ウルトラファクトリー展

もしピニンファリーナの工房が公開見学できるとしたら、誰もが見たいと思うだろう、そんな感じと同じ気分で、家族と出掛けていきました。
先々週に、ヴォーリズさんの駒井邸のイベントhttp://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080913/artに行った際に、地図見ていて、すぐ近くに京都造形芸大があったので、何かイベントがあれば寄ってみようと思っていて、調べていてこのイベントを知りました。午前中ここを見て、それから、高瀬川のお祭に行く予定。出町柳からバスに乗り、芸大前で降りて、行き当たりバッタリの我が家は、多分どこかに案内版があるだろうと適当に北側門から入ると、どこにも案内は無く、適当に上に上がると、学生さんがうじゃうじゃ居て、ホールで何やかんや作っているので、ここがウルトラファクトリーですか?と聞くと、ここは違うので、案内しましょうと担当の先生らしき方が親切にも一緒に連れて行って下さいました。たしかにここ初めてだと分かりにくいですね。敷地がかなり急な傾斜地というのか、ほとんど崖みたいなところに建っていて、かつ建物も複数分散していて、おまけに傾斜があるから、こちらで1階がこちらではB2階であったりと、とても混乱する。このウルトラファクトリーのある至誠館の設計者の隈研吾氏は意図的に、迷路感を演出しているのか知れません。
辿り付いたウルトラファクトリーは、全体のプランが無いので分かりませんが、少しこじんまりとして、ファクトリーと言うよりはアトリエの方が感覚的には近いようです。
あえて、アトリエとか工房とか言わないでファクトリーと呼ぶところ、少し全体的に演出があるように思いました。
アーチャンやカーチャンはネコのオブジェがとても気に入った様子。
ここでは、スタッフの作業着から、テーブル、椅子、あリとあらゆるものがデザイン部門のスタッフによってデザイン提案され、それをヤノベケンジさんたちディレクターがチェックして、ファクトリー部門が作品化していくという分業的な作り方がされているらしい(スタッフさんの説明による)
制作されていたのは、パパ・タラフマラ新作公演「ガリバー&スウィフト」の舞台装置と、平和博物館会議の展覧会http://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/conference/に出品される作品。
ファクトリーには、現前するあらゆるものを新にデザインしてオリジナルなもの作り出す、その意欲のエネルギーに満ちていました。生活の場で、あらゆるものを統一的にデザインすると、そのエネルギーのようなものに圧迫されて、かえって快適でなくなるという矛盾した光景を想像してしまいますが(例えば世界で最も有名な住宅である、フランクロイドライトの落水荘は、実際には、ほとんど住まわれることなく記念館になっているという風に。)、でもここでは、少しその辺りに、意識が向いているのか、テーブルのデザインが、真中に既製の新しい丸テーブルを持ってきて、その周囲を廃材で囲って四角いテーブルに変化させたり、椅子も同様な方法で、リニューアルとは逆の手順で、あえて異なった時間やイメージを無理やりくっつけていて、それがうまく空間に呼吸をさせている感じがしました。舞台装置ということで、キャラクターの強いものが、所狭しと制作されていましたが、キャラクター性の薄い、そのようなリサイクル的な家具類が、僕にはボディブローのように効いて来ました。

ウルトラファクトリー展
http://ultrafactory.seesaa.net/
http://ultrafactory.up.seesaa.net/image/WIPA5B9A5B1A5B8A5E5A1BCA5EB.jpg
京都造形芸術大学
http://www.kyoto-art.ac.jp/art/special/ufactory.html