良い面を認めよう   

古賀園長

きょうは初代の上野動物園長 古賀忠道の誕生日だ。 1903年生誕〜1986年逝去(82歳)。
佐賀県に生まれ、大学で獣医学を学び東京市の公園課に就職、上野恩賜(おんし:天皇から授かった)公園動物園に勤務した。この公園動物園は1882年に開園したが、1936年にクロヒョウ脱出事件が発生したとき園長がいないことが問題になり、翌年彼が34歳で初代の動物園長に就任した。
戦後は、子供動物園の開園やオサル電車の開通など、子どもたちが明るい夢を持つようなことを企画しようと努力した。
1929年にはインドのネール首相よりアジアゾウの「インディラ」が贈られ、この象をを中心とした移動動物園を実施した。
動物園を退職した後は、東京動物園協会理事長に就任するとともに、国際自然保護連合(IUCN)日本委員会の委員長をつとめた。世界野生生物基金WWF)日本委員会の設立にも奔走した。
動物というのは、動物好きの人にはすぐなつくが、動物嫌いな人がうわべだけでかわいがろうとしてもなつかないもので、そんな人は「これだから動物は嫌いなのだ」と言ったりする。
人間関係の場合も同じようなもので、相手を嫌いになると相手からも嫌われてしまうものだ。
逆に相手の良い面を認めようとしたなら、相手からも好感を持たれるものだ。
人間関係の基本は、まず自分が相手を好きになることだ。

クロヒョウ事件
 1936年(昭和11年)の三大事件のひとつで、シャム(現在のタイ)から連れてきたメスのクロヒョウが、人に不慣れで全く運動場に出ないため、夜間だけ寝室と運動場の仕切りを開け放しにしておいたところ、わずかな隙間からおりの外へ脱走してしまった。
 皇室の休憩場所として建てられた閑々亭の裏の排水溝に逃げ込んだクロヒョウを700人もの人が様々な方法で捕獲を試みたものの、ことごとく失敗に終わった。最終的には、一人の人間が排水溝にもぐりこみ、ところてんのようにクロヒョウを押し出す形で捕獲に成功したようだ。
 ちなみにクロヒョウ事件以外のこの年の三大事件は、2.26事件と阿部定事件だ。



古賀忠道のことば
  「動物園は平和なり」
  「弱者をいたわる心を子どもたちにうえつけていきたい」


古賀忠道の本  動物 (小学館の原色図鑑 ポケット版 新装版 5)
           いま動物園がおもしろい (岩波ブックレット)いま動物園がおもしろい (岩波ブックレット)