黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、嘘をつく。

【主張】田中文科相 速やかに謝罪し辞任せよ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121109/plc12110903260003-n1.htm

 田中真紀子文部科学相の言動を100%支持はしないのですが、役所の壁を破るには多少乱暴な方法が必要だという考え方は理解できます。そうしなければ官僚支配は打破できないという事実を明らかにしたことが、民主党政権の数少ない功績でしょう(できなかった、という点も含めて)。
 まずこの「主張」は、いきなり《3大学の新設を不認可とした問題》と、でたらめを書いています。実際には「認可を見送った」だけで、不認可の決定はしていません。認可を先送りすることによる混乱は問題ですが、肝腎なところで嘘をついてはいけません。ていうか自分でそのあと《「まだ不認可処分をしたわけではない」》という言葉を引用しています。わかっていて嘘をついているわけで、その罪は重いと言わざるを得ません。なんのためにこういうことをするのか、田中大臣と民主党政権に悪印象を与えるためのミスリードを狙ったとしか思えないのですが、どうでしょうか。
 《新基準で再審査することなど法治国家では許されない》というのも疑問で、大臣の認可権を法律が認めている以上、いくら審査会がOKを出しても不認可になる可能性はあるのですし、そこに救済策を提示することも不合理とは言えないでしょう。《(役所の)中からだったらブレークスルー(突破口)を作れると思った》という田中大臣の発言を《無責任そのもの》と評していますが、なにが悪いのかまったくわかりません。壁を壊す方法が他にあるというのでしょうか。
 繰り返しますが、田中大臣の今回の言動がすべて正しかったとは言えません。しかし、評価すべき点も多々あるのではないでしょうか。嘘をついてまで非難されるような判断だったとは言えません。