部自民党へのブーメランなんで。永田メール事件のときのように独自の調査機関を作って究明しろ、という提案もありますが、作ったら作ったで、「身内の調査でなにがわかる」とか言い出しそうですし。

 また個人的意見ですが、小沢氏を守り結束を固めるのは、「民主党にとっては」最良の選択かもしれませんが、「政権交代を目指す」立場からは、どうでしょうね。自民党二階派二階俊博会長にも捜査が及ぶという話になると、民主党の「国策捜査だ」という主張が崩れてしまいますし。ただ、この捜査情報は、今のところ「捜査関係者 とか「政府高官」(もちろん自民党議員でもあるでしょう)*1によるものだけのようなので、その点を狙ったフェイクの可能性も否定できませんが。

正論田久保忠衛 日米同盟を本物にする秘策 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/228688/

 バラバラな話題がいくつも続きます。それぞれの部分(段落ですらない)の意味を理解し、相互の関係想像するだけで手一杯になってしまい、「この人は結局なにが言いたいんだ」とイライラしながら読み進め、そして最後まで読んでも、全体のテーマはよくわかりませんでした。米民主党は戦後一貫して日本軍事力を弱体化させようとしてきたという主張であり、それに対して自主武装を強化しなくてはいけない、と結論づけているらしいのですが、はて、親米保守の代表的論客とされる田久保氏かこんなことを言い出すのも、奇妙な話です。

 とりあえず「今日の『正論』はわけわかんなかったぞ」というネタにしようと見出しコピペするときに、ようやく気づきました。あまりに話があちこちに飛ぶのでタイトルまで覚えていられなかったのですが、これが「秘策」のつもりだったみたいです。自主武装じゃなくて、オバマ民主党政権意図通りに日米同盟のコントロール下で日本は軍備強化し、それを米国様に利用していただこう、という話だったんですね。わかりましたわかりました。秘策というか、田久保氏でなければ思いつかないような(他に何人か考えられますが)、驚くべき策ですね。

『正論』の広告の入り方を解析する - ライプツィヒの夏

http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/a48c378da7fb89740683f6e2404ffb0b

 よくこちらにもコメントを戴く(なかなかお返しできなくてすみません)McCrearyさんが、月刊誌「正論」(産経新聞社)の広告状況を逐一調べて報告してくださっています。ウォッチコーとしてはたいへん読み応えがあったので、興味のある方はぜひご一読を。

 ベネトンの広告が入っているというのはたいへん謎ですが(だって反戦とかアフリカ救済のメッセージを強烈に打ち出した広告で有名なところですよ? 本社は、雑誌名の直訳だけ見て出稿を決めてしまったのかしらん)、つくる会が1ページ広告を出しているというのが、わたしにはいちばん意外でした。現時点ではまだ、つくる会教科書扶桑社が出している状態だからかもしれませんが、その著作権裁判沙汰にまでなっている関係なのに。逆に、そこまで険悪化しているのに産経の紙面につくる会の悪口があまり載らないのは、こうして広告関係でお世話になっているからでしょうか。

[]はてな新機能の問題点

Myはてなはてなダイアリープロフィール機能を統合しました - はてなダイアリー日記

http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20090305/1236237004

pr3さんのプロフィール - はてな

http://www.hatena.ne.jp/pr3/

 はてなのプロフィール機能が刷新され、記述できる項目が大幅に増えました。それはいいのですが、プロフィールの中に「性別」や「年齢」などと並んで「血液型」という項目が用意されています。もちろん記入は任意で、記入しないかぎり項目も表示されないようですが。

 このブログではメディアウォッチを中心に、関連して政治問題とか人権問題とかに言及するわけですが、なかでも似非科学疑似科学)関連のエントリは、いつも以上にはてなブックマークを多くつけていただける傾向があります。この反応を見るかぎり、あるいはブックマークランキングなどを見ても、はてなユーザは似非科学に批判的な方が多いと思うのですが、運営側の姿勢はそうした傾向とあまりにかけ離れているような気がします。もちろん、いわゆる「はてな住人」だけではなく、普通のブログやブックマークサービスとして利用している人の方が圧倒的に多く、そうしたサイレントマジョリティーは、世間並み程度に血液型信仰を受け容れている人も多いのだろうとは思います。しかし、そうした傾向を助長する必要性もありません。新はてなプロフィールでは自由に項目を追加できるのですから、さまざまに問題が指摘されている「血液型」の項目をわざわざデフォルトに用意するのは、配慮が足りないという批判を免れないでしょう。

 先日のエントリ*2でも触れたように、血液型性格診断は差別そのものだということを、あらためて強調しておきます。

*1:この部分、別の件と勘違いして書いてしまいました。いずれ改めて取り上げると思います。

*2d:id:pr3:20090303:1236092322

2009-03-05(Thu) 0304 午後から冷たい雨。/0305 ようやく晴れました。

[][]産経正論」の整形後、他。

 5日分ということで。

【正論】帝塚山大学名誉教授伊原吉之助 日本生存のための自助努力 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/228334/

 結論から紹介すると、シナ(原文ママ)は日本を殲滅しようとしているから日本は核武装せよ、だそうです。……。長文は書くけど3行以上は読めないネトウヨの文章を「正論」サイズに整形すると、だいたいこんな感じになるかと思います。

民主主義の危機」ではない 小沢秘書逮捕に思う 論説委員・皿木喜久 - MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090305/plc0903050250001-n1.htm

 あれ? 皿木氏は論説委員長だったはずですが、いつのまに「長」が外れたのでしょうか。単なる脱字かな(まさかと思いますが、産経ならやりかねないので)。

 ロッキード事件の思い出もいいし小沢一郎氏が田中角栄政治的直系であることも事実ですが、結論部分の理屈がよくわかりません。これが国策捜査ではない理由を、小沢氏が権力者だから、という点に求めているのです。国策捜査とは、現政権と対立する権力者に対して行われるものです。純粋に、権力者の犯罪(と疑われる行為)に対して検察のチェックが及ぶのなら、それは確かに民主主義が機能していることになります(皿木氏に「三権分立」の意味が本当にわかっているのか不安ですが)。しかし、検察の捜査が入ったことだけを根拠に、それが国策捜査ではないとする理由にはなりません。

 皿木氏の論法には、

  1. 「検察は国策捜査で動く可能性がある」という前提を無視している
  2. 関連して、「民主主義が機能していなければ検察が権力者を捜査することができない」という前提を置きながら、「国策捜査は民主主義の危機だ」という小沢氏側の指摘を無視している
  3. 小沢氏が権力者とはいえ現政権の権力には及ばない対抗勢力(国策捜査の対象)であることを無視している

 ……という、3種類の詭弁を指摘することができます。こういう人だから産経の論説委員が務まるんだなというか、こういう人が仮にも全国紙の論説委員を務めているのかというか、……ああ、それで「長」が外れたのかな。

民主党解剖】第1部 政権のかたち(3)「小沢ありき」強硬突破 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/228278

 産経新聞の大型連載「民主党解剖」も、昨日は休んで再開後は急激にこの問題にシフトを始めました。党内の動きをまとめてくれてそれなりに読み応えはあるのですが、こうした取材結果はまた別にまとめ、連載は本来予定していた内容で淡々と続けた方が、いろいろ効果的だったんじゃないのかな。よけいなお世話ですか、そうですか。

記事は「正当な取材の結果」と産経新聞が回答(2009/03/05) - 救う会北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=1810

 小沢氏関連ですがちょっと別の話題。3月2日の産経新聞が、北朝鮮拉致問題に関する“小沢氏の発言”を大々的に報じ*13月3日の救う会ニュースで、民主党が産経新聞に抗議したことが伝えられていましたが(上の記事からリンクがあります)、産経側は「正当な取材」と自信満々の回答をしたそうです。ソースを明かせないのは新聞として基本ですし、あとは論評する内容でもないのでメモ的に残しておくにとどめますが、しかし、まさか救う会のサイトをソースにすることがあるとは思っていませんでした(笑)。

[][]産経袈裟まで憎む、他。

 なんか時計を見間違えていて1時間遅れてしまいましたが、4日分です。

農損部に不満のマグマ 北京厳戒 直訴者1000人殺到

(ウェブ魚拓) http://s02.megalodon.jp/2009-0304-0441-03/www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/227883

 まあ、損させられてると不満も溜まりますよね。

遺伝子の大部分が眠っている」 和歌山正論」懇話会で村上和雄

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/228195

 はい、サムシング・グレートきました。短い記事なのですが、村上氏の主張がほぼもれなく詰め込まれています。サムシング・グレートの正体以外は。

【正論】ジェフリー・スミス 保護政策の拡大と政治的対立 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/227914/

 米国政権交代により世界編略も変化し、ひいては世界各国の対応も変わってくることを、軍事・政治・経済など様々な角度から分析しています。なかなか読み応えがあるのですが、なぜか日本のにの字も出てきません。中国EU、あるいはフランス英国といった具体的な国名まで出しているのに、です。産経新聞向け(日本向け)に書き下ろしたもののはずなので、「外国から見た日本」に食傷した読者向けにわざとこうしているのだろうと思いますがふだんは「日本は」「日本の」「日本を」のオンパレードである「正論」欄でこうした文章を読むと、かなり奇妙な印象を受けます。

小沢氏関連。

 今日の出来事感想から先に述べると、ちょっと意外でした。ここはあっさり引いた方がダメージも少ないし、本人のためにもなったし、代表が粘ったまま捜査与党側に及ぶと攻撃材料がなくなる上に「国策捜査」の主張も崩壊してしまいます。そこまで政治勘の悪い人だったかなあ。このぎりぎりの局面で一歩でも悪かったと認めてしまえば致命的な傷になる、という考え方も一理ありますが、「反自民党、消去法で小沢総理待望」も多数派になってきても、本音から小沢総理待望の人は決して多いわけでもないのだし。あと、国策捜査の可能性があるとしたら、直接的に野党を攻撃するものと言うより、なにかを隠すためにやったという可能性が高いように思います。たとえば今日4日は、定額給付金法案の再可決が行われました。

“小沢ショック”で「日本売り」加速 東京円100円台も - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/228256

 あと、電信柱の高さと郵便ポストの赤さもみんな小沢代表のせいです。

小沢事務所労働保険未加入も 社民福島党首も数年間 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/228077

 これはねえ。たぶん産経政治部がずっと追いかけて、大型連載「民主党解剖」でどーんとやるつもりだったのだろうと思うのですが、状況の激変でこんて小さな記事になってしまったのでしょう。ちょっと気の毒ではありです。もちろん、民主党と社民党の党首だけがこうしたミスをしているというのも不自然な話なのですが。

小沢氏側が西松建設献金請求書…「企業献金」認識か - YOMIURI ONLINE

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090304-OYT1T00588.htm

 これは読売スクープで、もしそういうものがあるとしたら検察が動くには十分な根拠なのですが、さて。あれだけ書類の上ではクリーン政治資金にこだわっていて、今でも自信満々な小沢氏が、そんて間抜けなことをするでしょうかねえ。

【主張】西松献金逮捕 小沢氏の責任は明白だ - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/227913/

 面倒だからいちいちリンクは張りませんが、朝日新聞公設秘書逮捕―小沢代表に説明を求める日本経済新聞違法献金容疑に小沢氏は十分な説明を読売新聞「西松」違法献金 小沢代表は説明責任を果たせ毎日新聞社説:公設秘書逮捕 小沢氏は責任を明確にせよ」と比べると、「明白だ」と言い切っています。他紙が二本立てなのに対して産経はこのテーマ一本に絞っているなど、攻撃姿勢を強くしているのが印象的です。

[][][]産経新聞、「犯罪者の味方」呼ばわりされる、他。

 こちらも4日分。いつもコメントトラックバックでいろいろな方々にお世話になっているのになかなか恩返しできないので、それに代えてというわけでもないのですが、お世話になっている方々の記事を紹介させて頂きつつ。

西村艦隊、産経新聞を「犯罪者の味方」呼ばわりする。 - 土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪

http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20090303/1236058140

 経由で。タイトルは真似させていただきました(笑)。

ご報告! 産経新聞への抗議行動! - 新しい風を求めて

http://shinpuren.jugem.jp/?day=20090221

 産経新聞社はついに、新風連にまで抗議されてしまったそうです。

 ちなみに、Prodigal_Sonさんが述べている「よいこのおたのしみ「プラカード間違い探し」については、こちらを参照。

[右翼][ヲチ] 見よ、自称「愛国者」の漢字力! - dj19の日記

http://d.hatena.ne.jp/dj19/20090303/p1

 これは特にすごいですね。

まつりごと と いくさごと Δ: しんぶん赤旗・日曜版50周年、祝辞寄贈者一覧

http://7c7c.seesaa.net/article/115080335.html#more

 またナナシ=ロボさんのところからですが、柔道家山下泰裕氏も「赤旗日曜版」五十周年記念に祝辞を寄せています。山下氏といえば、古森義久氏が国際柔道連盟理事選挙に関して全面協力を訴えていたり、柔道クラブで指導を受けたことを大喜びしていたことを思い出してしまうのですが*2、古森氏のご感想はいかがなものでしょうか。日本共産党は、ある面では産経もびっくりするぐらいの国粋主義なので(千島全島と南樺太の領有権を主張しているのは共産党だけです。産経は北樺太まで領有したがっていますが・笑)、案外話は合うかもしれませんが。

 どうでもいいけど、大女優がずらりと顔を揃える中でマナカナだけ浮きまくってるな(笑)。さらにどうでもいいけど、「サンデー」「マガジン」(やはり今月50周年)と赤旗日曜版って同い年だったのか。

2009-03-03(Tue) 0303 夜からみぞれ。

[][]産経西松建設献金無問題としていた。

小沢秘書逮捕 繰り返される違法献金 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/227782

 政権交代実現(というか自民党下野)に向けて、もはや唯一のウィークポイントだろうけど可能性は低いな、と思っていた部分に、クリティカルヒットが来てしまいました(笑)。まあこれを機会に、身綺麗にするなり、あるいは陰に引っ込むなり――いやそれじゃ予定通りですが(笑)。

 産経新聞は、今回の西松建設裏金疑惑にはけっこう熱心に取り組んでいました*1小沢一郎氏への批判、裏金があるのではないかという疑惑も、言うまでもなく延々と続けていました。しかし、西松建設の裏金と小沢氏の資金を結びつけて問題視した報道は、今までありませんでしたよね。ちょっとこれは、みっともないなあというか、西松の前回の事件(ゼネコン汚職事件)をスクープした過去から見ると、情けないかぎりです。

小沢氏秘書逮捕 金丸氏から託された縁 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/227815

 西松建設と金丸氏の関係が深かったこと、東北地方建設業界で小沢氏の存在が大きかったことなどをこの記事は指摘していますが、後知恵としか言えません。

【疑惑の濁流】どうなる西松建設捜査、3つの疑惑 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/217974/

 2月1日時点のこの記事では、日本政界へのトンネル献金疑惑について、二つの政治団体を通して与野党議員に献金がされていたことや、その具体的なカラクリなどにも触れた上で、小沢氏の政治団体に1400万円が渡ったことまで書かれています。しかしこのあと、小沢氏に対する献金を特に問題視していた様子はなく、このトンネル献金に違法性が疑われるということ事態に気づいていなかったようなのです。同時に森喜朗氏の名前も出ていたから、というわけでもないでしょうが。

 この件はまだ先の展開が見えないのですが、たぶん産経はいろいろ書いてくると思うので、楽しみにしています。とりあえず、連載「民主党解剖」がどうなるかですね。

[][][]産経の無批判体質、他。

 今日は「主張」*2も「日本代表という「日の丸」に対する国民の期待」とか馬鹿なことを言っていたり、「正論*3の渡辺利夫・拓殖大学学長はそんなに福沢諭吉が好きならなんで拓大なんだよ(笑)とか*4、いくつかネタにしたかったのですが、夕方からちょっとそれどころじゃない事態になってしまったので、それまでに書いたものだけ。

サブカルちゃんねる】B型のためのテレビ番組です - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/other/227753

 なんですかこの差別コンテンツは。人間先天的な特徴を笑いものにする行為を差別といいますメジャーシーンに乗らないコンテンツ作製のパワーとか、そういうテーマの記事であることはわかるのですが、なんの批判もなく*5こうしたコンテンツを紹介する無神経さにはほとほと呆れます。

 ちょうど血液型問題を扱ったブログエントリを読んだばかりだったので、なおさら気になりました。

村野瀬玲奈秘書広報室 | 「血への信仰」はいらない。

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1127.html

ssh253 ssh的血液型性格診断考〜血液型に関する小ネタの余白の余白:ssh-スーパー小論文ハイスクールSo-net blog

http://sshshouron.blog.so-net.ne.jp/2009-02-09

 血液型への信仰は、科学的に見せかけて実は根拠のないものを無批判に受け入れる似非科学の温床になるという問題の他に、上記のとおり、直接的な差別行為なのだということを、改めて認識する必要があります。

 ついでに。血液型信仰への批判として、「人間の性格がたった四種類に分類できるわけがない」というものがありますが、これは違うと思います。たとえば(血液型と無関係に)「神経質」「無神経」のたった二種類に分類することは、よく行われています。しかし、村野瀬さんが引用しているshiraさんのご指摘から気がついたのですが、「A型は真面目でAB型は神経質」「O型はおおらかでB型は無神経」っていうのは、性格分類でもなんでもありませんよね。それぞれ同じ性格に対して別の呼び方をしているだけに過ぎません。

[opinion]オピニオン誌へのオピニオン。

 オピニオン誌の休刊が相次いでいます。根本的な原因としては部数低迷によるもので、そのへんの細かい話は後述します。ともあれ今日もまた、保守系または右派を代表するオピニオン誌「諸君!」の休刊が発表されました。

「諸君!」が休刊へ 創刊40年、部数低迷などで - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/227700

 この産経新聞記事では休刊の理由を「文芸春秋は「全社的な事業見直しの一環として休刊を決めた」としている」とし、左寄りとされていた「現代」(講談社)「論座」(朝日新聞社)の休刊にも触れています。

創刊40年「諸君!」休刊へ 部数低迷 - asahi.com

http://www.asahi.com/culture/update/0302/TKY200903020297.html

 一方こちらの朝日新聞記事は、「論座」の休刊には触れていません(さすがに「現代」のことだけ触れるということもしていません)。休刊の理由として、四十周年の節目と並べて「選択と集中を進める」(同社幹部)」を挙げ、新自由主義的には休刊は自己責任ということをはっきりさせています。

 さて。「論座」「現代」の相次ぐ休刊に対し、「サヨ涙目、保守系は売れているぞ」と嬉しそうにコピペし回っていた人たちは、このニュースをどう聞いたのでしょうか。

 ところで、「正論」はまだかな?

 

 オピニオン誌の休刊について、うだうだと述べてみます(ここから先は読み飛ばしてもかまいません)。単に出版不況というにとどまらず、オピニオン誌の機能がネットで代替されつつあることも大きな理由のひとつでしょう。オピニオン誌を読んでいると「この記事に一言申したい」と思うことはよくあり(というかそれが存在意義のようなものであり)、まずその機能が掲示板等で代替され、さらに著名ジャーナリスト*6の記事もブログとしてネット上で無料で発信される傾向が強まり、さらにコメントトラックバックで直接反論を伝えられるようになると、オピニオン誌の存在意義はどんどん薄れていきます。ある事件が起きたとき(たとえば政権交代目前に最大野党代表の政治資金問題が発覚したとき)、それをあの論者はどう評価するだろう、という期待に対して、オピニオン誌の反応は一ヶ月後、本人のブログでは早ければ即日に意見がわかるのですから、話になりません。一方、たとえば新聞電子版では次から次とページを開いてもらえるので広告収入もあるていど期待できますが、オピニオンについてはそうしたビジネスモデルも成立しにくい状況があります。雑誌に比べると配信コストは驚くほど低い(独自ドメインでも年間数千円、無料ブログサービスを利用すればゼロにもできる)のですが、論者の収入もほとんど見込めないので、オピニオン誌がすべてネットに移行することは不可能だろうと思います。そういう意味で、記者ブログとニュース記事を連動させるiza!の試みは本当に興味深いと思うのですが、一般iza!ブロガーの質に最大の問題がありますね(笑)。あとは、ポータル系のニュースサイトに付随するコラムとしてオピニオンを掲載してもらうぐらいしかなさそうです。これはかつて新聞がやってきたことと同じですが、限られた紙面に長い論説を掲載することができないために「正論」「論座」などが独立創刊されたのとは、同じようにはいかないだろうと思います。

 オピニオンへのニーズはあるのでまったく廃れてしまうことはないでしょうが、専業の「評論家」のたぐいが成立しなくなり、誰でも発言できる中から優れた意見が注目されていくという、「誰が言ったかよりなにを言ったか」の時代になるのかもしれません。かなり希望的観測ですが。

異論暴論】正論4月号 From ケータイサイト 「麻生支持4割」の意味 - MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090303/bks0903030826001-n1.htm

 ついでに。3月から産経の紙面がリニューアルされ、わけのわからないコーナーが増えたのですが(電子版だけかもしれませんが)、雑誌「正論」の内容紹介も始めたようです。「正論」サイトの会員アンケート麻生内閣支持率が4割というのは驚異的な低さだと思うのですが、櫻井よしこ氏はこれを高いと評価し、紹介記事としても「通常の世論調査〜だけでは見えない民意の断面」だとか言っています。ある意味、「正論」は永遠に潰れないのかもしれません。

*1d:id:pr3:20090116:1232117671 など。

*2http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/227503/

*3http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/227484

*4:念のため、渡辺氏は慶大OB。しかし教員にはなっていません。

*5:問題のDVD血液型差別を逆手に取った批判精神が仮にあったとしても、この記事からは伝わってきません。

*6:こもりん、花さん、あびるん等含む。「著名」ではあります。

2009-03-02(Mon) 0302 北風も太陽も冬。

[][]産経、後戻りできなくなる、他。

民主党解剖】第1部 政権のかたち(1)「小沢首相」は大丈夫か - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/227122

(図版) http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/situation/090302/stt0903020008000-p1.htm

 「拉致問題北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」

 この小沢一郎氏の(とされる)発言は、産経新聞の大スクープでした。他社にはまったく相手にされていませんが。「第七艦隊」発言のときと違い、民主党幹部が釈明に追われるという事態にもなっていないようです。

 記事の図版がなぜかiza!の方には掲載されていないので、MSN産経ニュースの方から貼っておきますが、産経新聞は民主党をこう認識しているようです。支援団体として立正佼成会世界救世教いづのめ教団をわざわざ挙げているのですが、いづのめ教団は初耳でした。世界救世教系列の団体は多数あって、正直さほど勢力が大きいとは思えないこの教団だけを書く意味がわかりません。どうせなら、同じようにして自民党支持宗教団体の一覧でも書いてみたらどうでしょう。こんな狭い枠じゃ書ききれないと思いますが。他は、連合解同民団と、ネトウヨコピペにいつも現れるような名前ばかりです。日教組と連合を別勘定にしなかっただけ褒めてあげましょうか。

 あとはもう、外交姿勢とか院政を狙ってるとか健康不安説とか、やはり小沢氏への批判としてはありきたりなものばかりなのですが、産経としてはもう後戻りできないぐらい姿勢がはっきりしたとは言えるでしょうね。遅くとも9月までには、いよいよ権力批判する産経新聞が見られそうで、実に楽しみです。それまで産経新聞の発行が続いていれば、なんて憎まれ口は叩きませんが。

【主張】東京五輪招致 国会決議がはずみになる

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/227197/

 新たな「東京オリンピック」の実現をめざす動きに、まだはずみがつかない。(中略)

 産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の最新の合同世論調査では、東京五輪に賛成と答えた人は58・3%と、他の3都市よりはるかに低い。後押しの国会決議が、何としても必要だ。

 「中略」とかいって本当に最初と最後だけ引用しましたが、はずみがつかないのはそれだけ反対の人が多いからです。国民(少なくとも東京都民)の全員とか圧倒的多数が賛成しているなら、はずみがどうのこうの言う必要もないわけで。

 このアンケートでの賛成票についても、多少疑問があります。「五輪そのものは楽しみだけど、東京開催のデメリットは考えていない」という人は、賛成反対どちらに票を投じるのでしょうか。

 東京五輪招致ってなにかに似てるな、と最近思っていたのですが、定額給付金と似ていませんか。「もらえるなら受け取る」「開催するなら(テレビで)観戦する」という人の割合は高いのですが、定額給付金については政策として賛成している人の割合は高くありません。「決まってしまえばしかたないから結果を享受する」という態度と、「止められるうちは止めた方がいいんじゃないか」という態度は、両立するのではないでしょうか。

アニメ日本の魅力発信 「五輪招致」石原知事インタビュー  - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/227039

 これは昨日の記事ですが、ご本尊のこういう発言も伝えています。ふざけんなこのクソ野郎ネット表現・アニメ等への規制派筆頭である竹花豊氏を東京都教育委員に起用した本人が、一方でのうのうとなに抜かしてやがるんだこのド腐れ外道が。*1

 日本映画が今年のアカデミー賞外国語映画部門を受賞し、大いに「日本の魅力発信」したと言われています。その監督ピンク映画出身であることを、ネタとして楽しんでいる人がいることはかまわないのですが、文化というものがどうやって成立するのか、それを支える人材がどうやって育つのか、考える機会にしてもいいだろうと思います。少なくとも、文化の生み出した成果を享受しようと唱える人ならば、それが最低限の義務だろうと信じます。

麻生政権考】国家を損なう 政権のための外交 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/227267

 高木桂一記者が、麻生政権の外交を批判しています。当然、ホワイトハウスにいち早く押しかけて支持率上昇を狙ったばかばかしさを批判するのだろうと思ったら、そんなことは一言も述べられていません。ひたすら、その前の日ロ首脳会談と北方領土交渉の話題だけで通しています。産経ですから(掲載はSANKEI EXPRESS領土問題の強硬姿勢を唱えるのはわかるのですが、オバマ桃太郎に向かって真っ先に「お供します」とこびへつらうポチの姿を完全スルーというのもすごいですね。

田母神前空幕長がロス講演で、衆院選出馬に含み

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/227275

 そんなに気になる人物というわけでもないのに、どうしてもタモちゃんの話題が多くなってしまいます(笑)。いやほら、産経が熱心に報じるから(これは共同通信の配信記事ですが)。

 この記事は見出しのとおり、衆院選出馬に含みを残したあたりが主眼の短いものなのですが、会場のリアクションなどはどうだったのか、産経には詳しく伝えてほしかったところです。別記事出るかな? 

*1:このブログは、あまり下品な表現を使わないという方針で運営しています。このエントリでもこの方針は適用されています。これが彼に対する最大限上品な表現です。

2009-03-01(Sun) 0301 きつねのよめいり。

[][]産経「主張」、視野が狭すぎ。

【主張】尖閣諸島 いま必要な毅然たる姿勢 - イザ!

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/226960/

 韓国竹島周辺の警備を強化し、国会答弁で「独自の領土」の主張を確認したら、産経は猛反発し、日本政府は抗議せよ、と主張するわけですが(実例があったか忘れましたがまず確実にやるでしょう)、尖閣諸島について日本が同じことをしたら、中国政府を非難するわけです。

 それにしても、産経にしろ麻生内閣にしろ、尖閣諸島問題の意味を理解しいるのでしょうか。現在東アジアにある軍事的問題で、北朝鮮については何かあっても米中協力して押さえ込むことが前提になりますが、尖閣諸島で武力紛争が起き、そこに米軍が介入するのは、台湾海峡のすぐ隣で米中衝突という事態を意味するのです。もちろん、米側もそれを承知した上でソックパペットを動かし、プレッシャーをかけているのかもしれませんが。