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2016-06-30 触れずに倒す

propateer2016-06-30

[] John Guastaferro 「Hands Off My Notes」


<宣伝のためちょっと未来日付です。元の投稿は2016年5月28日>

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教授の戯言の物販:John Guastaferro 『Hands Off My Notes』

ジョン・ガスタフェローが2015年に出した、同名のレクチャーノートの日本語完訳版です。「おいおい、原書出版から1年内に訳本出すとか、メキシカンマフィアに家族でも人質に取られてたりするんですか、Tくん?」と聞いたところ「いえ、息災です。私がセルフワーキングが好きだからです」だそうで。
今回の作品集は、演者がほとんど手を触れない、観客の手の中で現象を起こすことを主題に作られ、全10トリックが解説されています。"Gemini Squared"のみ再録です。『Three of a Kind』(の中の『Seven Wonders』(2014))のときとは、少しだけ日本語は変わっていますが。

全体として、『ToK』のときの原理を発展させたものもありますが、コントロールや特定に関して、中々渋めの技法が散りばめられている印象。手を触れないとか、片手を使わないとか、陰腹した上で演じるとか、とかく縛りをつけるとピーキーな作品が出来たりする反面、手続きありきな感じに陥りがちなのですが(※個人の感想です)、そこはガスタフェロー、上手いバランスでまとめてくるな、という感じです。そもそもガスタフェローの作品は地味に原理を混ぜていることが結構多いので、多分そこまでの縛りプレイではなく、作品の中からそういうものをチョイスして(ものによっては触らずにいけるように多少手直しをして)まとめただけかもしれません。

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"Hands Off Aces"での観客2人がお互いシャッフルとかしてるのにもかかわらずAが出てくるのは、Ultimate Selfworking Card Magicとかそのへんで感銘を受けた記憶がありますが、やはりいいですね。

"Heads Will Roll"では、とある原理を使うのですが、これが昔自分で思いついたことのあるのと同じで(空想ダイスは使いませんでしたが)、ちょっと嬉しかったです。

"High Card"はカットディーパー的な感じで、ジョン・バノンの"Fifty-One Fat Chances"(大好き)のようなトリック。観客がすべてやっているように見えつつ(概ねその通りなのですが)、実はうまいことコントロールされている感じ。これ自体は不思議なんですが、私いつもこういう4枚のエースを出したあとに困るんですよね。ラストトリック以外あんまりやらないので。

"Time Will Tell"は実にいいです。わたし松浦天海のもそうですが、演者「ところでいま何時でしたっけ?」(場のカードがそれを示している) 観客「なっ、ナニイイイイッ!うろたえないッ!プロの観客はうろたえないッ!」が好きなのです。しかもこれはクロックトリック的なオチではあるのですが、使っている原理が極めて単純という。それでいて手法がその単純さを隠蔽している感がたまりません。

"Counterpoint"は『Seven Wonders』でも使われていた原理をブラッシュアップした感じです。よく考えつきますね、こういうの。

"Your Turn To Triumph"は『One Degree』のヤツのほうがいいんじゃないかなと思っていたのですが、何度か演じてみると、結構不思議感も強くいい作品な気がしてまいりました。

"Gemini Squared"は再録ですが、レクチャーでもショーでも演じる本人のお気に入りだけあって、フィナーレ感の強い作品。
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<収録内容>
1 All Three Kings
観客が適当なカードを1 枚抜き出したあと、グーグル検索のように単語をつづっていくことで、彼は自身でフォー・オブ・ア・カインドの残りの3 枚を見つけ出してくるのです。

2 Hands Off Aces
2 人の観客がデックを完全にカットし、シャッフルしますが、2 人が一緒に4 枚のエースを見つけ出します。

3 Twenty
演者は、観客が自分で、ブラックジャックではぴったり20 を、ポーカーではストレートのハンドを配るであろうということを予言します。

4 Heads Will Roll
想像上のダイスを振ってから、観客が4 枚のカードをシャッフルし、更に1枚をひっくり返します。彼のお金がかかっている状況で、演者は正確にカードを予言しているのです。

5 High Card
2 人の観客がハイ・カードのゲームを行います。ですが観客のどちらもエースで勝つことはありませんでした。なぜなら勝負の途中で捨てたカードが、実は4 枚のエースであったのですから。

6 Time Will Tell
薄気味悪くもカードが当たったあと、出してあった3 枚のランダムなカードが現在の時刻を示しているのです。

7 Maverick
観客が、自らよくシャッフルしたデックから、自分にブラックジャックを配ることに成功します……そしてロイヤルフラッシュも。


8 Counterpoint
観客がシークレット・ナンバーに従って4 枚のカードを混ぜたあと、演者は観客が思っただけのカードを見事当てるのです。

9 Your Turn To Triumph
観客がデックを表向き裏向きごちゃごちゃに混ぜます。しかし演者が介入することなしに、すべてのカードの向きは揃ってしまうのです。観客の選んだカード1 枚を除いて。

10 Gemini Squared
2 人の観客が、4 枚の名刺をデックのそれぞれランダムな位置に置いていきますが、幸運の女神は微笑まなかったようで、名刺の隣のカードはエースではありませんでした。ところが意外な展開が待ち受けています。名刺の裏には予言が書いてあり、それが隣接したランダムな4 枚のカードをことごとく予言しているのです。そしてフィナーレ、残りのデックがすべて真っ白だったことが明かされます!


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教授の戯言の物販:John Guastaferro 『Hands Off My Notes』

2016-05-05 みんなの先生

propateer2016-05-05

[] ダロー・レクチャー


4月10日、茅場町のマジックランドで行われた、ダロー(Daryl)のレクチャーに参加してまいりました。何をやらせても超うまいのはもとより、テンション高くて凄く楽しかったです。正直、ダローのビデオだのDVDだのギミックだのはほとんどコンプリートしているマンではあるのですが(マスターしているとは言ってない)、念のため、って感じで行きました。想像以上に"いつも映像で見るあの朗らかなテンション"の方で、レクチャーはいずれも実践的な手順ばかりだしでとても楽しいひと時を過ごせました(ギミック使うのが多いので、ややディーラーショーの趣はありました。なんというか、レクチャーノートに載ってるものが、商品使うものもあり、ノートだけ買っても出来ないものも。ていうかダローが演じれば大体のものは面白くなる気もしますが)。以下備忘。まあほとんどレクチャーノートの中身・流れ通りです。その一致ぶりに逆にびっくりですよw


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01. Bennett's Boner
破ったティッシュペーパーを元に戻す手品のタネを説明すると見せて、復活しない方の紙玉も復活させるサカートリック。

これなんかも絶対ベタですし、マニアは1度は必ず見たことあるはずですが、ダローがやると面白いんですよねえ。ダロー空間ずるい。これは適当なティッシュと適当な不透明コップだけで演じられます。



02. Odd Quad
4枚のエースを取り出し、観客に1枚選ばせるが、マジシャンは最初から分かっていたと言って、裏の色がそれだけ違うことを示す。さらに、他のが選ばれても大丈夫だったことを言い、4枚それぞれバックの色が違っていることを示す。

フラシュトレーション・カウントは検めには使わない、というのはさもありなん、という気はしました。手品しない人からしても怪しいというか、納得しないものね。ギャフというギャフではないけど、まあ道具を揃えるには4つデック要りますね。



03. Rope Decapitation
ロープの首抜き。

石田天海の手法。昔やっていましたが、すっかり忘れてしまっておりました。いまやったら多分普通に締まっちゃう。



04. Rope through Body
ロープが演者の体を通り抜ける。

ハロルド・ライスの手法。以前私がロープマジックの本で見たのはしつけ糸を使うものだったのですが、これはまったくそういうのがなく、手順の中で持ち替えをするのですが無駄の無い構成で凄いなあと思いました。何よりダローって、長年扱い慣れてるせいもあるんでしょうが、ロープの扱いが流れるように自然。ああいうロープの扱い方ができると綺麗で見やすいと思いました。



05. Hyper Bent-Elation
観客にサインしてもらった2枚のカードを重ねて切って折り曲げると、表と裏にそれぞれサインのある状態の1枚の不可能物体になる。

これはおみやげにも渡せて素敵。アニバーサリー・ワルツ的な使い方が出来ます。ギャフカードといえばギャフカードを使いますが、入手にはさして困らないと思います。



06. Four Dice "Chink-a-Chink"
4つのダイスで行うチンカ・チンク。

ダイスの目をそれぞれ1・2・3・4としてから番号通りに移していく手順なのですが分かりやすい上に不思議。あまりアイデンティティのない通常のものより好きです。ただし1クッション入っているので、角砂糖とかでやるよりちょっとだけ難しいですが。



07. Dai Vernon’s Climax to a Dice Routine
ワン・イン・ザ・ハンド ツー・イン・ザ・ポケット的なダイスルーティーンだが、途中から観客の想定外の変化が起こる。

久々に生で見ましたが、やはりいい手品。これはギャフではないですがサイズの違うダイスを用意せねばなりませんね(微妙なネタバレ)。



08. Three Ropes To One
3本のロープを結び合わせて、結び目に息を吹きかけると結び目が(演者の意図しないほうが)落ち、微妙な不条理感を抱かせつつ、1本の長いロープになる。

こういう息を吹きかけて結び目が落ちる、というのは私個人はなんかネタばらしっぽさがあって嫌なのですが、ダローがやると面白い(大体これ)。Rainbow Ropeとはまた別なんでしたっけこれ。結び目の強さを変えることで、同じ動作で落ちる落ちないを調整できるというのは感心しました。言われてみれば当たり前なのですが。



09. Cup and Ball
カップ・アンド・ボールのダローの手順。

やはりもうやり慣れてるというか流れるような手順。囲まれててもファイナルロードは出来ますというのはさすがぼくらのダロー先生、という気はしますw



10. Rising Card from Envelope
封筒にデックを入れ、両脇を貫通させるように鉛筆を入れてくるくる回すと、観客のカードが上がってくる。ライジング・カード。

これ昔どこかで見た気がします。アマーがやってたんだっけかな…?ともあれ間違ったカードも出せる、というのがこの手法の素敵なところですよね。



11. Audio Transposition
ガラガラと、キューキュー音の鳴るおもちゃの音が入れ替わる。

その昔スクイーカーを買ったときに類似マジックがありましたが、その音がするはず、という思い込みをうまいこと利用しています。マジックって大体視覚に頼る現象がほとんどですが、こういう視覚と聴覚の結びつきがねじれる現象はとても好きです。



12. Double Crossed
10枚ずつ計20枚のカードのうち、観客Aが憶えたカードと観客Bが憶えたカードがそれぞれのパケットから消え失せ、相手のパケットへと移る。

5枚ずつでやるのがノートにも載っているThought Card Acrossなのですが、そのダブル版。どちらも単売商品としてあります。やはりカードアクロスはこういうギャフ使うのがいい気がします。怪しさというか変にテクニック使わずに済みますしね。。。



13. The Acrobatic Knot
赤と白のロープを出し、白ロープに結び目を作って赤ロープと絡ませると赤ロープに白い結び目が飛び移る。赤ロープの結び目を解くと、赤ロープのその部分だけ白いロープに変わってしまっていることが示される。

まあ名作手品です。サロンの鉄板ネタのひとつですね。さておき昔もう少し安かった気がするんですが、6000円もしましたっけ……?そもそも染め分けってそんなに難しいのかな…?ジャック・ミラーの結び目の移動のアイデアというかムーブは説得力があります。

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私は一時期彼のトリックであるカードボード・カメレオンをやっていたことがあるのですが、「もうダロー並に出来るようになっただろー(ダジャレ)」→(本人の映像を見る)→「何だこの異次元の手品……」って何度も何度も挫折した思い出。とはいえダローも今回のレクチャーの別のトリックの中で、「まあこういうテクニックを使ってブレイクを取ることもできるけど、めんどくさいし難しいのは嫌だよね」って言いながら、普通に2枚数えとってその下にブレイク取ったりしていてちょっと安心しました。いや、まあ彼は変態テクも美しく出来るんですが。出来るけどやらない、ってのがいいですね。あと他にもそういうポリシーの人がいた気がしますが誰だったかな。チャーリー・ミラーとかでしたっけ……?

2016-04-30 再販です!

[] CARD FICTIONS スタンダード・エディション


<3/12ですが宣伝のためちょっと未来日付で>

ということでお待たせいたしました。出す出す詐欺を1年以上前からはたらいていたPit Hartling『CARD FICTIONS』の第2版というか、スタンダード・エディションの販売を開始いたします。「まさか元文章から全部見直すとは思いませんでした。あとまさか本編にも詳細記述のない手続き部分に、図解までつけてTIPSを1.5倍に増やすとは思いませんでした。元の原稿ファイルをそのまま印刷所に出せば、スタンダード・エディションなんかさっと出来ると思っていたのに。。。」とは訳者氏の弁。そんな手抜きは許されない!許されないのよ!


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2012年に出版しました、Pit Hartlingの世界的名著『CARD FICTIONS』(原著である英語版は2003年)の日本語版ハード・カバー本ですが、販売から3ヶ月持たずに在庫払底の完売。ショップびっくり、訳者はもっとびっくり。買いそびれた(割とホントに)多くの方からの再販ご希望のお声を頂いておりましたが、このたびソフト・カバーのスタンダード・エディションとして再販の運びとなりました。ありがたい限りです。凄くいい本ですよ!内容その他についてはハードカバー仕様を出した際のものをご参照ください。

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商品としては、冊子単品と、冊子+電子版(PDF)セットの2種になります。

また、ハードカバー販売の際に(一部の方には)お付けした、訳者による各トリックに関する『おまけTIPS集』(8p)ですが、今回(頼まれてもいないのに)大幅増量(12p)の増補版を作りました。こちらについてはまた小冊子としてお付けいたします。訳者が1部1部、涙……じゃなかった、まごころを込めてホチキス留めしております(使おうと思っていた中綴じフィニッシャーが壊れていたため、手作業でやるしかなかったという噂)。※こちらのおまけTIPSは、PDFセットではない、冊子単品でも、ご購入者ならどなたでもダウンロードできるようにいたします(紙ものは要らないよ、という方は、ご購入時に仰って頂ければ外しておきます(泣きながら))。ご購入時の通知メールにURLを記載しています。
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教授の戯言の物販
http://magic.theshop.jp/
冊子単品:
http://magic.theshop.jp/items/2740178
冊子+PDF
http://magic.theshop.jp/items/2818670

2016-03-25 シウェイ・リーがくる!

[] ジョー・デン・レクチャー


まあ、肝心のシウェイ・リーは来られなかったわけですがw 元からシウェイ・リーとジョー・デン(邓 传玖)という中国のおふたりでのレクチャー予定が、シウェイさんが出国出来ずに急遽単独レクチャーになったという不思議顛末。中国は無職は出国できないらしいです。えー、お金はあっても?
「ふじいさんとポン太さんが腰抜かすシウェイってのはどんだけ凄いんでしょうか!」というのを見るためだけに、学ぶ気ゼロ、鑑賞のつもりで申し込んでいたのですが、よりによってその当人が来られないとかちょっと笑いました。いや、自分が主催側だったら青くなったと思うのですけれど。ポン太さんには「……大変でしたね」とお声がけしたところ「いやそれもそうなんですが、急遽ひとりで持たせなあかんジョーもちょっとかわいそうでねえ」と。「じゃあポン太さんもなんかやればいいのに」と、それを聞いていたみんなが思ったとか思わないとか。

ジョーくん(以降、ジョーくん、というときは『監獄学園』のアンドレの声(CV:興津和幸)でご想像ください。しなくてもいいです)には去年、ビル・グッドウィンのときにお会いしたことがあリ、そのときはなぜか見せて頂いた3つくらいが全部失敗するという、ある意味レアな体験しかしておらず、どんな手品するかまるで知らなかったというか。多分シウェイさんが変態テクニシャンすぎて、みんな唖然で終わるとアレなので、普通のことも出来る人を後詰にしたのかなとか思っておりました。舐めてました、すみませんでした。ジョーくんもすごかったです。

以下ざっくり備忘。どれひとつとしてタイトルを言っていなかったので分かりませんが、多分作品タイトルはあるんだと思います。ただ、ノートやDVD出す気があんまりないみたいなので永久に知る機会は来ないかもですが。



1.2枚のジョーカーの間に次々にエースが挟まれて出てくる。最後の1枚が出てくるかとおもいきや、2枚のジョーカーと思っていたものが一瞬で4枚のエースに変わっている。
のっけから解説の難しいやつで「正直これはダメかもしれないー」とか思ってしまいました。現象自体はとてもすっきりしています。が、説明開始2分位の会場のみんなの「わからねえ…」的な空気はすごかったですね。まあ私も必死にメモは取りましたが、つらかったw

2.トップ・コントロール
スイベル・カットしたところに観客のカードを戻してもらって、公明正大に上半分をパラパラとやって埋めていくが、トップから2枚目にコントロールされている。
タイミングが自然なのもありますが、解説受けてから見ても、真ん中に入れたとしか思えませんでした。なお最初、WLというのを聞き逃していて、「それじゃトップにこないんですがそれは」とかおもっていました。私がぽんこつでした。なお、この技法を使って、4枚のキングのプロダクションとかやっていましたがキモかったです。解説が複雑な1つ目より、こっちを先にやったほうがみんなの"目を盗んだ"感じでよかった気がします。「え、まじで?どうやって!?」ってなるほうがぐっと来ますしね。


3.ギャンブリング・デモンストレーション。最初に観客に1枚選んでもらい、表を見ずにテーブルに置きます。それから観客にデックを配り分けていってもらいますが、その分けた4つの山のトップが、すべて…なんかバラバラのカード。「これは中国では凄い役なんですよ」というのを生暖かい目で見守る日本のマニア。冗談です、と言って最初に出しておいた山のカードを含めて山をまとめ直し、そのカードのところから分けると、そこでロイヤルフラッシュが完成している。
セ、セルフワーキング……!の割に凄くビジュアルで綺麗です。これはちゃんと手順書を書き起こそう。観客に配ってもらうあたりはウッディ・アラゴン的な感じがしました。最後のディスプレイが実にカッコイイので、「ドヤァ!」って感じになれそうです。


4.エース・オープナー
デックを見ないでエースのところからカットしていく、ということを言う。置き終わって「あ、失敗したかも……1枚はでたけど」と観客が思っちゃったりするが、4枚全部揃っている。
この辺から徐々にジョーくんのテクニカルな部分がチラチラ覗き始める。アスカニオ・スプレッドを使うのですが、多分最近のスペイン勢の影響もあるんでしょうけど、開き方が実に多彩で。もちろん演技中はひとつしか使わないのですが、こういうのもあるし、こういうのも使えますね、のようにいろいろ場合によって使い分けてそうでした。また、ここから出てたリバーススプレッドと、そこに差し込むやつが実に自然で早くて綺麗。アッシャーのをこんな感じで変えたと言っていました。昔からリバース・スプレッドの錯覚は大好きでしたが、うまいひとがやるとあんなことになるんですね。スペインの巨匠・ガビの話にもなり、途中で出てきたトリプル・バックルを見ながらふじいさんが「俺の知ってる手品と違う」とかぼそっと言ってて不覚にも笑ってしまいました。


5.カード・チェンジ(コントロール)
裏向きで両手の間にスプレッドして、観客に1枚さわってもらうじゃん?立ててみんなによく見せるじゃん?戻すじゃん?もう突き出たカードが別なのに変わってんのよ。さっきのカードはトップに来てんのよ。なんか怖くね?
知っていたのに、この技法!(類型を、なのかもですが) まったくわからない。昔買ったDVDで解説してて、見て、しゅごいいいいと思って、練習して、即挫折した奴に近いんですが。ネストル・ハトー(仏)の手法が元?とか?(あやふや) リアルスピードで見ると、決して早くはないんだけど、脳の処理がそう判断してくれない。どう見てもいま見たカードが突き出てるだけじゃんよ?(CV:諏訪部順一) すごく好みです。練習します。



6.センター・ディール
どう見てもトップから配っているのに、さっき中に入れたエースがディーラーのところで出てくるんじゃあ。不思議なんじゃあ。
解説時: ジョー「実は……真ん中からは配っていません」 マニア「「「な、なんだってーーー!(棒)」」」 会場の皆さんのノリが良すぎw これはいい手品でした。途中で挟んでいたコンビンシング・ティルトみたいなテクも自然で。いや、ここでは何もしてないので自然なのは当たり前なんですがw 



その他:
「ピンキー・カウントからのブレイクってプルプルしちゃってアレですが、こうやると大丈夫なんDAZE!」とか、サイモン・アロンソンの『Try the Impossible』で解説されているという、2枚のカードを出してくるロケーション・トリックとか(面白かったです。かつ「数理的な原理のはずなんですが、ぼくも何故こうなるのかはよく分かりません。多分こうなる」で一同爆笑)、ケン・クレンツェルのエニエニとか(あの箱の工夫には唸った)、J.C.ワグナーのTriumphとかパーム・トランスファーにデック・チェンジと。なんかもう盛り沢山で、「1人だしまあなんだかんだ2時間で終わるのかな」と思ったら3時間弱やっていて、とても楽しめました。おつかれさまでした。



ほんとうに残念なのは、物販をほぼ考えていないせいか、終わったあととか途中で買って帰れるものが何もなかったというところですね。本人の許可をもらって、3,000円位のノートくらい用意しておけばよかったのにフレンチドロップさん。もったいない。



ということで、去年失敗しか見せてなかったジョーくんは一体誰だったんだ、というくらい色々なことを見せてくださいました。とても楽しかったです。冒頭にポン太さんが「まあ、負け惜しみじゃないですけど、シウェイのを見てもうへー、すげーってなるだけだったかもしれませんが、普段単独でレクチャーとかしないジョーに、それも3時間みっちり見られる聞けるというのはある意味ラッキーかもしれません。安くなってもいますし」は、終わってみればその通りだったなあと。もちろんシウェイさん来日の暁には是非に参加しますが。ともあれジョーくんのレクチャーはとても良い体験でした。テクが上手いというのもあるんですが、原理から人まで、幅広く網羅して知っていて、かつ出来る、取り入れて自分のものにしている、という点で凄く、世界レベルってこういう人がいるんだ、という感想をいだきました(小並感)。ジョーくんは別に出てないけど、こういう人と戦えないとFISMみたいなのでは勝てないんだろうなあと思いましたね。FISMで戦う人は大変です。私は戦わないのでラクですが。


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翌日、訳担当のTくんがマジックランドにダローのレクチャー予約に行ったところ、オフのポン太さん&ジョーくんに遭遇。「前日メモしそこねたセンター・ディールのおさらいだけさせて頂けませんか」から、「じゃあコーヒーショップでも行ってやりますか」と。まあ、かかっても15分くらいで終わるだろうと思って行ったらしいのですが。いや、事実そのトリックについては15分もかからず終わっていたそうなのですが、そこから話が盛り上がり、スタバをあとにしたのは入店から3時間が経過しようとしているところだったとのことで。……ずるいぞ、私も呼んでよ!っていうかキミ仕事中でしょ!「まあ、そのあと夜遅くまで会社で頑張ってたから許してください」「さておき、昨日はやってなかったフィンガーチップ・ピークからのダブルリフトは超綺麗でした」「メンタルフォースに全部引っかかりました」「マッキング(注:ギャンブルのチートテクで、テーブルに置いてあるカードを一瞬ですり替えるもの)初めて生で見ました。ていうかジョーくん、手、凄い小さいのにあれ出来るとか凄いですよ!」 何でも中国ではジョーくんはワークショップをメインに開催していて、半分をテクニックとかの説明(ダブルリフトとコントロールが大好きらしい)、もう半分は笑いを取るプレゼンテーションに費やすそうです。あとレクチャーでも見たリフル・スタック、手品だと思っていたのですがどうもガチでやっているらしく、もうそんなの習得できません、憧れるけどw 「手品師は甘いですからね、イカサマ技法については」とか言っていたそうで、「お前はアードネスか」というツッコミを入れるのを忘れた、と嘆いておりました。そこくやしがるところなのか。

2016-03-14 Red-Kiss-Mark is coming...

propateer2016-03-14

[] ボリス・ワイルドレクチャー


フランスのマジシャン、ボリス・ワイルド氏が来日&レクチャーツアーをされており、参加してまいりました。私もその昔大変お世話になったマークト・デックで大変有名なボリス氏ですが、正直他の作品って幾つか程度しか知りませんで、予習もせずにぶっつけ参加だったのですが、これまた大変楽しかったです。1997年のドレスデンFISMで、カード2位(1位は該当なし)なので、まあ実質その年のチャンピオンだったのですね。「ボリスの すごい 手品」(カレイドスターのサブタイ風)

ともあれ、マークトデックといえばしっかり裏面を見ないといけないという先入観があったのですが、(練習と膨大な実践があるとはいえ)ボリスさんはスプレッドしながらほぼ見つけてしまっておりまして。あれくらい熟達していたら、もはや裏から見ても表から見ても同じようなものだなと思いました。二次会で、こざわさんの質問に応じてチャレンジされていましたが、スプレッドしたあと80cm程度離れたところから10秒かからず4枚のエースを取り出しており脱帽でした。今回のレクチャーは、ひとつ特殊な道具を使うとはいえ、かなり蒙を啓かれました。とても良かったです。

あといまBWマークトデックというのは、メイデンバック、という乙女が描かれた裏面のものになっているのですが、むかしのは普通のライダーバックで、eBayとかで200ドルとかの値段がついてたりするそうです(未開封の、だと思いますが)。私、家に2つくらいライダーバックのがあったと思うのですが、どっちも開けてたかなあ…。


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0. lNEXPLICABLlE
最初からテーブル上に、画用紙を折りたたんだものが立ててある。その後、観客が混ぜ、適当に取り除いていった残りのうち1枚を観客のカードとするが、先の画用紙を開いていくとそれが予言されている。

通訳の二川先生の到着が遅く、かつ同席していた観客ことこざわさんの持参本(ボリス・ワイルドの著作)への凝ったサインも終わったので、「じゃあなんかレクチャーじゃないけどやっちゃいましょうか」ということで始まりました。私がシャッフルしたあと、スプレッドして、適当に私が数回ごそっと取り除いていって、残った端っこのカードを憶えたりするだけで、どう見ても技法の介在する余地もなかったのですが、……当たってしまうのですねこれが。やだなにこのひと明るいテンションなのに怖い。スプレッドもあんまり見ていた様子もないですし。のっけから震える。解説受けてその判別の速さにも震える。



1. The Ideal Effect
演者は目を背けつつ観客にカードを1枚引かせ、戻してもらい、それをカットさせたりシャッフルさせたりするが、いつの間にかそのカードだけが、デックの中でひっくり返っている。

ステージに上ったこざわさんが、ホントにボリスさんの言うこと聞かずにさくさくシャッフルとかカットとかしちゃってて、「おいおい、まだボリスさんはシャッフルしてくれまで言ってないじゃないですか、こ、このメガネめ……、(注:自分もメガネである) 台無しじゃないですか……!」とか震えていたのですが、そこまで折り込みでちゃんと当たってびっくりです。さておき、自分が手品するときは、こざわさんに何かしてもらうのはやめようとは思いました。逆はともかく、そんな機会はないでしょうが。



2. The BET
10 Card Money Game。5枚ずつのマネーカードとハズレカードがある。観客がよく混ぜたあと、観客自身が全て、自分用と演者用に選んでいくが、最終的に観客には1枚もマネーカードが来ていない。

10カード・ポーカー・ゲームの原理はよく知っていましたし、やったりもしているのですが、これは盲点でした。ボリスさんも仰っていたように、10カード・ポーカー・ゲームはいい手品なんですけど、普通はポーカーのハンドを作ることが多いものです。ですが、ヨーロッパのひと(多分アジアのひともですが)は、あまりポーカーの役に詳しくないというのがネック、というジレンマ(ちなみにバノンの本でも「アメリカ人はポーカーの役にそんなに詳しくないし〜」とあって、じゃあどこの国の人なら詳しいんでしょうかw)。これは、1000円札5枚を実際に出して、お金を獲得できるかどうかというゲームにしただけなのですが、これが意外なまでにぐっと引き込まれるんですよね。「国籍や老若男女問わず、お金がかかっている、もらえるかも、というのは凄く興味を引くし、盛り上がるよ」とのことですが、その通り、凄く分かりやすくていい手品だなと思いました。あと2回目を3枚中2枚選ばせるのは、スピードアップにもなるし、単純ながら良い工夫だと思いました。



3. Perfect Open Prediction
演者が最初に1枚オープン・プレディクションとして、色違いデックからカードを1枚取り出し、表向きでテーブルにカードを1枚置いておく。ここではハートの8とする。それから別のデックを観客に渡し、1枚ずつ表向きにしながら配っていってもらうが、途中ピンときたところのカードだけ裏向きのままにし、残りは全部配りきる。最後まで配るがハートの8は出ていない。デックをスプレッドすると、唯一裏向きのままにしたカードがハートの8だったことが明かされる。

やだなにこのひと怖い。いやほら、「オープン・プレディクションというのは、結局のところフォースかこの2種類の手法に帰着するのだよ」、とバノン先生も『High Caliber』の中で仰っていましたが、これはちょっとびっくりしました。自分の知っているはずの動作が何もなく、それでいて公明正大感が強いの。あと一番びっくりだったのは、帰宅して確認したら私これ持ってたところですね!(未開封でした)



4. Traveling Kiss
ダブルブランクにあるキスマークが次々と移動したり増えたり消えたりする。

キス・カウントは良かった。タカギ・オプティカル・ムーブでしたっけ、あの両面見せたようにしながら何面か隠しつつ置いていく、ワイルド・カードなどで使う技法。あれをタテで行う感じなのですが、全く止まらないので、テンポよく気持ちいい技法。要するにフラシュトレーション・カウントと目的は同じなのですが、これは色々使い勝手良さそう、と思いました。ペンギンのレクチャーではバリエーションを演じていて、4枚のエースのバックが赤だったり緑だったり黄色だったり白だったりという、盛々な感じに仕上げてらしゃいました。これは久々に(変態技法ではないけど)マスターしてみたいです。4枚とも全部両面見た気がしていたのに……!



5. Any Card At Any Birthday
観客Aに好きな数(誕生"日")を、観客Bには好きなカードを指定してもらい、最初から観客Cが中に何もないことを確認済みのポケットにそれだけ入れておいた予言デックを取り出し、観客が開けて中身を出し、1枚ずつ配っていくと、観客Aの言った数のところから、観客Bの言ったカードが出てくる。


「Any numberについて、別にそれが40でも16でも、見ている他の観客にとっては数字上の意味は無いし、それもなんか嫌なので、意味のある数字ということで誕生日を使うようにしました」というのを聞いて、「じゃああれですか、配らせるとき、表からか裏からかとかで2パターン調整するのかにゃ〜?」などといやらしいことを思っていたのですが、「あ、バースデーってタイトルだけど、別に1から52、なんでも出来るよ」「え?」「メモライズドでもないし、記憶・計算するとかもないよ」「え?」「計算もしないよ」「ナ、ナニイイイ!」と、自分が思い浮かべる方法が次々と否定されていく様は大変素敵でした。商品紹介によれば、
No rough and smooth No sticky cards No short cards No table needed No sleights No memorized deck or mnemonic work No formulas or sequences to remember No mental calculations to learn.
だそうで、更に彼は「リセットが手軽に完了する」という条件もつけて本作を練ったそうです。「このかたちにするのに5年かけたよ」とは彼の弁。デックは確かにレギュラーだし、即座に繰り返すことが出来る(しかも違う数・カードが言われてもその通りでてくる)というあたり、手品師のエニエニにかける想いは凄いなと思いました。裏で行われていることを知る前も知ったあとも、これはかなり完成度というか、現実性の高いACAANだったと思います。「えー、1とか52とか言われたらどうすんのー?」とか「ジャケット着てないときはー?」とか思ったのですが、DVDに解説されているらしいです。大枠は解説されたとはいえ感銘を受けたのでちゃんとDVDは買ってきました。見るのが楽しみです。

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会が終わって、毎度おなじみ2次会がありまして。こざわまさゆきさんの私物である、ボリスさんサイン入り『Transparency』をぱらぱら見ていたTくん。こざわさんが彼を指して「彼は色んな手品本を訳しているんですよ、例えばこういうのとか」と、『CARD FICTIONS 日本語版』を取り出したところ、ボリス氏が割と興味を持ってしまい、なんか流れで"全訳しなきゃいけない"ような流れになっていて笑いました。あとで、「なんか面白いことになりそうだったので見守ってたよwww 僕は迂闊に協力するとは言わないどくわウェヒヒ。」とかこざわさんは言っていて、Tくんサラリーマンなのに、そしてそもそも本編1ページも読んでないのに、また意味不明な手品ミッションに突入しそう。私も生暖かく見守る所存です。

「『マジックランドに行きたい』ってボリスさんが仰るから、ちょっと詳しく案内した紙をお渡ししておいたんだけどね、まあ翌日ランドにはちゃんと行けたみたいで。それは良かったんですが。で、『キミの訳したっていう本があって、ママさんに2冊見せてもらったよ!これはいいね!』って楽しそうなメールが来たんですが、ますます逃げられなくなっているのは気のせいでしょうか」という連絡を彼から受けまして。すぐに「退路なんて最初からないわ」と返しておきました。今年『Transparency』日本語版が出るかもしれませんね、マークトデック付きでw ますます彼の仕事が分からなくなってまいりました。そんなん売ってたらもう業者ですw

2016-03-09 裏箱根のひと

[] ヤマギシルイレクチャー


そんなこんなで石川のヤマギシルイさんのレクチャー in 大手町が、2016年3月6日の日曜吉日に(注:仏滅)。

【ショー】
レクチャーするものも含めて40分くらい色々と。
言ったカードがデックの中になくて、箱のなかに1枚だけ入っているのは、解説聞くまでどのタイミングで入れているのか分からない程度のはぽんこつなわたくし。会場の半分くらいの人が追えていたらしくてマニア怖い。仕込みの都合も色々あるのだろうけれど、6人のカードを当てるやつはちょっと1つの演技としては長かった感じ。うしろに薄くBGMでもあればいいんですが、無音の中で、ひたすらヤマギシさんがカードをクンカクンカしているのはちと怖いです。



【Rouis C-Stack】
おそらく世界一簡単に覚えられる計算型メモライドデックです。5分程度で習得が可能で、小学校第二学年時の四則演算でカードと枚数目を対応させることができます。お客様の目前で堂々と計算や暗算を行える手順や、スートの配列の特性を活かした手順もあわせて公開します。
ヤ「すみません、5分は流石に盛りました」 それはそうでしょうw 個人的にMove a Cardフェイズがツライ、ハートリングの"Unforgettable"ですが(注:ハートリング本人は、ネモニカなら奇数偶数レベルの速さで見分けます)、別法ないかなと思ってましたが、その意味ではヤマギシ・システムは結構良いかもしれないです。法則の乱れを読み取りやすいので。あと、いままでスタック使ったことない人とかにもいいと思います。



【物販】We Have All Trouble
マッチングカードというかESPカード系。
エモーショナル・インテリジェンス https://www.frenchdrop.com/detail?id=3078
リアクション・マインド・カード https://www.frenchdrop.com/detail?id=3787
の類型トリック用のカード付き。
厚川さんのアレかと思ったら着想はそこからでした。ESPの言葉版という感じでしたがああいうのが途中に入るといいアクセントになりそうです。通販とかはするのかしら?あと、会場にこざわまさゆきさんがいらしてて、これの作成の元になったのはこざわさんの手順だったそうなのですけれど、唐突にこざわさんが「あ、それの僕の演じ方とか紹介してもいいですか」と、レクチャラー席に行って演技・説明、当のヤマギシさんは観客席にさがるというのが「今日一」笑ったところでした。前半のクライマックス。「おいおい、こざわさん!……さすがやでえ」と思ってしまいました。


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【Pendulum Switch】
ポケットリングにおける汎用性の高い技法です。
たしかにこんな流れでスイッチされたらまるで分からないよなあと思いました。というか何度かリングの演技は拝見しているのですが、そんなことしてたのですか、という感じで。ヤマギシさんは事前に「ハハッ、リングはスイッチ部分だけさらっと説明するつもりですから、時間もかかりませんよ」とか仰っていた時点で「絶対嘘だ……」と思っていたのですが、予想通りやはり嘘でした。会の終わりに「なんで時間足りなくなっちゃうのかなー」とかアンツィオのペパロニさんみたいなこと言ってるので脳内で、 き「リングはちゃんとスイッチ部分だけにおさめたんだろうな?」 ヤ「やりましたよー!手順ひととおり全部!」 き「はあー?全部やったら時間なんかいくらあっても足りなくなるに決まってるだろうが!」みたいなことを思っておりました(ヤマギシルイ CV:大地葉 きょうじゅ CV:吉岡麻耶)。リングなんて手順の説明始めたら間に合わないに決まっています。あと半数くらいの人がちゃんとリングを持ってきていて笑いました。みんなすごい。


【Fortune of Freedom / Foolproof Shuffleboard / Touch of Mind】
東京堂出版『ジョンバノンのカードマジック』収録作品の改案三作品です。原案も非常に優秀ですが、手続きをシンプルにしたり、失敗の可能性を排除したり、別の策略を導入したり、より演出に磨きをかけるなどの工夫が加えられています。
原案になったバノンの本は名著ですよ!(ダイレクト・マーケティング) 
"Foolproof Shuffleboard"が好きなんですよ、私。去年教えて頂いたときに、左右への切り分けが、絶対間違えるだろと思っていたのですけれど、今回別の方がそれについて質問してくださって、その回答により、「確かに間違えないでできるな」と思いました。やはりああいうのは演者が混ぜたほうが安全ですし。これはいい改案だと思いました。

"Fortune of Freedom"は、ヤマギシさんの仰るような「原案はロイヤルフラッシュとか出てくるのが意味がわからない」というのは、別に意味が分からなくはないけど日本人に馴染みが薄い、という観点はあるので一理あるなーと思いましたが、「紙を折りたたむようにしていくのが意味がわからない」については、私は面白いなーと思ってたので見解の相違。セットアップ的なところはより簡略化されているのでそこはベターだと思いました。

"Touch of Mind"。原案"Wait Until Dark"は読むとそうでもないかもですが、実演見ると本当にキモいんですよ。ヤマギシさんの改案はスイッチの前後がより説得力が増しています。原案とのメリデメですが、簡単なセットだけで観客に広い範囲で選ばせたような錯覚をより強く与えることが出来る点で、デメリットというほどではないですが、質問が2回は要る、というところですかね。
私はバノン本人の演技を見て、選んだカードを言ったらすぐに、突き出しておいたカードがそれだというのが明かされたときに本気でびっくりしましたので、あれに破綻があるとは思いませんし、元の選ばせ方も、好きなところをタッチしていって突き出す5枚なので、特定の5枚だけから選ばせた感はないと思っています。まあ一覧として見せているのは5枚しかない、のは間違いないので、そこが気になると考えたくなる話なのかもしれません。



【Unlosing Control】
注視された状況で行えるトップコントロールです。ただ単に選ばれたカードをデックの中に差し込んだだけに見え、余計な動作がありません。任意の枚数目へのコントロールや、特定のカードへのスイッチとしても使用できます。
去年見せて頂いておりましたが、これがかなり不思議というか、「頭では分かってても、視覚に説得されてしまう」タイプのコントロールで。リー・アッシャーのLosing Controlのヤマギシさんのハンドリング(というかすでに別物な気もする)。以前と比して、左右に見せる際に弱点をカバーするプロセスも付け加わっていました。一桁枚数くらいだったら、コントロールする場所まで任意に出来るのが強みですね。エニエニ系にも応用がききそう。



【Up Standing Coin through the Table】
スタンディングで行う四段階のコインスルーザテーブルです。ノーエキストラ、ノーギミック、ノーサーバント。服装の制限もありません。
いわゆる「裸でも出来ます」系の手品。履いているので大丈夫ですよ(うろ覚えギャグ)。素材の特性に逆らわない、というのは興味深かったですね。会場のテーブルがIKEA製だったのですが、ワンダラーをバンバン叩きつけたりするので、時事ネタ的に「壊しちゃったりしたら笑える」とか思いながら見ておりました(壊れませんでした)。



【質疑応答その他】
「自分の考えた手順や技法というのは自信に繋がるし、その自信をもって演じられる手品だったら素敵になるに決まっているのです」というのとか、「観客が楽しんでくれればそれがいい手品だし、それ以外はない」というのも爽快な回答でした(パフォーマンスとしての、という限定ですが)。「プロマジシャンとは」への「確定申告をしていることですね」には笑いました。会場の下見とか観客層の把握など、事前チェックをかなり細かくしてらっしゃるのはさすがプロだなという感じでした。



【Pseudo One-Handed Table-Top Switch】
卓上のカードを裏返す動作で行うスイッチです。複数枚のスイッチが可能で、デックの自由な枚数目に正確にすり替えたカードを埋没できます。技法の詳細解説にくわえ、上記の特徴を最大限に活かした手順の数々も公開します。
私、この技法が大好きでして。いや、この技法使った手品を見るのが好きなんですけど。ヤマギシさん、主催の方に促されるまでやるのを忘れてて笑いました。目玉のひとつだろうよとw バーでの実演が元になっているからか、確実性も高く大好きな技法です。家で練習したりしているのですが、親指の位置とか、確実に差し込むコツとか、もっと色々聞いておけばよかったです。ホント流れるようにスイッチされるんですよねえ、これ。同系の技法は桂川さんのがすごく綺麗で、そちらも大好きです。そちらはうろ覚えなのでコツ以前に手法をよくわかっていないのですが。



【Ancient Chinise Pickpocket】
穴あきコイン3枚に紐を通すが、1枚ずつ外れるトリック。
"Charming Chinese Challenge"のヤマギシさんのハンドリング。5回くらい観客にぐるぐるに通させたのに外れたときは変な声出ました。当日ちょうど別のところで、ベタなCCCルーティーンをやってきたところで、とても興味深く面白かったのですが、パフォーマンス・オンリーで(時間がなかったというか、観客のお一人のリクエストで演じたので)、「おい解説は!」とか思いました。感想を言ったら「え、そのレベルで分からなかったですか?そうかそうかー」で終わりました。コインについての知見の浅さに定評のあるわたくし。いや、手品全般知らないことだらけですけども。あ、で結局習ってない!w



そんなわけで実質4時間以上のレクチャーでございました。もちろんヤマギシさんも長丁場お疲れ様でしたが、本件を主催されたhasadaさんの熱意と行動力にも感謝いたします。素敵な会を開いてくださってありがとうございました。


なお訳者くんは何故か映像のメディア作成を命ぜられたらしく、「うえっ、うぇっ、わたし……わたし!Hartlingの新刊が読みたいのに…!」とか泣いておりました。お可哀想に。

2016-02-09 石川より来たる。

propateer2016-02-09

[] ヤマギシルイ東京レクチャー


ご本人から「転載していいですよ」ということでしたので転載します。石川のマジックバー・カナザワスタイルのマスターであるヤマギシルイさんが3月6日、東京でレクチャー会を行うそうで、大変楽しみです。あれだけ場馴れしてて、テクと知識がどっちも高いレベルという人は少ない気がします。あと「さあきょうじゅさん、これも解説始めますよ!」と、なんか石川行って手品見るたび解説までしてくださるのですが、あんなに嬉しそうに手品の解説する人を知らないw

個人的に楽しむために、勝手にヤマギシさんの手品を延々と文字起こししていた昨年末でしたが(大体11万字)、微妙に書き起こせなかったやつに限って下の紹介文にあったので、当日ノートが買えるとか、概略骨子だけは書いてあるペーパー貰えたらいいなー、とか思っていますが、どうなんでしょうか、主催の方。ざっくり実演とざっくり解説くらいをyoutubeにでもあげてくれるのがベストなんですけどねえ。難しいかなあ。 
【2/10追記】撮影OKで、一部はテキストもつくそうです。やったね。"Rouis C-Stack"は詳細な解説を、"Fortune of Freedom / Foolproof Shuffleboard / Touch of Mind"は、手順の概略をまとめる予定 →ワーオグレイト。

なおレクチャーをやっている最中、そして終わったあと、この2点で一番親切だと思ったのはタナカヒロキさんのレクチャーで、演技中も解説時も撮影OK、その日行うトリックについては手順書ペーパーが付いている、というサービスぶりで、あれは極めて良かったです。メモも最低限で済むし、あとで手順もたどりやすいしで実に素敵で。

しかしポケット・リングもあるって、あれ現物持ってこないと絶対わかんないと思うんですが大丈夫だろうかw 【2/10追記】「リングは問われれば手順の詳細も紹介しますが、基本的にはシンプルな"技法の解説"なので、現物をご持参頂かなくても覚えて帰れる内容だと思います」 →だそうです。なるほど。

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《ヤマギシルイ レクチャー in 東京》

マジックバー金沢STYLEのハウスマジシャン、ヤマギシルイ氏の初の公式レクチャーを東京都内で開催します。スライハンドからセルフワーク、クロースアップからステージ、メンタリズムからマニピュレーションまで幅広くこなす氏の真髄をご堪能ください。
下記のレクチャー内容以外にも、質疑応答の時間をたっぷり設けます。技法や手順以外にも、現場での臨機応変な対応や思想、哲学なども詳しく訊くまたとない機会ですので、奮ってご参加ください。

日程:2016年3月6日(日曜)
時間:13時〜17時 ※多少前後する可能性あり
会場:東京都内 ※後日お知らせします 
参加費:一般5,000円/学生4,000円

申し込み方法: magiclecture000@gmail.com 宛にメールでお申し込みください。
本文に、氏名、電話番号、メールアドレス、一般/学生の区分を記入してください。
また、質疑応答用の質問もあればあわせてご記入ください。当日の質問でも構いませんが、よりよい質疑応答のために、事前に伺えるものは伺っておきたいとのことです。

○レクチャー内容○

【Pseudo One-Handed Table-Top Switch】
まずは実演動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=LUC_pzSZ01g
https://www.youtube.com/watch?v=7AEoZS3QHE8
https://www.youtube.com/watch?v=VAzWB6i3GHw
卓上のカードを裏返す動作で行うスイッチです。複数枚のスイッチが可能で、デックの自由な枚数目に正確にすり替えたカードを埋没できます。技法の詳細解説にくわえ、上記の特徴を最大限に活かした手順の数々も公開します。

【Rouis C-Stack】
おそらく世界一簡単に覚えられる計算型メモライドデックです。5分程度で習得が可能で、小学校第二学年時の四則演算でカードと枚数目を対応させることができます。
お客様の目前で堂々と計算や暗算を行える手順や、スートの配列の特性を活かした手順もあわせて公開します。

【Unlosing Control】
注視された状況で行えるトップコントロールです。ただ単に選ばれたカードをデックの中に差し込んだだけに見え、余計な動作がありません。任意の枚数目へのコントロールや、特定のカードへのスイッチとしても使用できます。

【Up Standing Coin through the Table】
スタンディングで行う四段階のコインスルーザテーブルです。ノーエキストラ、ノーギミック、ノーサーバント。服装の制限もありません。

【Pendulum Switch】
ポケットリングにおける汎用性の高い技法です。連結/離脱の前後でリングをお客様に改めてもらう等、色々なことが可能になります。上記技法を最大限に活用した8本使用手順"Octopus"も公開します。

【Fortune of Freedom / Foolproof Shuffleboard / Touch of Mind】
東京堂出版『ジョンバノンのカードマジック』収録作品の改案三作品です。原案も非常に優秀ですが、手続きをシンプルにしたり、失敗の可能性を排除したり、別の策略を導入したり、より演出に磨きをかけるなどの工夫が加えられています。

他、下記の実演動画のような凝った構成の手順が氏の真骨頂ですが、
https://www.youtube.com/watch?v=nk_RuRY-mrM
リクエストに応じて、日頃演じているレパートリーの数々も披露してくださるとのことです。

【2/9追記】
ご希望がありましたので、ヤマギシさんにご相談したところ、当日の撮影の許可をいただきました。カメラやタブレット等、ご自由にご持参ください。

また、テキストは可能な範囲で準備したいとのことでした。"Rouis C-Stack"は詳細な解説を、"Fortune of Freedom / Foolproof Shuffleboard / Touch of Mind"は、手順の概略をまとめる予定とのことです。

他にもご希望やご質問あれば、お気軽に magiclecture000@gmail.com にご連絡ください。

2015-12-31 一年の締めくくり(遅刻)

[] おおきく振りかえって2015


◆1月
元日からツツカナVS森下九段を見ながら寝落ち。
大塚周夫さんが亡くなる。私のイメージはやはり海原雄山だったなあ。
前年から『おへんろ!』にハマる。飯テロ感が半端ない。DVDも買ったりする。
Origaさんが亡くなってちょっとショックというか、彼女の歌声ばかり聞いていた一時期を思い出しました。
ミリオンアーサー見てたらBeeさんが見始め、さらにドハマリしていったのでびっくりする。というか私はついていけないレベルにw
ラモン・リオボー・著, 岡田浩之・訳の『Thinking the Impossible』が届いてワクワクする。ちょくちょくサークルでやってマニアを引っ掛けてニヤニヤする。
10年以上使っていたKDDIの携帯を解約してMNPをする。月々使用料が1/3程度に。ワーオ。

◆2月
特に何もなかったというか、新しく担当になったところが既にプロジェクト遅延状態で、深夜土日まで客先に行かねばならなくなってて死んでいた感。
野島さんの「ジョーカー」の発音は変わってますよね、みたいな話をしたら本気で驚かれる。

◆3月
十角館の殺人』読みました。『ハルシオン・ランチ』のとあるコマの元ネタを知ることが出来ました。
久々に依頼を受けて手品をしました。カードインペットボトルってすごく盛り上がるんですね。
TURNはいい買い物でした。
『マイナス・ゼロ』 大変良かった。きっと念入りな調査の上に書かれているのがまた。
"Les voyages forment la jeunesse" 旅が若者を形作る いい諺ですね。
野島伸幸さんによく似た、法被を着た水玉鉢巻でズーズー弁の"のづま"さんというマジシャンが凄腕仲人で、なんかカードでボッコンボッコンカップル作ってて笑いすぎて腹筋が筋肉痛になりました。あれ以来お会いしてないんですがお元気でしょうか。
幾原信者だと思っていましたが、いまいち『ユリ熊嵐』にはピンとこなかったです。なぜだろう。
『イニシエーション・ラブ』を読んだことを友人に話したら、友人からの「へえ、『イニシエーション・ラブ』読んだんだ。いいライト官能小説だったよね」というコメントに噴く。そういう受け取り方もあるのかw
ハサミ男』を読んだのですがすごく良かった。完全に引っかかりました。
ジョシュア・ジェイのDVDを見て、でっかいノート持ち歩いていつでもアイデア書き留めてるというのを聞いて、本当に一線で戦うマジシャンは、やはりこうやってくれないとなあと思ったりしました。
> ちょっと解説。wishはhopeと違って、叶いそうもない願望を言うときに使います。
> だからwishの後ろの文には、現実から遠いイメージを与える仮定法を使います。
先生になれば良かった:I wish I had become a teacher.”
→じゃ、じゃあ"We wish a Merry Christmas"とは……!? →wishはもともと宗教的に願いが込められているというのが先、らしいです。ワーオ。

◆4月
野島さんが奥様に、FISMグランプリ取れなかったらトイレに流す、とか言われたらしく震える。まあ万が一FISMグランプリとりそこねて野島伸幸が死んでも、あのどこだったかの村役場の凄い仲人ノヅマさんとか、ミスターグリーンとかが生き残っていればそれはそれで大丈夫な気がしてきました。「ククク、野島伸幸がやられたか…」「だが奴は我らの中で最もキャラの薄い男」「野島界の面汚しよ…」
友人が言っていた「オタクは男も女も会話が大喜利。目の前にあるものや作品についてどう語るかでコミュニケーションする。でも一般的なコミュニケーションはその人本人や周囲の人間関係をフックにした会話をするから、オタクはそういうコミュニケーションの場では借りてきた猫になる」に白目むいた。 →確かに。
デレマスで洲崎綾の綺麗な声を聞く度に、この人が洲崎西で「せ、生殖器だよぅ」とかいってた人と同一人物だと信じられなくなります。
「あみだくじを、演者の都合の良い様に操るマジック」があったりするのですよ(本当)
→マジで!?どこ!
ボードゲーム『枯山水』が買えない。
気賀さんのレクチャーが楽しかった。
生まれて初めて餃子の王将に行った。
ジョセフ・バリーのレクチャー会場で、私の原稿を赤と黄色で埋め尽くす地獄の校正マシーンこと、クレジット警察の方(七咲推し)にお会いし、なんだかキョドってまともに話せませんでした。さておきあそこで買ったレクチャーノートの出来には落涙を禁じ得ない。
『ONE DEGREE』『Three of a Kind』の直しが佳境。

◆5月
銀魂で「出た!ミスディレクション!」って言う台詞があったので、良い素材ゲットしました。
酔ったイキオイでCounterpunchとOMENの宣伝ページURLを二川さんに送って、「二川さんならこの現象どう実現しますかね」とか書いたら、24時間で両方とも考えて返送してくださるしげちーが素敵www 別の知人たちと、手品の紹介文書ページの記述だけから、俺たちで実現方法考えてみようぜwwwとかなって楽しい。考えたい。
ホント手品って課金ゲー的な要素あるくせに、2万ドル以上かけた私より(さすがに10万ドルは使っていないはず)、2ドルのデックでクソ不思議なことをやるマジシャンがいるのが許せません。
ガスタフェローの『ONE DEGREE』が出た。

◆6月
DMFに載ってる技法を使ってるのに、見せられて分からなかったらしい、Tくん。DMFはあれホント、読んでキモさが伝わりにくいのが「LOS control」「Cull de Stack」、そして「Out of Touch(でのオウレットのタッチ・フォース)」このへんですね。ご本人うますぎワロタらしい。
タナカヒロキさんのレクチャーに参加してまいりました。参加者に優しいレクチャーなんだよね、毎回。それでいてクソ不思議でした。
出版交渉とか翻訳権取得とか支払とか完訳とかめんどくさいので、同人誌的に、トリックの骨子と重要なTIPSだけ抜き出したWoody Aragonの『A BOOK IN ENGLISH』をキンコーズで製本して、参加メンバー内でだけ読んでにまにましたいんですが、誰かやってくんないかな。私も3つくらいならやります。ていうか一人全訳プレイはツライです。誰か月に1トリックずつくらい訳していくサークル(いまTくん1人)に入りませんか。
mMLの紀良さんの演技で笑いすぎてお腹が筋肉痛に。カッコええわ〜。
梶浦日本語封印デイ。心あらわれる。
たてかべ和也さん訃報。
ガスタフェローの『Three of a Kind』が出た。在庫払底まで2割程度ですよ!まだの方は是非。
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ビル・グッドウィンうまかった。
アルスさんが動画を投稿し始めたが相変わらずどれも不思議な上に綺麗だった。
T氏がガルパン本の修正を頑張ってた。
私のいう「手品露出狂」(見せたがり)には【伎癢】ぎよう(自分の技量を見せたくて、うずうずすること。)という漢語があることを知る。

◆7月
「メンタリストの単語帳」が届いていました!良かった。
大学のサークルの講習会に参加。たのしい。
日本住血吸虫 →じんさんからのリンクシェアで読み始めましたが、なんか1冊の本になりそうなドラマティックな過程描写。書いてるひと何者なんだろう。
kalsarikännit(フィンランド語)  意味:「自宅で一人、外にも出ずにパンツ一枚で飲んだくれること」
OUR FISM with Japanese translation(日本語字幕付き)  割と自虐も込で、みんなわかってるんだな、と思いましたw
前日に思い立って、唐突に始発で行った霞ヶ浦サイクリングで、行程の1/3地点あたりで前方に向かって派手に転び、道路で肘をすりおろして超痛かったけど名物バーガーは食べました。右腕血まみれで。
Asi Windの3トリック見て、どれも不思議でワロタwww すごいなw
同じ年の4月4日、6月6日、8月8日、10月10日、12月12日は同じ曜日。
同じ年の1・10月、2・3・11月、4・7月、9・12月は曜日と日付がそれぞれ一致する(閏年除く)。閏年の場合は、1・4・7月、2・8月、3・11月、9・12月の組み合わせで一致する
→先日も似たようなのがありましたが、何かに使えないだろうか。
マッドマックスがとても良かった。「イモーターーーーン!」

◆8月
訳担当のTくんがコミケデビュー。 残部希少(リアルで片手)。
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http://magic.theshop.jp/items/1924604 

なるたる』みたいな「まあどうせよくわかんない話なんだろうなあ」という姿勢で『ぼくらの』を読んだら何度か泣いてしまう。なにこれすごい。
Naked Secret Box シリーズが現代版寄木細工箱って感じで素敵。出るたびに買うマン。
北見マキ訃報。
マジックマーケット2015。SMのBeeさんが、講演で手品PVの見方をユーモア交えて説明されていたのだけど、つまるところ、なんでこんなに色々ものの見方を心得ているのに、この人はあんなにいっぱいダンボールの肥やしになるものに手を出してしまうのか。そこは手品マニアの闇と哀しきチョロさを垣間見る気分であります。SCAMに完全に引っかかる。そのあとネット見たら「割と一発で分かった」とかも散見して、おれてじなYOEEEEEE!みたいな感じでした。なお手品よりも野島さんの断髪イベントに注がれるみんなの熱視線が凄く、中世に処刑が見世物であったというのはこういうことかと深く納得したりしました。
グリザイアシリーズが面白かった。

◆9月
三國志などで、忠誠が高い武将にはなにもしないのに、忠誠が低い武将にはいっぱい金を掴ませなければならないという、嫌いな相手・イマイチな相手に限って何故か厚遇しなければいけない、みたいな状況を表す単語ってあるのかな。
金沢→富山→上田旅行。ヤマギシさんとシナクラ先生に遊んで頂く。
1950年代のマジック雑誌をざっと読みながら、この膨大なトリックを作った膨大な人たちが、この本を作るのに関わった多くの人たちが、もう殆ど亡くなっているんだなということを想像して怖くなる連休中日。
鉄オタか西村京太郎かwww 好きだけどwww
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グレッグ・ウィルソンのレクチャー。もはや名人芸であります。
唐突に思いつきレネ・ラヴァンの"It Can't Be Done Any Slower"を練習し始める。
唐突に思いつき、自分用メモとして、『ヤマギシルイレクチャーノート』を書き始める。(※なお年末時点で10万字を超えており、しかもまだ全然終わってない)

◆10月
「It can't be done any slower(これ以上ゆっくり出来ません)」の動作を少しずつ憶えてまいりました。これからスペイン語の練習です。「Una carta negra, aqui.」からはじめて、「No ce puede hacer mas lento!」まで。
ついにあそびの冒険を揃えました。長い戦いでした。
米原万里本にハマる。どれも面白い。しかも故人。
Bushfire Triumphにいまさらハマる。楽しい。佐藤総凄い。
Cross†Channelしました。送還BGMが脳内リフレイン。
あにトレEXを見ながら筋トレをしたところ、作中で女の子が軽々こなすエクササイズがこなせず涙。
二川会合宿で堪能してきました。クジラ肉とかを。
まさか大学生の頃の自分に、エヴァの新作劇場版が2006年から始まったけど、舞台設定の年である2015年には完成の兆しすら無いし、うしおととらとかジョジョがアニメ化されてるとか、スター・ウォーズがいまだに出てるとか言っても、信じてくれないだろうなあ。手品まだやってるよ、とかも。

◆11月
松来未祐さん訃報。その前の週に絶望放送の痴女回とか聞いて大笑いしていたのに。。。
ARIA』シリーズをいまさら読み始める。ネオベネツィアに移住したい。
コミティア。「待魂」「ファンタジー世界の地図を描く」「しりとりが絶対強くなる10の方法」「ナゾトキ町の不思議な日々」「ムー オカルトカルタ&同UFO・エイリアン編」「ムー ウイークリーカレンダー」 などを買う。
トライアンフの見立て殺人。体を輪切りにして10cmごとに180°回転させた状態であるが出血や切断痕がない。超不思議。
精密コマNEXT−クロノスに10分の壁は存在しなかった。
ようやくヤマギシルイノート(2015)が終わった。108,000字。よくわからないのであとでまた聞く分とか残ってたりはするのですが。一仕事終えた気分。2013とか2011もある程度はもう書いてあったり、マイナーチェンジだったりするのでそこまではかかるまい。(希望)。
『ガンダムTHE ORIGIN』読了。「名前は覚えてないのだけれど ギャンに乗ってた嫌な奴 そなこた忘れて踊ろじゃないか UP'S音頭でソソレソレ」が、ようやくマ・クベだと分かりました。ていうかもっと活躍するものだと思っていました。あと強面だけどデギンもドズルもいいやつじゃないですか。それに対して連邦軍がなんか嫌なやつばっかりというかw 『ガンダムThe Origin』読み始めたぼく: 「『当たらなければどうということはない』とか『殴ったね…』とか、2ch用語満載」「ガンダムビルドファイターズのラルさんをパクったキャラが出てくる」
久々に乗馬などしました。
人生で大事な全てのことが詰まった映画にハマる。もっと早く出会っておくべきでした(10年くらい前に)。改めてアンツィオ戦を見直すと、「継続高校の隊長がすっごく優秀で」とか「島田流」などの布石が散りばめられていたのだなあと感心しつつ、「ガルパンはいいぞ」。そんなわけで立川シネマシティの極上爆音上映会で『ガールズパンツァー』見てまいりました。とてもむちゃくちゃで楽しい映画でした。端的にいうと、「極上爆音上映会は、やはり『フューリー』のあとに『ガルパン』としたのは正解だった」というところでw ガルパンのあとにフューリーはなんか話としてツライw  なお座席はエルエルフ<L-11>ですカッコイイ。もう誰もヴァルヴレイヴとか憶えてない感じがします。いや私もかなり忘れています。 https://pic.twitter.com/1tJAwvNxTM
ガルパン劇場版がマッドマックスだったと話題に - Togetterまとめ http://togetter.com/li/903143 →言われてみればそんな気もしてきましたw
ガールズ&パンツァー劇場版極上爆音上映面白かった。特に西住殿がウォーボーイズに捕まって輸血袋にされて暴言吐きまくったり秋山殿が口に銀スプレー拭きながら特攻するシーンは最高にラブリーだった」 #分かりやすい嘘でガルパン劇場版を語る https://pic.twitter.com/UEc0x3PCW7
ほこたての"たて"のほうを"絶対に見破られないマジシャン"にすると絶望感が漂う気がする。なんでも切れるカッターVSマジシャン とか、何でも粉砕する鉄球VSマジシャン とか。
世界で一番気味悪い音の楽器 これ、こういう専用の楽器があったのかwww こわいwww
マジックソード  →超不思議。なんでだろう。今年一番不思議だった手品道具はこれで決まりです。
伊勢丹にて初めてカンテレを実際に触ってみて実にいい音で、買おうと思いました。
木製のフルート-ICO-You were there (3:48) →これ聴いたらなんかこう吹きたくなるじゃないですか。ハープが出来る友人がほしい。アイリッシュハープも弾いてはみたいんですが。
「フルートなどの本体自体を共鳴させない楽器の場合、素材による音の差異は有意とはいえないレベルでしかなく、プロでも聴き分けられない。高価な道具は見せびらかしたり自己満足以外には特に意味は無い」ということでした。ナ、ナニイイ。ABS樹脂製万歳。
水木しげる訃報。なのだけど、誰一人まともに成仏がどうのとか言ってなくて面白い。「妖怪ワールドに帰っただけだろ」「騒ぐようなことじゃない」的な。お人柄が偲ばれます。

◆12月
「緑の蔵書票」の中の人がガルパンを立川で観るため東京に来ていて、その時点で既に二桁回見てるんじゃないかっていうことで「ああ……」
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 って感じでしたが、よくよく考えるとわたくしも二桁回は行ってしまいそうであり、何が言いたいかっていますと、立川に行けるガルパンファンは、多少頑張ってでも極上爆音で観ないとダメだということです。いや、私最初が立川で、2回目は別のところで観たのですが全然違うんですよ。2回めのは音が軽いというか、目の前のスクリーンの動画を見ている感じ。立川はなんか「いま撃たれた!キューポラに当たった!怖い!」って感じでして、夏のマッドマックスも頑張って立川に行くんでした。いや、なんか単に音量大き目ってだけでしょ、とか思ってたのです。舐めてました。大体12月で6回か7回くらい観た気がします。最前列で見たときは見上げる先が戦車の車体下部とかで、いまにも轢き潰されそうな気分でした。あ、あと緑の蔵書票の人が、ご自身が愛して已まないサドウイッツの手品をやってくださり、不思議でした。
CARD FICTIONSは廉価版を出すことになりそうです。2016年2月販売開始予定。……予定。再校正中です。前回買い逃した方も是非。
ブリキのホイッスル(タイタニックのテーマとか吹いてる笛)買ったので、フラストレーションがたまるとアメリカ野戦砲マーチとか、ブリティッシュ・グレナディアーズとかを吹き出すマンに。
ウィングカンテレが届いたので、夜な夜なかき鳴らすマン。なおポルカは半音の都合で弾けませんが、冒頭とかでミカさんがよく弾いてるあれは6音しかないので、届いてケース開けて、触って、1分で弾けました。持ってて良かった絶対音感。録音したものを友人に送って笑いを取る。→てみる屋さんから「サッキヤルヴェン・ポルカを弾くためだけのチューニング表」が送られてきたので早速試す。フレーズパーツはほぼ弾けるようになりましたが、私はこれをどうすればいいんでしょうかw 謎のスオムス帽子をかぶって手品会場の隅っこでカンテレ抱いて座ってればいいんでしょうか。 
「ナイフの戦闘の勝ち負けとは 地面で死んだ者が敗者で救急車で死んだ者が勝者」 
キャストパズル「ヴォルテックス」が買って3年目にして初めて外れる。なお2016年元日時点で全く戻せていない模様。
エヴァ22話の最初のほうのアスカの「やってるわよ!」って台詞が岩男潤子がアテてる、というのを見て、聴いてみたらたしかに岩男さんっぽいのですけど、なんでなんだ。その回アスカ一杯喋ってるのに。




まあそんなこんなで2016年もよろしくおねがいします。John Bannonの『High Caliber』の完訳本、あと多分Pit Hartlingの新刊『In Order To Amaze』の完訳本も出ます。『ガルパンで学ぶ英語』の補遺集も出したいとか言っていましたが、そもそも申込書を買っていなかった気が。


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2015-12-19 まだまだ変わるよ!

propateer2015-12-19

[] 佐藤大輔・著 佐藤喜義作品集『Amazing Sally』, Vol.2


昨今、"人生の大切な全ての事が詰まってる"でお馴染み、某『少女s&戦車ー』の映画を頻繁に見に行く現実逃避をしており、「立川でないと満足できない」体になりつつあります。ジャンキーです。

さておき。

佐藤喜義さんの作品集『Amazing Sally』のVol. 2が出ました。いや、出るのです,なのかな?通常のショップ販売は12月25日だそうですが、既に茅場町のマジックランドでは取り扱いがあり、早速購入してまいりました。

Vol. 1が出た頃、以前拝見していた作品のイメージから、「佐藤さんといえば、もっと最後に多段階のエンドが押し寄せるやつかと思いました」とかご本人に言ったことがあるのですが、1のときはあまりそういう準備というかカードの調達が必要にならない、比較的デックひとつで始めやすい作品をチョイスしたと伺いまして。となりますと、2が出るときは使用カード全セットで、もう「すごい!え?まだ変わる?もう一回!?」という、私の中の"喜義さんらしい"手品が、それはもうバンバンですかー!?とか思っていたわけですが、今回も別にカードは付いていませんでした。シクシク。でも全部ではありませんが、「で、でたー、例のアレ〜!」というのはあったのでワクワクです。

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カードを手元も見ずにオーバーハンドシャッフルで弄んでいるように見せて、実際にはカードの並びを全て思い通りに替えてしまう技法・システムランについては、自分ではそんなにやりませんが(正:単に弄んでいるようには出来ませんが)、あれサラッと混ぜられると本当に意味がわからないですからね。あれ、ネモニカだかアロンソンって7・2・2・6とかでしたっけ?サイステビンス……?……うっ、記憶が……。
なおわたくしは、昨今手品の図々しさが増し、時節のご挨拶をしながら、カードの表を見て並び替えたりセットするようなオトナになってしまいました。バノンとかガスタフェローのみたいに、せめて手品でカムフラージュしながらにしろという声が聞こえてきそうですが。

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【第1章】
アリス・アイズ
カードを配っていって好きなところで観客にストップをかけさせ1枚選んでもらう。残りを2つに分けて同時にカードをめくっていくと、最初に選んだカードと同じ数字が同時に登場。さらに配った山の枚数に従ってデックからカードを配ると、残りの1枚が出てきて、フォー・オブ・ア・カインドが完成する。

のっけからフルデックスタックものであり震える。とはいえこの自由度で、配るだけで色々なフォー・オブ・ア・カインドが出てくることには、やっていて驚愕を禁じ得ない。のだけど、やはり1回やるごとに全部セットし直すのがつらい。なにかこう、ファローと何かを組み合わせてセット自体が手順化出来ないものでしょうか。



メンタル・サム
混ぜたデックからランダムに現れるカードの数字に従って、デックを複数の山に配り分ける。ずっとうしろを向いたままの演者には都度数字を(嘘も含めて)報告してもらうが、演者はそれを元に何かを紙に書きつける。観客に、使った数字をすべて合算してもらうが、その数字と演者が書いた数字が一致する。

ジョン・スカーニとかガスタフェローのトリックにもそういう操作というか原理のがあった気がするなと思いましたが、現象自体は当然全く違うものでした。シャッフルしたデックで始められ、基本的に演者はずっとうしろを向いたままなので、対人恐怖症の人でも出来る気がします。理屈を書かれれば、それは確かにそうだね、という感じなのですが、確かに数は当たります。手順上、さりげなく、と書かれている操作が一番難しそうなのですが、これは聞くより一瞬演者に渡してもらって、さっと数えて、しまっといてね、とやってしまいますかね、私なら。勿論一切演者が触ってない、という条件を崩してしまうのが勿体無いのですが。



【第2章】
90% パワー・ポーカー
10枚のカードから裏向きのまま2枚出し、好きな方を観客に選んでもらうことを続けていき、観客に5枚、演者は残りの5枚になったところで見てみると、観客はフルハウスで、演者はロイヤルフラッシュになっており、観客がすべて選んだにも関わらず演者が勝ってしまう。

割に簡略な操作であの現象が起こるのは面白い。エクストラカードが手元に残るのはちょっと工夫してみたいところ。とはいえ、ソロモンの"Power of Poker"みたいに、色々な箇所で観客が自身の手札を見ていったりする演出のほうが、観客の興味というかサスペンスを引き出せるような気がします(本作でも別にそうできないわけではないのでやればいいんですが)



シルエット 
カードの山から4人の観客に1枚ずつカードを覚えてもらい、デックに戻してもらう。さらに観客の指示に従って混ぜてしまったあとポケットに入れるが、その状態で観客のカードを1枚ずつ取り出してきてみせる。

最初のシステムランを読み、やってみて凄いと思い、いやしかし4回配るのめんどくさくね?と思い、解説で実はシステムランを使わなくても出来る、というのを読んでずっこけるw まあその場合はセルフワーキングとは呼べない操作が入りはしますが、完全にセルフワーキングじゃなきゃやだ、という人以外は、多分コントロールしてフォールスシャッフル、という方が楽な気がしました。これ、別にそうしたいわけではないんですが、フルデックとかもっと大きい枚数では出来ないのかしら。



フレンズ 
よく混ぜた赤黒5枚ずつのパケット、演者と観客が交互に裏向きのまま1枚ずつ取っていくが、最終的には赤黒がきれいに分かれる。

やってて面白いです。システムランは結局分かりやすい配列にしかしていないので、別に使わずとも行ける気がします。というか、私のように思考回路が256バイトしかない人間の場合、そのあとのどっち取られたときにどっちを、みたいな方に記憶容量を使いたいです。



【第3章】
フィクセーション13
パケットを出してきて混ぜる。予言を2つ出し、観客に選んでもらう。内容を確認すると、特定カードの場所が予言されている。さらにパケットを混ぜたあともう一方の予言を見てみると別のカードの場所が予言されている。

いやあ、これいいなあ。予言が2種あって、というところからしてかなり好みです。昔n枚のパケットにどういう操作をしたら、特定の1枚や2枚の位置は変わらないで済むかを試したことがあったのですが、最早記憶にございません。プログラム組んで確かめたほうが早そうな気がしますw 本作は最初見たとき、セットはめんどくさいのかと思ったのですが、かなりシンプルなものでいて感心しました。



サターニア
25枚のESPカードから2人の観客に1枚ずつ選んでもらう。残りを2つの山に分けてからめくっていくと、同じシンボルが現れるが、これが観客1の選んだシンボル。続いて配りきった2つの山を再度めくっていくと先ほどとは違ったシンボルが同時に出てくる。これが観客2のシンボルである。

私はESPカードに変な苦手感がある子なのであれですが、なんか現象だけ読んでいて、最初のアリス・アイズに似てるなとか思いました。



ニューサターニア
25枚のESPカードから2人の観客に1枚ずつ選んでもらう。残りを2つの山に分けてからめくっていくと、同じシンボルが現れるが、これが観客1の選んだシンボル。続いて配りきった2つの山を再度めくっていくと先ほどとは違ったシンボルが同時に出てくる。これが観客2のシンボルである。さらに表裏ごちゃごちゃに混ぜて2つの山に配り分けるが、すべてのペアでシンボルが一致する。

私自身はそこまで「全部が一致する」現象に凄さを感じないのですが(なんか凄い作為を感じてしまうから)、演じるとすごく受けますよね。本作は前のサターニアに追加で行えます。



【第4章】
月影のプリンティング
4枚のダブルブランクカードを出し、デックから1枚のカードを選んでもらう。その表をブランクにこすりつけると、観客のカードの表がブランクに印刷される。同様に裏をこすりつけると全部に裏面が印刷される。おまじないをかけると両面とも全てブランクに戻ってしまう。

「え、どれでもそれになるとか、ブランク側どういう構成なの」と思いましたが、さすがに想像していたほどの自由度はありませんでした。というか出来てたら怖いかも。喜義さんといえばタウンゼント・カウントなので(注:個人の感想です)、読むだけでニヤリとしました。


未来カーズ
観客にカードを1枚選んでもらったあと、演者はパケットケースから何枚かのカードを取り出してくるが、これはトランプではなくメッセージが書かれたカード。観客の選んだカードの色やマークが予言されており、最後のカードには観客の選んだカードが手書きで書いてある。さらにパケットを手の中に通すと、全部のカードが観客の選んだカードに変わってしまう。

「うん、男の子の手品って感じだ」(CV:井之頭五郎) なんていうんですかね、この技法自体やギャフの存在を知っていてなお、流石にこの現象を起こすのには結構枚数要るんじゃないかな、どこで付け加えたり引いたりしているんだろうか、という予想を裏切ってくれる見事に無駄のない構成。あとそのうち考えるのをやめた超生命体とかは関係なかったです。



【第5章】
星屑のコレクターズ
観客に1枚のカードを選んでもらう。最初から置いてあった4枚のクイーンをその上で振ると、選ばれたカードと同じ数字の3枚が、一瞬にしてその間に挟まれて出現する。

当方、コレクター現象大好きっ子なのですが、やはりこのタイプが一番楽で説得力があるのかなあ。某ギャフを知ってからは正々堂々とデュプリケートを挟んだままファンに出来ることに気づいてしまったので、よほどの至近距離でもなければそういう短絡的でいいやという手順にしてしまったのですけれども。ジョシュア・ジェイのあれが個人的にはノンギャフベストで、今年見たビル・グッドウィンのやつはテクニカル(といっても基本は変則カウントのみですが)だけど良かった。練習をカケラもしていませんが。


ノンオイルあんどクイーンズ
赤いカード4枚のうち1枚を黒いカードと交換すると、4枚とも黒いカードになる。1枚を捨て、別の黒いカードを入れるが今度はなぜか4枚とも赤いカードになる。色が何度か入れ替わったあと、最後は4枚ともクイーンになってしまう。

直接関係はないんですが、1枚交換、2枚交換、3枚交換、みたいにやっていくトリックが面白かった記憶があるのですけれど、思い出せない。うっ、記憶が……。さておきノンギャフでこれは面白い。1枚入れるとその色に変わってしまう、というロジカル(?)さのあとの、もう1枚入れるとまた色が反転する、という不可解さがたまりません。



【第6章】
エデンの東
4枚のエースと4枚のダブルブランクを出し、1枚ずつ交換すると、エースの山が4枚ともダブルブランクに。もう一方の山を見ると4枚とも裏面ができているが、表を見ると何故か4枚ともキングになっている。

でたでたw 私の想像する佐藤さん節って感じがします。ロイヤルフラッシュが出てくる、裏面が全部変わってる、それからこういう「そんなに変わるって、何枚使ってるんだよ!」、これこれw やはりというか当たり前というか、ギャフは使うのですが、多分こういう変態パケットクラスタにおいては、やはり佐藤さんは極北に位置する気がします。早速遊んでみる次第。……タウンゼントカウントってどうやりましたっけ……?(注:これから読みまして。タウンゼントカウントをすっかり忘れていたことに気づきました。Vol. 1より簡略ではありますが、ちゃんと本書内にもやり方の解説はあります。為念)



ペンシルベニア
4枚の赤い数札のうち、1枚を捨てて、その代わりに1枚のエースを差し込むが、エースは消え、4枚とも赤い数札に戻っている。これを繰り返すが、最後のエースを入れると4枚すべてエースになってしまう。更に捨てていた4枚を見ると全てキングになっている。で、4枚のエースを裏向きにすると、すべての裏の色が異なっている。

単売してw 準備がくそめんどくさいけど、現象ときたらこれはもう「あたまおかしい」としか言いようのない、実に佐藤さんらしい作品だなと思いました(注:最大限賛辞)。なんかホントこういうのがあるからこそ、使用カードは別売でもなんでもいいんですけど、用意してほしかったなあと思うわけです。どんなによさげな手品でも、物揃えるのに手間だと演じることはおろか、練習に取り掛かれる人も減ってしまうと思うのですよ。。。



五番街のルーシー
手元の4枚のエースが、テーブル上の4枚のキングと1枚ずつ入れ替わるが、おまじないをかけると一瞬でエースに戻る。エースを1枚交換するだけで、エースのパケットは4枚のキングへと変化する。これをデックの中に入れるとスペードのキングが消え、もう一方のパケットに移り、そのパケットを見ると何故かロイヤルフラッシュが出来上がっている。しかも裏の色が全部違う。

「あーチクショウ俺の負けだ、煮るなり焼くなり好きにしねぃ!」的な手品です(割と率直な感想)。さっきのペンシルベニアでも4色ですけど、今度は5色、他の色のを探さなければならない、恐ろしい手品です。準備さえ出来れば、なんかちゃんとした場所で、観客にとどめを刺すのに最適だと思います(白目)。

2015-10-17 例のトライアンフ

propateer2015-10-17

[] Christian Engblom 「Pieces」




初めて見たのが2年前、Fat Brothersの来日レクチャーの東京会場でした。あの日、もちろんダニやミゲルのも相変わらず凄かったのですが、ダニのは3年前のレクチャー以降、DVDなどで軒並チェック済みであったため、「不思議」というよりも「なるほどやっぱりうまいもんだなあ」でした。そんな中、あまりよく知らなかったこともあって、クリスチャンのやることなすことにホイホイ引っかかっておりまして。中でも一番不思議だったのがこのTriumphでした。会場もどよめいていましたね。だって、混ざってるの見て、揃えて、また同じ方向に広げて揃ってるんですよ?超不思議じゃないですか?いや、不思議でした。超。

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師匠筋であるタマリッツからの、「・借りたデックで ・公明正大にまぜた状態をスプレッドして示し ・そのまま公明正大にゆっくり閉じて ・公明正大に広げると現象が起こっている ・そして手渡してあらため可能  そんな新しいTriumphを考えてみたらどうだい」という宿題が出て、それをダニは"Open Triumph"に結実させたわけで、あれも最初見たとき震えました。で、同じ宿題に対し、ダニの垂直方向でのディスプレイの向こうを張って(別に意識したわけじゃないとは思いますが)、水平方向ディスプレイを作り上げたのが彼のTriumph、"Pieces"でした。しばらく、私の周りでは「例のTriumph」「あのTriumph」などと呼ばれておりましたね(作品名称自体なかったか、私たちが知らなかっただけなのかはさておき)。少なくとも私は名前を知らなかったので、メールのやり取りではyour "Legendary Great" Triumph とか書いていました。


で、届くと、なんか謎のギミックだけ入ってて、「HAHAHA, クリス、遅かっただけじゃなく、DVDも入ってないとはおっちょこちょいめ。ヤレヤレだぜ(ま、また4週間待つのですか……!?)」とか思ったら、紙片がひとつ入っていて、説明とかは当該ページに飛んで見てくれ、だったという。ギミックも、"Hawk 2.0"のときと違い、「これをどう使ったらあの現象が起きるんだ」と、ハテナマークが頭の周りを飛び交っておりました("HAWK 2.0"はギミックを見た瞬間に全てを悟って愕然とした思い出)。


で、解説を見る。


やっぱ凄いですね、クリスチャン。頭がいい。もともと「借りたデックでも使えて、最後に手渡せる」という割に、「ノンギミック」とは書いていなかったので、「汎用性のあるギミックがあって、すり替えるか処理するかしたあとならばデックを渡せる(そこにはなにもアヤシイのは残らない)」ということだろうなとは思っていて、それは正解だったのですが、ギミックが見たことのない形状で、解説見て、「あーこれは私には思いつかないわ」と、しばし嘆息いたしました。単純な形状から徐々に工夫していったというのも興味深かったです。


机のうしろに立ってでも出来なくはないですが、やはり椅子に座った状態で演じるのがベターな気がします。まあそんなにかさばるギミックでもないのでいかようにでも処理は出来ると思うのですけれどね。ゆっくりと、公明正大に見せられるトリックは、そのままそのように見せるのが良いように思います。

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ちなみに、SMヒゲ社長(「なんかいやらしいな、オイ」(CV:魔梨威さん))こと滝沢さんから「例のTriumph、本人から買えるみたいですよ」との情報を頂き、クリスチャンとやり取りしながら注文したのが9月中頃、その翌週くらいに日本の手品ショップが扱い始め、しかも安い(本人から買ったら送料込みで40ドル、5,000円弱かかったのですが、ショップどこも4,000円しないの。。。)。「Genii Conventionとかで生で見て買った」、「日本のお店に注文して届いて、「あのデブさすが賢い」と思いました」とかの感想を見て、「おいおい私のはいつ届くんだよ。あと1週間待って、注文から1ヶ月になったらクリスチャンに言って、デリバリートラブルってことで返金してもらおう。そして日本で買おう!安いし」と思っていたタイミングで届きました。ぐぬぬ。フィンランド遠いです。ラスベガスのショップで買った本とかは3日かからず届いたのにw



「例のトライアンフ」がついに国内でも発売に 


ちなみにマイブームは、なぜかいまさらですが佐藤総 "Bush-fire Triumph ver. 1.5"ですw ひょんなことから先日まじめにやってみようと練習をはじめまして。テンポよくできますし、視覚に訴えかけるディスプレイなどなど、佐藤氏の天才性を再認識します。これ、最後戻ると不思議ですよね、やっている自分でも。 


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2015-10-15 システムの世界

propateer2015-10-15

[] 紀良京佑「SYSTEM」



その昔、二川さんに見せてもらった手品があって、「どういう原理なんですか」的な質問をしたところ、「紀良さんのシステムでして」というお返事をもらい、「世の中色々な賢い原理があるんだなあ」と思ったのが10年くらい前だった気がします。そのときは「未発表なんですよ」ということだったので、入手を考えることも、それ以上突っ込んで聞くのも失礼かなと思って忘れておりましたが、ついに出ました。 「SYSTEM」

大体カード手品に触れ始めてしばらくした人は、まずサイ・ステビンスのシステムに触れることになると思うのですけれど、大抵のシステムは使わなくなっていくことが多いと思います。一番の理由はおそらく、「組むのがめんどくさい」からだと思います。赤黒交互でバレやすいとか、そういうことを言う人もいらっしゃいますが、それは多分副次的な言い訳といいますか、「気づかねーよそんなもん」&「そういうのに気づくマニアなんか相手にしなければいいじゃないですか」という気がします(※個人の感想です)。タマリッツのネモニカみたいに、ある程度開封したところからファロー何回、ズラすの何枚、みたいな理屈っぽく感じで組めるのはまだしも、アロンソンとか超めんどくさいですからね(サイ・ステビンスは調整とファローでいけますが)。

さておき。

作られてから多分10年以上を経て、発表となりました、紀良さんのシステム。サイ・ステビンス的な理屈ではあるのですが、赤黒も交互ではなく、いくつか演じて、最後に全部のカードが順番に並んだクライマックスという、いわゆる一般のお客さんに一番受ける(※個人の感想です)流れに持っていける構成になっています。数理ではなくトリックを複数演じられるように組まれている、という点ではアロンソンみたいな感じかなと思いましたが、数理的な面も兼ね備えているように感じました。

M-DECKの研究系とか、それこそ海外で大量にある、ネモニカやアロンソンを使ったマジックの研究本などのように、今後キラシステムでもどなたかのそういった作品集が出てくることを願っております。めんどくさいからあんまり使う人がいない分、システムとかメモライズドのデックは、ひとたび使われると、全く追えない感じが出てたまりません。いや、私はうまく使えてないんですけどそれはさておき、です。アラゴンの不思議な手品を見て、サイ・ステビンスものだと知ったときに「こう使うのか!」みたいな驚きがあったのを思い出します。

2015-09-25 グレッグ再来襲

propateer2015-09-25

[] Gregory Wilson レクチャー2015


先日都内某所で行われました、Gregory Wilsonのレクチャーに参加してまいりました。7年前と実はやってることが被ってる箇所が多いのですが(ブログを読みなおして知る)、いい感じに引っかかりまくりましたので備忘録がてら。

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1.Chip on Shoulder
観客の肩にチップだのコイン・パースだのがいつのまにか乗ったりする。たしか彼のDVD『In Action』とかでも解説されていた気がしますが、スライディーニのPaparball Over the Headみたいな、舞台に上げられている観客以外にはまるわかりのあれですね。で、何故か知りませんがまた舞台に上げられたので、また引っかかりまくるわけですね。ぐぬぬ。なお今回は落ちづらいチップに落ちづらいコイン・パースと手順DVD(多分)がセットになったものを販売していました(こんな感じ?)。別のDVDなどで手順を知っていれば、物だけ揃えて自力で加工可能なレベルだと思います。トランプいじってないでこういうの出来るようになりたい(言うだけ)。



2.Pointless
ペン先があっちいったりこっちいったりしちゃうあれ。
いやー、7年前に来たときに感激して買って、自分でも色々作ったりしました。いまやもうまるで手順覚えてないんですけどw しかしこれはいい手品です。



3.Bandwidth
指輪が伸びる。
いや伸びるんだものw ぐにゅーって伸びる指輪(?)の処理方法にまるで気づきませんでした。半袖Tシャツでも出来る。素敵。あとこの会場、指輪してる人がゼロ。凄い。



4.Invisible Smoke
タバコを吸う真似をすると口から煙が出てくる。
Theory11のこれっぽいですね。 まったく気づかなかったので、口から煙出てきたときはちょっとびっくり。なおグレッグは横向きに吸うことで、指のジェスチャーに理由をもたせていて、なかなか興味深かったです。ちなみに2次会で知ったのですが、グレッグ自身はタバコ吸わないのねw



5.Pickpocket
時計だの財布だのが次々とスられていくさまをみんなで見て楽しむ恐ろしいあれ。
遅れていらした方にChip on shoulderから始まり、これにつなげていました。そして言葉もかわさず、スられた時計だのなんだのをキープする通訳の二川先生。絶妙のタイミングでグレッグの手に戻す二川先生。なんだこれw スリのコンビ芸とか怖いw



6.iPhoneを使ったマジック
第1段で、観客のiPhoneのロック・ナンバーを、第2段で観客の電話番号の下4桁を知るもの。
最初、toxicというかそういう電卓系と数理の組み合わせかと思っていたのですが、どちらもiPhoneの特性を利用したもので、Andoroidケータイの私涙目。なおあとで試してみたのですが、やはりAndoroidでは出来ませんでした。特に第1段の方はグレッグも言っていましたが、あれバグというか不適切な仕様じゃないでしょうか。グレッグ「アップデートでここが直されないことを願っているよ」 確かにw あとこの会場、iPhone持ってる人がひとりしかいない。凄いw



7.Unleashed
アンビグラム、って知ってますか?180度ひっくり返しても、同じ単語に読めるようになっているもので」という導入からの、外したドッグ・タグをTシャツの胸の位置の記事で挟み、観客に指で押さえていてもらうが、生地を引っ張るとタグが消えていて、また首からさがっている。
ちょっと横からだったのでよく見えなかったというのはあるのですが、いつの間にか消えててびっくりでした。



8.Foreign Affair
お札が1ドルから、オーストラリア・ドル、ユーロ、元、そして最後に万札になる、という。
ビル・チェンジものが好きなもので、かつ以前見て買っていましたのでそこまでおおっとはならなかったのですが、場が意外に沸いててそっちにびっくり。解説時の、例のアレの出現のさせ方は流石にうまいなと思いました。



9.Revolution
指の上でデックが長時間回転する。
「今朝ホテルに荷物が届いたので、やっと売れるよ」ということでしたw もっと先に送っておけばいいのに。自力で作れなくはないけどやや面倒。あとちょっと高いかな、という印象でした。触らせてもらいましたが、やっぱちょっと痛いかも。「ちょっと痛いよ。慣れはするけど」に噴く。



10.The Poker Test 2.0
青裏ブランクフェイスを5枚見せるが、1枚フェイスが出て、裏返すとバックの色が赤に、そしてさらに表にするとロイヤルフラッシュになっている、というパケットトリック。
結構綺麗ですね。最初「これやってることはカチャマタ・フラッシュチェンジと同じじゃないのか」という気がしましたが、あれと比べて最初のAを堂々と出してくるので技法をまったく必要としないというのが違うのかな、と思いました。まあカチャマタ〜の方もそうしようと思えばできるとは思いますけれども。



<休憩>


11.割り箸パドル
いわゆる、ドットが移動したり増えたりするやつです。
「唯一できる、ジャパニーズ・マジックさ」とか言っておりましたが、割り箸って日本発なのか。さておき、オフビートでのすり替えを見逃しました。注意力が三万しかありません。そういえば2本目を取り出してくるとき、どっちがドット一個の側かをどのように判別しているのかを聞き忘れました。しくしく。



12.Exact Change
観客が自由に言った1−100の数字、その数字分の金額ぴったりの小銭がポケットから出てくる。
私が適当に言った「45」に、45セント出てきた時は、この手品の存在を知っていたにもかかわらずびっくりしました。「しかしだ、この手品、自国のコインじゃなく、外国のコインでしかできないってやっぱあれよね」ということをグレッグが言っていて、私も確かに日用品を使っているのに、いきなりクォーターとかダイム出されてもな、という気がしていたのですが、フェザータッチマジックでは価格は高いけど、日本円で使えるギミックを作ったんだかどっかで見つけてきたんだかで付いているそうで。ちょっと迷っております。現象としてはホント一級品のメンタルな気がしておりまして、今欲しいギミックナンバーワン。(9/24時点調べ)



13.カードスタント数種
やはりカードをブーメランみたいにして飛ばして、それを口でキャッチ、というのがいいです。今回はうまくいっていませんでしたが、飛ばして、戻ってきたそれをかかとで蹴りあげてそれをキャッチ、というのはうまくいくと超カッコイイですね。



14.カード・トリック2種
最後に2種カード・トリックします、ということでひとつ目はCard on the Box。
うまい具合に視線と注意を誘導され、選んだカードがいつの間にか箱の上にあったり、使ってたカードが全部箱の中に入っていたりと。「手品してない人たちに見せると、最後では悲鳴が上がるね」と言っていましたが、そうだろうなという気はします。いや、私もカードを箱の上に置くときも、カードを箱の中に入れるときも全く気づきませんでした。おそるべし。
ふたつ目はブランク・デックでのギャグからの、サインさせたカードでのアンビシャス、最後に演者のサインが観客のサインしたカードの裏に飛び移るアニバーサリー・ワルツ的な展開。これは最初のギャグ部分があるおかげで、後段随分楽になっているんだなという感じでした。やはりサインした別々のカードが1枚になる、というのは美しいです。

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総括として思ったのですが、なんで非母語のマジシャンの演技のほうが笑えるのだろう(注:私が)というのがありまして、多分、空間というか場の使い方の違いなのかなという気がしました。あとへたに言葉を使った誘導やタイミング合わせがしづらいから、そうでないところに気を配るから、とかそんなんでしょうか。ノンバーバル・コミュニケーションというか。
私の知っている日本のマジシャンは、いいアイディア持ってるし、スライハンドも凄くうまいと思うのですけど、サロンレベルですらあんまり空間を広く使わない感じがするといいますか。(※個人の感想です) 「この限定空間上では超不思議なことするぜ(ただしそこからは動きません)」的な。いや、そういうの大好きなんですけど。あとまあ体に接触することを忌避する文化的な側面はあると思うんですが(アメリカとかスペインのマジシャンがやっても許されるけど、日本人が下手にやると怒られちゃう感じというか)、……うん、まあ別にどうでもいいといえばいいか。海外コンテストが主戦場、なんて人もいないし、私見るのが好きですし。

2015-08-22 夏の戦場 番外編

propateer2015-08-22

[] マジックマーケット2015


昨年始まったマジック関連物即売会&講演会であるマジックマーケットですが、今年も開催されるそうです。詳細情報は主催のトザキマジックスクール学長のページをご覧頂ければと思いますが、8/29(土)の12時から、東京の蔵前あたりです。野島さんの断髪式が行われるというw 店の数からして、大体1時間もあればじっくり見て回れてしまうので、椅子とテーブルが多くあればいいんですけどね。どうせデックとコインを持ったマニア同士が出会ったら、立ち合いが行われるに決まっています(偏見)。

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イベント概要
開催日時:2015年8月29日(土) 12時〜18時
会場  :かやの木会館 4階多目的ホール
     東京都台東区蔵前 3-22-9
     http://www.kayanoki.com/
内容  :マジックオンリー即売会イベント 
ブース出展料  :3,000円/1ブース
企業ブース出展料:6,000円/1ブース
一般参加    :1,000円/1人


マジックマーケットタイムスケジュール
12時 開場、出展者ブースオープン
12時半 開催挨拶
13時〜13時半 :学長講演「日本マジック界の独自進化論、クールジャパンの作り方」
14時〜14時半 :「正しくない手品商品PVの見方」講演者 Small Magician管理人:Bee
15時〜15時半 :「肉体表現を越えた空間表現論」 講演者 ジャグラーるき
16時~16時半 :野島伸幸 FISM敗退記念断髪式
17時〜17時45分:学長対談 「店舗型マジックの今までとこれから」
対談ゲスト 龍野洋介
17時55分 閉会挨拶
18時 クローズ
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会場レイアウト
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色々見に行って頑張ったけど埋まってない当日の全店全商品リスト(当日までにもう少し分かるといいんですが。。。どなたかご存知のかたいらっしゃったらお教えください →0828 23:00 update)
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パンフ
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当サークルの訳担当の彼は、「日本奇術製作所」(Beeさんち)のところで、大きめの輪ゴム無料配布とか、スリーボールトリック頒布、『Three of a Kind』ちょっと安く販売しようかな、と申しておりました。私もちょっと遊びに行こう。

2015-08-14 (偏った)英語学習に最適

propateer2015-08-14

[] C88『ガルパンで学ぶ英語』


T君は手品の訳本出すのが趣味かと思っていたのですが、「ハハッ、なにをバカな。あれは精神修養のためです。正直、手品以外の趣味の方がメインですよ」などと言う始末。昨今、(ハートリングの本の直しとかほっぽって)同人誌作ってたということで聞いてみると、2012年のTVアニメ『ガールズパンツァー』について、発話時間/日本語音声/英語字幕/英語音声 の4項目を、12話分、全部書いたもので、B5版で本文228ページ。おい、ガスタフェローの合本、『Three of a kind』の本文、A5版で190ページじゃないですかw アニメ同人誌のほうが気合入ってるとかどういうことなのw



で、先日の夏の戦コミケ88初日に、初めて売る側(売り子ではなくメインで)参加したらしく。本人&売り子の予想に反して、持ち込み分は13時には完売していた模様。良かったですね。なんでもう少し持って行かなかったのかの質問に対しては、「先に出来た分は郵送しましたけど、あとから作った分も、あんなクソ重い本、10冊20冊も持っていくほど体力無いです……」という悲しいお返事をもらいました。見せてもらいましたけど、これは確かに持ち込むの嫌ですね(手品人に分かりやすく書くと、「このデック、よく混ざってますね。ではお渡ししますので、デックからスペードのカードを全部抜き出して捨ててもらえますか?」「はい」「抜き出しましたか?……それがこの本の厚さだよ!」「な、なんだってーーー!」です) というかこのようなものをなぜ作ろうと思ったのか。(→留学中、リスニングの勉強にはディクテーション(聞き取って書く訓練)がいいはず →アニメ大好きだから、見たことある好きなアニメでやればモチベが維持できそう →よし、北米版安いからガルパンBDを買おう →アメリカアマゾンポチー →延々と練習 という流れとのこと。しかし普通全話でやるかそんなことw) 当初、縦書のびっしりで作って、多くても150ページ程度に収めるつもりが、見づらいので横組にしたところ250ページになり、泣く泣く色々な台詞を統合、なんとか228ページまで圧縮したそうですが、そういうこともあって各種入れたかった注釈を入れずに作ったそうで。いやあ、そのへんも全部入れればよかったのに。(他人事)

なお聞くところによると、持っていった分を完売しておきながら、経費の3割程度しか回収してないらしく(相変わらずの経済センスの無さが光る)、「通販したいです、っていうかさせてください」ということでしたので、作ってみました。



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『ガルパンで学ぶ英語』


画像はイメージです。本文はテキストです。椅子はチェアーです。
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ふとアマゾンを見ますと、普通に日本国内で北米版BD買えるのですね。しかも海外で買うのとあんまり変わらないとか、すごい世の中です。全話分で6000円しないとは(海外はビデオソフトが安くて羨ましい)。この本をテキストにして、みんなもディクテーションにチャレンジ!「俺はアニメを見てるんじゃない、英語の勉強をしているんだ!」

Girls Und Panzer: TV Collection Blu-ray


ガールズ&パンツァー コンプリート DVD-BOX (全12話+総集編2話, 336分)


通常、刷ったうち半分が売れたら元が取れるようにするのが、同人誌の値付の王道だそうですが、そうすると1冊3000円くらいになるらしく。やはり分厚い本というのはダメですね(そもそも1冊作るのに本文用紙を114枚使う時点で、紙代と印刷費が跳ねる気がします)。遊びで刷るものではありません。(戒め) 刷った分全部売り切ってトントンになるとか、そういう値付はしてはいけません。キミだよ、キミ。

2015-06-01 ガスタフェロー祭り

propateer2015-06-01

[][] John Guastaferro『Three of a Kind』


先週25日の『ONE DEGREE』に続き、30日には『Ready Set GuastaferrO』 『Discoveries and Deceptions』『Seven Wonders』の日本語完訳合本『Three of a Kind』がついに出来たそうです。Tくんは最早、「週刊ガスタフェロー」祭りだぞいや!(創刊第2号の本書にて休刊予定)

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販売サイトも(テキトーに)作ったのでご紹介しておきます。

教授の戯言の物販

本当は「教授の戯言の物販の部屋(のが連続しています)」にしようと思ったのですが、長いので止めました。『ONE DEGREE』(2010)より後のガスタフェロー作品がこれで90%くらいコンプ!(残り5%は2つか3つ、個別トリックを販売していたりしますので一応) ISBNまで取った割に、Hartlingのときより更に刷った冊数少ないとか意味が分かりませんが、売り切れ御免で早く在庫の恐怖から逃れたい模様。分かる。



念のため本書に含まれる全トリックに言及しておくべきかということで、うしろ2冊分については『Discoveries and Deceptions』 『Seven Wonders』  で触れておりますのでそちらを読んで頂くとして、ここでは残る『Ready Set GuastaferrO』(以下『RSG』)についてをご紹介します。ちなみに『RSG』は、各章から1つずつトリックを選んで演じていくだけで、ひとつのクロースアップ・マジック・ショーになるという、起承転結というか、序破急的な構成になっているのが特色です。ずぼらな人にも安心設計!

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Chapter 1 Openers
 1 Invisible Opener:ごっこ遊びの最中、それら想像の品々がどこからともなく現れます。ポーカー・チップ、デック、そして輪ゴムが。
 2 RWB (Red,White, and Blue) :デックの色が赤から青へと変化します。そして少々のアメリカへの愛国心で、一瞬フェイスまでもが消失して真っ白になり、完全な“赤、白、そして青”の星条旗カラーへの変化が起きるのです。


"Invisible Opener"は何も持っていない状況から、30秒くらいの間に、3人の観客にそれぞれデック・輪ゴム・チップを出現させて渡すことが出来るもので、タイトルにもかかってますが、インビジブルデックの手順を含むものです。私はレストランでのアクトはしませんが、ああいうパーティー的なところで手品するというのは大変そうだなあと読みながら思いました。あとインビジブルデックばんざい。


"RWB (Red,White, and Blue) "は基本路線は赤から青へのカラチェンなのですが、タイトル通り、作品末のバリエーションを使うと、一瞬全部ブランクデックに変わったようにも見せられる作品です。やり過ぎなんじゃないでしょうかw 「選挙の年であれば、それぞれ共和党(赤)と民主党(青)を表すということで、(中略)党派関係の変化や、イデオロギーの混ざり合いを表す、なんていうプレゼンテーションも可能ですね。」さすがアメリカ。



Chapter 2 Mysteries
 3 Mr. E. Returns:1 枚のカードが演技の最中ずっとマジック・ワンド、魔法の杖として使われますが、最後にはそれが、観客が選んでサインしたカードだったことが明かされます。
 4 Spectral:自由に選ばれたカードが消失、そしてもっともありえないかたちで再び出現します。
 5 Centerfold:カードが予言されていて、更にそれが折り畳まれた紙の中へと飛行します。
 6 Twist of Fate:3 枚のカードを使いますが、未来は予言されており、そして変化するのです。2枚のカードがそれぞれスートとバリューを表すということで、最初に観客にシャッフルしてもらったデックから2枚を抜き出し、観客にも1枚適当に選んでもらいます。最初の2枚(例えば8Dと10Cとします)で観客の1枚を挟み、偶然にもその2枚の示す通りのカード(10D)であったことを示しますが、「じゃあこの2枚の予言の位置を変えて、表すカードを別のものにしたらどうでしょうか」と言います。本当に挟まれていたカードが今度は別のもの(8C)に変わっている、というものです。


"Mr. E. Returns"は、オリジナルの"Mr. E. Takes a Stroll"よりさっぱりしていて、かつチェンジがディセプティブで好きです。サークルでも演じましたが、やはりミステリー・カード系はウケがようございました。演じている私が好きなので、愛情の差かもしれませんがw


"Spectral"もサークルで良い反応でした。15枚しか使わないのですが、そこから観客の選んだカードだけが消失し、さっきまで何もなかった2枚の間から出てくるという。かなり簡単ですが、効果的な手順だと思いました。憶えることも心配することも少ないですし。


"Center Fold"は、確かにサインドカード・トゥ・ワレットの決定版というか、無駄のない構成です。要するに、折りたたんだ紙の間に、さっきまではなかったカードがいつの間にかある、というものなのですが、別にカードじゃなくとも薄いものならなんでもOKという。お洒落なメッセージカードなんかを作って演じると、よりオシャレ感が増して、……私が演じにくくなります。オウシット。


"Twist of Fate"は、予言を後から変更することで、いま見た結果まで変わってしまう、というトリックで、これも好きです。コスキー・スイッチ不思議。「予言をこう変えたら、結果もこう変わっちゃうのさ」は大変面白いコンセプトだなと思いました。2枚だと2種の予言が限度ですが、裏の色とかも含めて3回4回変わるやつとかも出来なくもなさそうです(駄作化するニオイがプンプンしますが)。



Chapter 3 Triumphs
 7 Bound to Triumph:輪ゴムが巻かれ、表裏ごちゃ混ぜだったデックが綺麗な状態に戻ります。しかも観客の手の中で、です。
 8 Untouchable:観客にシャッフルをしてもらい、デックを表裏ごちゃ混ぜにカットして混ぜてもらいますが、演者が一切の介入をすることなく、カードが元通り揃います。


"Bound to Triumph"は、ほら、あの、輪ゴムで留めたデックの中から、ぬるりと観客のカードが出てくるトリックあるじゃないですか(名前忘れた)、あれを、「ごちゃまぜになった上に輪ゴムで留められたデックが、観客の手の中でひとりでに並びを戻した上に、選ばれたカードだけをぺいっと吐き出してくる」という感じにTriumphと組み合わせたもの。ちょっとだけ観客のコントロールが要求されますが、輪ゴムの強さによっては凄く気持ち悪い手品になりそう。手の中のカードが何か動くとか超キモいです。不思議ですけどw


"Untouchable"は、題名通り、いかに演者が触らないか、ということに重きを置いたTriumphとのことで、『ONE DEGREE』の"Behind-the-Back Triumph"にちょっと似ています。この作品の好きなところは、しれっと観客自身にハーフ・パスをさせるというところです。いや、勿論演者がやるようなかたちではないのですが、観客に意識させないかたちで結果的にハーフパスやらせてて、読んでて笑いましたw
 


Chapter 4 Multitudes
 9 Inside and Out:選ばれたカードの1 枚が箱の中へ移動します。もう1 枚は溶け出すかのように箱を通り抜けてくるのです。
 10 Triple Pocket Discovery:あらゆることは3 度起きる、といいます。この場合、ポケットに入れたカードは布地から溶け出し、もう1 枚のカードはポケットへと溶け込みます。そして最後のカードは心を見通す力によって見つかるのです。


"Inside and Out"は、箱大好きガスタフェローの面目躍如的なトリック。付属物を活用出来るのはいいことですね。ここで使っているコロンビニの「カードの箱でやるダルマ落とし的なやつ」は大好きです。


"Triple Pocket Discovery"は3枚のカードを当てるというか、飛び移らせる、ホーミング・カード的なトリックです。2人目と3人目のカードを言われた通りの順序で飛ばすことが出来たり、割と演じやすい作品。私もサークルにて演じましたが、普段複数人のカードを当てるようなトリックはやらないのでちょっと新鮮でした。



Chapter 5 Four-Closures
 11 Assembly Line:4 人の観客が、それぞれ中ほどにジャックが埋もれた状態のパケットを持っていますが、4 枚のジャックは全てひとつのパケットのトップへと集まります。
 12 Pickpocket Aces:エースが4 枚、デックの中に埋もれますが、1 枚は演者のポケットから、2枚は観客のポケットから、そして最後には1 枚のエースだけが残り、その他のデックは消えてしまいます


"Assembly Line"は、タイトル通り"組立ラインの流れ作業"のように、横1列に並ばせた4人がそれぞれ1/4くらいずつ持っているパケットに、演者がジャック1枚ずつ差し込んでいき、観客に揃えさせ、それを1人のパケットへと飛ばしてしまうトリックです。ここで使われているダローのライジング・クライム・ディスプレイは初めて知りました。あと読んだときは小難しそうだなと思ったのですが、実演見たらスタンディングであることを利用して、割とサラサラーっと進んでいくんだなという感じでした。なおこれに記載されているバリエーションで、最終的に全員のカードが、差し込んだジャック以外全部ブランクになっている、というのがあって、本人の実演でもえらいウケが良かったです。そりゃあ、キモいものなあ……、いつのまにやら自分の持っているパケットが全部真っ白になってるとかねえ……。


"Pickpocket Aces"は観客を1人、スリに仕立て上げるものです。彼はいつの間にかエースを抜き取り、演者のポケットにそのカードを飛ばしていたり、観客自身の手で観客自身のジャケットからエースを取り出してきたり、最後にはさっきまで演者が持っていたはずのデックが全部無くなっていて、演者の手には1枚だけエースが残っていたりと、やりたい放題です。
ちょっと夏を迎えるこの時期には、観客がジャケットを着用していることを期待するのが難しいですが、その服装条件さえクリアしてしまえば、技法的にもそんなに難しくなさそうですし、すっとぼけたキャラの私も演じやすい気がします。




さあ、いますぐポチろう!(ダイレクトマーケティング)

教授の戯言の物販 

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2015-05-31 タナカヒロキレクチャー

[] タナカヒロキ カードマジックレクチャー


昨今精力的に活動されているタナカヒロキさんが、大阪や静岡で行ってきたレクチャーを東京でも開催してくださるとあって私歓喜。詳細はこのブログ記事で読んで頂くとして、駒込でやるそうですので、東京近郊でご興味ある方はいかがでしょうか。某ギミック厨房のひととか、拙サークルの中の人とかも参ります。自称手品皇帝のとひ、もとい、ひとは最初から最後までおわすらしいです。SUGEEEEE!
ていうかホントはこっちで(主にBeeさんが)企画してお呼びしようかとすら思っておりました。手間が省けますw

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カードマジックレクチャー in 駒込 開催します!(6/6)
こんばんは、Foxです。
さっそく、イベントの告知です!(この為にブログを始めた!)


静岡・大阪と行ってきたレクチャーを、満を持して東京で開催します!

【タナカヒロキ カードマジックレクチャー in 駒込】
開催日:6/6(土)
場所:フォーサイトマジックルーム 東京都北区中里1-4-6 朝日ビル304(JR駒込駅から徒歩1分)
内容:全3部構成。
 ・第一部…13:00〜15:00(レクチャー、3000円)
 ・第二部…15:30〜17:30(レクチャー、3000円)
 ・第三部…18:00〜20:00(ワークショップ、6000円)
参加申し込み:tanakahiroki.2012@gmail.com までメールをお送り願います。

2015-05-29 ちょっとだけ工夫しよう

propateer2015-05-29

[] 日本語版 John Guastaferro『ONE DEGREE』


評判が良かったから原書買ったような気がしていたジョン・ガスタフェローのハード・カバー本『ONE DEGREE』ですが(読破したとは言ってない)、買った理由は以前二川さんに、その中で解説されている"Solo"を見せられて「う、うぇっ?」と変な声出たからだったことを思い出しました。「それ、なにに解説されてるんですか!?」「ガスタフェローの『ONE DEGREE』ですよ、ほっほっ」みたいな。それの日本語完訳版が先日出ました。拙サークルのTさん(寺生まれではない)がまたやってます。暇なのか。

『ONE DEGREE ージョン・ガスタフェローのカード・マジックー』
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基本的に変態技法もなく、どのトリックも中級者くらいの人なら短時間でさらえるようになるくらいの難易度です(カードが4枚入るワイングラス4脚用意してください、とかはありますが)。勿論どのトリックもよく出来ている、というのはもとよりですが、これが世界的によく売れたのは、おそらく手品(トリック)をコアにしつつも、観客とどうやりとりしていくか、関わるか、のようなことが色濃く出た1冊だったからではないかと思っています。ルーティーンの中にお客さんにたくさん質問をしたり、複数人にステージへと上がってもらったりと、トリックを行うということは勿論、パフォーマンスを行うということに主眼がおかれているからだと思うのです(※個人の感想です)。プロとかどマニアからするとちょっと物足りないくらいの、言われてみればそのとおりやね、わしわし、という内容が多かったかもしれません。ですがそれを実践出来ている人というのをあまりみたことがないというのも事実で(※私のクソ狭い交友・鑑賞経験からです)。"キャラ濃すぎ"、"変態テクバリバリ"、みたいな人の本は、どんなに本人が凄くて正しいと分かっていても「そ、そうっすね…」とは思いはするものの、なかなか実践出来ないことが多いのですが、本書でガスタフェローが言うようなことくらいなら、ナントカ……という気にさせてくれます。

前書きにあった、「若いマジシャンは、大きな結果を出そうとして凄い変化を試みがちですが、私としては“物凄く素晴らしいもの”というのは、私たちが思っているよりも近いところにあるのではないかと考えています。one-degree ──たった1℃の差のように。」というのはグッときました。「カードを示す前に一拍おいたり、あなたの演技の台本に特徴的な一言を付け加えたり、スライトをサトルティに置き換えたり、はたまた、あなたの助手役の観客をちゃんと名前で呼んでみる、などですね。」 →ああ、私にもこのくらいなら出来そう!w 



しかしナンですね、「何か面白そう」と思って原書買うと、しばらくして完訳本が出るとかなんか悔しいのでやめてください。っていうか私が原書を買わなければいいのか。……そうか。(悟り)

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CHAPTER 1 ONE──GET CONNECTED
TRUTH IN ADVERTISING / EITHER OR / PALM READER PLUS
のっけから観客にいっぱい質問したりする、双方向でのトリックが続きます。"EITHER OR"なんかは手品としては本当にあっさり風味で(選んだカードを当てるだけです)、マニアの方(私はマニアではないのですが残念ながら私も)なんかには物足りないのじゃないかと思ったのですが、こういうどうでもいい質問を大量にぶつけることで、ルーティーンの後々で「そういえばあなたはxxと仰ってましたけど〜」みたいなことが言える、要するにパーソナルな部分を尊重した(そして踏み込んだ)会話が出来るというのはちょっと盲点でした(ちなみにこのトリックは、こういう質問をしつつ、10枚程度ならカードを堂々とセット出来るという、布石的な性質を持っていたりします)。私も普段演じるときはよく喋るんですが、せいぜい演目自体は2つか3つでやめる弁えた子なので、そこまであとのことを考えたことがありませんでしたですよ。



CHAPTER 2 TWO──HANDS-ON EXPERIENCE
lNTRO-VERTED / MR. E. TAKES A STROLL / RELAY
観客の手を使ったり、観客に参加してもらったりするものがメイン。"MR. E. TAKES A STROLL"はミステリー・カードのプロットが好きな私としてはたまりません。最初から持ってもらっていたカードが実は観客のサインしたカード、みたいなやつ、大好き。ちなみにこれよりあとに出た『Ready, Set, GuastaferrO!』でスッキリした改案"Mr. E Returns"が入っており、私はそちらの方が好きだったりします。
"RELAY"は3人がカードをお互いに渡していく度に、それぞれのカードに変化する手品ですが、未だ実演する機会がございません。やったら盛り上がるんだろうなあ。



CHAPTER 3 THREE──FOURSCORE
QUANTUM KINGS / lMPOSTOR / SOLO
"QUANTUM KINGS"で使われている、「堂々と見せているのに、別のカードだと錯覚させる」というのはすごく好き。これ系統に無条件に弱い。先日気賀さんに見せて頂いたオイルアンドウォーターもこれとはちょっと違うんですがそういった解決法をとられていて、解説聞いて「ああああ」ってなりました(ちなみに気賀さんのは枚数的に4倍くらい図々しいw)。
"Solo"は目の前でCGみたいな現象が展開されるものなのですが、文字通り「目を疑い」ました、初めて見たとき。そういう意味では私はかなり幸せだったかもしれません。視覚に訴える手品はホントいいものだと思います。また、オープン・トラベラーズの手順としても無理なく、パーフェクトなんじゃないかと思っております。……ああ、ホント凄くいいんですけど、これは可能なら誰かに演じてもらってから読んでください。あの衝撃は是非読む前に味わってほしいです。演技動画が殆ど無いんですよねえ、これ……。



CHAPTER 4 FOUR──POCKET POWER
HOMAGE TO HOMING / POCKET CHANGE / KEY CLUB
"POCKET CHANGE"は、カードを変化させるのに、観客のポケットを使ったところが良かったと思いました。訳者さんは「Pocket Changeは"懐中の小銭"と"ポケット内での変化"のダジャレなんだけど、ダジャレ解説するといつも悲しくなります」とか申しておりました。そうですか。
"Key Club"は面白そうというか一般ウケしそうなのですが、私にはちょっとアウトを一杯用意するタイプのトリックはめんどくさいかな。あと台詞的にアメリカではアリだけど日本だとちょっと考えないといけないなーとは思いました。マルティプル・アウト式の手品は、まあ手品やる人はどうでもいいんですが、非手品人さんが見たときにはどういう感想抱くんですかね。



CHAPTER 5 FIVE──WORKER'S TOOLBOX
OVERTURNED COUNTS / BIDDLELESS / DUPLEX CHANGE
デュプレックス・チェンジは本文中にも言及がありますが、ロン・ウィルソンの"Highland Hop"的な、カードを1枚ないし複数枚、観客の目の前で堂々と、それでいて密かに捨ててくる技法で、訳者さんはあのたぐいの技法大好きなのでワクワクそうでした(あすぱらチャリティーのときもそういう技法を使った手品を投稿していたはず)。この技法は観客からの見た目が、「2枚の横にずれたカードを持っている」ということで、捨てる前と捨てたあとで全く変化がないので極めてディセプティブです。さっきまで2枚のジョーカーだったものが、手を返すだけで観客2人のカードに変わっている(ジョーカーは無くなっている)という感じの。いやーもうこういうの私も好き。にひひ。



CHAPTER 6 SIX──TRI-UMPH !
BEHIND-THE-BACK TRIUMPH / BALLET STUNNER / MORE ON THE BALLET CUT
なぜみんなTriumphがこんなに好きなのかw 「マジックのコンベンションの最中、オクラホマの賑わっているレストランでこれを演じました。私がごちゃ混ぜになったデックをウェイターに手渡し、背中の後ろでさらに表裏ごちゃ混ぜにしてほしいと頼んだら、待機中のスタッフがみんな寄ってきました。カードをスプレッドし、全て表向きに揃っていたのが分かった瞬間、絶叫が上がりました。そして、1枚だけ裏向きになったカード、これは一体どういう意味を持つのか。観衆は、この直後どうなってしまうかに集中し、場が静かになります。彼がカードをめくり、それが先ほど自由に言ったカードであることが分かった瞬間、みんなもう大騒ぎでした。“Triumph”を数千回......とまではいかなくても数百回は演じてきてきましたが、こんなシンプルなバージョンのもので、こんなにも物凄い反応を得たことはかつてなく、私はずっと心中のニヤニヤが止まりませんでした。」 →畜生、やってみたくなるじゃないかw これは手品っ子は演技なり解説見れば「あー、それはそうだわね」になるよなと思ったのですが、手品をしない一般の人は、あれを自分でやったらそりゃごちゃまぜにしたと確信するよな、と思いました。最初に文章で読めて良かった、という印象。多分解説なりから入ると「いや別にいいかな」と思ってしまった可能性大。

バレイ・カットは本人ほど安定的に出来ないのですが、カラーチェンジとして使うのが最適な気がします。何度となく机の周りにカードをぶちまけております、ハイ。



CHAPTER 7 SEVEN──PERFECT STORM
LOST & FOUND / INTUITION & OUT OF THE BLUE / VINO ACES
最終章の3つは、いずれも良く出来た、本書の最後を飾るのに相応しい作品群だと思います。彼の動画、ライブレクチャーなどでも大体いつもやっている演目な気がしますね。
"LOST & FOUND"は透明なプラスティックのカードホルダーから観客のカードが消えたり戻ってきたりするのですが、彼の"フリクション・プリンシプル"は実によく出来ています。カードホルダーは名札入れたり野球カードとかのプロテクターとかだというのですが、ハンズで未だに見つけられないのです。最近全部横から入れるホルダーばっかりなんですよね。どこかで、バイシクルのカードが1枚、横幅的にほぼジャストフィットで入る少しだけ柔らか目のホルダー、どこかに売ってませんかね。凄く実演したいです。
"INTUITION & OUT OF THE BLUE"は8枚だけを使ったパケット・トリックなのですが、2段目でさっきまで普通のバイシクル柄だったクイーンが、1枚ずつ全く違う柄のカードに変わってしまうもので、最初実演見たときに「どこでスイッチしたんだ……」とか思っていたのですが、えらく巧妙に隠匿されていました。やられました。\(^o^)/
"VINO ACES"は基本的にMcDonald's Acesなのですが、ワイングラスを使って行うもので、おしゃれでかっこいいだけでなく、観客が見やすい(普通はテーブルに置いてやるので、2メートルも離れると見づらい)、公明正大、と、おしゃれパーティーでおしゃれマジシャンがかっこよく演じてそうです。ぐぬぬ。ワイングラスを乾杯で打ち合わせて鳴らすたびにエースが消えていくとか、どんなリア充手品だ。いや、かっこいいです。ハイ。思わずワイングラス買っちゃったよ!(落としても割れない、シリコン的素材の。乾杯するとペットボトルを打ち合せた音がします!(台無し))


EASSY:Strong Connections
観客との結び付きを強められるように意識しようねーと。
EASSY:The Napkin Approach
自分の今と未来、ポリシーやユニークさ、観客についてなど、書き出して整理しようねーと。
ESSAY:Mental Block
ど忘れを防ぐTIPS。
ESSAY:Magic T.I.P.S.
マジックを作るために考えるべきこととすべきこと。
ESSAY:Serendipity
マジックの不思議について。

→各エッセイも短く参考になりました。っていうか世のマジシャンの人はみんなこんな色々なこと考えて手品してるんでしょうか。震撼。

2015-05-21 絡んだり解けたり

propateer2015-05-21

[] トライアングルホール


ディーンズ・ボックス、という、先ごろ亡くなったディーン・ディルの代表作(何故か主に日本でバカウケ。ディル本人が困惑するくらい)があるわけですが、ちゃんとしたものは大きくて重くてあとちょっとお値段もするわけです。それでいて、みんなが注目するその箱にはそこまでギミックらしいギミックはない(無いとは言わないがほぼ使わなくても演技は出来る)というのがまた素敵なところなのですが。

つまるところあれは箱のマジックではなく、紐・ロープのマジックなわけでして、箱無しの同様の現象もこういうのがあるわけです。
『ENCLAVOR and LIBERATOR』


んで、上記の「箱?俺の手だ!」ほどではないにしろ、「やっぱ箱重いしかさばるし。でもあの手品面白いしどうしたら。神よ!」という人はやはりいるようで、それに対して「Xロープとαリング」みたいなのがあったようなのですが絶版でShit!確か金沢のCULLさんも折りたたみ式のこういうのを考案・演じておられたと伺っていますが詳細不明。


で、前置き長いんですけど、箱(6面)→屏風(2面)ときて、これはついにボード1枚(1面)という、最も簡略なやつ「トライアングル・ホール」を買いまして。いや、前からあるにはあったのですかね。何箇所かで実演してみて、軽くて割と時間ももつし、ウケも良かったので書いておく次第。

要するに、絡むはずのない2本が絡んだり、絡んでいた2本が外れたり。結んで端を閉じ、輪っかにした状態の紐にプラスティックの小さな輪っかが通ってしまったりと、まあそういう手品です。輪っかが小さいので、サロンというよりクロースアップでもいいのかなとは思いますが。道具は仕掛けがないので、死ぬほど検めてもらえます。

なお2度目に演じたとき、「後ろどうなってんだよ―」と最前列のおじさまが仰るので、プロセス途中で堂々と見せてみましたが、大丈夫でした。うん、3秒か5秒見せたところで、紐がどう絡んでいるかなど分かりゃしないのですね。(慢心) なんたって、演者が見ても、一瞬では分かっていませんからね!(愚鈍)

あまりにも道具立てがシンプルなので、横にクリップを付けておくとか、裏に変なシール貼っておくとか、怪しいポイントを増やしてあげた方がお客さんの意識をそっちに向けられていいかもなーとか思いましたが、別に対応はしておりません。そのままで十分ですかね。



難点は2点あるかと思っていて、ひとつは穴の縁が鋭いので、ロープというか紐のような滑らかでないものを引っ張るとバリバリいって、どんどん毛羽立ってきちゃう点。熱したドライバーのシャフト部分でちょっとだけ溶かしたり、カッターで削ったりしてみましたけど。
そしてもうひとつは、誰に見せても言われる「うわ、どうしたの!?なんかよく分からんけどだっさ!」なボードの図柄。いっそ無地か幾何学模様のパターンにしてくれた方が良かったな、というところですね。しかし一体何なんだこの歯車的小宇宙ちっくな絵……。

2015-05-05 実用的!

[] 日本語版「ONE DEGREE」&「Three of a Kind」予告


みんな大好き……かは知らないですが、私は大好き、世界でも人気のアメリカのマジシャン、ジョン・ガスタフェローの2015年5月現在最新のレクチャー・ノート3冊『Ready, Set, GuastaferrO!』(2012)『Discoveries and Deceptions』(2013)『Seven Wonders』(2014)が、日本語完訳の合本、『Three of a Kind』として発売の運びとなりました。訳したのは毎度お馴染みのTくん(寺生まれではない)です。彼、暇なんでしょうか。(後ほど彼より「暇じゃありません!現実逃避です!」との回答がきました)

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き「さて、訳者くん、早速だが聞きたいことがあるのですよ」
T「ここどこですか、何であたし連れてこられたんですか、何で、かか鍵をしめるんですか?(迫真の物真似)」
き「(無視)これ3冊合本の完訳なのよね?」
T「そうです」
き「元のは全部で幾ら?」
T「19.95ドルと20ドルと15ドルですね」
き「キミ、足し算出来る?」
T「これでも大卒ですよ!任せてください。……55ドルですね大体」
き「オーケー、じゃあ掛け算は出来るかしら?レートは120円/ドルでいいわ」
T「これでも経済学部卒ですよ!任せてください。……6,600円くらいですね」
き「この本、売値は?」
T「ちょっぴり高くてごめんね、5,000円です!……あ、あれ?」
き「あれじゃねえよ!なんでおのれはこういうよく分からんことをするんじゃああ!」
T「な、なんでこんなことに……!あ、あれですよきょうじゅさん、原本買った頃は円相場105円でしたし!」
き「それでも計算あっとらんわ!訳出、組み、印刷!手間かけて何で価格下がってんだスカタンが!アンタの習った労働経済学では、"労働者は負の付加価値を生み出す"と言っていたのか!」
T「……おかしくないですかね、これ」
き「おかしいわあああああ!」
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印刷物体なのに、何故か3冊のうち2冊が電子媒体な原本ズよりも安くて組みも綺麗になってる、原本のミスも色々修正されたジョン・ガスタフェローのレクチャーノート合本『Three of a Kind』は直販とか、あとしばらくしたらマジックショップとかでも扱うかもです。いつものことながら大した数は刷ってませんので売切御免。練られた素敵な手品がたくさんです。カードメインですがストロー、iPhone使う手品までいいの揃ってますよ!

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

みんな大好き……かは知らないですが、私は大好き、世界でも人気のアメリカのマジシャン、ジョン・ガスタフェローの名著であるハードカバー本『ONE DEGREE』、2010年のBest Book of the Yearを獲得し、版を重ねるなど、極めて高い評価の例の本。それがこの度日本語完訳本として発売の運びとなりました。訳したのは毎度お馴染みのTくん(寺生まれではない)です。彼、Mなんでしょうか。(後ほど彼より「どっちかというとね!」との回答を得ましたが心底どうでもいい)

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き「さて、訳者くん、早速だがまた聞きたいことがあるのですよ」
T「ここどこですか、何であたし連れてこられたんですか、何で、かか鍵をしめるんですか?(迫真の物真似2回目)」
き「(無視)これ、あれの完訳なのよね?」
T「さすがきょうじゅさん、『ONE DEGREE』をご存知とは」
き「買ってはいた!(読んだとは言ってない) で、原著は幾らだったカシラ?」
T「50ドルですよハハッ健忘症ですかそのトシで。かあいそーに」
き「(コブシを握りしめ)オーケー、じゃあ掛け算は出来るかしら?レートは120円/ドルでいいわ」
T「これでも経済学部卒ですよ!任せてください。……6,000円くらいですね」
き「この本、売値は?」
T「3,400円です!……あ、あれ?」
き「あれじゃねえよ!なんでおのれはこういうよく分からんことをするんじゃああ!」
T「……って!こ、これは私じゃないです!東○堂さんに言ってください!」
き「あ、でも原著は光沢系の紙に2色刷りで結構綺麗なつくりだったよね。カバー下の表紙もデボス加工でイイ出来だったわ。でも組みはともかく、写真が小さかったのよね、原著。……まあ今回は墨刷りだからってことで勘弁してやるわ」
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何故か原本よりも安くなってて、ページ数も増えてて、若干のミスも修正されて、写真もちょっと大きめになったジョン・ガスタフェローの割と世界的ベストセラー『ONE DEGREE』は、書店とか密林とか、あとしばらくしたらマジックショップとかでも扱って頂けるかもです。いい手品とTIPSが揃ってますよ。





どっちも5末から6月中には出ると思います。
『ONE DEGREE』はいまだに出版元のVanishing Incの中でもベストセリングアイテムとのことで人気の程が伺えます。ゲラを読ませてもらった感想としては月並な感想で恐縮ですが、実に良い本です。ハートリングの『CARD FICTIONS』(いま電子版用の修正作業中だそうです)のような、トリック&エッセイという構成で、あれより不思議度は少々低い気がしますけど実用度はピカイチです。不思議は勿論のこと、観客とのやりとりに重きを置いている感じで、後日の提灯記事の際に詳しく書きますが、「ああ、確かに"手品の"演技論というより、広告業界でのプレゼンター(注:ガスタフェローの本職は広告マン)としての経験からの知見だな」というのが伺える、そんな感じの。多分そのへんの特徴もあって人気あるのだろうという気がいたします。


『Three of a Kind』は上記通り、ガスタフェローの『ONE DEGREE』以降のレクチャーノート3冊を合本にしたもので、こちらは演技論どうこうよりもトリックの解説に主軸を置いています。かなり多岐に亘るトリックがあり、私が所属しているカード主体のサークル(この「教授の戯言」ではなく)でも多くを紹介させて頂きました。かなりご好評頂きましたね。内容のクオリティについてはもう折り紙付きなのでぜひお読み頂ければ幸いです。その前に、ちゃんと想定期日通りに刷り上がるといいですけどね。内容の記事でも書いておこうっと……。さておき、上でも書きましたが値付けが間違っている気がしてならない。彼は商売する気あるのでしょうか?

2015-05-04 その錠を開くのは、観客

propateer2015-05-04

[] T.U.R.N.


Jason Palterの”T.U.R.N.”です。ダイヤルロック式の鍵開け現象。演者は観客を1人ステージに上げ、このダイヤルロックの機構を説明したあと、ある4桁のキーとなる数字を見えないところでセットします。観客に2・3入れて引っ張らせますが当然錠は開きません。ステージに上げた観客に、客席のランダムな4人を選ばせて、それぞれに好きな数字を言ってもらうようにします。その数字をセットすると錠前が開いて超凄い。


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バイシクルデックくらいの容積におさ…まらないような気もするけど、2デックくらい重ねれば大丈夫な感じの大きさのダイヤルロックです。この錠、下記のように分解出来まして、赤いポッチのところを一列にし、そこに好きな番号を正面にしたパーツ(黒いやつ)4つをはめていくとその通りの番号になるよ(=その番号で開く)、というもので、これがあることで、都度都度「ある番号をいまからセットするよ」というのが堂々と出来るのです。基本はステージやパーラーでしょうが、極めて巧妙な仕掛けのため、クロースアップでやっても発覚する可能性は低いでしょう。


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上記で言ったようなことが誇張なく本当に実演出来ますし、舞台に上がってもらってから観客にずっとこの鍵を持って操作してもらうことすら可能です。実に良い道具だと思います。円安の昨今、送料込みで230ドルくらいもするのが難点ですが、お値段云々を差っ引いてみたら、実にいい、失敗しない、お客さんにも触らせても平気(ちょっと触らせる程度の短時間でこの機構に気付く非手品人はまずいないと思います)、個人的には文句のないアイテムでした。



実は一度、Small MagicianのBeeさんおひとりを相手に演じたことがあって(手品っ子によくある、「新しい手品グッズ買ったから騙させろ」というやつです)、ちょっとしたアクシデントで最初に試してもらっているときに開いてしまったのですが(オイオイ)それは起こらないようにすることは簡単に出来ます。いや、何故それをやっておかなかったのかというコメントはあるでしょうけど、こうやって人は学ぶのです。……非手品人相手にやってる時じゃなくて本当に良かった……!(手品人にバレても何とも思わない)

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