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プラダーウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)の情報のメモ

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2016-08-03 アーチャン16歳9ヶ月

[][] 加藤巧「ARRAY」

6月に家族と共に伺い、その作品群に強いインパクトと共鳴するところを感じたのですが、そのイメージを言葉にすることがなかなか難しく、7月のトークショーをお聞きし、また直接質問させていただくことで、理解が深まりました。

Konohana’s Eye #12

加藤 巧 「ARRAY」

http://thethree.net/exhibitions/3613

the three konohanaのwebより引用

作品は、卵テンペラという古典的な手法で描かれた小さな絵画で、それをグルーピングするように並置している、と一見すると、とてもシンプルな抽象画でした。

しかし、ギャラリーの山中さんから、制作のプロセスを伺い、問題意識の射程の深さが感じられると同時に、衝撃が走り、言葉を失いました。

その制作プロセスは概略次のようなものとの事。

1、 作者自身による原画(アクリル絵具によるモノクロのドローイング)があり、それを元に、精密に再現して描かれている(色彩以外)

2、 卵テンペラは、アクリル絵具のような、滑らかな筆によるストローク表現等は出来ないので、絵具を微細な点のように画面に置いて描いている。

3、大きさの異なる3種類の絵画は、それぞれの点数に従い、ギャラリーの壁面の長さを等分割して配列されている。故に、3種類の大きさの絵画をグルーピングしての展示構成ではない。

私が感じたものを、言語化するには、トークショーの際に質疑として考えをまとめるのが一番良いと考え、参加しました。

下記はトークショーでの質疑のメモ(1度で言い切れるような内容ではありませんし、やはり当日うまく言えなかったので、ここで整理して、補足の追記もしていますので、ここで改めて質疑をしているのかもしれません。)

加藤さんの作品を拝見して、共鳴しましたし、その理由として、いわゆるアールブリュットと呼ばれるアートの方法との関係について感じましたし、関連についてお聞きしたい。(もちろん、加藤さんの作品がアールブリュット的であるという理解をしている訳ではありません)

私が、山中さんのthe three konohanaへ、継続して伺うようになったのは、最初にキュレーターされた、2012年の、なんばパークスでの「リアリティとの戯れ-Figurative Paintings-」展で、アーティストたちの不安げな断片的な視点に、観察者中心座標系を失ったような、イメージを感じて共鳴し、そのイメージに対して「アールブリュットを偽装する」と感想を記してからでした。(偽装という言葉を使っていますが、否定的な意味では無く、現代アートの方法によって、アールブリュットは方法化可能=批評可能である、との思いからです)

少し長いですが転載。

「リアリティとの戯れ-Figurative Paintings-」

http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20120325/art

娘のアーチャンのように脳に変異があって、明らかに視覚認知の観察者中心座標系がうまく機能していなくて、構成障害のような固定的な焦点を持った絵画や重なり図が描けない人のアート(いわゆるアウトサイダーアートやアールブリュットという括りの)を継続して見てきたので、ナチュラルに構成障害的な表現のアートと、その魅力を意識的に取り入れて構成障害的表現を構成しているようなアートの違いみたいなことを感じ易くなっているし、常に頭から離れない意識のようになっている。そして、少しずつではあるけれど、それらは峻別可能だし、分類されるべきものなのかもしれないし、構成障害的表現をある意味偽装しているようなアートと言ってしまうと比喩は適切でないかもしれないけれど、その偽装のようなものに、ある意味で希望のようなものが見えてこないかと思い始めている。

むしろ観察者中心座標系をいかに壊す事ができるのか、どのような方法があるのだろうか、そのような探索に深い意味(リアリティ)があるのではないか、そんな風に思い始めている。

それは逆にアーチャンへのアートセラピー通じての、観察者中心座標系の変異から、いま、ここ的感覚の獲得への介入の、こちら側からのジャンプのように。

最近、このような観察者中心座標系(視点依存的な)の変異のある人の視点に、生き延びる為に、視覚認知における変形項の認知より、不変項の認知に残された能力を費やしている、そんな印象があります。それは発達障害のある人の脳の変異のほとんどが、左脳側にあり、観察者中心座標系は左脳側にあるとする仮説からの類推ですが、残された右脳側の視覚認知能力=環境中心座標系=視覚認知の不変項(視点非依存的な)の表現に結び付いているのではと考えます。

発達障害、脳の活動場所に違い 三邉金大教授ら確認

http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20120316/brain

加藤さんの展覧会のステートメントの中に、JJギブソンのアフォーダンス理論からの引用がありますが、ギブソンの理論のうち、視覚認知における不変項の認知に関して連想しました。

アールブリュットのアーティストの方法で、とても重要なものとして、二次創作があると思いますが、それは、上記の不変項の認知を得る為に、よりそれを得やすくする為の、止むにやまれぬ行為であり方法ではないかと感じます。

私たちが普段何気なく物を見て、視覚認知も、無意識のうちに、処理されている訳ですが、アールブリュットのアートのように、不可避的に変異が生じたことにより、視覚認知処理過程が、分離され、視点依存と非依存のあり方が露出してくるような、表現と、それに対して、意識的にそれらを分離し、再構成する現代アートには、強い親和性があると感じています。

加藤さんの作品には、アールブリュットとは対局的な、意識的な方法による、様々な構成要素の徹底的な分離と、再構成を感じます。

加藤さんからの回答は

JJギブソンの理論の重要な考えは包囲光配列であり、しかし、画家たちは、ギブソンの理論が出る前から、そのことには気付いていて、表現していたという事をステイトメントに示した。

アールブリュットに関しては、同じ事の繰り返し、反復について、関心を持っていますとの事でした。

ご返事感謝です。

改めて作品に対しての感想。

小さな画面の卵テンペラの絵画は、自身のドローイングの二次創作であり、具象性や他者性が無く、大きさに対して非依存的であり、大きさの無い世界とも感じる。それは視覚と同時に皮膚感覚に近接する。

それら点のような作品群を、具体の場所に等間隔に並べるルールで配列するとき、その配列の中に大きさの世界と不変項を感じる。

トークショーの最後のところで言われた、「無思考では居られない」は、途上、自己言及の話題に対してのオーディエンスからの「自己言及ではなく、判断留保ではないか?」との問いに対する加藤さんからの回答と感じました。

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