黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、戦没者を蔑ろにする。他。

 黙祷

【主張】終戦記念日 国家の心棒、立て直す時 鎮魂の日に思う難局の打開 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/290020/

 「産経抄」は現在、複数の筆者による輪番制ですが、その中に(少なくとも)一人、話をまとめられない人がいます。700文字前後で毎回6段落のコラムに、5個以上の話題(つまり1個の話題あたり1段落使えるかどうか)を詰め込もうとして毎回破綻しているので、産経抄ファンクラブではこの人が出てくるとみんな大喜びなのですが、どうやらこの「主張」もその人が書いているような気がします。
 詰め込まれた話題の数はかぞえる気にもなれませんが、まあ周辺の軍事的脅威とか憲法九条とかそのへんが多いようです。北朝鮮による拉致問題も九条(絶対平和主義)が悪いそうです。「一度民主党に任せよう」という態度も間違っていて、話し合いはしつつ激論は国益を損ねるそうで、暗に大連率を求めているように思えます。国民は心を一つにして難局を乗り切るべきで、戦後レジームも変えるべきだとか。
 このとっ散らかった文章をなんとかまとめてみると、「軍事強化」「大政翼賛会」「国民総動員」「精神的支柱(靖国神社国家神道皇国史観など)の確立」といったあたりになるんでしょうか。いや、これはけっしてわざと曲解しているわけではなく、そうとしか読めないのです。これが慰霊の日に書くことか。とってつけたような鎮魂の言葉が、あまりにも空々しく響きます。

【土・日曜日に書く】論説委員・皿木喜久 国のメッセージを伝えたい - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090815/plc0908150329002-n1.htm

 この日の「土曜日に書く」を任されるということは、7ヶ月で論説委員長から降格した皿木氏も、べつに失脚したわけでもないんでしょうかね。内容を見ると、あいかわらず降格は当然という感じですが。
 日韓首脳会談で、麻生首相が、このままでは国内の核武装論を抑えられないと述べたという朝日新聞のスクープは、核カードの1枚目を切ったことを意味します。皿木氏は「日本が核武装するなどと思っている日本人はほとんどいない」とか言いながら、それをなんだかんだと理屈をつけて肯定してみせます。
 ……いや、実は、ここまではまだいいんです。この文章は続けて、いきなり「靖国参拝自民党は勝つる!パート4」になってしまうのです。これは選挙に勝つる!ではなく、外交の舞台で、ということですが、あまりの飛躍にアゴが外れそうになってしまいました。