叢書 群島詩人の十字路 マイケル・ハートネット+川満信一 詩選 今福龍太編

このブログで、幾度か紹介している「サウダージ・ブックス」の刊行するシリーズに昨年第1弾の『アルフレッド・アルテアーガ+高良勉詩選』により始まった『叢書 群島詩人の十字路』があります。

複数の言語間の揺らぎを持つ詩人たちを毎回二人一組で紹介するものです。詩人の選択、そしてその組み合わせの妙もあり、気になるシリーズです。先日「サウダージ・ブックス」代表の淺野卓夫さんが待望の刊行となった第2弾『叢書 群島詩人の十字路 マイケル・ハートネット+川満信一 詩選 今福龍太編』を持ってきてくれました。

英語から決別しゲール語に回帰した孤高のアイルランド詩人、マイケル・ハートネット(Michael Hartnett 1941〜1999)と宮古出身のパナリ(離れ島)の詩人思想家、川満信一(1932〜)による「夢の声合わせ」としての詩集。両詩人のエッセイ、および編者である人類学者・批評家、今福龍太さんの語り下しの解説も付いています。


川満信一さんは琉球自立論を唱えた思想家として有名で、また島尾敏雄さんの盟友として、島尾さんの著書にも名前が出てきます。思想家として知られる一方で若い時から詩集を刊行しており、今回の本には、第一詩集、第二詩集、個人雑誌「カオスの塊」から収録しており、貴重な1冊になっています。

マイケル・ハートネットはロルカの翻訳をしたいが故にスペインに留学したそうで、また川満信一さんもロルカに傾倒してたという共通点もあり、今福さんによるこの二人の組み合わせの選択が深いところで繋がっていることが見えたりして興味深いです。本の作りもオンデマンド印刷にペーパーバックというのも、この叢書の内容とサウダージブックスの姿勢に似合っていて好ましいものです。
(文:悦)






book data:
title: 叢書 群島詩人の十字路 マイケル・ハートネット+川満信一 詩選 今福龍太編
publisher: サウダージ・ブックス 
author: 著者:マイケル・ハートネット、川満信一 編者:今福龍太
price: 1200(税込)


title: 叢書 群島詩人の十字路 アルフレッド・アルテアーガ+高良勉詩選 今福龍太編
publisher: サウダージ・ブックス 
author: 著者:アルフレッド・アルテアーガ、高良勉 編者:今福龍太
price: 1200(税込)

sweet dreams vol.4

妄想と現実のぶつかり稽古を見学する音楽読本sweet dreams(スウィート・ドリームス)第4号が先日から店頭に出ている。今回の4号は前号から更に100ページ増量して計296ページ。厚みが2センチほど、手を離してもテーブルの上で立つ部厚い本です。特集は「トラベル・イン・マインド〜ツアーをめぐる音楽の冒険」。つまり音楽にまつわる旅です。豊富なインタビューからエッセイやコミックなど様々なアプローチで構成されており、とても一人で編集しているとは思えない凄い本です。早く紹介しなきゃと思いつつ遅れてしまうのはいつものこと。困ったものです(苦笑)。遅れた分ちゃんと紹介しようと、このsweet dreamsの編集発行を一人で全てやっている福田教雄さんに直接話を聞いてみました。

福田さんはsweet dreamsを始める以前、最初はリットーミュージックの雑誌編集部にいたそうです。ところが担当していた雑誌が休刊になり編集部のスタッフは全員解雇になったのです。その仲間で、アフターアワーズをつくり、創刊から5号まで参加したそうです。やがて違うことがしたくなり、マップを仲間と二人組で始める。しかし、ツアーやったり、CDやったりで本が段々作れなくなって3号止まりになってしまい、「本を作る為のアウトプットとしてsweetdreamsをを作った」そうです。

福田さんはそのsweet dreamsでは、あまり取りあげられることの無い人でも創っている人の背景がある人に興味をもって取りあげているそうです。福田さんは自分はいわゆる音楽マニアとは違い、実はそんなに詳しくないのですと言います。逆に興味を持ったアーティストのことを、取材を通して相手を知るという、その過程を読者と共有出来たらいいなと思っているそうです。知る愉しみと言ったものなのかなと、話を聞いて僕は思いました。僕自身、カルトな音楽ファンではなく、自分の好きなものだけは深く知りたいけど、全体はよく知らないという人なので、この雑誌のアプローチをいつも面白く思っていた訳が、その話から分かったような気がしました。

sweet dreamsのインタビューは、一般の音楽雑誌の様に新曲の話を必ずするというような定番の質問がほとんど無く、音楽の人が音楽以外のことで普段どう思って過ごしているのだろうといったことが浮かび上がるような話になっていて、意外性のある面白い話が出てきたりするので愉しいのです。

しかしこの分厚い本を一人で全てやっているのは、随分大変だろうなと思い、そのことを聞いたら、特集は随分前に固まっていたけど、日々の忙しさ(福田さんは本だけやっている訳でないのです。ツアーからCD,はたまた展覧会のプロデュースなどなど大忙しです)と、一人でやっていることもあって、完成まで1年がかりになってしまい、そうなると鮮度が気になるので、新たなネタをまた入れていくので、どんどん分厚くなったそうです。4号では、ロレイン・プラード×小田島等の対談が今年の夏に仕入れた新鮮ネタです。ロレイン・プラードさんは、ニューヨークで、東京のBGMについて研究している文化人類学者。この対談では、小田島さんの作品を起点にスーパーマーケットの音楽についての話が展開されていて、実に面白い。福田さんが一人で作っているが故の遅れも、その新たなネタがまた面白いものなので、読む方には大歓迎の遅れです。まあ僕の方の本の紹介の遅れには、そういいことがないのが残念なところです(苦笑)。  (文:悦)





book data:
title: sweet dreams vol.4 
publisher: sweet dreams
author: sweet dreams編集部
price:  1260(税込)

葛西薫デザイン 2011 CALENDAR

もう今年もあとわずかになりました。この時期になるとカレンダーが売れ始めるのが毎年の通例です。カレンダーも毎年様々なデザインのものが出ますが、さて自分で使うとなるといつも同じものになります。理由は単純で、使いやすくてデザインがいいからです。そんな理想のカレンダーが葛西薫さんがデザインして、毎年アンドーギャラリーから発売されるカレンダーです。

先程デザインがいいと書きましたが、このカレンダーのデザインは何ら奇を衒ったところは無い極めてオーソドックスなデザインなのですが、実に美しく見ていて飽きません。部屋のインテリアとして極上のものなのです。デザインにおける文字のデザイン、タイポグラフィーの重要性を痛切に感じさせてくれる素敵なデザインを数々作られてきた葛西さんだけに、シンプルの極致のデザインの美しさをもたらしています。

それと、紙の真ん中の穴に小さなハンガー(kハンガー:葛西薫さんが以前に仕事で作ったオリジナルのハンガー)を通して掛けるので、デザインを傷つけずに一年通して使えるのも素晴らしいアイデアです。このカレンダーのシンプルなデザインは、メモの書き込みがしやすい実用性が高いものなので、毎年、色々なメモをして、ほとんど備忘録と化してくるのです。それだけに、一般的なカレンダーの様に毎月剥がして捨てていくのではなく、一年通して使えるので、書き込みを思い出したい時にもチェック出来るのでありがたいのです。

このカレンダーのプロデュースは、アンドーギャラリーの代表であり、アート・建築・デザインのプロデューサーとして長年活躍してきた安東孝一さん。その仕事は多岐に渡っており葛西さんとの『東京都立つばさ総合高等学校 アートワーク』(東京都立つばさ総合高等学校・東京)や『明治製菓「100%ChocolateCafe.」インテリアデザイン グラフィックデザイン』(明治製菓・東京)『THE TOKYO TOWERS ラウンジ・ゲストルーム インテリアデザイン』(オリックス不動産 東急不動産 住友商事・東京)などから、『インタビュー』『NEW BLOOD』や『くうかん』『Graphic』といったアート・建築・デザインの分野の優れた人たちの仕事をビジュアルだけでなくインタビューも交えた形式で紹介する安藤さんの著書、現代美術のギャラリーの運営などなど実に見事なものですが、この些細なカレンダーのプロデュースが実は一番多くの人に影響と貢献をしていると僕は思ったりします。そんなことを言うと安藤さんがあの独特の口調で文句言いそうな気がしますが...(笑) (文:悦)






book data:
title: 葛西薫デザイン 2011 CALENDAR AG-017   
publisher: ANDO GALLERY 
author: デザイン:葛西薫 
price: 1260(税込)


title: 葛西薫デザイン 2011 CALENDAR AG-018   
publisher: ANDO GALLERY 
author: デザイン:葛西薫 
price: 1260(税込)

石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ


去年このブログで、三浦半島秋谷の丘の中腹にひっそりと建つ古民家にある、本のサロン「サウダージ・ブックス」の代表の淺野卓夫さんからメールがあってその出版物を扱うことになったという話を書きました。その後、今福さんのイベントを行ったり、プロジェットでも気になる存在の出版社となっていきました。先日、その浅野さんから新刊の完成の連絡があり、早速浅野さん自ら納品してくれたのが「石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ」です。

写真評論家飯沢耕太郎が、ザンジバル島への旅の日々を現実と幻想が交差するスタイルで描くショート・ストーリーズ。著者による写真も掲載しています。サウダージブックスの第一弾の「ブラジルから遠く離れて 1935-2000 クロード・レヴィ=ストロースのかたわらで」

に続く本として装幀も良い感じで繋がっています。飯沢さんと言えば写真評論家として日本の写真史についての著書や「デジャブ」の編集長としてなど、写真の世界の人としてのイメージであり、サウダージブックスとどこでどう繋がるのだろうと不思議に思っていたのですが、縁というのは意外なもので、このブログでも何度か紹介した、プロジェットとは長く親しくさせてもらっている写真家のトヨダヒトシさんが昨年、横須賀美術館でスライドショウを行った時に浅野さんに飯沢さんを紹介したそうです。そして、飯沢さんはサウダージブックスに興味を持ち、浅野さんとも親しくなり、本を作ろうということになったそうで、原稿が書き上がった後には、一緒に作品に出ている地へ旅したりもしたそうです。

僕も以前に浅野さんからトヨダさんとは親しくしているのですと言う話を伺って、意外なところで知り合い同士が知らないところで繋がっているなと思っていましたし、そして今回の話を聞いて普通繋がりそうも無いところでも、こんな具合に、人と人はどこでどう繋がるか分からないものだと感心しました。(文:悦)




book data:
title: 石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ
publisher: 発行:サウダージ・ブックス 発売:港の人
author: 飯沢耕太郎
price: 1680(税込)

hao vol.18


雑誌ハオの最新号が出来たと言う事で、代表の松村さんから連絡があったのがつい数日前。さっそく納品がてらお店に来てくれました。hao(ハオ)は、もともとは松村さん自身も通っていた造形教室のメンバーたちが作品の発表の場を求めて、誌上ギャラリーとして始めたミニコミ誌から出発した手芸を通してものづくりを考える実に興味深い雑誌です。BNN新社から9月末に刊行された書籍「girls ZINE」(オブスキュアインク 監修/編集)でも、プロジェットのお勧めZINEとして紹介しました。

去年のブログでも紹介したとき同様に松村さんは、haoではおなじみの佐野純子さんの素晴らしい作品を持ってきてくれました。佐野さんは、今回のvol.18で、編集部の企画した共通テーマの作品を紹介する「企画展」ページのPart1で作品をクローズアップされています。『ハオ』誌上で編みぐるみを発表し続けてきた佐野さんの、新しい布人形の世界です。子どもの頃に夢見たアイドル歌手を人形で表現されています。


松村さんが持ってきたのは、来年の1月28日からブックギャラリーポポタムでの佐野さんの個展用に作られたボールペン人形です。

これが中々愉しいもので、思わずお店の中ではしゃいでしまいました。この愉しさには実用性も勝るという優れものですね。

vol.18の内容は、まず編集部の企画した共通テーマの作品を紹介する「企画展」。テーマは「時の流れ」。Part1では、人形作家 佐野純子さんの作品をクローズアップ。

Part2では、目には見えないけれど、私たちの中にしっかりと刻まれていく時間。9人の作家たちが表現する「時間」のカタチを。「小さな展示室」では、『ハオ』の作家が独自のテーマで制作に取り組んでいる作品を連載形式で紹介。「織り絵さんの手織り工房 ちくちく手織り」金竹敦子「手しごと散策」阪本あやこ「ドリドリ」かわぐちりつ「子どもの情景」松村忍「小さなプレゼント」ahoj。
「巻頭インタビュー特集:作る人の時の流れ」では、ニットデザイナーきゆなはれるをはじめ、ハオの作家6名にインタビュー。

「実用特集 作る人の手芸収納実例ファイル」:素材、道具、作品、イベント用品…、もの作りをする人の持ち物は膨大です。6人の作家の実例とともに、手芸用品の収納のコツを、収納のプロに聞く。

「手作りアイデア」:羊毛と割りばしだけでできる! 指紡ぎ手紡ぎって憧れるけど、なんだか難しそう…。でも「指紡ぎ」なら、羊毛と割りばしがあれば、誰でも簡単に手紡ぎ糸が作れます。羊毛を指先でくるくるねじっては割りばしに巻きつける。ただそれだけ。絶対ハマる! 指紡ぎの楽しみ方を、紹介。 (文:悦)





book data:
title: hao vol.18   
publisher: ハオ編集部 
author: ハオ編集部 
price: 1050(税込)

大野一雄 年代記 1906-2010


2010年6月1日に他界した世界的舞踏家大野一雄さん。103才でお亡くなりになられたのですが、どう考えても1000年(!?)は生きると思っていたので意外でした。そんな訳でお店ではちょっとした追悼コーナーを作っています。

中でもその中心に置いてあるのは、最新刊の「大野一雄 年代記 1906-2010」。大野一雄さんを慕い、BankART Studio NYKで7月17日に開催された「ブラヴォー! 大野一雄の会」にあわせて出版された記念書籍です。1906年の誕生から逝去された2010年までの103歳と7ヶ月の生涯を詳細な年表に写真図版48点(カラー15点)、小さな画像データ80点、書き下ろしを含むテキスト7点から構成しています。

それにしても驚いたのは、これだけの濃密な内容を、亡くなった6月1日から7月17日の「ブラヴォー! 大野一雄の会」の会場販売に間に合わせて制作出来たことです。
年表は従来のホームページ上でもある程度のものはあったが、新聞評や劇場名などまで入った資料性の非常に高いものになっている。無論、バイリンガル。テキストも、ヨーロッパで唯一の大野一雄アーカイブがあるボローニャ大学の先生でもあるエウジェニア・カジニ・ロパさんやルー・ボグダン、「父大野一雄」(永谷幸人、大野慶人)が書き下ろしであり、これらの原稿の依頼から構成更にはバイリンガルにする為の翻訳作業、そしてレイアウトするまでがそんな短時間で出来るとは! 

テキストは他に既発表のものから「新潮」で掲載された角田光代の文章やブラジルのテアトル・マクナイマの演出家アントゥネス・フィーリョなど、合わせてテキストは7本もバイリンガルで収録されている。終りにはカラーの写真グラビア、そして年表の下の枠には小さな画像データで各国での公演のチラシ写真があり、まさにテキストとビジュアルで辿る103年になっている。

興味深いのは22ページの「戦線より」で、大野さんの戦時中の姿が垣間見える貴重なテキストです。団報以後発表されることが無かったそうだ。また「介護日記」は介護士の資格を持つ研究生4人が介護の連絡帳として書いていたノートで大野さんが介護中に漏らした言葉が記されている。

と、まあしっかりした出来上がりになっている。編集作業はかんたのおふたりに、ベルリン在住で「魂の糧」や「稽古の言葉」の英訳を行った翻訳家、そして装幀を担当したデザイナーの4人をほぼ中心に、介護日記でも登場する研究生たちが加わったそうだ。話を聞くとそれは大変な作業だったようだが、「大野さんへの愛が無いと出来ない作業です」との言葉通りの愛情ある本になっています。(文:悦)







book data:
title: 大野一雄 年代記 1906-2010
publisher: かんた
author: 大野一雄舞踏研究所 編
price: 1575(税込)

Paris y es-tu ?


フランスと日本で活躍する絵本作家の神山ますみさんから今度パリで絵本を出すからと言われたのが4年前のことでした。気になってはいたのですが、当時のユーロ高もあって輸入に踏み切れないまま時機を逸していたのでした。

ところが先日、それこそ4年ぶりに神山ますみさんから連絡があり、その絵本を見せて貰い、改めてやっぱり扱いたいとなり、この度めでたく入荷しました。驚くべきことに出版して4年経つのに、いまだにフランスでベストセラーを続けているのです。しかも今年は、ここまでですでに昨年1年間の売上よりさらに5千部も多い売上を出しているそうです。パリではルーブルをはじめとしたあらゆる美術館に置いてあるし、あのプランタンでは大ディスプレーがされていたりとなかなかの人気ぶりなのです。つくづく早く扱うべきだったと思いました。

さてこの大型絵本ですが、内容はテオ少年が散歩の途中にいなくなった愛犬ポチをさがしてパリを巡り歩くという話で、ルーブル美術館凱旋門オペラ座、モンマルトル、ノートルダム寺院オルセー美術館エッフェル塔ヴェルサイユ宮殿などなど、俯瞰で捉えたワイドの画面であらゆるパリが描かれています。

面白いのは、パリに行ったことのある人も無い人も、この絵本の各ページに必ず出てくる、テオ君とポチ、そして黄色い風船が、画面の中のどこにあるのか探しているうちに、いつのまにかパリ巡りをしている気分になれることです。

ほかにもフランス語のテキストですが、各ページのテキストの部分で太字になっているもの、例えばルーブルならLa Joconde、すなわちモナリザが画面のどこかに描かれているのを探すのも愉しみになっています。しかもテオ君がポチと出会えるのだろうかと黄色い風船が最後どうなるかも素敵な結末が用意されてあり、絵をたどるだけで、いつのまにか物語を紡いでしまうのも人気の秘密でしょう。

ちなみに本のフランス語での説明では、テオ君とポチ、黄色い風船、太字テキストの示すものが画面に必ずあるということでしたが、僕は、各ページをじっくり見ていたら、1ページを除くすべてのページにも必ず出てくるものを見つけました。それが何の絵かは言わないでおきましょう。 (文:悦)





book data:
title: Paris y es-tu ? : Le grand livre-jeu de la ville   
publisher: Parigramme
author: Masumi
price: 2800(税込)