こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。
担当のITさんとIDさんと、2名の方で見ていただきました。

今日の課題
1、いつ?どこ?クイズ
2、ひらがな穴埋め
3、?番目の文字は?(音韻認識課題)
4、マグネットパズル、風景パズル

今日は、ここでの療育にアーチャンも慣れてきたので、療育中は僕達親は、間仕切りスクリーンの奥のソファに座って待機して、アーチャンと先生とだけで課題に取り組みました。
お伺いする前に、ITさんから携帯メールで、その旨を先にアーチャンに説明して理解させておいてください、とのことでしたので、「アーチャン、今日良かったな、IT先生独り占めやで」と言うと、「エェー」と言いながら頭の後ろに腕組して、のけぞりましたが、顔は明らかに嬉しそう。「ID先生は?」と聞くので、ID先生も一緒やで、答えるとさらに嬉しそう。
療育の後、担当のITさんから今日の課題のねらいなどをお話いただいた。
今日は、一人で課題に取り組みましたが、緊張することなく、よく正解したり、少し間違えてもちょっとしたアドバイスで、修正が効いたりと、良い感じだったようです。
1、いつ?どこ?クイズの課題も、最初は3チャンクの質問文と、答えは二択と負荷の小さい物で進めて、最後の三問で、答えを三択にして、様子みられたそうですが、何とか答えたようです。
2、ひらがな穴埋めは、動物などの絵を見て、ひらがなで答えを書き込む問題。回答の時、例えばカエルの場合、普通は思い出したりするのに、頭文字の「カ」から始めて言うのが、アーチャンの場合、最後の「ル」から始める場合が多いらしく、この辺りの認知のパターンが逆転しているのか、また検証していただけるようです。
3、?番目の文字は?(音韻認識課題)では、最初、三文字の問題を聞いて、二番目なら二番目の言葉は何かを答えるという設問だったそうですが、聞かせるだけの設問ではなかなか難しいらしく、指などを使って、視覚に訴える形にすると少し答えることができたそうですが、それでも3文字は負荷が多い様子だったので、2文字に変えてしていただいたそうですが、なかなか理解が難しい様子だったらしい。
アーチャンは時々メモ紙に、自分で算数の問題書いて解いたりしているのですが(といっても大抵答えは間違っているけれど)カーチャンが見ていて、二桁同士の足し算になると、十の位は足し算しているのに、1の位では引き算していたり、混乱していることがある、と気づいたポイントをアーチャンの書いたメモを元に説明しました。ITさんのお話では、位が大きくなると、負荷が増えて、何をするべきなのか、というところのワーキングメモリーの引き出しから出してくる作業が難しくなり混同しているのかもしれないとのお話でした。この辺りはどんな風に克服していけば良いのか、そのメモをお渡しして、少し検証していただくように御願いしました。
4、マグネットパズルは、本来はバラバラのカードを無地の台紙に課題見て並べるものらしいのですが、今日は課題の絵の下敷きを使って並べたようです。それでも、並べるべきピースと置く場所の向きが反転していたりすると、なかなか形を理解するのに時間がかかり、回転させての認知がまだ難しい様子らしい。以前、PWSの視覚特性の研究を読んでいて、回転系の認知がとても優れたPWSの人がいて、研究者さんが驚かれたのか、研究論文書かれていましたが、PWSに固有の能力なのか、個別の話なのか分りませんが、今のところアーチャンは回転系の認知は苦手のようですね。

prader-willi症候群の視覚認知特性について
http://ci.nii.ac.jp/naid/20004059277/
CiNiiより引用

風景パズルは写真が無いので、説明難しいですが、例えば、ある森の風景のようなものを構成する抽象的な山や木を二次元平面のブロックにしたものの配置モデルを、上から俯瞰した状態の平面を見て、同じように並べて、風景を構成するという課題。並べた後で、真横から観て、また二次元的な重なり合った立面として理解するという感じの課題。
これも概ね回答できたようですが、並行に置くべきピースを縦方向に置いたり、位置が少し間違っていたりと、いくつか整合しないところはあったようですが、少しアドバイスすると修正は効いたようで、だいたいは近い感じで回答できた様子でした。

マグネットパズルの課題で作った車のかたち。

休憩の時に描いたアンパンマンの絵。アンパンマンの人形が部屋に置かれていたので、特に気になった様子でした。
 

それから今日は先生が折り紙の本を用意してくださって、また新しい形のおり方など教えていただきました。なかなかよく出来た折り紙の本で、とても複雑な、引っ張るとポンと開くカメラなど、難しい物も、IDさんに手伝っていただきながら、何とか作っていました。