デザインの骨格「骨」展

今回のブログを担当する事になりました、たまです。
21_21 DESIGN SIGHTの企画展、「骨」展 Bones に行ってきました。
「骨」というと恐竜の骨や人骨など有機的なモノを連想させる響きがあります
が、今回の展示会は医療用の人工関節やX線写真でとらえた骨組み、からくり人形にいたるまで12組のクリエーターたちによって表現された工業デザインを中心とした「骨」たちでした。


入口をはいると目の前には日産フェアレディZのホワイトボディ!
たしかに「骨格」です。

採光が取り入れられた静かで明るい建物の階段を降りていくと、湯沢英治さん(フォトグラファー)の作品が展示されていました。私はそのなかのハブの骨格写真に釘付け!沖縄に行くとお酒に漬けられているあのハブです。獰猛なイメージがありますが骨格は非常に繊細で美しいものでした。


いろいろな作品を矯めつ眇めつ眺めながら進んでいくと、さらに興味を引かれる作品に出会いました。
「another shadow」。これは緒方壽人さん(コンピュータサイエンス研究者)と五十嵐健夫さん(デザインエンジニア)が共同で作られたもので、壁に自分のシルエットを映すとそのシルエットが「もうひとつの影」となってリズミカルに動き出すというインタラクティブな映像作品です。バンザイをしたり脚を挙げてみたり、何度も行ったり来たりしてうねうねと影を踊らせてしまいました。

最後にわしづかみにされた作品は、参(デザインプロジェクトグループ)の「失われた弦のためのパヴァーヌ」。それは弦のないピアノでした。触ってみたい!そこには「展示作品には手を触れないで下さい」という常套句はなく、なんと「お試しください」の文字が。鍵盤をおすとポロンポロンという音と共に光が踊り出るとても幻想的で素敵な作品でした。

今回の展示会を見て感じた事は、工業製品としてテクノロジーを駆使して作られたモノにも、時として生命を感じるという事。意図して作られた訳ではないと思うのですが、クリエーター達の心意気が伝わってくるのでしょうか。
なかなか興味深くおもしろい「骨」たちでした。