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教授の戯言 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-06-01 カレッジの前に

[] Roberto Giobbi『Card College Light』日本語版


<宣伝のため未来日付に。実際の掲載は2018年3月7日>

ロベルト・ジョビーの『カード・カレッジ・ライト』の日本語版が出ます。「ええっ?本当かい?」マジです。T君に大体の作品見せられましたが、どれひとつとっても手がかり皆無感がすごい。震撼。私が。

ジョビーの『Card College』シリーズといえば、世界中で翻訳されている、"カード・マジックやるマン"必携の5巻組です。日本でも4巻までは翻訳されたものが出版されておりますが、2007年の4巻で止まって絶版なうです。なぜ!なぜなのですかTKD!1・2巻は結構重版かかってた印象あるのに。ラスト1冊じゃないですか!ただまあ第5巻はジョビーの作品集に近い趣なので、既刊4冊とは若干毛色が違うんですが。大きめの図書館に行くと4巻まで揃いで入っていたりしますので、いまでもカード・マジックを体系的にきちんと学ぼうと思ったときの、入手できなくもないベスト教材シリーズのひとつであることは間違いありません。

で。

カード・カレッジの1巻が出る4年前、1988年にこの本の原書『Card College Light』が出ております。なんで『Card High School』ではないのかというのはおいておいて。きわめてすごい名著です。『College』シリーズは、作品を題材にしつつ、基礎からハイレベルまで、"原理や技法の説明"を主としていますが(※個人の感想です)、こちらの本はいわゆるセルフワーキング・カード・トリックの"作品"しか扱っていません。ダブルカットすら出てきません。リフル・シャッフルくらいです(それも観客にやってもらうとか)。"それでいて"か、"それゆえ"かはともかく、まるで怪しさのない手品が揃っております。おそらくこのシリーズほどコストパフォーマンスに優れ、実用的なトリックが揃ったカード・マジック作品集は他にないでしょう。本当に傑作しか載っていません。いやホントすごい。その……ほら、……やばい(驚いたときにありがちな語彙力低下現象)。

本書は全作品、ジョビーのタッチが入ってはいるものの、ジョビーの個人作品集ではありません。ジョビーが選んだ、古今のセルフワーキング・カード・マジックの傑作選なのです(先日ご紹介したシュルツの『SSSS』みたいな)。そもそもひとつ目のトリックである"T.N.T."はタマリッツの作品ですし、以降もすべて「これは元々誰それの作品であり超ふしぎ。やばくない?マジ震える。あ、私ジョビーの工夫はこことここ」みたいな流れになっております(※そんな雑な言い方はしていません)。『古今のカードトリックの名作・傑作の選り抜き版』のような本なので、それは不思議に決まっていますよね。ずるい。「ずるくない!」 時の試練に耐えて残った作品群の力強さを感じます。

3作品を1ルーティーン、想定実演時間は約7〜10分のパッケージにしたものが7ルーティーン載っています。つまり、全部で21トリック載っているということですね(掛け算ができるアピール)。ルーティーン中のトリックは、1つ目が2つ目3つ目の作品の下準備になっていたりしつつも、現象はそれぞれ違う感じの作品になるように組まれています。サンキュージョッビ。構成を考える手間が省けます。「それから、ルーティーン中の3作品は、現象がバリエーション豊かになるように、それぞれ異なったイメージのものにして、重複感が出ないよう、観客に飽きが来ないようにしておいた」ナイスプレー、ジョッビ。それ重要よね。

『本書は初学者に対して、カードマジックという素敵世界への扉を開く素敵本である。が、決して初学者のみを対象にしているわけではない。すでにカード・マジックがうまいという評価を得ている人で、観客に手元を凝視されている状況、または「いまカードをパームしてますよね」とか看破してくるような観客の前で手品をしなければならぬ状況でなお、全くの手がかりを残さず不思議を演じ切りたい!ていうか魔法使いになりたい!そういう人にも有用なはずだ。いや、むしろそういう人のほうが本書にハァハァできるように書いてある!』(意訳)というものです。いや、この内容は私が盛っているのではなく、著者本人がだいたいそう言っています。

いやあ、いいですよ、よくできたセルフワーキング手品は。技法に頼る手品の場合は、技法そのものが見えなくても、何かやった感などはすぐ出ますからね。自分では「今日もうまくできた。パームしてたけど右手首も掴まれたりしてないし」というふうには思っていても、実際には観客から「おそろしく速いパーム……!俺でなきゃ見逃しちゃうね♪」とか思われています、たいていの場合(※個人の感想です)。一方、原理を知らないセルフワーキング手品は不思議です。そもそも技法的な怪しさがありませんしね。初見殺しというか、知らないと死ぬ、みたいな。殺したり死なせたりはしませんけど。

まあとにもかくにも、この1冊から2ルーティーンくらいマスターしておけば、相当な魔術師になれること請け合い(双頭と魔術師というワードが出てくるとランテマリオ会戦を思い出しますわね)。ジョビーも、「本書の内容をマスターするだけで、この惑星上でカードマジックやってる人種の90%よりもカードマジックうまいマンになれる!まじでな!」って言ってますしね。

原著よりクレジットに詳しく(クレジット厳しいメンが絡んでいるため)、トリック成立/不成立条件の確認などまで加筆されている(Tくんはこういうのホント好きですね……)、『カード・カレッジ・ライト』、発売間近です。多分この3月下旬くらいではないでしょうか。印刷所の頑張りとT君の本業の忙しさに依存。さておき、名作がいかに名作かと、うまい構成ってこういうものだぜ、というのがばっちり学べます。おすすめです。

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Routine 1
T.N.T. (ホァン・タマリッツ)
 全くもって不可能に思われる状況下で、マジシャンは選ばれた2 枚のカードを当てます。
Intuition (ポール・カリーをベースにジョン・ケネディ)
 2 人の観客が、直感の力により、よく混ぜられたデックを赤と黒に分けることができるようになります。
The Telephone Trick (ハワード・サビッジをベースにウィリアム・マカフリー)
 よく混ぜられたデックから自由に1 枚カードが選ばれます。演者が霊媒に電話をかけると、その人はカードが何であるかを電話越しで当ててしまうのです。

Routine 2
Thot Echo (サム・シュワルツ)
 きわめてフェアな状況で観客が2 枚のカードを選びますが、マジシャンはそれらを見つけ出すことができます。
Royal Flush (ボブ・ハマーをベースにラリー・ジェニングス)
 観客によって10 枚のカードがランダムに選ばれ、よくシャッフルされ、そして2 つのポーカーの手札として配られます。にもかかわらず、マジシャンの手札がロイヤルフラッシュになっているのです!
The Waikiki Shuffle (ビル・ムラタ)
 無意識にコントロールされた振り子の揺れから、マジシャンは選ばれたカードが何かを当ててしまいます。

Routine 3
Fingertip Sensitivity (ボブ・ハマー)
 マジシャンは、観客がテーブルの下でカードのパケットをどのような並びにしたのか当てることができます。
Muscle Reading (ジャック・マクミラン)
 観客にカードを選ばせ、デックの中に戻して完全にシャッフルしてもらいます。マジシャンは、他人の“無意識の筋肉インパルス”を読む能力により、選ばれたカードを見つけ出すことができるのです。
The Lie Detector (ロベルト・ジョビー)
 観客がカードを憶えて、デックに戻し、シャッフルします。次に、7 枚の無関係なカードを抜き出してもらいます。そうしたら表は見せずにマジシャンに向かってカードの名前を言っていってもらいます。しかし、どれか1 枚のカードのところで(そのカードの名前の代わりに)選んだカードの名前を言ってもらいます。信じられないかもしれませんが、マジシャンは人の嘘を見抜く鋭敏さを備えているので、彼女のカードを見つけ出してしまうのです!

Routine 4
The Circus Card Trick (ヒューガード&ブラウ)
 このマジシャンは選ばれたカードを探し出すことに失敗してしまったな、と観客が確信している状況で、マジシャンはびっくりするような愉快な方法で、事態をうまいこと収拾します。
The Fingerprint (ヒューガード&ブラウ)
 自由に選ばれたカードが、観客によって、きわめて厳正な状況の下、デックに戻されます。にもかかわらず、マジシャンは選ばれたカードに残された“指紋”を手がかりに、これを見つけ出してしまうのです!
Magical Match (ジョン・ヒリアード)
 マジシャンは、説明のつかないやり方で、観客がデックからカットしたカードの正確な枚数を2 度も当ててしまいます!

Routine 5
Cards Never Lie!(J.C.ワグナー)
 観客がカードを選び、デックの中に戻してシャッフルします。マジシャンは、これからカードについて3 つの質問をするが、回答については嘘を言ってもいいし、本当のことを言っても構わないと観客に伝えます。にもかかわらず、マジシャンは選ばれたカードが何か分かるだけでなく、すぐに同じ数字の他の3 枚のカードも取り出してくるのです!
Digital Dexterity (アル・ベーカー)
 観客がカードを1 枚選び、それをデックに戻してシャッフルします。そして、デックはマジシャンのポケットに入れられます。全くもって信じられないような器用さで、マジシャンはデックの中から選ばれたカードを探し出してくることができるのです。
Think Stop!(ブルース・サーヴォン)
 観客が自由にカードを選び、デックに戻し、シャッフルします。にもかかわらずマジシャンは、観客が何も言わずに心の中で思ったことを読み取り、カードを見つけ出してしまいます。

Routine 6
Card Caper (ロベルト・ジョビー)
 2 人の観客が自分自身がシャッフルしたデックから、それぞれカードを選びます。選んだカードをデックに戻し、再度シャッフルします。にもかかわらず、マジシャンは2 人の選んだカードを驚くべきやり方で見つけ出してしまいます。
In the Hands (フランク・ガルシアをベースにロベルト・ジョビー)
 観客がデックをシャッフルし、その内の2 枚を憶えます。そして憶えたカードをデックに戻してもらいます。この不可能な状況にもかかわらず、マジシャンは憶えたカードを両方とも見つけ出してしまいます。
Back to the Future (アル・リーチ)
 マジシャンは自分自身で未来に行き、そこで何が起こっているかを記憶し、過去に戻ってきて、そしてこれから起こることを予言する、という、現象は明快ですが、なんだかややこしいお話です。

Routine 7
Manto (ボブ・ハマーをベースにリシャール・ヴォルメル)
 マジシャンは予言を書きます。そして、それをカード・ケースの中にしまいます。ケースは観客に持っておいてもらいましょう。観客と演者がカードを表裏ごちゃ混ぜにします。デックはカオスな状態になります。それにもかかわらず予言には、何枚のカードが表向きになっているか、それらの内、何枚が赤で何枚が黒か、正確に書かれているのです!
Vernon’s Miracle (ダイ・ヴァーノン)
 マジシャンは考え得る限りのフェアな状況のもとで、選ばれたカードを見つけ出します。
That Is the Question (リシャール・ヴォルメル)
 マジシャンはなんの質問もすることなく、自由に思ってもらったカードが何かを当て、探し出してしまいます。



A5ソフトカバー 、176ページ、 21トリック掲載です。
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校正をしてくださった岡田さんからは「本当に傑作揃いです。実に老害手品向きです。あ、老害手品というのはですね、卒業して結構経つのに!OBとして手品サークルに頻繁に顔を出す!そんな人が(…ど、どうしたのですか岡田さん…?)、一切の気配なく、若手に不思議テジナを叩き込むのに向いている、ということです」 「へ、へえ……。まあ『ミステリオーソ、つまり、全体的にSF(すごく・ふしぎ)!』ということですよね」(フラメンコポーズをキメながら) 「そう、『おだやかじゃない!』」「……くっ、先に言われた」
とにかくすごいということです(※なお本編にアイカツ要素は特に出てきません)。

著者との契約上(&大手出版社でもないため)微々たる数しか刷れませんでしたとのことでした。2版の再契約ができるかどうかは皆さまの応援(というか物理的な売れ行き)次第でございます<(_ _)>

2018-03-07 はてなブログ

[] おひっこし


まあ今更はてなダイアリーでもないかしらと、
今更はてなブログに引っ越したりしてみました。
いずれにせよぬぐえぬ今更感ですが。

はてなダイアリー側ではもう更新はしないようにしようかと思います。
ご愛顧いただきありがとうございました。
まだブクマしといてやろう、的な寛大なお歴々は、
以下のURLで登録いただければ幸甚でございます。

教授の戯言(はてなブログ)
https://kyouju.hateblo.jp/

向こうのはてブロのデザインはちょくちょく修正していこうと思っているため、
私の精神同様しばらく安定しないと思いますがお許しを。

2018-03-03 野に放たれたけものフレンズ(主に佐賀ちほーに生息)

[] たむたむ野放し会 in 東京


佐賀が生んだ獣、けもの?ふれんず?の、たむたむ(♂ コインとカードが得意なふれんず)が、飼い主的な役割の堀木氏に連れられ、その保護監督下にて東京で野放しにされるということを聞きつけた我々取材班は、東京都板橋某所にある会場へと潜入を果たした。そこにいたのは人畜無害そうな青年であったが、コイン持ったりするとやっぱちょっとあたまおかしかったのでここにそれを記録するものである。なお、けものフレンズのあのナントカ目ナントカ属ナントカ科のパロディを作ろうと思ったが、彼にも肖像権というものがあるので、それは記載しない。こざわまさゆきとは違うのである。決して作るのが面倒だったからではない。あとタイトル通り、あくまで野放し会でありレクチャーではない。技法の説明もあるし、言えばなんでも教えてくださったが、別に全部の手順をひとつひとつ微に入り細に入り解説、というわけではなかった。ある意味新鮮である。「大人は教えない……っ!」と、尊敬する人も仰っていたような気もする。

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開会。おそらく慣れぬ環境と、20人程度にも及ぶ観察者たちの好奇の視線があるせいか、対象はやや緊張気味であるように見受けられる。横に立つ堀木智也(以下飼い主)がちょくちょくコメントを挟む。演目の名前なのかはたまた何がしかの符丁なのか、取材班には意味が取れなかった。"マイシスター"は?などという台詞が聞こえた気がするが意味が通らない。空耳であろう。

トライアンフをやるという。それもスタンドアップで、ファンに開いた状態で。ダニ・ダオルティスのオープン・トライアンフのようだな、と思ったが、本人の口から、自分はファンを閉じない、振るだけだとのこと。どういうことだろうと思っていたが、ファンが宣言通り振られると徐々に消えていく表向きのカード群。1枚だけ表向きで残る観客のカード。会場がどよめいた。

グラスホッパー。4枚のクイーンを2枚ずつに分け、片方のペアに挟んだカードが消失、別のペアの間に移るあれである。つつがなく進み、最後に1枚であるマネーカードと思しきカードがまた4枚のクイーンになる。筆者はこういう枚数の辻褄の合わない移動が大好きであるが、変態性の低い、ごくまっとうなマジックのようにも思った。途中でたむたむ氏から友人の技法(アイディア?)を使っている部分があります、という報告。ヤダ、この子、マジメである。

「よーしよし。たむたむ、落ち着こう。コインやろうな」飼い主の唐突なコメントに、場内にの観察者たちの胸中に「(この生物はコインマジックやると落ち着くのか…?)」という仮説が沸き立つ。若干口に出ていた者もいた。半裸でコインを持ち、「気持ちいい……っ!」と、創聖の何エリオンみたいになる生物がツイッターのTL上で多数(回)目撃されているが、たむたむも類似の生物ないし習性を持つ可能性がある。堀木氏のスマホを見て、「敢えてヘルバウンドいきますか」とのコメント。参加の野島伸幸研究員から「あ、あえて地獄を……?」との嗚咽が漏れる。台詞が完全に解説キャラポジションである。2枚の銀貨が移動しまくる。途中、「ここまではみんなやると思うんですけど」というたむたむ氏の発言に対し、飼い主ともう1名から「やらねーよ」と即座にツッコミが入る。直後、銀貨が2枚とも銅貨に変わっている。青ざめた野島研究員の「ヘ、ヘルをバウンドする男……!」を皮切りに、「ヘルバウンドタム」なる謎のワードが飛び交う。「お前の言うみんなってみんなじゃない」「佐賀では普通なのかも」という指摘も入った。たむたむ氏から「佐賀には僕以外ほとんどマジシャンいませんから」との発言。

堀木「隠れキリシタンです」息を潜めて手品をしている比喩かと思いきや、これから行う手品のタイトルである。全編この調子である。謎と秘跡しか無い。チャイニーズコインを撫でると、いや、撫でなくても銀貨に変わったり戻ったりする。めまぐるしい。どこから発生しているのか。「もう一度やろう。等速直線運動を」また飼い主の謎ワードである。作品タイトルは先述のとおりであるが、どうもこの作品内で用いられている特殊行動(技法)の名前であるらしい。等速直線運動を行うからだとは思うが、どこでどのように用いられているのかまったく分からない。また、明らかに高難度の技法を行っていることが見て取れ、たむたむ自身も何度となくコインを落とすも、会場からは「ああ〜(残念)」「頑張れ!」「たむたむ頑張れ!」などの応援が発生していた。普通演技中のマジシャンに掛ける言葉ではない。ジャグリング会場か、ここは。

堀木「うーん、リラックスしょう。リテンションとロップス」飼い主からまた謎のワードが出る。リテンションは分かるがロップスとは何か。通訳などをこなしているGeo氏によると(Galápagos) Retention Open Palm Steel Moveこの真中の部分でROPSとのことであるが、彼の辞書は若干世間とは違うという噂もあり、正確を期すには確認が必要である。「いや、箸休めにマッドタイガーをやろう!」これは会の前に見た。正面からはなんの変化もないが、ダウンズパームが一瞬でクラシックパーム的な感じになる(飛んでいくイメージ)技法である。バックビューでないと何も起こっていない。何なのだこれは。そのあとはリテンションバニッシュが数種あるがどれも頑張って握る感じもない割に一瞬で消失している。解説を聞くが接触というか引き込みがまったく見えない。説明はあったが、これは実際には引きネタなのではないかという疑念も会場から出ていた。

うまくいったらワンコインルーティーンに使えそうなアイディア、というものが実演され、会場からはため息がでる。

「パースフレームはどうかね」手品師しか持っていないあれだ。私でも知っている。さておき物凄い勢いで進んでいく会である。なお、「とりあえずとひさんが来る前に一通りやっちゃいましょうよ」「やつにはカップアンドボールでもやらせてればいいんですよ」「50円玉も貸してあげません」などの発言が挙がるが筆者と堀木氏である。パースフレームに通した瞬間に銀貨が消失する。文字通りどこにいったのかが判然としない。当然出ては来るがまったくの不明である。なお、この会はほぼ同じ構成を2周やり、2周目は1周目より断然無駄がなく巧かったことは付記しておく。また、筆者は2周目は真横からこのトリックを見ていたが、むしろ右手の中にいつの間にか銀貨が発生しては移動する謎の手品になっていた。何を言ってるか分からねーと思うが(略)。「フレームを通り過ぎた瞬間に消えるのですけど」ほんとにその瞬間に消えててキモイ。

「ノーギミックレイブンを」レイブンといったら私でも知っている、手をかざすとコインが消えるという15年くらい前に流行った素敵ギミックである。買ったことはあれど一度も人前で演じたことはないが、彼はこれをレイブン無しでやっていた。私の大好きなポン太ザ・スミス氏のマジックで、チャリンチャリン音をさせることで左手に握ったはずのコインが全部右手に移っている、的なものがあるが、そのことを言ったところ堀木氏が「頑張ればあっちもエクストラ抜きでできなくはないですけどねえ」などと。頑張らなくていいのである。スライトとギミックを使うのが人類のいいところである。スライトで全部解決してどうする。

「ワイルドカード…っぽいやつを」ワイルドカードそのものではないらしい。ワイルドカードのようでワイルドカードではない。禅問答か。4枚のクイーンに自由に選ばれたカードを挟むが、すべて1枚ずつそのカードへと変わっていく。まともな手品である。最後が大変綺麗であった。

「ホテルミステリーを」会場から、「佐賀に行けばこれが見られるんですか?」「俺、佐賀のこと、何も知らなかったよ…」「本当の佐賀がここにある」などの珍言が飛び出す。内容はホテルミステリーである。挟んだカードが入れ替わったりするあれである。普通だ。うまいカードマジックである。ロマンシング佐賀。

「リセットとジャックシナプス」後者は本当にそういうタイトルだったのかは不明である。空耳の可能性が高いため、詳細を知りたい者は飼い主に問い合わせると良い。ヴァーサスイッチと最後のディスプレイがきれいであった。たむたむ氏の「ちょっと難しくしたいと思います」に対して、「え、これ以上…?」という会場みんなの心の声が聞こえた気がした。デック中に入れたクイーンと手元の4枚の2が入れ替わっていた。野島研究員が「ギ、ギミックだって、あれは。俺クラスになると分かる」というコメントを発する。会場からは「佐賀は東京とは違う法則で物事が動いているのではないか」との仮説も提起された。

「水油」きれいである。ただ、スイッチが難しそうである。「(水と油が分かれるのは)ここまでは自然なんですけど」に対し、会場から「(自然…?)」という心の声が聞こえた気がするが、Geo氏的な声で「そういうことにしとかないと話が進まないので皆さんそういうことにしておきましょう」という声は実際に聞こえた。オトナである。「ここから少し難しくして」に対しては、全員が脊髄反射的に「え、もっと難しくなるの…?」という言葉を実際に口にしていた。私もそのひとりである。その後、水と油は分かれた。「イージーバージョンが有りまして」に対し、即座に堀木氏が「嘘だ、オマエは絶対ウソをついている」という指摘。演技を見たが、たしかに見た目にはスッキリと簡単そうに見えた。しかしそれとて程度問題である。比較的、ないし当社比という3文字を入れるべきであろう。「まやかしの希望を与えるのはやめてください……!」とのコメントが会場から上がっていた。涙が出そうである(笑い過ぎで)。

「じゃあ、朝青龍」もはや意味不明である。技法の名前なのか?人名だよね?ていうか四股名だよね。4枚のコインが1枚ずつ、音を立てて消失して、再出現する。消えるのではなく、見えなくなる、というのがミソである。置く音、投げ込む音はする。大変不思議である。なお1周目では、最後パースの中から転がり出たコイン的な薄い何かが、よりによって見えてはいけない方向でテーブル上で落ち着いていたが、もはやこれが手品の一貫なのかどうかすら不明であった。さておき好きな手品である。

SCB」との堀木氏のコメントに「あの、これ、SCBって最初に言われちゃうと何も面白くないんですけど……3枚の銀貨を使います」とたむたむ氏。マジシャン殺し上手の堀木さん、である。たむたむ氏が不憫。なおマジック自体は超きれいであった。2周目は。1周目は「簡単に戻るんです」と言ってからの苦闘がつらそうで、SCBが3枚の銀貨になかなか簡単には戻らなかった。一体何が起きていたのかはイチ観客の私からは不明である。会場から「惜しい……!」「もう少し……!」などの声が上がり、「スポーツか!」などの声も挙がるが、基本的に「やさしいせかい」である。

「コインとグラスを」コイントゥザグラス的なやつが始まる。すごくきれいな貫通と、若干のネタバレ・失敗を交え、全員から「おお〜(不思議)」「ああ〜(失敗)」などのため息が沸き起こる。飼い主から「もう一回やろう」、会場から「なんでそこあんなにうまいのに、そこ失敗するの…?」などの声が挙がる。「超サイヤ人になれるのに舞空術が出来ない悟天みたいだ」と、野島研究員がぼそっと言っていた。言い得て妙である。

「スリーフライを。つけもののやつ」また意味不明な指示である。スリーフライ自体は大変うまいのだが、ここで使われているつけもの、という技法がもう完全に頭おかしい方向であり、ここで何度も落とすたむたむ氏。会場が、このトリックで使われている手法を理解し始めるにつれ、たむたむ氏が落とすたび、みんなが「がんばれ!」「もう少し」「ああ、惜しい!」となっていくのが興味深い。かくいう私も「がんばえー!ぷいきゅあーがんばえー!」であった。

「コインアセンブリ」3枚のコインを1枚のカードで覆い、手前にチャイニーズコインを置くが、一瞬でカードの下にチャイニーズコイン、手元に3枚の銀貨になる。これは大変綺麗である。2周目で明かされたカード下でのコイン操作が大変素敵であった。会場からは「あれ、ウィル・ツァイのテーブルなんじゃないの?」「ということはあのテーブルもういらないんじゃないか」「佐賀こええ」などの声が挙がる。その後、一瞬でバックファイア的な現象が起こった。それはとってもきれいだなって。

「ワイルドコイン」手品マニアにしか見えない謎の粉的なものを、握ったコインにかけると銅貨が銀貨に変わっていく。最後は一瞬で銅貨に戻る。大変鮮やかであった。

「コインと指輪」指輪の中にコインが入っていく。最後には指輪からコインが出てくる。会場からはその奇天烈な状況に終始笑いが起きていた。というかきもい。



休憩を挟んでこれの2周目が行われ、筆者は横や後ろから見ていたが、ネタバレ、というチャチな言葉では到底表せない、カオティックなコイン移動・保持が行われていたことを付記しておく。ものによってはエクスポーズド・ビューのほうが不思議だったり笑えたりする。

その後、小澤氏(お約束である)であるとかテンヨー三越店の中の人、青田氏、アリス氏などが手品をしていた。続く会場主のマジックのあたりでいよいよ空腹に耐えかねたため会場を出た(昼食を取り損ねていた)。間違いなくその後もたむたむ氏を囲んで各種蛮行が繰り広げられていたことは想像に難くない。恐ろしい部屋である。この世の地獄よ。ヘルバウンドは伊達じゃないということか。

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総括すると大変刺激的な会であった。堀木氏によると、「スペインは変態っちゃあ変態だが、日本のコインマンはむしろ勝ってるかなりのレベルの変態だぜ」とのことで、「いくらスペインといえど、あなたやたむたむ氏ほどの変態がそうそういてたまるか」というのはさておき、リテンションバニッシュがどうのとか、ましてや使うのが500円玉かハーフダラーか、など、相も変わらず出てくる話題もあるが、コインマジックの世界はここ数年で大きく変わったように思う。バニッシュ云々よりも、不思議ではあるものの角度に弱い、センシティブな保持・秘匿手法がかなり強まったような。一方でセンシティブであるがゆえの危うさが消しきれず、高確率の安定度合いで、破綻のない手品として見せるには些か難しすぎる技法も増えたように思う。このあたり、もうたむたむ系テク(ないし堀木技法等)は通常のと折衷した構成にするか、もしくはもうマニアマジシャンをぶん殴るためだけに特化するか、どちらかであろう。なお彼の納言シリーズは従来よりステップを省略してのパーム及びプロダクションが可能である汎用技法であるため、筆者も練習してみんとするものである。つけもの、はやっていることは分かるし、また理屈もいいのだが、いかんせんシビアすぎる。マスターしたら手品コンベンションでは尊敬と笑いを勝ち取れるやもしれないが、それ以上の活用を思いつけない。マスターできれば、今度は自分がどこかで野放しにされる側になる、というメリット(?)は発生するかもしれない。なお、仄聞していた奈落、という技法であるが、あれは非実在技法であろう。"ぼくがかんがえた超ウルトラスーパーてじなぎほう"としか思えぬ。マスターした人がいたらぜひ見せてほしい。たむたむ氏をもってしても「いやー、ねーよなー、と思いますけどねえ」とのことであり、会場も同じような表情をしていた。同感である。

佐賀のマジシャン人口は少ないらしく、たむたむ氏の「僕ともうひとりセルフワーキング系が大好きな人くらいしかいません」発言に対し、会場から「じゃあたむたむさんとラモン・リオボーの2人しかいない、みたいってことか」という恐ろしいひとことがあった。母数の少なさを無視しさえすれば、日本全国の都道府県で手品力平均を取った場合、佐賀が突出すること請け合いである。そんなプリフェクチャーは嫌だ。怖い。今日は佐賀の恐ろしさを皆で体感した日でもあった。

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タムタミミッミ:ヘルバウンドタム
「あいつは、ヘルをバウンドする(※弾ませる、ではなく、縛り付けるの意)男、たむたむだぜ!」「ヘールバウン!ヘールバウン!」「うおおおー(失敗してチャリーン)」「もう一回―」「うおおおー(またチャリーン)」「まだまだー!」「でやああ(もう一丁チャリーン)」「頑張れ!」「たむたむー!」「うおおおお!」 ※割とホントにこんな感じ 追記:ヘルバウンドではあんまり失敗してなかった。スリーフライの際がこれに近い。


観察記であることもあり、久々にだである文体で書いた。本来だである文体の小気味よさが好きなのであるが、疲れたのでもうよすことにします。

2018-02-26 さんらいず

[] サンライズ・レクチャー


2月25日、サンライズ(サンタ&茘枝)のレクチャーに行ってまいりました。以前おふたりのショーは拝見しており、テイスト違うふたりがいい感じに補完しあっていていいなーと思っていたのですが、レクチャーになったらキャラ変わるのかな、と思いきやまるで変わりませんでしたw 今後もまた開催してほしいおふたりでした。

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レクチャーはふたつの部屋に分けて行われ、私はサンライズのカオスなほう、サンタさんから。のっけからホワイトボードに列挙されている謎の言葉群。「ED, ハンニバル, APCAAN, パッション, スネークライジング, デスノート, イン ザ ストマッチ, イングリッシュカード, フィッシング, タロットオブゴーリー, コビン, タートルトライアンフ, ドリンク, ドリーム, スーパーフライ, バタフライ, バースデー, 金の斧, 21, ジャポティ」


……なんだこれ。


この中から何か連想させたりするのでしょうか。こざわまさゆきを待ってあげている間に、いま考えているという"うんちギミックの使い方"について訥々と語り始めるサンタ氏。「こ、このひと演技だけじゃなく、普段もこのカオスな感じなのか……!」などと思っていると、例の人が遅参しレクチャー開始。サンタ氏はホワイトボードを見上げ、「どれやりましょうかね……」え、それぜんぶ作品タイトルなの!?
「なんか他のところでこの作品のレクチャーみたいなのをやると、一番インパクトがありすぎて、それ以外何も憶えてない、とか言われるんですよね。だからあんまやりたくないんですけど……でもやります」松田道弘だったか誰かも言っている。言い訳から手品を始めてはいけない、と。そんなトーンで始まる第1作目は"ED"。何かの略なのかな?



01.ED
運試しをしようということで2人ポーカーが始まる。演者は今日、一番運勢がいいらしい。観客は2番目に運がいいらしい。しかし観客のハンドがロイヤルフラッシュ。え、それ以上いいハンドってなんだ?と思いきや鳴り響く例のBGM!演者のカードをオープンすると……!

もうのっけからダメだwww 場内爆笑でありました。なにがYGOプリンシプルですかw 「YGOプリンシプルの1はラフ的な役割を果たす!」バーン!「プリンシプル2はシックカードの役割を果たす!」ババーン! なんだか、「続けてドロー!」とか聞こえてきそう。ご本人も年代によると仰ってましたが、私はギリOKですかね。アニメ見てたわけじゃないですが。そりゃあれ知ってる人がこれ見てあれ聞いたらそりゃ他のは頭に入ってきません。納得しました。揃えるべき道具にBGMがあるというカオティック手品w



02.ドリンク
カードを選ばせ箱に戻し、喉が渇いたのでと言ってデックケースにストローを挿して飲む。飲んだ結果デックは……。

これはショーでも拝見しました。好きな現象です。解説聞くと結構細かく考えられてて笑うんですが。いや、笑うところじゃないんですが、なんか、ねえw そんな真面目なサンタさん、サンタさんじゃないや、みたいな。でもまあ口からピップを出したりはするんですけどw



03.スネークライジング
観客にカードを選ばせ箱に戻して立てておく。演者はリコーダーを取り出し吹き始めるが……。

「笛は2 wayなんですよ」とか言い出して、なに言ってんだこのひと、とか思いましたが確かに2 wayでした。なるほど。ていうかレッドスネークカモン的な感じで笛吹いたら箱からにょきにょき出てくると思うじゃないですか。出てこないんですよね。ご本人は最初そうやって出したかったそうなのですが。作った経緯が「マジシャンが集まる飲み会で、いきなり笛を吹きだして音を出せば、周りの注目を集められそう」と、自分には思いもよらない話で。……シンバルとかどうですかね(迷惑)。

04.21
魂の重さは21gというダンカン・マクドゥガル博士の説の話から、デックから魂を抜いて確かめてみようという流れに。電子秤を取り出し、重さを確認した後、然るべき荘厳な音楽に乗せて魂を抜き取る儀式を行うサンタ氏。結果21g軽くなって真っ白になっているデック氏、怪しげな儀式で重さを戻すサンタ氏、元に戻るデック氏。

演出はもう怪しさ満点なのですが、やりたいことは意外と(?)詩的だし、使っている方法も技法とギャフがうまい。これ、安いやつじゃなくて、もう少ししっかりした秤を使うと演技がすんなり行く気がします。当方、箱内に精密電子秤を仕込み、取り上げられた枚数から重さを表示できるようにして、そこから何枚取り上げられたかが分かるギミックを作ったことがあります。



05.APCAAN
観客の自由に言ったポイントカードが、別の観客がサイコロの目によって指定した枚数目から出てくる。あと観客が言った好きなカードが演者の財布から出てくる。

まだ殺意の波動に目覚めていなかった頃のサンタ氏が、「お好きなカードを仰ってください」と言ったところ、酔客が「えへへ、クレジットカードかな」とかなんとか言ったのをスルーしながら思いついたそうですが、意外と(?)テーブル下のワークもまともな手品です。



06.ジャポティ
観客3人に紙片を選ばせたあと、紙袋を3つ出してきて、それぞれの観客に2択を迫る。よくあるジョークと思わせつつ、紙片の内容がすべてそれと一致している。

紀良京佑のチーズとセロテープのギャグを見て大変感動して作ったとのことで、あれ私も大好きなんですが、この作品本当に良かったです。お客さんと掛け合いしながら演じる手品が好きなのですが、これはホントしっくり来ました。道具を色々揃えないといけないのですが、ちょっとだけデチューンしてでもレパートリーに入れたいなと思わせる作品で。というか絶対演じてみたいと思います。サンタさんフルセット売らないかなw


07.デスノート
観客の選んだカードがデスノートに予言されている。デスノートの設定的に、簡単な内容であればカードが当たる状況についても予言されている。

色々解説聞いても面白かったのですが、ふと、「……"デス"要素は?」


08.金の斧
唐突に始まる絵本を持っての読み聞かせ。観客が自由に選んだカードをポケットにしまい、残ったデックを泉に落とすが、そこに現れた怪しいメガネの男が金のデックと銀のデックを出してくる。「あなたが落としたのはこの金のデックですか?」「違います」「ではこの銀のデックですか?」「それも違います」「それではこのクソ汚いデックですか」「はい」「正直者のあなたにはこの金と銀のデックも差し上げましょう」と言って、それぞれ箱から出してスプレッドすると、金のデックにも銀のデックにも最初にポケットに入れたカードだけがない。

手法は見ていれば分かるのですが、ここで使われているスイッチが、変に理屈が通っていて楽しかったです。踏みスイッチってなんかスイッチペダルっぽいですよね。


09.ドリーム
BGMに乗せて演者と観客が無言で同じ動作をするが、その間一致現象が2回起こる。

これショーで見たときも、レクチャーで見たときも不思議で。これも何も知らない観客を舞台に上げるが、サクラにするでもなく不思議を起こすという、自分的に理想の手品で。曲の盛り上がりに合わせて一致現象を起こさないといけないらしいので、練習はかなり必要ですし、セットもかなり手間っぽかったのですが、これはもう一度きちんと内容を聞きたいです。最後のほうで駆け足で私もメモを取りきれなかったのですが、ショーを作る、ということを考えたときに、きわめて適した作品だと思いました。

どれも面白かったですが、ジャポティとこのドリームは私の好みに特にガッチリフィットです。あと手品作り始めて1年半程度、と聞いて驚愕しました。


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続いてサンライズのチンピラっぽいほう、茘枝さん。静岡のKISSERさんとのツーショットとか、もう犯罪臭しかしません。でも茘枝さんは腰低いし(背は高いけど)、手品もすごく真面目で王道なんですよね。今回はトリックの数は少ないものの、サイコロジカルな方法の説明等をかなりじっくりと解説するかたちでした。



01.T2っぽいぽい
エニエニ現象。

02.CALL
アダルトトランプ予言。

03.思ったカード
観客が思ったカードが予言されている。

04.チャレンジャーズライブ演技(All Back)


01-03を題材に、合間に"SHINGOU"もやられていました。

まずT2っぽいぽいやつですが、これの原案を作ったやつを知っています。わ、わたしだ。悪ふざけ同人誌『ASIS』に載ってるよ!(やけくそダイレクトマーケティング)
茘枝さんがこれの改案を作られた、というお話は伺っていて、先日のショーを含めて4回目見て、ようやく手法の一端を垣間見たかな?と思ったのですが、そのまま解説に入られてしまいましたw 謎の敗北感。

その改案のもとにしたのは茘枝さんの"思ったカード"という、観客が思ったカードが最初から持たせていた封筒の中に予言されている、というもので、これはこれで一瞬ギャグかと思わせておいて実は、といういい作品なのです。アウトによって、現象のインパクトには差が出るべきか、それとも差が出ないのがいいのか、というお話があります。私はどちらかというとビビリなので、大体同じにしたいと思うのですが、茘枝さんのご説明を聞くと、まずばらつきがあって良くて、そのばらつきの中の一番すごいインパクトのやつを、一番選ばれやすいものにしておく、というのは確かに理にかなってるなと思いました。

説明のために2017年のマジケでも扱っていた"SHINGOU"という赤青黄が予言されているポケットトリックを使われていたのですが、正直侮っておりました。茘枝さんに魅せられると不思議でした。理屈からすればランダムでも3分の1で当たるのに。01と03はどちらもうまい具合に現象を達成しつつ、舞台に上がった観客と、客席の観客が見ていること、聞いていることの意味合いが違う、いわゆるデュアルリアリティの理屈をうまいこと体現していると思いました。こざわさんが「よく練られたデュアルリアリティのスクリプトって、裏から見ると、ダブルミーニングを効かせた叙述トリックや、アンジャッシュの勘違いコントのようです」と仰っていて、確かにと思ったりしました。"思ったカード"は、現象としては上記、観客が思ったカードが予言されている、というものなのですが、その仕組や台詞に至るまで、めちゃめちゃ細かく解説されているノートが売られており、説明はひととおり聞いたのですが買ってきました(聞く前に)。



CALLは単品でも売っていて、「可愛い子フォース」というのを使うのですが、あの澤浩をも幻惑した代物です。説明を求められ、聞いた澤さんに「これは新たなスタンダードになりますね」と言わしめたあれです。昨年ノート買って読んだときに思ったのですが、この原理は確かに示唆に富んでいるのです。意地悪な気持ちなしに、ぱっとみて、というときに、8割9割の人が好ましいと思う、選んでしまうものって意図的に色々作れる気がするのですね。本作はアダルトトランプで行っていますが、それこそ色だとか、景色だとか、表情だとか、そういうのも使えると思うのです。学問としては認知科学の領域な気がしますが、身の回りの実践としてはコマーシャルやマーケティングの手法によく使われているのではないかと思うんですよね、こういうの。好ましい配色や不快に思う配列、しっくり来る流れ、そういうのってもっと深掘りできるトピックなのだなあと思っておりました。本作は本作で、久々に実演見ましたけど、これ本当に選ばされている感がないというか、当たったときの不思議さときたらないです。きっかけが深夜のテンションで「エロトランプでマジック作ろうぜwww」からとは信じがたいですが、結構真面目に、人にものを選ばせる/選ばせないことについては研究の余地があるのは間違いないところだと思います。無論その性質上100%は難しいので、アウトはいくつか必要になるとは思いますが、本作のように構成されると思考を読まれたとしか思えない、いい意味でキモイ、いかにもメンタル、って感じの現象になること請け合いです。


チャレンジャーズライブのオールバックはビジュアルさもあり、かつ舞台に上げた観客には分かるがそうでない人には分からない即席の「通し」があったりと、演技も面白いんですが、裏側の工夫も良かったです。ここでも使われていましたが、昔ダブルデッカーなどがメジャーではなかった頃(そもそもなかった?)、涼宮ハルヒのパケット・トリックを行うために芯地を抜いたカードを作っていた阿呆を思い出しました。わ、私だあ!

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そういえばサンライズのおふたりは、本当に野島伸幸さんがお好きなようで、個々にお話伺っても、どちらも本当に野島さんを尊敬・感謝してらっしゃることが伺えて、野島さん人徳すごいなーと思いました。まったく同じ日、同じ時間に、件の野島さんご本人のレクチャーが行われている、という事実がなければ!野島さんもサンライズレクチャーに参加できてれば!もっと美談になったのになあw 野島さんが「今度サンタと茘枝ちょっと処すか」とか言ってるあたりもよかったです。血で血を洗う師弟関係ですね。わくわく。

2018-02-23

propateer2018-02-23

[] Ryan Schlutz『Super Strong Super Simple』DVD


昔から好きなんですよね、ライアン・シュルツとシンプルで不思議なマジック。シュルツはめっちゃテクニックもうまいんですが、それをあまり表に出さず、クレバーなトリック作ったり他のDVDに提供したりしている人で。私には無理、という技法もまれに使うのですが、大半は「そもそもどうやって実現したのかさっぱり」という感じで、そこがお気に入りでもあります。DVDとか多分コンプしてます。ラブです。彼のリフル・ピークがマスターしたいです。パケット超曲げるんですけど私はパワーが足りないw

さておき。Ryan Schlutz『Super Strong Super Simple』DVD でございます。名盤です。シュルツ本人の作品も複数入っていますが、要するに古今の名作オンパレードDVDであり、そりゃ面白いに決まっています。ハズレなしの16作品5ムーブの3時間が襲ってきます。しゅごい。鮮やかな現象が多いわけではないのですが、現象見て「え、まじで?」となり、解説聞いて「あああああ、まじかあああ」ってなって大変楽しかったです。昨今の「マジシャンもビックリ、クイック&ビジュアル!」というのとは方向性が違うのですが、私のように"手品しない人に手品見せて楽しんでもらえるなら、別に簡単なのでいいです"という趣向の人にはバッチリの1枚です(※個人の感想です)。備忘を兼ねてちゃんと感想を書いておこうと思います。

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添付の画像はメニュー画面ですが、01.02.03、06.07.08、10.11.12はそれぞれワンセットで演じるのが好きだ、とか3と11はかりたデックでできるよ、とかあるんですが、借りたデックで出来ないやつのほうが少ない気がします。


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01_"Forget to Remember" by Ryan Schlutz
観客に1枚のカードを一旦憶えてもらうが、難しくするためにそこからカードを変えてもらう。にも関わらずそれが予言されている。

のっけから不思議です。いや分かりますよ、解説を聞いたときに、「なんでそういう手続を踏ませたのかという部分は結構謎じゃない?」というのは。こまけえこたあいいんですよ。よく出来たトリックだと思います。



02_"Emotional Reaction" by Dai Vernon
観客が思ったカードを当てる。

ヴァーノンの名作ですね。オリジナルがどうだったか憶えていませんが、あの「観客のカードを特定・確認するシーンを、完全に見てなかったことにする」というのはいいですね。ボリス・ワイルドがよく使う手法ですが、フェイスを見ないといけないマジックのときにこれを挟むとディセプティブさが増す気がします。



03_"Borrowed OOTW" by Various
借りたデック、かつシャッフルされたあとのデックを使うアウト・オブ・ディス・ワールド。

デックの半分程度しか使わないので、私のようにOOTW長くてあんまり好きじゃないです、的な人にも安心。かつ赤黒分けておくとかそういう準備も不要。途中でちらっと見せたり修正したりするところが賢いなと思います。むしろいやらしいわ!w



04_"Pulse Detection" by Ryan Schlutz
観客が思ったカードを当てる。"Emotional Reaction"のバリエーション。

違いは、すぐに当てず、もう1ステップ入るところです。まずカードを特定したあと(例えばスペードの10)、4枚のカードを裏向きで出して1枚に指を置かせます。残りをめくっていくと7が3枚(ダイヤ・クラブ・ハート)。その流れから、当然観客がいま押さえているカードはまだ表になっていない残りスペードの7じゃないですか?という理屈でいきますが、実際にはスートはあっているがバリューが違います。カードをめくると、それだけフォー・オブ・ア・カインドに関係なく、観客のカードであるスペードの10になっています。こういうワンクッション、好きです。



05_"Prior Commitment" by Simon Aronson
2人の観客にそれぞれカードを憶えてもらう。デックに戻してスプレッドするとジョーカー2枚が表向きになっている。このジョーカーが教えてくれるんだ、と言って、その枚数分配っていくとそれぞれのカードが出てくる。しかもジョーカーの裏にはその数字が元々書いてある。

これあれだ、ジョー・デンにアロンソンのトリックだと言って教えてもらったやつです。こういうタイトルだったのか。とにかく不思議です。なんで当たるんだよ感が。観客が何枚でカットしようが関係なく当たる。いやあ、キモいです。



06_"Bath Towel Mentalism" by So Sato
観客2人に、テーブルの下で1枚のカードを交換してもらう。演者は1人目のカードを手をかざしただけで当て、2人目のカードは箱に入れてもらった状態で当てる。

ちょいと前、ご本人の演技見て「おおお、不思議だ!」とか思っていましたが、ここで取り上げられるとは。あらためて、現象の不思議さに構成の美しさ、舞台の設え(シナリオ設定)の妙にため息が出ますね。シュルツも言っていましたが、あの2人目に箱に入れさせるところ、本当に頭いいです。



07_"It Cuts Deep" by Ryan Schlutz
観客が自由にカットしたところのカードを3枚テーブルに出してもらうが、演者はそれを言い当てる。

タイトルからも行動からもバルドゥッチのカット・ディーパーを使ってそう、というところまでは予想がついたのですが、1枚はともかく、3枚当てるってどういうことだよ、という感じですが、なかなかに図々しい解決。これは以前別のDVDで見たときも、その図々しさというか巧妙さが実に好きでした。手品っぽい。



08_"All Expenses Paid" by Jim Krenz
カード・アクロス。観客が確かに数えたカードが見えない飛行をする。

ジム・クレンツの名作です。これのすごいところは、観客がすべてを行い、演者は一切手を触れないのにカードが飛行するところ。世の中には、赤パケットと青パケットを使うことでビジュアルを強調したいとか、不可能性を前面に出したいとか、こざわまさゆき言うところの「こじらせちゃったひとが考えるカード・アクロス」がゴマンとあるわけですが、それを否定するものでもないのですけど、このダイレクトかつ骨太な手順は見習ってほしいと思います。なにより、『私にもできる!』これ重要ですw
去年、Penguin Magic Live Lectureでクレンツの演技見まして、これがまたどれも不思議で。TPCベースでタマリッツひっかけるとか、"Bannon Triumph"(Pray it Straight)ベースでバノンをひっかけるとか、こいつはなんだ、相手の得意技で相手を倒すとか、漫画でよく見る強敵かよ、みたいな。



09_"Upside Down Deck" by Francis Carlyle
演者と観客が選んだ1枚ずつだけ向きが変わる、ツー・カーズ・トライアンフ。

手品をしない人は、1枚ずつほぼ交互に表裏になってなくても、パケットレベルで表、裏、表、くらいで十分ごちゃまぜになっていると思ってくれるだろうか。なんにせよスプレッドした瞬間がびっくりですわ。広げる直前に裏向きのカードが見えているのがいやらしいですねw



10_“The Absent Player” by Dani DaOrtiz
観客含めて徹底的に混ぜたデックで、観客に配らせた状態でポーカーを行うが、演者にロイヤルフラッシュが来る。

これほんとダオルティスのを見たときめっちゃ驚きましたねえ。こういう構造のものは最近だとジョセフ・バリーがくっそうまいんですが、ともあれ超不思議です。演者が最初に4枚交換したことって全然記憶に残らないんだろうなあ。



11_"Gemini Location" by Liam Montier
2人の観客が選んだカードを、1人目のはカードの表を見ながら言い当て、2人目は観客自身に読み上げながら配らせるがそれでも当たる。

ジェミニ・トリックの原理を使い、観客の声の震えの調子で当てるという演出が面白い。ジェミニ・トリックはそれこそ数多くの改案があるジャンルですが、うまい使い方だなと思います。




12_"Poker Players Picnic Redux" by Ed Oschmann and Tom Dobrowolski
ちょっとしたハイ/ロー・ゲーム(数字の大きいほうが勝ち)をしようと持ち掛ける。演者と観客で全力でシャッフルをしたデックを4人で分け、ランダム性を作るためにもうひと操作行う。まずボトム・カードを見て、その枚数分下に回す(絵札のように長くなりそうなものなら、そのまま回しても、スペルのぶん配っても構わない)。それからほかの3人に1枚ずつカードを渡す。これを全員が行い、最終的に一番上に来たカードをひっくり返すと…!

変な声出た。「え、でもこれ、何枚下に回すかわかんないじゃないですか……」と思っていたのですが、ちゃんとそういう目的でセットされてるのよね。くらっときましたね。あと私これ、最初解説聞いたとき、「最後の人に、数じゃなくてスペルでやられたら困るじゃん」とか思ったのですが、よくよく聞くと、現象説明で書いたように「絵札とか、配る枚数が多くなりそうなときは、そのまま数ぶん配らせるか、それともスペルの分だけ配るか選ばせられるよ」ってちゃんとシュルツは言っていました。見事だ。あ、冒頭のピクニックの綴りがPinicになっていますぞ(どうでもいい発見)。



13_"4 Sided Gemini" by John Bannon
最初に1枚のカードを誰にも見せないようにして観客のポケットにしまってもらう。観客に1枚ずつカードを配らせ、止めたところにジョーカーを挟む、というのを2人にやらせる。ジョーカーの示す場所のカードが黒のエース2枚、配らせたカードの数の和の分配るとダイヤのエースが出てきて、最初に入れておいてもらったカードを取り出してもらうとハートのエースである。

ば、バノン先生のきたー!『Destination Zero』(本)とか、『Move Zero Vol.1』(DVD)でも解説されていたアレです。「バノンファンなら常識ですよ」と訳の人が。どんだけ好きなんだよ。ジェミニ手順がここでも、という感じです。マッチングに使うのはよくありますが、これはフォー・エース・プロダクションになっています。いや、別にそれもよくあるかw バノン先生のこの図々しく「観客の操作を観客自身の手でなかったことにさせる」系の仕組み、好き。解説中にボブ・ロスの名前が出てきてちょっとニヤリとする。



14_"Shuffle-Bored" by Simon Aronson
演者は最初に予言のメッセージを観客の一人に送っておく。デックを取り出し、表裏ごちゃごちゃに何度も混ぜさせた後、その予言を読み上げてもらう。その表向きの枚数や赤黒の枚数などがすべて正しく予言されている。

もうね、名作ですね。知っててなお、途中途中で「あれ?いや、これ、今回はさすがにもう無理じゃないですかね」としか思えない状況で多段式予言が的中していきます。アロンソンのは大きな紙に上から予言を書いておいて、それを引き出しながら見せていく、という見せ方で(たぶん)、有名な改案としてはアリ・ボンゴの"折りたたんだ紙を開いていくと次なる予言が出てくる"というのがあります(私は最初それで知りました)。シュルツは観客のスマホにテキストメッセージとして送るというかたちにはしており、現代的な感じに仕立ててはいるものの(予言の効果を高めるため、改行はたくさん入れようね、みたいな)、根幹の仕組みは同じであり、やはり原案の力強さを思い知ります。あとシュルツはロゼッタ・シャッフル(レナート・グリーンがよく使っている、デックをふたつに分けて、ぐりぐりとねじって円状にしたものを左右から押し込んでシャッフルさせるアレ)を実にカジュアルに使いまして、それがまたいいのです。あれはぐちゃぐちゃ感を見せるのに本当に適した手法なのだなと再認識しました。



15_"Silent Tansmission" by Eddie Fields
観客がデックをシャッフルしてからカードを1枚選んで憶えて戻し、パケットを表向きと裏向き半分ずつでシャッフルをする。表向きのカードを読み上げさせるが演者は観客のカードが何かを言い当てる。この間、ずっと演者は電話向こうで指示を出しているだけである。

演技の冒頭から、観客の女性2人と、その間に通話状態になった電話が置いてあるだけ。観客たちは、シュルツの指示に従ってデックをシャッフルしたりパケットに分けたりカードを覚えたり混ぜたり読み上げたりしていくが、選んだカードが当たると。当たってしまうのです。もう電話越しっていうのを抜きにしても、最初に観客がデックをシャッフルした時点で、「これ演者も現場にいないし、どうやったって当たらないだろ、というか当てる手品ではないのか?」などと思い始めましたが、まあ当たりまして、変な声出ました。ビル・ムラタのワイキキ・カード・ロケーションという私の大好きなロケーションの仕組みがあり、要するにそれを使うのですが、これ電話越しにやるとここまで気持ち悪いトリックになるのかと震えました。なお解説聞くまでWCLであることに気付かなかった盆暗、それがわたくし。



16_"Six Covers Six" by Ryan Schlutz
観客がカードを1枚憶え、自分でシャッフルするが、その上で演者がカードを当てる。それも裏向きでな!

シュルツまじかしこい。だって裏向きで、観客の脈というか勘の力で当てるんですよ。キーカードの作り方が絶妙ですよね。たまりません。サンクン・キーとかやられるとまあ分かりませんね。




BONUS: Moves Toolbox
Pinky Break, Swing Cut, Box Switch, Controlling the Top Stock, Magician's Choice
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あと、気になった、というかこれはもう昔からなのですが、シュルツは英語がかなり早いのでそこは注意です。台詞の面白みをわかれよということまでは要求されませんし、解説部分を見て手順がたどれないことはないと思うのですが、まあガチネイティブのイングリッシュはめっちゃ早いな、ということだけ覚悟しておいたほうがいいです、と。日本のショップは手順概略とかつけて売ればいいのに。いや、スクリプト・マヌーヴァが字幕付きで出せばいいのです。なんでもっと早く出してくれなかったんですかヒゲ社長!

あとトラックの切り方がヘンというか。個々、「そのトリックに関してのシュルツのコメント」→「観客相手の演技」→「解説」 という構成で、それ自体は別にいいのですが、「この現象にはひとつだけギミックを使うんだ。ダブルバックカード。これを使うだけでこの奇跡が起こせるというわけでね」みたいな、若干のネタバレ的な要素を含むんですよ、この「冒頭のコメント部」w 最初「あれ、解説?解説は演技見たあとでいいのよ。演技から見たいのに。どこかな…?」ってなってた間抜けが東京に一人いたとかいないとか私とか。

2018-01-15 クイック&ビジュアル

propateer2018-01-15

[] ゆうきとも「オープニング・セレクション」


monthly Magic LessonのDVDには、毎回メインメニューに入る前に30秒くらいの手元のみ無言での演技映像があり、これがまたクイックかつビジュアルな現象が多くて好きだったのですが、基本的には本編で解説はありません。古今の他の人の作品だから解説できないとかそういう感じなのかなと思っていたのですが、必ずしもそうではなかったようで。半年に一度変えているとのことなので、150号を数えるいまや25種類ものクイック&ビジュアルな手順があったということになります。重ね重ね解説がないのは惜しいなと思っていたところ、出ましたね、「オープニング・セレクション」が。


DVDが届いた日、「演技だけ見たら寝よう。あの長さ6作品だし、まあ5分もあれば終わるでしょう」と思って見始めたところ、結局ついつい解説まで全部、50分ちょい見てしまう面白さ。どれも面白いのですが、個人的には"オイル&ウォーター8.5"と"ファイブ・キングズ・ロイヤル"、"フラップ・ジャックス"が特に好きでしたね、と書いて、6個のうち3個を「特に」といっても、「特に」感がゼロなことに気付きました、いま。ああ、"EZ ハイパーツイスト"も捨てがたい。

まずあれです、ゆうきさんはカウントがうますぎます。当然そうあるべき、というのはともかく、リバースカウント、エルムズレイカウント、ツーフォーカウントあたりが区別つきません。あと久々に見ましたが、フェンテスチェンジもクソうまいの。ふわっと変わる感じ。ゆうきともほど、『キャラ色はないので「あ、これはできそう」と思わせつつ、実際やってみるとああはならない(できない)』という演技を見せるマジシャンも珍しかろうという気もします。アクロバティックなことをしているわけではないのに、かつ自分もその技法はできるはずなのに、まとめてやってみると「なんか自分、全体的に雑」のような。ガビとかキコとかは見た瞬間「ハイ無理ー。ていうかこいつ本当に同じ人類なのか?」とか思うのですが、ゆうきともは『一見ラクにトレースできそうなのに、やってみると自分の"コレジャナイ感"が見える』というのが曲者です。大変けしからんです。あ、いや、全部が全部ゆうきともみたいなクオリティでできなきゃいけないわけでもないですし、トリックとして成立するレベルくらいには自分でもできるように作られているのですけれど。ともあれ、なんだかんだ短時間でインパクトある作品が揃っている印象でございました。

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■限りなく赤に近いブルー(ノースイッチバージョン)
「瞬発力」マックスのカラーチェンジングデックの手順。以前にDVD 「ワイズワークス」 で発表された手順をアレンジして、よりセルフ‐コンテインドな形にしました。シャレの利いた台詞回しによって、色が変わる「理由」を作り出している点も注目です。(mML Vol.13-18のオープニングで使用)

■EZ ハイパーツイスト
パケットトリックのクラシックである「ハイパーツイスト」をよりライトなカード構成にして演じやすくした作品。Aから4までの4枚でツイスト現象が起こり、4枚とも同一カードに変化して、さらにクライマックスの現象がある意外性抜群のトリック。(mML Vol.43-48のオープニングで使用)

■オイル&ウォーター8.5
複数段構成のオイル&ウォーターから、最後は瞬間的な入れ替わり現象となる
ボリューム感満点の手順。大変巧妙な手順構成となっていて、おそらく感心されることでしょう。一般的なあるギミックカード(ただしO&Wに使うのはさほど一般的ではない)をを使用することで、レギュラーではできないクリーンさを実現しています。(mML Vol.55-60のオープニングで使用)

■バックグラウンド・オープナー
オープナーとして4枚のエースを鮮やかに取り出し、見るとその4枚だけ裏の色が違っています。解説をご覧になるとわかりますが、応用が利く、使い勝手の良いきわめて実践的な手順です。(mML Vol.67-71のオープニングで使用)

■ファイブ・キングズ・ロイヤル
5枚の同一カードが、あっという間にロイヤルフラッシュに変化。 ちょっとテクニカルですが、秀逸なメカニズムを持つ佳作。ブラザー・ジョン・ハーマンの作品です。(mML Vol.73-78のオープニングで使用)

■フラップ・ジャックス
ポール・ハリスが有名にしたフォーカードのレべレーション。パタパタっと、瞬間的にフォアエースが開示される見事なカラクリ。発表当時大流行しただけあって、この楽しさは別格です。セルフワーキング・フラリッシュとでもいうべき唯一無二の怪作。(mML Vol.109-114のオープニングで使用)

2017-12-31 備忘年記

[] おおきく振りかえって2017


今年は色々なレクチャーに参加はしたので、いつもなら色々備忘録を書くところなのですが、大半において時宜を逸しました。来年はもう少しちゃんと書きたいと思います。自分のために。

◆1月
・家でゆるゆると手品を見ていました。T君は年明け早々のスタバでドイツの某氏の本の粗訳を始めていたとか。ガッツあふれる感じ。
・入稿から4か月の時を経て『Losing Control』の組版が上がってくる。
・サイクルトレーナーを買う(もほぼ使ってない有様)。
・悪ふざけ本『ASIS』の下準備をもうこの頃から始めていた模様。あほである。

→わかります。

→ミリタリー陶芸すごい。

・ボリス・ワイルド『Transparency』の日本語版が出る。マークト・デックの本とか東京堂エッジ攻めすぎだろと思いましたが、T君が満足そうなのでそれでいいとします。「その著者用の書影を上げた結果、UKのマジシャンから『俺のも訳そうぜ』とかきて、その人の本を見てみたら『62個の新作』……えっ?『275ページ!』とかあるんですよ。『死ぬから無理です』って返しましたよ」とか言ってて笑いました。

.

→最近この考え方になっていてやばい。

 ・アイカツを見てもいないのに、『詳説アイカツ史』を買うリトル愚かなわし。そしてこれを呟いた直後、知り合い数人からメッセージを受け、うちのひとりから全176話が入ったDVD(たぶん30枚以上あった気がします)が後日自宅に送られてくるが、それはまた別のアイカツだね。

→とてもよく分かります。

 
→辞書ナイト3 毎回このイベント面白すぎてすごい。

→イカ、上位存在の情報収集末端説、好き。

・スマホを新しくした。
・眼鏡を新しく買ったあとで、塗装ハゲについては有償で塗りなおせる、ということを知り、結局全く同じモデルの色違い眼鏡を持っているというアレな状況になる。



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https://twitter.com/propateer/status/823491756398284800
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https://twitter.com/propateer/status/826235838279200768


◆2月

→どこでも流行っていないポーカーという有名ゲームw

けもフレ浄土真宗説

→ハラール。まさかこの10か月後に、自分がハラール対応とかウドゥ対応とかで胃が痛くなる日がこようとは。もうみんな日本に来たらラーメンとハンバーガーでも食べててほしい。




→最近結構多いです。「おい何ですかこの請求。不正使用か……!?」からの「わ、私だったァァァァ!」の流れw

→電子版の準備もしております。

→こざわまさゆきが大体当てはまります。
 
・『52 Lovers』の確認のために、文章チェックに加えて色々ギミックを作ったりしていましたが、この時期プロマネで死んでいた気がするので、手抜きしてたのかな、私。

→霊能力者説

→真の校正マンはこうでないとw

→ガブちゃんちと一緒w

→気をつけたい。

→私含めて多そうw

・Shearlockのバリエーションを作ってもらった。大変便利。
・カーニーのレクチャーに行く。
・ヨーキムのレクチャーに行く。ヨーキムに手品見せるのは緊張しました。
・ゆうきとものレクチャーに行く
・ダローが亡くなる。大変ショック。

→コインマジシャンは反省すべきですね。

→こざわまさゆきクソコラグランプリ

→私も人なのでしょうがないです。

https://twitter.com/propateer/status/829870128476991488
https://twitter.com/propateer/status/830307416189267971
https://twitter.com/propateer/status/830314523445727232
https://twitter.com/propateer/status/831877954212765696
https://twitter.com/propateer/status/831878062664933377



◆3月

→これはとてもいい人ですね。理想。

PDCAは大事です。

→確実に理解と説明能力が高まる勉強法ですね、これは。

→ホントに迷惑。

→露伴先生いいひとだw

・堀木智也レクチャーに参加。ほんとコインは変態しかいません(含・二川滋夫)。あと、はじめてねすもあさんにお会いした。のちにRewindとして発売されるアレを生で見せて&教えて頂きましたが、現象もさることながら生で出来るということに一番驚きました。映像限定トリックかと思っていました。すみませんでした。
・東京堂のバーンスタイン本で、「何言ってるか、どうやるのかわからないやつがある」というツイートを見て、「おいおい最近の人は読解力が低いのか?」と勇んで読んだら自分も全く理解できず、結論として「訳文が間違っている」となりましたが、日本語文章を読んだのに意味が取れないと、自分の日本語力にまず不安を覚えることがわかりました。
・TAKAHIRO&三品優太郎レクチャー。
・ゆうきともレクチャー
・ポール・ガートナーレクチャー。同日にけもフレ最終回を見る。いい日だった。

https://twitter.com/hideroP/status/840214572984295424 けもフレ最終回


◆4月

→rule of thumb

→小林さんちの子になりたい。

・『鉄血のオルフェンズ』が「じ、時間泥棒…!」的な終わりで震える。

→決して真似しないでください は名作でした。

→ベルヌーイの一族

→エリカさんいい人だ。

・上田に遊びに行き、シナクラ先生に遊んでいただく。プロによる歯医者さんごっこ。また、朝のちょっとしたツイートから居場所が発覚した結果、園内さんにも初めてお会いする。「あの、これ…」とディスクをいただき、「あれ、お土産かな」と思ったらお仕事の依頼であり白目w なお、「メガネのブランド」と「(カーニーレクチャーの際)横にこざわまさゆきがいた」という2点で身バレするんだなということを知りました。

https://twitter.com/propateer/status/851455618296696832 悲しい。
https://twitter.com/propateer/status/853261376319442947 デルレイ不思議。
https://twitter.com/propateer/status/854542749252468737 メンタルマジックっぽいw
https://twitter.com/propateer/status/855278487984234499 イングブルムさんキュート。
https://twitter.com/propateer/status/855426309488492544 植田まさし女性キャラコスプレ用
https://twitter.com/propateer/status/856737790108749824 半分くらいの人は気づいているのだぞ。
https://twitter.com/propateer/status/858300533618073600 旅に限らずなんでもやってみるのがいいです。
https://twitter.com/propateer/status/858505581014929408 澤浩の"Pushman"を見て、これが最高のコインマジックだという思いを強くしました。
https://twitter.com/propateer/status/848838579417522177
https://twitter.com/propateer/status/849312067828027392
https://twitter.com/propateer/status/849312381679357952
https://twitter.com/propateer/status/856525226267496448



◆5月
・この頃から野崎まど作品をいっぱい読んでおりました。
・アイカツを見始めました。
・ねすもあレクチャーに参加。角度厳しいとはいえねすもあさんの技法はどれも斬新な気がします。素敵。
・John Guastaferro『en route』日本語版出た。いい作品揃っております。

https://twitter.com/propateer/status/864871914874875904 ヨーロッパやばい。
https://twitter.com/propateer/status/865234773341425669 発想www
https://twitter.com/propateer/status/865900494627024896 バビロン、最高に面白いです。

・ターナーレクチャー。うますぎて手品なんだかテクニックなんだかすらわからない。Geoさんのオクトーバー伝説が始まる。
・サブウーファーを買ったがその威力に震える。付けられる人は迷うことなく買うべき。そしてガルパン劇場版を見よう。

https://twitter.com/propateer/status/868837595014348800 秋山殿と同じく、良いところを見つける方向がいいですよ。うまい批評できる人なんか少ないのですし。
https://twitter.com/propateer/status/870254731641339905
https://twitter.com/propateer/status/870661843970174977 つくりたい
https://twitter.com/propateer/status/870870703599255552 便利
https://twitter.com/propateer/status/872107303779971072 売られていますよ。


https://twitter.com/propateer/status/875584875268526081 みんないっぱい作品作ろう。

・A Study In Secrets解散の報に触れ震撼する。
・ゆうきともライブレクチャーに行く。

https://twitter.com/propateer/status/879890857452634112
https://twitter.com/propateer/status/880290269312073732 ホント周りは自発的に手品をやりだす人ばかりです。


◆6月





◆7月
・パズル作家の山本先生のトークショーに行く。なぜかこざわまさゆきもいましたw

https://twitter.com/propateer/status/881535520462979073 とても良くわかります。
https://twitter.com/propateer/status/882042235331551232 ファローシャッフルの語源がファラオとは。
https://twitter.com/propateer/status/882219682488504320
https://twitter.com/propateer/status/882771607860596736
https://twitter.com/propateer/status/884413128246648832 客が喜ぶから。納得。
https://twitter.com/propateer/status/885432662168485888 正解するカドの徭さんTシャツを作る暴挙。
https://twitter.com/propateer/status/886394055491334148

・園内・こざわ両氏と飲み食いしたり手品見せてもらったりしました。

https://twitter.com/propateer/status/887308930501681152
https://twitter.com/propateer/status/887319471194423301

・ASIS本とか頑張って作っていました。1人締め切りをブッチした人を終生忘れません。

https://twitter.com/propateer/status/888995876785373186
https://twitter.com/propateer/status/890579141921169408
https://twitter.com/propateer/status/890804666367225858
https://twitter.com/propateer/status/891566010838335488 アイカツ画面チェッカー
https://twitter.com/nedikes/status/882649468637663234/photo/1
https://twitter.com/Phoalbatrus/status/890771634251890689


◆8月
・ユージン・バーガーが亡くなる。

→完全に勘違いしていました。恥ずかしい。

コミケに行き、そのまま立川のガルパンTV全話&アンツィオ一挙上映にいく。流石に後半睡魔に倒れるガルパンおじさんを散見。
・大阪に行ってスイーツとフレンチドロップ、A-omoroをはしご、アルスさんが相変わらずうますぎて吐きそう。最高です。翌日京都でgear見て観光してのべみずさんに遊んでもらって帰る。
・野島さんにのせられてあいまいみーミュージカルに行く。

→ホント、作品として、本やDVDとして出した人に対しては尊敬の念をいだきますね。

→何ーずアンドパンツァーだろうか。さておき2017は行けなかったので、2018年はまた行きたいです。

・マジックマーケット2017。悪ふざけ同人誌『ASIS』を出す。委託とはいえ、前日までに荷物を送れなかったので、結局当日自分でBeeさんのところまで運ぶ羽目に。現場ですけうゆさんとかGuyさんなど、ネットでしか知らない方にお会いしたりして、それはそれで楽しかったです。

https://twitter.com/Rei_magic_rei/status/901448714148921344 これやりたいんですけど!
https://twitter.com/propateer/status/894953307214458882


◆9月

→ポン太&アルスレクチャー in OSMAND。アルスさんがメイドインアビスネタを振ってきてビビる。彼も探窟家だったw

・こざわさんと上田に行き、シナクラ先生と園内さんに歓待していただく。初心者集団ビギナーズ・フォーを結成。
・FISM予選出る5人衆のショーを見に行く。面白かったなーって思った人が本戦出場してて、まあ妥当かなと思ったりしました。

https://twitter.com/propateer/status/903970870321864704 マクロスかよw
https://twitter.com/propateer/status/906485078976454661 桂馬
https://twitter.com/propateer/status/911565973802557445 https://twitter.com/propateer/status/911567044595802112 ステッカー作りたい
https://twitter.com/propateer/status/911567044595802112 ホント感想って来ないですからね。特に良かった話なんか。
https://twitter.com/propateer/status/912695373700800512 MMR大好き。
https://twitter.com/propateer/status/913550152098447361 サイコパス。割と当てはまって草。



◆10月
・国語辞典ナイトが相変わらず楽しい。
・二川会強化合宿。あとたっぷりとクロースアップ。
・カズカタヤマレクチャー。
・ふーさんとうぇるさんレクチャー。うぇるさんは息をするようにナチュラルにボトムパームするマンでした。もう少し詳しく教わりたい。DVDとか出してほしい。あのくらいの自然さでいけるボトムパームは本当に有用だと思いました。

https://twitter.com/propateer/status/917340404617428992 やらなきゃ…。
https://twitter.com/propateer/status/918507946715234304 この身も蓋もない感、嫌いじゃないですw
https://twitter.com/propateer/status/919184613213224962 破れ奉行シリーズ。「ナカ(村錦之助)ちゃんだよー!」に噴く。
https://twitter.com/propateer/status/920497269073436672 おさらいしておこう。
https://twitter.com/propateer/status/922724236124401664 すごい
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2385&v=m_BsMTCLR6k Sam Angelicoの演技がいま見ても面白すぎてつらい。イヤァァァァァァ!最高です。


◆11月
・ついに『52 Lovers』の日本語版が出た。校正の記憶が遥か彼方w
・マシンを新調するがサブウーファーが使えなくなり悲しみに暮れる。ついでにHDDが2基死ぬ。より悲しみが深まる。
サンライズ(茘枝/サンタ)の公演を見てくる。
・ベベルレクチャー&ワークショップ。
ゼルダクリアしていたりしました。

https://twitter.com/propateer/status/932595722603544576 面白いです。
https://twitter.com/propateer/status/933197033338372096 踊り食いとか、まんま進撃の巨人だからなあw



◆12月
・最近オリジナルデックがいっぱい出てきていいなーって思うんですが、軒並み1,500円とか1,800円とかしてて、「おいおい、ギャフデックより高い」とか思ってしまう。もっとも、値付けというのは「それが適切であると思うような人向けである」という先に引用した言説には納得するので問題はないんですが。個人的には(使うものなら)1,000円くらいが上限ですねえ。コレクションしたいものという意味では2,000円でも5,000円でもいいんですけど。
・とある本の版権を取りました。訳もほぼ終わっています。2018年3月を目処に出したいと思います。また、同じ時期に別の方が出版許可取れなかった本も別ルートで出せることになったらしいので良かったです(ちょっとだけ校正のお手伝いをさせて頂きました)。楽しみです。
・羽生善治永世七冠。えらいこっちゃ。
・『おへんろ。』香川編が出るらしい。早く予約させてほしい。
・FF30周年コンサート。

→昨今のマニアは、若い方が「youtubeで手品勉強しました」って言うと複雑な気分になるらしいのですが、私まったく気にならないんですけどねえ。

→危険な「ながら」シリーズ、これはたしかにすごく危険w

→ガルパン最終章1話、聖グロの新キャラ。間違いなく戦闘力が高い。
 
https://twitter.com/propateer/status/937322636689915905 半分くらいしかわからない…。
https://twitter.com/propateer/status/937952557422469122 ガルパンおじさんいい加減にしてほしいw 私は上野に行きました。
https://twitter.com/propateer/status/938984669315346434 私もすっごく疑問。エルムズレイカウントとかダブルリフトとかも文献にあたるの必要なのかな、的な。
https://twitter.com/propateer/status/940914852263890944 もう次元が違うんですが、これを参考にすることでなんとか私も剣の試練極位をクリアしました。ありがたい動画でした。

・Secretsシリーズを見ておりましたが、Majionは早くThe Complete Works of Dr. Sawa(6枚組)を作るべきです。まじで。はやく。
・結城友奈がとてもつらくなってきました。ゆゆゆはこうでなくっちゃ(涙目)。
・ガールズアンドパンツァー博覧会にいってきました。
・年の瀬に買ったkisser『empty tone』が大変良かった。
・コミケに行って散財してきました。

→相変わらず良い記事を書かれる。真面目に挑戦してる人がちゃんと評価されるイベントだといいんですが、大きくなればなるほど柵と無関係ではいられなくなるのは世の常でございますね。


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そんなこんなでツイッターで済ませてブログに書くまでに及ばずって感じで。2018年はもう少しまともに書こうかと思いました。みなさま良いお年を。

2017-08-27 頒布開始しました。

[] 『strawberry』&『ASIS』


先日のマジックマーケット2017にて頒布されました、悪ふざけ同人誌『ASIS』の通販を開始しました。悪ふざけを見たい方、軽い気持ちのおふざけによる印刷費&ダンボールの塔を見て暗澹たる顔をしているきょうじゅに憐憫の情を抱いた方、字ばっかりの手品地獄を見たい方、表紙の南の海の綺麗さを綺麗な印刷で見たい方などはぜひ。

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教授の戯言『ASIS』
http://magic.theshop.jp/items/7957867



また、園内五果さんの『strawberry』も数冊だけお預かりいたしましたので、瞬殺とは思いますがこちらに委託販売をお受けしていますショップにアップして、寝て起きたら完売しておりました(2017.0828)
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園内五果『strawberry』
http://magic.theshop.jp/items/8047607

2017-08-14 悪ふざけとはこういうことだ!

propateer2017-08-14

[] カードマジック作品集『ASIS』


ツイッター上でもたびたび出る、新商品の説明文章を見ては「こうやるんじゃないかな」「いやこうだろう」のような議論。「いっそ、商品説明文だけを所与条件として、みんなで作品集作ったらいいんじゃないですかね」というような阿呆な発言をしたのが確か2016年末だか2017初頭。阿呆な真面目な人たちがバカ正直に寄稿して逃げられなくなったのが4月。以降、締切をブッチしてひとりで6作品寄せた人までいるのが本書『A Study In Summer』通称『ASIS』です。訳すとなつやすみの自由研究ってやつです。あ、いっこだけカード使わずブレスミントを使うやつがあったことに気づきましたが、もう入稿したので直せません。やっちまったZE!



作成条件は「ネットで商品紹介文章を読んだ」「演技映像は見たことがない」「商品そのものを買ってない(実際のやり方を知らない)」ことが前提です。なお、取り上げた作品の数々を、偶然にも大体購入済みであるこっぺさんという方に判定を依頼。商品と完全一致してしまった場合は掲載を見送る、というルールとしました(さすがに偶然とはいえ、完全に一致してしまったものを出すのは、……別に何も悪くはないと思わなくもなくもなくもなくもないですが、なんか寝覚めが悪いですし)。「まあ、いうても完全一致はないでしょ」と思っていたらありました。しかも複数。凄いですね。マジックマーケット、Beeさんの「日本奇術文化研究所」にて委託頒布予定。Tくんはあそびに行くそうです。

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全作者入場!


特に理由はないッ シゲオがうまいのは当たりまえ!!
協会にはないしょだ!!! マジックハウス店主!
二川滋夫がきてくれた―――!!!(※)
(※)マジである。しかも複数作品。


パリの女子高生は生きていた!! 更なる研鑚を積み理系手品解読師が甦った!!!
長身痩躯に熊のお面!! ゆうゆうだァ――――!!!


ASISの本場は今や北の大地にある!! オレを驚かせる奴はいないのか!!
izumiだ!!!


ファンの前でなら私はいつでも全盛期だ!!(※)
燃える訳書(焚書) とみやまたつや だいたい本名で登場だ!!!
(※)中学2年頃


手品したいからここまできたッ キャリア一切不明!!!!
千葉の大豆(国産)ファイター トウフだ!!!


総字数320万文字超(※)のブロガーが今ベールを脱ぐ!! 
東京から きょうじゅだ!!!
(※)本当


テジナ暗黒地域こと「ながのちほー」で磨いた実戦テジナ!!
シナクラ会のデンジャラス・ライオンのフレンズ 園内五果だ!!!


ギミックでの殴り合いなら我々の歴史がものを言う!!
封筒とマジックワゴンLOVE! 元祖ギミック厨房 Bee男爵!!!(※)
(※)爵位本当


ルールの無いテジナがしたいからバーマジシャン(バーで手品をする人)になったのだ!!
プロのテジナを見せてやる!!ヤマギシ・ルイ




若き王者が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ ASISチャンピオンッッ
俺達は君を待っていたッッッ こっぺの登場だ――――――――ッ



加えて負傷者発生に備え超豪華なリザーバー(イタコ芸)を4名御用意致しました!
もやもや皇帝 こざわまさゆき!!
伝統派テジナ エド・マーロー!!
東洋の巨人!高木重朗!

……ッッ  どーやらもう一名は到着が遅れている様ですが、到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ!




『ASIS -A Study In Summer-』
収録内容
 「Counter Punch」っぽい 二川滋夫
 「OMEN」っぽい 二川滋夫
 「Vivaldi」っぽい ゆうゆう
 「Daydream」っぽい ゆうゆう
 「Gemini Fates」っぽい ゆうゆう
 「Palette」っぽい izumi
 Catalog izumi
 「Masterpiece」っぽい 富山達也
 「Pairs」っぽい 園内五果
 「Love Bites」っぽい izumi
 「Dual」っぽい トウフ
 「T2」っぽい きょうじゅ
 「Lazy Prediction」っぽい Bee男爵
 MMMMMM ヤマギシルイ
 Diffused Numero ヤマギシルイ
 Self-Counterpunch ヤマギシルイ
 Imagination Double Cross ヤマギシルイ
 Silent Daydream ヤマギシルイ
 Daydream Everytime ヤマギシルイ

B5サイズ表紙カラー本文モノクロ80ページ。挿絵図表殆ど無し(手抜き)。マジケ後、多分物販ページでも売ると思います。値段はちょいと上げますが。

2017-08-11 手品のとくいなフレンズ

propateer2017-08-11

[] 園内五果『strawberry』



先日、春に一度お会いしたアマチュアマジシャンの園内さんが近くにこられたので、けもふれがーでんに行って「すごーい!」「おさけー!」などとやっておりまして(阿呆2名)。その場でデザートとして出されたのが本書、『strawberry』だったのです(流れでインチキストーン的な話にいきそうですがいきません)。

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同日その後、厚さで、もとい、暑さで溶けかけているこざわさんを新宿に呼び出し、こっちでもビールにドイツ料理で「すごーい!」「おーいしー!」とかやっていたわけですが(阿呆3名)、その場で園内さんにやっていただいたのが本書のBonus、"The Old-maid Trick"でした。こざわさんも私も「ふっしぎー」となりまして。原理ものは本当にいいなあと思った次第です。

後日これを私より伝授された訳担当のTくんは、サークルでこれをやって、マニアを引っ掛けてニヤニヤしていたそうです。「え?なんであたるの?」「えへへへ」「ちょっと待って、もう一回やってもらっていい?今度は枚数を変えてやるから」「どーぞどーぞ、やらせていただきましょう。あ、ご自由に混ぜちゃってくださっても結構ですよ(ニヤニヤ)」 ……最低だなw

で。

本書はA5で50ページくらいのコンセプト作品集です。マッチング・カードというジャンルがありまして、ってそれを伺ったとき、私の頭の中にはメイトカードがバンバン揃っていくニック・トロスト的なあれしか浮かばなかったのですが、そっちじゃなくて、こんな感じのです。
1. 最初にカードが裏向きで1 枚選ばれます。このカードはそのまま伏せて置かれ、カードが何であるかは誰も知らない状態です。
2. 演者は「このカードと同じ数字のカードをあと3 枚見つけてフォー・オブ・ア・カインドを揃える」と言ってデックをカットし、3 枚の8を取り出してみせます。
3. ここで観客がテーブルに伏せられているカードをひっくり返してみるとK で、失敗したかのように見えます。
4. 演者は「こちらのカードを全部変えてしまいましょう」と言い、先ほどの3 枚をもう1度見せるとそれらはK に変化しており、フォー・オブ・ア・カインドが揃います。(本ノートより引用抜粋)
というやつです。常識ですよね。……すいません、私ここ数年、そのジャンル名すら忘れていました。


先述のとおり、基本的にはマッチング・ザ・カード作品集であり、現象の流れとしては似たようなかたちですが、舞台だてや手法が全て違っております。私は"Fault and Faint"と"Snowcap"が好みです。



で、"The Old-maid Trick"なんですが、名前のとおりババ抜きのようなテイストの流れで、様々なやり取りを経た状態で、一体誰の山にババがあったのかを演者がずばり当てるという、あまり見たことがないたぐいのトリックです。
観客にシャッフルしてもらったデックをテーブルに置いて、適当な枚数を取り上げてもらい、そこにジョーカーを1枚入れてまたシャッフルし、それを適当な人数分の山に配り分けてもらいます。ババ抜きのルールを説明し(ここでは1枚ずつでなくてもいいこと、組が揃っても別に捨てなくてもいいこと)、一通り終わったら最後にジョーカーを抜き出してもらってから演者が向き直り(驚くべきことに、観客の操作の間演者はずっと後ろを向いている)、最後にどの山にジョーカーがあったのかをずばり言い当てる、という現象です。

いい点は不思議なところ。最初見せて頂いたとき、どうやって当てているのかまったく検討もつきませんでした。悪いところはババ抜きと分かってはいても操作が長いところ、それから山がせいぜい7つとかなので、山が大体4つとかですと当てずっぽうでも4分の1くらいで当たってしまうと思われること。場所とること。悪いところ多いじゃねーかという向きもございましょうが、でも不思議なんですよ。ひとり相手にガチクロースアップを見せるぜ、という御仁には向かないと思いますが、パーティーなどの一画で、ワイワイしながらやるには絶対いいトリックなんですよ。シナノクラフトの鹿化人さんや、訳担当のTくんはハンドリングやステージングを色々いじっているとのことで、そういういじりがいがあるのも良い手品の特徴ですね。



もうひとつのボーナストリック"Strawberry on the Shortcake"、こちらは原理というより"Homing Card"や"Ambitious card"のパーツを上手く組み合わせた趣のトリックです。3枚のカードをイチゴになぞらえ、ショートケーキを食べるときのイチゴの扱いをベースに作られたもの。お話マジックが苦手な私でもできそうな、そこまでストーリーストーリしていない感じです。手法自体はある程度マジックをやってきた人ならすぐに演じられるものかと思います。


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『strawberry』

  • Contents-

Matching the Cards
 Shingleback Skinks
 Collecting the Cards
 Fixed Match
 Last Match
 Flash Match
 Fault and Faint
 Snowcap

Bonus
 a The Old-maid Trick
 b Strawberry on the Shortcake


サークル『果無園』マジケ参加&頒布予定とのことでした。私もちょっと数冊買わせてもらって、友人に布教したいと思います。

2017-06-30 こざわ本2

propateer2017-06-30

[] こざわまさゆき『ten little tricks』


こざわ「『Incomplete Works 2』出すのは当分先になりそうなので……」ということで、コミケでいう準備号のような感じで、こざわまさゆき氏の新刊が出ました。夏コミとマジックマーケットで紙ものを頒布のご予定だそうですが、電子版のかたちでの販売は開始されています。tenと称して13トリック解説されていますがtenとは何なのか。tenには10点満点ということで「最高の」という意味がありますので、珠玉トリック集、という意味かもしれません。また、Tentative(「仮」「暫定」)の略かもしれません。賢人の深謀遠慮は、私のような小人には推し量れません。

指が攣る変態テクや構成的な無理はほぼないという印象でした。安心のこざわクオリティ。ナックルブレイカーやフラリッシャーの方には物足りないかもしれませんが、それはもう好みというか、読む本を替えるべきです。通常、トリックのみに偏りがちな手品本(同人誌)ではありますが、本書は著者の好みや性格からでしょう、来歴や周辺情報など、読み物としての面白さもあり、これは個人的にですが、「Incomplete Works」より好きというか、実用に資する感があります。

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1. Counterfeit
古典的な論理パズルである贋金あて(天秤で最低何回計れば贋金を当てられるか)に、ウェイト・ゲスや赤黒の重さの違いという要素を練り込んだカード当て。

マジックとしてそんなに不思議ではないと思うのですが、演出が面白いです。最後に「こっちが重いようですね」と、お客さんの手を押し下げるフェイズが凄く好きです。
なお、これは面白いなと思って某所で演じたのですが、次にお会いしたときに二川さんにラッピングだかパスまで駆使された改案を見せられました。「だってお客さんにシャッフルさせたかったんです」というコメントでw それはそれで不思議さは増しているのですが、正直この手品で「そこまでせんでも」感はあります。
作中でももう少し複雑なかたちで触れてはいらっしゃいましたが、観客にフリーチョイスさえさせなければ話は簡単です。裏面の右上左下にペンシルドットを打ったカードを1枚だけ用意してそれを贋物とすれば、観客がどう混ぜようが関係ありませんから。自分で演じるならそのくらいにしてしまってもいいかなと思いました。古典パズルを、どう見ても嘘な理屈で煙に巻きながら、それっぽく演じるというところに本作の面白さはあるものだと思います。


2. Ambitious Royals
指定してもらった絵札2枚を真ん中に差し入れるが、いつの間にか2枚ともトップへと上がってくる。もう一度行うがやはりトップへと上がってきてしまう。

みんな一度は見たことがあるであろう古典の小品。私はサークルで教わって以降忘れていたのですが、その昔テレビ番組でルセロが「皆さんにも手品をひとつお教えしましょう」というような流れでやっていた記憶があります。なお無事引っかかった模様。



3. Magician vs. Gambler vs. Mathematician
マジシャンとギャンブラーに数学者が加わり、それぞれがモンテをするとどう違うのかを順に演じていく。

これは実にうまい具合の構成になっていると思いました。1人目の"数学者"の段で、かなり強いミスディレクションの元でお仕事がほぼ完了するため、2段目の"ギャンブラー"、3段目の"マジシャン"のところでは、ほぼ演出というか演技に集中できます。私がその昔憧れたJamie Badmanの『Underground Change』のアンダーグラウンド・チェンジや、それを使った”misdirection monte”(Jamie Badman and Colin Miller, 『Welcome to the Firm』)なんかがこういう、最初と最後で、「はずれカードが消え、あたりカードだけになっている/あたりカードとはずれカードの枚数が逆転している」系の現象であり、これはこれでそれはもう大変美しいのですが、特殊なチェンジ技法が綺麗にできるように結構練習が必要です。こざわさんのこれは、先述の通り無理なく、ミスディレクションの利用のお手本みたいな感じで組まれているので、きっと最後には観客の予想だにしていなかった状況になって、拍手が頂けること請け合い。平面的なトリックなので、大人数に見せるには少し工夫したほうがいいかもしれませんが些末なことです。
そして最後まで読んだら本作の演技の流れの着想は桂川新平さんから得たこと、桂川さんご自身は上記のジェイミーの手順から着想ということで、思い至ったのが桂川さんと同じものだったことにちょっと嬉しさを憶えましたw



4. Hide a Leaf
カードを隠すという話をして選ばれたカードを隠して見せます。続いて「葉っぱを隠すなら森の中」のたとえ通り、選ばれたカードを4枚のクイーンの中に入れますがまたもや見えなくなります。では森がないときはどうすればいいかご存知ですか、と言うや否や、先ほどまで1枚しかなかったカードが大量のカードになる。

最後の、わらわらとカードが出てくるところが綺麗にできるかどうかが成否を握るなと思いました。作中で触れている通り、若干マジックの(隠すべき)考え方の根幹を晒している気もするので、台詞回しや進め方には少し注意が要るように感じました。でもまあ、最後にばさばさ出てくれば解決ですよねw



5. Process of Elimination
いわゆるビドルトリックです。(原文ママ)

いいですよね、ビドルトリック。基本はコントロールと当て方の部分に作者の色が出るわけですが、わたくしは出身奇術部で受け継がれている方法に慣れ親しんでいることと、数百回やって演出も受けるタイミングも体得した(ように思う)ものがありますので、これはビドルトリックをこざわタッチでやるとこうなるのね、くらいにとどめておこうかと思いました。綺麗にまとまっていると思いますが、自分の手順を変えるには至らず、という感じですね。あと消去法で当てるなら、残り4枚のほうが消えて観客のカードだけが残るべきではないでしょうか(インネン)。
そういえば大学の奇術部で習ったあとで、元となった"Devilish Miracle"を知りましたが、「カードを2枚選ばせるまではさておき、Bのカードとして出してきたと思ったらさっき置いといたはずのAのカードになってて、置いたはずのカードAのほうがBになってる、というのを見て(そして練習して、演じ)『とっちらかったマニア向けの手品だな』」と思ってしまいました。シンプルなのが好きです。



6. Six Card Brainwave
ニック・トロストの“Eight Card Brainwave” から2枚減らし、見えないサイコロと絡めた作品。

直近で、トム・ストーンが似たようなのやってたなあ、と思いましたが、似ているのは単に6枚使うのと見えないダイスを使うあたりで、基本はヴァーノンの手順にもあった気がする、どっちから数えるかというあれはストーンのでも変わっていなかったのですよね。本作では別の手法を使って、選ばれたもの以外が違う裏の色、という見せ方をしています。どっちから数えるとかはありませんので、まあ違うよねと(あとでこざわさんに聞いたら、あの数え方はやめたかったのです、とのことでした)。本作で使われている手法、最近あまり使っていなかったのですが、やはり物凄く説得力のあるディスプレイだなあとあらためて感心した次第です。




7. Subliminal Effect
サブリミナル効果により、演者の選ばせたいカードを観客が選んでしまいます。

これはどちらかというと演出のみな感じですね。ご本人言及の通り、怪しいことを奇術を使って再現という試みですが、手品人としては「不思議さは物足りない」けど「実演はしやすそう」という。ストップ・トリックの演出法のひとつとしてありそうです。



8. Following
フォロー・ザ・リーダー。

手順として無理なくまとまっていると思いました。こざわさんの実演を拝見したわけではないので実際に拝見したら違うかもしれませんが、ただ、FtLはごく一部の例外を除いて、正直なところ「一番上しか置いてない」「一番下しか見ていなかったしなあ」と思ってしまうことが多く、あまり幻惑された記憶がありません。もちろん、観客側からの見た目の理想として、「置く/交換される直前に、本当にそのパケットが全部赤なのか見せてよ」と言いたいけれど、手品の都合上そういうわけにもいかない、というのは重々分かってはおります。途中途中ではそういう限定的なディスプレイしかしていなくても、そこに至る準備段階まででは色々な手法を駆使、「こっち側は全部赤で、あっち側は黒」を頑張ってフェアにディスプレイしている、というところにマジシャンが知恵を絞っているのもわかるのですが。こればかりは好みの問題でしょうか。FtLはOWと似たような手法が使われることが多いとは思うのですが、OWほどには完全に引っかけてもらった記憶がなく。難しい演目な気がします。



9. Red Ocean & Blue Ocean
こじらせてしまった人向けのCard Across。

こじらせている感がひしひしと伝わってきますw 私はこざわさんの書く「みなさん」には入らないのですが、カードアクロスはとてもいい手品ですし好きです。余録部にもありますが、結局色々な要素(「テーブルなしで立って演じられる」「パームを使わない」「観客が選んだカードを飛ばす」「できれば心の中で自由に選ばせたい」「色違いのパケットからパケットへカードを飛ばしたい」など)はマジシャンの自己満足含めてありまして、それはそれで興味深いのですが、どこまでが不思議さがリニアに上がり、どこ以降は大して効果が変わらないのかは、手品をされない方に一度聞いてみたいものです。"Red Sea Passover"は私も好きとはいえ、あれはあれでめんどくさい感があるんですよね。David Solomonの"Thoughts Across"なんかも面白いのですが、最近はパームに抵抗がないからなあ。こざわさんのこのトリックは、赤と青のデックを使うことで移動が視覚的かつ不可能感が出ていいのですが、移動が一回なのがちょっと寂しいところです。ヨーキムさんのやっていた作品などは2回カードが移ることもあり(あと、彼が演じることもあり)ゴージャスな感じがして好きです。



10. A Tale of Ten Travelers
10人の旅人を9部屋に入れる、例のパラドックス(?)の手品化。

これは実演を先に見せて頂くのでした。理屈では答えを知っているものも、こういった素材で見せられると納得感と錯誤感がいや増す感じです。あと、フォールスカウントによる調整時でも十分な気もしますが、絵札をアップジョグするときにはフェイスを見せながら口に出しつつ1枚ずつつまんでは最終的に確かに10枚あるように数えてからのほうが、あの技法を行う事前準備として説得力があるのではないかと思いました。Notes部にもあるように、確かにこれは物体でやると「10枚あったのがいつの間にか9枚しかない」というちょいと違う現象にとらえられかねないというのは確かに。原案(?)は言葉によるものなので、脳内での整理がしきれなくて納得してしまう、という側面もあると思うので、そこは確かに諸刃の剣かもしれません。
なお読み物としても本作のパートは極めてよくできています。石田隆信さんのコラムのようです。いや、好きな人にはたまりませんし、興味ない人にとっては早く次のトリックにいってよ、かもではありますがw



A. Ideal & Reality Deck
結婚式余興におけるインビジブル・デックの演出。

とてもよく構成されており、ヤマギシルイさんのアイディアも面白い。アディショナルに会った、式の前に引いてもらうのはさすがにどうかなと思いましたが(忙しいし)、その場でのスイッチのほうがスマートだと思いました。まあスイッチ云々やるくらいなら、元の手順のほうが綺麗で完成している感じがしますけれども。そしてやはりインビジブル・デックは最高です。



B. Two-person Zero-sum Game
5枚のカードの順序を乱し、それを2人の観客(先手・後手)が2枚ずつ位置を交換していき、元の順序にしたほうが勝ち、というゲームをさせるが、その結果が正確に予言されている。2回目は第三者がその勝敗を予想するがそれでも当たる。

2カ所の入れ替えを何度やれば(最短で)戻せるのか、というのは凄くいいですね。ゲームというかパズル感あふれる。あとこれ、大体の場合はうまくいく(経済学用語でいう合理的な人間で、かつ思考が明晰な人なら)と思うんですが、片方のプレイヤーが最善手を選ばなかった場合には失敗してしまったりしないのかしら。あ、その偶奇性を解消するのにもう1手加わるだけなので、必勝側でない限りは絶対に勝利できない、という感じなのかな。Paul Curryの"シークエンスの謎"(正式タイトル知らない)と結びつけても面白そうです。



C. The Gift of the Magician
こざわまさゆきが伴侶を得た手品。

「告白やプロポーズの場で奇術をするのは人としてどうかと思います。」 いやいや、Effect is everythingですよ。勝てばよかろうなのだ!ってジョジョでも読みました。

2017-05-20 ブラックプール2017ノート

propateer2017-05-20

[] John Guastaferro 『en route』


みんな大好き、ていうかわたしが大好き、ジョン・ガスタフェロー。彼の2017年2月のブラックプール大会でのレクチャーノート『en route』がもう日本語完訳版で読めるとか。Tくん暇なんでしょうか。「本気出せばもう1ヶ月早く出せましたね」 ……なんだと。ちなみに、アン・ルートと読みます。
90ページくらいで、10トリック2エッセイの構成。これの読後、訳者くんも校正マンも揃って「イイ……」とか言ってたのですが、かなりいい冊子でした(私調べ3人中3人が絶賛。母数が少ないため有意な統計とはいえない)。ガスタフェローなので、そんなに極端に難しいことは無く、ちょっとした原理も使い、あと準備もそんなにつらくない。物によっては事前に工作しておくものもあるのですが、それも一回工作したらもうそれで終わりです。現象も多岐にわたって、正直私もかなりお気に入りです。彼の著作では『Discoveries & Deceptions』が特に好きなのですが、記録更新した気がします。

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教授の戯言の物販:John Guastaferro『en route』

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Chapter 1 Ready For Take Off
1 Virus
“デック・サポート”に連絡しなくては。ウイルスのせいで、デックは全部裏面になってしまい、さらには全部真っ白に。そして最後には表が印刷された状態になります。

初期ガスタフェロー作品の"Troubleshooter"のセルフバリエーション。エキストラのカードが、お話の中で理由付けがされているので、隠す必要がなくなっているのが強み。オールバック→オールブランク→ノーマルデック という変化は、導入として極めてキャッチーです。


2 Upper Hand Triumph
選ばれたカードがデックに戻され、さらに表向き裏向きに混ぜられます。しかしマジシャンは選ばれたカードが何かを言い当て、それが表向きなのか裏向きなのかも当て、まさにその位置でカットもしてしまいます。そしてさらには、ごちゃ混ぜ状態の並びも戻してしまうのです―――デックは観客が持っているにもかかわらず。

ガスタフェローがトライアンフ大好きなのはよくわかりました。これはカードを当てるところも面白いのですが、混ざっているディスプレイのあと、観客にデックを持たせ、その手の中で揃うというのがパンチ力あります。もちろん渡す前に揃ってはいますが(盛大なネタバレ)、その直前に混ざっている状態で見せられるのは説得力高いです。あ、レギュラーで出来ます。



3 Mini-Mental
4 枚のカードが選ばれたあと、マジシャンはカードを選んだ4 人の観客の心を読み、そしてそれぞれのカードを見つけ出します。

『Discoveries & Deceptions』の“Multi-Mental”のストリームライン版、というか要するに簡略版に近いです。元のが7人のカードを当てるもので、彼もよくショーでやっていて大盛り上がりではありますが、こっちは4人な上に、手順自体もかなりスッキリしている という。いうなれば普通に演じやすくなった感じですね。元々コロンビーニなどが始まりなのかもしれませんが、ガスタフェローもよく使う、「1人目のカードを示すときに2人目のカードを見ている」みたいなワンアヘッドが実に美しいです。憶えることが少ない、それは正義。


✿ Essay: Your Brand Voice
自分を表す言葉やイメージは何か、それをもってお客様をどう認識していただくか、というお話。


Chapter 2 Unpacked
4 Boxing Day
カードが1 枚選ばれたあとデックに返されます。マジシャンは、これからそのカードを、デックの中から自分のポケットに入っているカードの箱の中へと飛行させてみせると宣言します。デックが宙に放り投げられますが、それは一瞬でカードの箱へと変わってしまうのです。演者のポケットには全部のカードが入っています―――選ばれたカードを除いて。選ばれたカードは演者が持っている箱から出てくるのです。

Gは箱が大好きらしいのですが、奇遇です、私も箱が大好き。これは実に視覚的というか、いままでバラけたカードもあったはずなのに、空中に放り投げた途端に箱になってますからね。2014年のSAMで、マニア相手にやってどよめかれたのも頷けます。これはちょっとだけ事前工作が必要です。ただ、一回作ってしまえばあとはそのまま普段の演技でも使い続けられます。



5 The BoxWhisperer
カードが1 枚選ばれたあと、デックの中のどこに行ったか分からなくなります。観客が自分の選んだカードの名前を空の箱の中に囁き、フタを閉めて囁きを閉じこめてしまいます。マジシャンはその箱を取り上げて耳に当て、選ばれたカードが何だったかを言い当てます。そして思わぬ展開として、選ばれたカードが先ほど空だったカードの箱の中から出てくるのです!

カラであることを確認したはずの箱、そこに閉じ込めたことになっている"観客の囁き"を聞き取って当て、そして最後にそのカードが箱の中に実体化する、という、私の好きそうなプロット。余談ですが本書の中で私の一番好きな写真は、このトリックに出てくる、箱の中の囁きを聞くガスタフェローの図(写真6)ですw



6 Think Tank
参加者の1 人が、4 枚のエースのうちの1 枚を心に思います。2 枚のジョーカーが、彼らの“シンクタンク”で議論するために箱の中に入れられます。マジシャンはそこから聴き取りを行うことにより、選ばれたエースが何かを明らかにするのです。最後に、箱の中にあった2 枚のジョーカーはいつのまにか外に出てきており、4 枚のエースが箱の中から出てきます。さらに、選ばれたエースだけは他の3 枚とは逆向きにひっくり返った状態なのです。

これ大好き。元々ホテルミステリーのような、1枚ずつの変化よりも枚数ごと変わってしまう現象が好きな者なのですが、これは箱も使っていて難度もそこまで高くないですし。現象盛り沢山なのですが、混乱要素はあまりなく、個人的には本書の中でこれがいちばん好きです。



✿ Essay: Sharing Your S.E.C.R.E.T.
最も効果的なパフォーマンスを導く6項目を、それぞれSECRETSの頭文字をもとに紹介。



Chapter 3 Entourage
7 All In Your Hands
2 人の観客が、デックを徹底的にカットしてシャッフルしますが、その2 人が一緒に4 枚のエースを見つけ出してきます。

Ultimate Selfworlking Card Trickだったかにも寄稿していましたが、これは極めて簡単。いわゆるおしごとが、これから何やるんだろう、と観客に思われている中で完結しているので、最後にエースが出てきたときの、特に手品をされない方の驚きようは凄かったです。あ、マニア相手にも好評でした。簡単だからでしょうかw



8 Chip Off The Old Daley
赤いポーカー・チップと黒いポーカー・チップの位置が入れ替わります。これを繰り返すにあたってマジシャンは、赤いチップを赤いエースで、黒いチップを黒いエースでカバーした、より困難な状態でやってみようと言います。ですが今回チップの位置は替わりませんでした。そうではなく、エースのほうの位置が替わってしまったのです。

若干サカートリック風味。ラスト・トリックの演出は様々ありますが、これはちょっとトリッキーな感じです。カードが入れ替わると思いきや、チップが入れ替わってしまうという。若干演技力というか、そのへんが要求されるイメージです。技術的にはそんなに難しくないですが、コインマジックうまい人はより自然にできそう。



9 Double Agent
トップ・シークレット・カードが1 枚選ばれてデックに戻されます。シークレット・エージェントとして知られる4 枚のエースがその英知を結集してデックに潜入、それぞれ危険なやり方で脱出します。そしてマジシャンが4枚のエースに向かってデックをリフルすると、選ばれたカードはその中から出てきます。そう、彼はずっと、ダブル・エージェント<2重スパイ>だったのです。

これは通せると大変カッコイイんですよ。主題通り、推奨BGMは"Mission Impossible"(¢99)でした。ここでも結構いいコントロールや面白いピークを使います。トリ前くらいに適していると思います。



10 Flash Pocket
マジシャンは4 枚のジャックを別々のポケットに入れ、観客には4 枚のエースを持っていてもらいます。しかしそのエースは瞬間的にジャックに変わってしまい、エースはそれぞれ別のポケットから出てくるのです。

2枚にちょいとした加工が必要ですが、そのおかげで変化の瞬間がものすごくフェアになります。技術的な難度としては本書の中で一番高いように思いますが、そこまで困難、というものではありません。なお当方、二川滋夫のポケットインターチェンジに慣れてしまったせいか、交換が1回だと物足りない体になってしまいましたw(『カードマジック 10』, "Pocket Interchange")

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教授の戯言の物販:John Guastaferro『en route』

2017-03-30 憧れのマジシャン

propateer2017-03-30

[] ポール・ガートナー レクチャー


T「P・G!P・G!P・G!ガートナーを称えよ!」(例のポーズ)
き「ど、どうしたの…?」
T「今日はなんてラブリーな日だ!うおおおお!」
いつもぽやーっとしている訳のT君がハイテンションすぎて引く。誰だきみは。

ということで3月29日、掲題ポール・ガートナーのレクチャーに参加してまいりました。ガートナーは、アメリカはピッツバーグ出身のマジシャンで、FISMでもIBMでも優勝、世界マジック大会78年 in TOKYOでは惜しくも2位ですが、まあ諸々折り紙付きにうまいです。主戦場はトレードショーで、企業ブースでマジックを行うと聞いたことがあります。IBM(マジック関係ない、会社のほう)でのトレードショーでは、代表作"Unshuffled"の最後がその企業名とスローガンになる、みたいなものもやっていたそうで。まあとにかく腕があるうえに、個人的な印象ですが、品もあるんですよね。アレなギャグを言ったりするわけでもなく、騒いだりもしない、でも盛り上がる、みたいな感じで。テンションとかで偽装しない、真の強キャラ感。あ、でも気さくでホント、とっつきやすい方です。故郷ピッツバーグの鉄鋼業にも絡む、鉄球でやるカップ&ボールがトレード・マークとして有名ですね。昨年は、Penn and Teller の番組『Fool Us』に、自身の古典トリック"Unshuffled"、それにひと工夫加えたもので挑み、見事2人をひっかけたという熱い展開もございました。これは必読です。ともあれ、終わったあとの「任務を終えてほっとしているガートナー」と「ひっかけられたのにめっちゃ嬉しそうなペンアンドテラー」というのが、実にハートウォーミングでした。凄くいい関係だなあと。

ポール・ガートナーがペン&テラーを騙すまで 第1回
ポール・ガートナーがペン&テラーを騙すまで 第2回
ポール・ガートナーがペン&テラーを騙すまで 第3回


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1.Photocopy
演者は、「見えないパーム」を見せる、と言う。自分の手のひらがコピーされた紙を見せ、折り畳んで財布の中に入れてテーブルに置く。観客にデックから1枚のカードを選んでもらい、そのカードを演者は「"見えないパーム"を使って財布の中に移動させてみせます」と言って"パーム"すると観客のカードがデックの中から消失。財布を開き、手形の紙を広げると中から観客のカードが出てくる。さらに、さっきは手のひらしか写っていなかったところにも観客のカードがコピーされている。

ゼロックス社のトレードショーのために作った手順だそうです。「見えないパーム」というキャッチーなイントロから、追加の落ちもカッコイイ。「なんで白黒なんですか!」「ボーイ、私がこれを作ったときは、カラーコピーなんかなかったからね」 



2.クラシックフォース
クラシックフォースの方法を、リカバリ方法も含めて解説。

彼のクラシックフォースのDVD持っていますが、ほんと生で見ても破綻なくうまい。「理屈は同じです」とか言いながら表向きのデックでもやるんですが、まあうまい具合に引かせちゃうんですよね。DVD見ててもうへえってなりましたが、生で見ると笑うしかないんですよね、これw 挑戦的な観客には引かせてあげないいじわるも交えたりと。



3.Bluff Aces
マジシャンは4枚のエースを取り出して裏向きにテーブル上に置くが、以降何度もあからさまに怪しい動作をし、観客が「何かしたのではないか」と思うたびに、ちゃんとエースであることを見せて何もしていないことを確認させる。最後は公明正大に4枚を裏向きにして片手で卓上に配り、その上に観客の手を置いてもらう。デックからエースではないカードを取り出すが、このカードがエースに変化。残り3枚のエースもデックの中から次々と出てくる。最後に観客の手の下の4枚を表向きにすると、エースではないカードになっている。

ややこしそうな感じですが、実際は流れるようなやり取りです。うまい具合に構成がなされていて、スイッチや確認のタイミングが非常にうまい。あとすっとぼけたキャラの人にはとてもフィットしている演技な気がします。



4.Snapping the Halves
マジシャンは1枚の銅貨を取出して弾くと、分裂するように銀貨が出現。その銀貨を弾くともう1枚の銀貨が出現。同様にして、いま出現した銀貨をこすりあわせてもう1枚の銀貨を出現させる。銅貨を片手に握ると、残りの3枚の銀貨が1枚ずつ銅貨のほうへ移動する。「実は余分なコインを使っていたのです」と言ってコインをはじいていくと、コインは次々に分裂してゆき、最終的には8枚になってしまう。

二川さんが昔の来日時の準備で笑っていたシリーズ。このひとのこういう手品は本当に好きです。問答無用感が漂う。若いときに作ったせいもあるんでしょうけど、いっちゃえ感がたまりません。



5.コインバニッシュ
複数枚のコインのラッピングについてさらっと解説。落とした時の「音」の問題をうまいこと解決する手法。



6.That's Ridiculous
テーブルに伏せたカードの下にコインが1枚ずつ移動するよくあるマジック…と思いきや、クライマックスには怒濤のようにコインが出てきて、最後には…!

もうタイトルまんま、「あほだ!このひとあほなんだ!www」と素直に思える作品。やはりコインマジックは澤さんのプッシュマンしかり、数が重要な気がします。手順構成自体はそんなに難しくはない気がするのですが、最初が一番きつい気がします。なお「いちどきにパーム出来る最高枚数は何枚なんでしょうか」という質問が挙がり結局「10枚は行けますね」という結論になっておりました。そんなにパームが必要になる手品は普通ないですけどw


7.Cups and Steel Balls
故郷ピッツバーグの特徴から、金属のボールを使ったカップ&ボール。

重みが違います!(物理) あー、幸せです。映像で見ていても良かったですが、生で見るともっと良いです。カップは強めの磁石入りで(別にチョップカップ的な使い方はしない)、鉄球が上で転がるけど落ちないくらいになっていて、ちょっとした気遣いを感じました。



8.パームについて
ワンハンドトップパームと、複数枚のパームの方法について解説。



9.Unshuffled(Fool Usバージョン)
カードを一枚選ばせる。デックの側面にUnshuffledの文字があるが、シャッフルを重ねていくと観客の選んだカードの名前になる。そして最後には…!

通常販売しているUnshuffledは観客のカードの名前になって終わりですが、上述のペンアンドテラーをFool Usで引っ掛けたときにはもう一段のクライマックスが加わっていました。それを。最前列で目を皿のようにして見ていたTくんは「わかったかもしれないです…!」とか言っていましたが、ガートナーもなんか今年商品として?売るとかなんとか仰っていたので、販売時の答え合わせを楽しみにしておきます。しかし、パーフェクトファローを連発しなきゃいけないとか、過酷な手品です。緊張等で手が震えるのはガートナーといえどあるそうなのですが、震えを強制的に止める手法なども説明されていました。割と無意識にやっている方も多そうですけれど、参考になりました。

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T君は最前列かぶりつきで見ており、私は彼の右後方にいたのですが、うしろからでも分かる頬の緩みっぷりで、ホントに会いたかったんだなあと。イベント前の彼曰く、「我が手品神は三柱おられる。Johnny Thompson、Tommy Wonder、そしてPaul Gertnerである(*Kapsは殿堂入りなのでさらに上にあるらしい)。Wonderは不幸にも病魔に斃れ、Thompsonも健康状態が思わしくなく、臣でありその祝福の子たる我は極めて心を痛めておる。そしてその最後の希望こそGertner様なのだ。分かったら入信しろコノヤロー!」とのことで、まあ「俺ベストスリーマジシャンの最後の1人にやっと会えたのでとても嬉しい」と訳しておきました。心の中で。マイ・ベストのトム・マリカは還らぬ人になってしまいましたよ……。

2017-03-19 うまいお兄さんズ

propateer2017-03-19

[] TAKAHIRO&三品優太朗レクチャー



3月19日に東京は中板橋ちほーで行われました、TAKAHIRO&三品優太朗レクチャーに参加してまいりました。訳の人が。以下寄稿。

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Twitterで見た頭おかしいコインマジックする人がレクチャーをするらしいということで、そんなに遠くもないし、ちょっと遊びに行ってみようということで掲題イベントに参加。事前に二川さんに「これこれこういうレクチャーがあるそうで、行こうと思います。二川さんはその日は空いてらっしゃいますか?」とお伝えしたところ、「いやあ、千葉で用事がありましてね……」「そうですか。じゃあ後日どんなだったかお知らせしますね」「いや、誰も行かないとは言ってませんよ?」「え?」みたいな感じのやりとりが。なお本当に当日、千葉の用事のあと(開会には間に合っている)で参加されてて笑いました。



会が始まる前に、場所を提供されていた小野さんという方からさらっとくそ不思議なブックテストを見せられるという洗礼を受けまして。不思議なのに「発表予定?ないよ?」とか言われました。パフォーマンスオンリー、ダメ、絶対。会場は若い方が多く、中学生からとかいらっしゃって。あと数名程度は歳が近そうな方はいましたが、基本みんな若者ばかりでビビりました。で、みんなコイン持ったまま立ってるの。しかも不思議な手品とかしてるの。やだ怖い。



レクチャーはdaisuke yoshidaさんのファシリテート、小野さんのまぜっかえしのもと、TAKAHIROさんが演技して、三品さんが演技して、TAKAHIROさんが解説して、三品さんが解説して、あと2部屋にわかれてワークショップ等、のような感じで、半日手品地獄の様相を呈しておりました。私はそんなに手品のイベントに行くわけでもなく、実はTAKAHIROさんも三品さんも初めて生で見るという「ザ・にわかファン」筆頭みたいな感じでしたが、おふたりとも方向性が全く違う感じでとても良かったです。TAKAHIROさんは感覚派というか色々な質問や指摘に対して「おお!そこはあんま考えてなかったです」とは仰っていたものの、そこを抜群の嗅覚でかぎ分けて正解の選択肢を選ばれている感じがして、オープンな感じのマジックをされるという印象。一方の三品さんは極めて王道…というよりストイックなザ・カーディシャンといった風情で、とても緻密で繊細な印象でした。仕事量が多い感じ(なのでそのままなぞるのはちょっと難しいかも)。まじめな人がまじめにカードマジックを研鑽されている感じがしました。



TAKAHIROさんコーナー:
1.コインボックス手順
2.チンカチンク(諸行無常)
3.influence
4.カーテントライアンフ
のっけから例のコインアセンブリ、"諸行無常"や"カーテントライアンフ"について「今日実演やります」というだけでなく「あ、全部ちゃんと解説しますよ」とか言い出してざわざわする。主に私が。え、なんかそういうのって明かしそうで明かさない、みたいな感じじゃないんですか、マジックの人って。とここまで思いましたが、周りであんまりトリック隠す知り合いもいないな、ということに気づく。しかしなんですね、諸行無常、ナマで見るとよりかっこいいです。目の前でばんばんコインが移動するのを見てワクワクしました。第一印象「な、生でも出来るんだ……」 カーテントライアンフは「もしこうじゃなかったら私まるで分からないんですけど」の「こう」ではあったのですが、まあいい具合に動きのにおいが消されていて、それはそれで大変良くできた構成の手品だなあと思いました。

諸行無常
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いやあ、なんど見てもかっこいいですねえ。。。

カーテントライアンフ
D



三品さんコーナー:
1.オープナー
2.エレベーターカード
3.パームオフ的なあれ
4.ハンギングカード
5.カッティングジエーセス
6.コレクターズ
7.オイルアンドウォーター
8.カードスタブ

三品さんはさっきも書きましたが、仕事量がすごく多い。緻密に組まれている上に、それぞれ前もって準備をされていくので、ご本人の演技を見ているときは気にならないのですが、解説受けてメモを取ろうとすると地獄が見えます(笑)。「おいおい。そんなことしてたんですか」みたいな。帰り道二川さんと「三品さんの手品、手順メモは追いつきませんでしたよ」「ま、ぼくもそちらもレクチャーノート買ったので復習バッチリです」みたいな会話になりましたw あと全然関係ないですが、このノート、去年のマジケで売っていたのかな?

なお反省会のときに、「カードマジックは何から入られたんですか?」と伺ったところ「べベルです」ということで、「やったぜベベラーがいた!」とかちょっとうれしくなりました。大学時代にTVで見て以来、そして彼のリセットが大好きになって以来、べベルには私もかなり強い思い入れがございまして。べベルから"沼に入った"のであれば、あのカードの扱いもちょっと納得できる、と思いました。……なぜ同じところから入ったのに私はこんなに雑なんでしょうか。
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物販はTAKAHIROさんがレクチャーノート『influence』とカードスイッチギミック、三品さんがレクチャーノート『Paranoia』を扱われておりました。そりゃあ買います。ていうかこのイベント、こんなに盛り沢山なのに参加費2000円で、レクチャラーに少しでも金を落とさないとイカンだろう感がすごくします(笑)。



ワークショップはまあちょっと要考慮というか。あれはああいう形式にするのではなく、普通に若い人たちがお二人に見せたり、見せてもらったりする、ポストレクチャー会くらいの緩さにしておいたほうがみんな楽しめたんじゃないでしょうか。別に演技を批評してもらいたい人ばかりじゃないでしょうし。わたしとかね。yoshidaさんもまじめな熱弁振るっておりましたが、みんなまじめに手品考えてるんだなあと思いました(yoshidaさんは刃牙ネタに詳しい方なので、「使用<つか>ったらいい……カネでも、サクラでも…好きなだけ…」とか「君の手品には愛がある、悲しみもある…しかし、凌辱がないでしょッッッ」とか言ってくれると思っていたのに、「動作の一貫性が」みたいな話をされてて残念です。あ、うしろは『餓狼伝』だ)。
私は「色々考えることは無駄ではないし、考えてもおくべきだが、手品というのはつまるところ現象が不思議であるか、見ていて楽しいか、これに尽きる」という思想ですので、衆人環視の中でパスをやるとか、滑らかにカウントをするとかっていうのは正直どうでもいいのですよねえ。機械のような正確性が要求される場所もありますし、大事だとは思いますが、私みたいに「喋りのやりとりのほうが楽しくない?(自分的に)」っていう人間は、そっちにあんまり行かないのですよね。スミマセン。。。

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ワークショップというかダベリ的なところで教えて頂いた、白菜さんという方の「水と油と油と油」、OWというか、マッチングカード的な趣の手品で(通常は水と油という2種4枚ずつ、みたいな感じですが、これは4種2枚ずつ、みたいなものを混ぜたのにそれぞれのペアに分かれてしまうというもの)、ご本人は「成り立ちからしてもバカ手品でして」と仰ってたのですが、あの解決法とか、私はあれかなりネオクラシックの趣があると思うんですよね。そんなに色々いじれるものでもないとは思うのですが、ものの理屈を習うのにもいい、講習にもとても向いたトリックだと思います。

あと東北大の奇術部の方に見せて頂いたラブアダブダブバニッシュは本当に大変きれいでした。二川さんとキャッキャしながら見入ってしまいまして。あの技法、正直それなりの綺麗さがあればまあそういうもんだよねと納得するたぐいの技法だと思っていましたが、彼がやるともうホントに消えたようにしか見えなくて、目からうろこでした。あれとうなぎがあればご飯3杯いけますね。上手い人はいるもので。。。

2017-03-05 Fool me baby, please.

propateer2017-03-05

[] 堀木智也レクチャー


ということで3月5日、堀木智也さんのレクチャー@東京に参加です。わたくし、数ある手品科目のうち、コインマジックというのは本当に関わってこなかったうえ、なんでそんな中でもよりによって「技法の極北」みたいな方のレクチャーにいったんだというお話ですが、……知るか!こっちが知りたい!なぜか参加していたのです。堀木さんとの接点というと、こっちもキルミーベイベーがそこそこ好き、くらいしかないのですが。あ、現場で「くそう!くそう!」っていうのを忘れました。どうする、折部やすな。

しかしまあ二川さんというコインマスターが近くにありながら、あまり真面目にナマのコインマジックを見たことがほとんどなかったのですが、なんですね、やっぱクソうまいですね。あと堀木さん、すごく感じの良い方ですよね。キルミーベイベー好きとか、ちょっと頭のネジが飛んでる人しかいないと思っていました。いや、そんな顔しても2期は来ませんよ!
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Air Coin
コインを扱っているようなパントマイム。いやこれが実に自然な両手の弄び動作から、いつの間にかコインが無くなってるんですよ。……ほらそこ、『お前何言ってんだよ』みたいな顔で見ない。これ最初だったんですが、いろんなことに応用がきく感じです。まあ書いたようにパントマイムなので、うまくなればなるほど、何もしてなくても勝手に観客が勘違いしてくれますので、そりゃユーティリティムーブだわ、と。



Air Coin Cut
カード当てですが、そこに至るまでに"見えない"コインが活躍します。最後に一瞬だけコインが見えるようになります。
うん、書いておいてなんですが、「なに言ってんだオメー」って感じですね。カードが当たる前後の、あると言い張っているコインが見えず、見えなくして終わったはずのコインは見えるという、なんかモヤモヤ感を残す……はっ、こざわ氏の仕業!?確かレクチャー内での名言シリーズの「だいたいこざわさんのせい」のひとつだった気がします。まったくもう。



Auto Vanish
両手の指先で摘んでいたコインが瞬間的に消えます。
最初「なにやってるんだろうこのひと」と思ったのですが、ほんとに空中に消えたように見えてびっくりしました。技法なのですがそれ単体で手品みたいです。会場の全員がコインを落としまくりです。



Finger Palm Position Pass
フィンガーパームあたりにあるコインを、親指で跳ね上げてというか滑らせるというかして飛ばす技法。
これがレクチャーで一番好きでした。私は以前ポン太・ザ・スミスさんが『SICK』でやられていた、"Winged Silver"の後段、あの音を活用した消失というか移動が大好きでして、堀木さんもこれと"False Sound Move"という技法を組み合わせておられて、またこれが自然な音がするのですよ。この技法、私はまあ片手くらいしか成功しなかったのですが、その10回か20回に一度だけ、すっと無音で飛ぶことがあり、「ああ、これは練習をすればマスターできるのだな」という気になれるのもまた良かったです。……うん、気がしただけで久々にやったらまるで見当違いの方向にしか飛びません。いやしかしこれは実に面白い技法です。



Vertical Thumb Palm Muscle Pass
サムパーム的な位置から、マッスルパスっぽい感じでコインを飛ばす技法。
ご本人が「ちと痛いですよ」というだけあって、普通に痛かったです。飛ばなくはないです。痛いのですぐに「もう、限界みてえだ……!」ってなりましたが。余談ですが、これの2週間後に別のレクチャーでお会いした二川さんが「あれは指の側面が痛いですよねえ」とか言いながらハーフダラー飛ばしていて大笑いしてしまいました。なに練習してるんでしょうか、あの人は。



Underload
4枚のカードを並べたあとでマジカルジェスチャー、下にコインが出現している。
この辺はもうヴァラリノとか昔からある感じですが、よくもまあ、音もさせないで複数枚のコインを扱えるものです。



Floating Production
カードを斜めに引っ張ってくると、その下に次々と、4枚のコインが出現している。
変な角度から見せて頂いても不思議なもので。微妙な力加減が求められますが、この出現はなにもしていない感じで凄くきれいでした。置かれてくる感じというか。



Before Matrix
コインを1枚ずつカードを使って消していき、最後消そうと思うとまた四隅にコインが出てくる。
バックファイヤー的な。コインよく知らないので表現がしづらいのですがw あとあのカードでコインをすくい上げてまた置くけど、実際はパームしていたやつとすり替えている、というのはよく見ますね。あの動作の動機がいまひとつよくわかっていないのですが。手でつまめばいいじゃないですか。かっこいいからかな。



Unexpected Assembly
コインを2箇所に分けて、それぞれカードで覆うが、理屈に合わない移動をしてしまう。
ルセロのマジックでこの現象があり、ホントになにやってるのか未だにわかっていないやつで大好きなのですが、それの堀木さんのバリエーション。個人的に他のに比べるとちょっと怪しさが出てるような気がします。ここまで綺麗にディスプレイしていたのに、諸々の都合で一部重ねた状態で置くシーンが気になったのかも。



その他、音をうまく活用する技法を数種紹介されておりましたが、"Fake Beat Move"や"4 to 1 Transpo"、特に後者が、複数枚のカシャっという音がしてとても良かったです。これとさっきのコイン飛ばすやーつを組み合わせると、解説聞いたあとでも脳が錯誤する感じ。「いや、いま技法行ったはずだけど、音がちゃんとしたし」みたいな。やはりコインマジックは小さくて見づらいので、こういう音が、それも私のやるクリックパスのような、明らかに違う音がしてしまわない音の技法は実にディセプティブでいて、それでいてあまりかっこよく使いこなしている人を見ないエリアかなと思います(※コインよく知らない個人の感想です)。



Standing Coin
コインが手のひらに垂直に立ちます。
できる、できるぞ!しかしこれは不思議ではない気がするw(不思議目的ではないのですが)



まあそんなこんなで、日本屈指のコインテクニシャンに、コインマジック新兵の私がレクチャーを受けるという豚に真珠もいいところなイベントでしたが、懇切丁寧に教えてくださり、とても楽しめました。コインもいいものですね。受けた内容としては、大体先日出たDVDと、その少しあとに出たレクチャーノートにかなり詳細に書いてくださっているので、そのへんの網羅性はかなりしっかりしていると思います。来年またレクチャーしようかなーということなので、なにかひとつくらいマスターして再チャレンジの所存です。コインを武器にスペインに殴り込んでこられるらしいのでそのへんのお土産話も楽しみです。


DVD『Sprout』


レクチャーノート Coinlang.1

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初版自慢。


さておき、ブラウザの広告がもやしだらけのまま戻らないのですが、なんとかしてくださいグーグルさん。

2017-02-24 手品楽しいおじさん

[] ヨーキム・ソルバーグ・レクチャー

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ということで2月24日、ヨーキムさんのレクチャー@東京に参加です。あまり新作を作りまくる人ではないのですが、ひとつひとつのマジックが、見ていてとても心地いいのが個人的な印象。演技にも嫌味がない以上に、なんかいい歳のひげのおっさんなのに、物言いとか所作がいたずらっこみたいなんですよね、ヨーキムさん。「ああ!また引っかかっちゃったよ!うー、もう一個!」みたいな流れがホント多くて。見る側の緊張を緩和させる謎の成分とかが放出されているのでしょうかw

物販は2004年の来日時の日本語レクチャーノート(大好き)や、その頃に撮った映像の3枚組DVD、95年頃に作ったビデオをDVD化したもの(ジェネラル系のとロープの)、2007年の来日時に作った技法DVD『My Favorite Controls』あたりでしたかね。基本コンプしております。イエイ。
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1. ロープの穴通し
針と糸のお話から、ロープで作った小さな輪っかにロープを入れたり入れられなかったりと。

2. 2枚のカード当て
シンプルで実用的だなあと思った次第。

3. カードアクロス
3段(2段かなあ)からなるカードアクロスなのですが、これが見事で。エスティメーションのトリックかと思いきや次々と起こる素敵な作品でした。「このあといつ加えるんだろう」「いやまさか5枚は無理だって」と思っていたものが次々覆される様は壮観でした。ていうかこのあとどころかもうすでに付け加えられたあとだったりとw こういうことをきれいにキメられると実に楽しいですね。

4. ロープ
おっと、人の注意誘導についてだけがメモってあって、何をやったのかまったく覚えていませんw あっれ。

5. スポンジボール
スポンジボール手順。ヨーキムさんのは割と短めのコンパクトな手順なのですが、ともすると手順を長く・複雑化しがちなものとして、こういったコンパクトさは見習いたいですね。というか多分このくらいが一番いいんだというのは分かっているのです。ですがw

6.コインとカードのチェンジ
だんだんこの辺からヨーキムさんの"実はマニアだよな"というのが出てくるw 

7.コインズアクロス
シェルを用いたオーソドックスなもの。いや、オーソドックスとは何かという話はありますが。

8.オイルアンドウォーター
水と油がほら、分かれるやつですよ(2ヶ月近く前なので記憶が飛んでいる)。

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2次会で、借りたデックで、適当にシャッフルさせ、適当に5つの山に分けさせ、好きな山ひとつ持ち上げさせて表向きに1枚ずつ配らせ、その中の好きな枚数目のものを憶えてもらい、山を全部好き勝手に並べ替えたものを返させて当てる、というのをやってくださったのですが不思議すぎて吐きそうでした。詠み人知らずの古典のようなものらしいのですが。後日、サークルメンバーが「あれはこうだったはず」というのを作ってきてくれてそこでも引っかかり、いやはやわっかんないもんだなあと思った次第。あとヨーキムさんは本当に気さくというか、喋ってるとみんな笑顔になってくる感じがとてもいいなあと思いました。

とがった変態的なことはしていないのですが、それもまたいい具合にわざととどめている感があります(事実、パケットを弾いて枚数を数えてるのかと思ったら、手の陰で、指でカタカタ音を立てているだけで、実際は1枚しか持っていない、とかそれはもう変態なこともレクチャー外ではやってらしたのでw)。なんというか通常のレクチャーよりも、気軽に色々聞いたり見せて頂いたりするほうが良さそうなマジシャンですね。普通にだべると面白そう、的な。

2017-02-21 手品超うまいおじさん

propateer2017-02-21

[] John Carneyレクチャー



John Carneyのレクチャー@水道橋。「世界一うまいマジシャン呼びました」とはフレンチドロップさんの言ですが、確かにうまい。うまいマジシャン、という概念を具現化して服を着ている感じ。ちなみに綴り的にJohn Carey(英)とややこしいともっぱらの噂ですが、わたくしは毎回カーディニを思い浮かべて、それを消してから思い浮かべないと彼に辿り着けない病にかかっております。カーディニも名前からしてカード物凄くうまいですが、それはさておき。

「なにやっても超うまい」というイメージと、「あらゆる壁をテクニックだけでぶち壊す」という2つのイメージをカーニーには抱いていて、前者はもうその通りだったのですが、まったく見せびらかす感じもなく、後者のイメージは覆りました。ともすれば地味ともいえるマジックがほとんどです。もちろん意図的にそうなっていて、「若い頃はスピード重視で行っていたが、ヴァーノン他から、『もっとゆっくりと』『観客は今の現象を理解できないまま次の現象に行かれちゃったら困るでしょう』『君の手順は素晴らしいけど、もっともっと考えられるはずだ』というようなことを言われて、それ以来、『技術は研鑽するが、その技術の気配を消すために、技術研鑽にかけたよりも多くの時間を費やす』んだよ」というお話をされていて、「ああ、いいなあ」と思いました。

私もフラリッシュ感あふれるものも別に嫌いではないのですが、昔からよく思っていた、アクロバティックだったりダンサブル(?)な、カーニーいうところの「マジシャンしかしないムーブ」というのに対して抱いていた嫌悪感(というほどでもないけど、違和感とでもいうべきか)を言葉と実際にしてもらえた感ですかね。左手の親指人差し指でコイン1枚つまんで示しつつ、その左手の中にもう1枚コイン握る(リテンションバニッシュ)みたいな流れとかホント笑っちゃっていけません。野島伸幸さんが、「若い子にはこういう王道の上手い人を目指してほしいなあ」的なことを仰っていて「うんうん」と(思いつつ、「え、野島さんは!?」とか思いました)。

さておき、全体的に悠々・堂々たるクラシックマジックの体現だなあと思いまして、素敵なレクチャーでした。以下備忘。

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1. CAFFEINATED CUPS AND BALLS
コーヒーカップとブドウで行うカップ&ボール。

プラスチックの取っ手付きコーヒーカップと、イミテーションのブドウを用いており、カーニーの演技全般にある「理由づけ」に取っ手がうまいこと組み込まれていました。ちょっとしたくるっと回す動作や取っ手を持つことで自然なかたちでパームを秘匿していて「すげえ!」というより「怪しさが感じられない」という印象。なおクライマックスのレモンのロードをすべて見逃している始末でした。注意力が3万しかありません。あとなんかブドウを美味しそうに食べる。



2. five coins and a champagne glass
どこからともなく、1枚ずつコインが現れてはシャンパングラスに入っていき、最後にはファイブスターでキメたりする。

カーニーって基本はフィンガーパーム派(「イエー、私も」)だそうなのですが、ここではちょくちょくクラシックパームもダウンズパーム的なものも使いつつ、どこも結構オープンに手の中を見せながらも「何も持っていない」印象を与えていました。というか1枚2枚はともかく、最終的に5枚出てくるあたり、なんか別途ロードでもしてるのかなと思ってしまいましたが完全に引っかかっております。


3. Cylinder and Coins
シリンダーアンドコイン。

略して尻コイン。コインマジックはそんなに詳しくもないのですが、シリンダーアンドコインは好きです。「クラシックマジックの薫りがするからだろうか、ふふん」などと思っていたのですが、カーニーが「元はラムゼイがやっていたわけだが、彼は革のシリンダーじゃなくて、トイレットペーパーの芯を銀色に塗って使っていたようだ」とかで草不可避。しかしあのコルクをシリンダーに通して落としたようにしか見えないところとか、コルクがいきなり複数枚のコインに変わってしまうところとか、カーニーの技術を以って見せられるシリンダーアンドコインはなんかこう、じんわり来る感じで良かったです。不思議なうえに綺麗。そういえば岡野さんもうまかった。わたしもやってみたいけど、まず道具揃えるのが大変よね、これ。トイレットペーパーの芯はさておき、Sコインのほうが。



4. cigars from the purse
ハーフダラーサイズくらいのとても小さながま口から、指くらいの太さのシガーがにょきにょき出てくる。2本。

がま口取り出して「いつもは『これはジャパンで買ってきたんだけど〜』って台詞で、エキゾチック的な面白さを醸し出しつつがま口を取り出してくるんだが、本当に日本で演じるときには微妙な台詞になっちゃうな」とか仰っててワロタ。観客の胸ポケットから出してくるのが素敵です。



5. Inscrutable
デックのカードが次々とジョーカーになってしまい、都度テーブルに置いていくが、あとでそれを開けると全てAになっている。

実にいい感じに王道な手品な感じがします。



6. Bullet Train
Cards up the Sleeve。

前段で出した4Aがジャンジャカ袖に通う感じで。手順自体は直線的で大変面白いのですが(私がカードアップザスリーブが好きなのはあります)、たまにギャグも込みでやるという、ふにょんふにょんする針金の先に飛ばすべきカードをつけておいて、ジャケットの前部の開いたところを通過するところをふにょんふにょんさせながら見せる、というやつ、あれが個人的にヒットでした。


7. Knife Trick
ナイフに濡らした紙片を貼り付けて行うクラシカルなパドル・エフェクト。

いかにも即席で(実際即席ですが)、その場にあるもので戦える、古典過ぎて詠み人知らずっぽい作品。しかしまあこういうのが様になるってのが羨ましい。

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訳の人はカーニーの演技や解説を見ながら「ほーう、うわすごい……」とニヤニヤしながらメモを取っておりましたが、終了後、「しかし、あれほどの名人が手品を見せてくれている最中もなお、手元のカードやコインいじるのをやめられないマンがちょいちょいいたんですが、あれ何なんでしょうか。カーニー相手にテクを見せつけているのですか?それとも勝負でも挑むつもりでしょうか」とか言っててワロタ。手癖だろうけど、挑んで、そして勝てたらすごすぎです。あのカーニーが相手じゃぜ?マジシャンの説明を受けながらその通りにやってみている、というのは私は別に気にならないのですが、確かに特に脈絡なく、中でも音立ててる人はよくわからないですね。アンチ・ファロやってるとか、ドリブルしてるとか、コイン落とすとか。

2017-02-10 「ソル、素敵な魔法を見せて頂戴」

[] ヨーキム・ソルバーグ 日本レクチャー


デンマーク王室御用達、ヨーキム・ソルバーグ来日決定でヒャッホウしていたのですが、二川さんから告知してよい旨を頂いたので以下に転載します。前回の来日後、思わずノートだけではなくDVD他全部揃えちゃうくらい本当に素敵で楽しかったので、いまから楽しみです。"Aces Intermezzo"は名作でした。ポン太さんの改案もとても好きです。だがしかし動画が保存できない。しくしく。

【2017.0130追記】
追加の1ショットが決定したそうなので追加のご紹介。
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2月22日水曜 18時15分開場 18時30分開演(20時45分終演予定)京橋プラザ3Fにて。
「おっ、その日ならいける」という関東の方は、上記ファイルにあります、二川滋夫さんのアドレスまでご連絡を。

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ヨーキム・ソルバーグ 横浜レクチャー(関内)

ヨーキム・ソルバーグ(Joachim Solberg)が来日してレクチャーを行います!すでにご存知の方も多いかと思いますが、彼はデンマークを中心に活躍しているプロのクロースアップ・マジシャンです。テレビのマジック番組はもちろんのこと、ヨーロッパのテレビ・コマーシャルにも出演したり、毎年、デンマークの女王に招待されてマジックを披露したりするなど、海外では非常に知名度が高く人気があります。

彼の得意なマジックは、カード、コイン、ロープ、スポンジ・ボール、指輪、スプーン、カップ・アンド・ボール...と広範囲に亘っています。特にカップ・アンド・ボールの腕前は折紙付きで、彼の演技に感動したマイク・スキナーがフランシス・カーライルの銅製のカップを譲った話が有名です。

今回は好評だった2004年、2007年に続いて、三度目のレクチャーになりますが、トップ・クラスの技術、オリジナリティー溢れるアイディア、観客を楽しませる演技など、私たちが知りたい貴重な情報がまだまだ多く存在します。中でも、彼が演技をするときに心掛けている“オフビート”という考え方は、我々に浸透しているミスディレクションと同等か、それ以上に役に立つでしょう。

レクチャーの内容は、彼の来日を心待ちにしていたリピーターの方にも楽しんで頂けるように、なるべく新しいトリックをレクチャーしてもらう予定です。初めて参加して頂ける方も、きっと楽しんで頂けると思います。素晴らしいマジックを見る数少ない機会です。見逃さないようにしてください!

主催: マジックハウス
出演: ヨーキム・ソルバーグ (Joachim Solberg)
日時: 2017年02月19日(日)開場 18:15 / 開演 18:30 (20:30 終演を予定)
会場: レンタルスタジオ3355 〒231-0015 横浜市中区尾上町2丁目18−1 YSビル地下1階
交通: JR関内駅 徒歩3分 地下鉄ブルーライン関内駅 徒歩1分
料金: 5,000円 (予約制)
お問い合わせ: マジックハウス 二川滋夫まで
045-324-0662
futagawa@magichouse.biz

地図(これ二川さんの手書きですかw):
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2017-02-06 トップ・コントロールの世界

propateer2017-02-06

[] Lee Asher 「Losing Control」


昨年9月下旬にご紹介はしていますが、リー・アッシャーの「ルージング・コントロール」をひっそりと売り始めていました。私にも言わずにそっと追加するのやめてくださいw リアルにすごく薄い本でした。『ガルパンで学ぶ英語』の2割程度じゃないでしょうか(あれが厚すぎという話はさておき)。

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教授の戯言の物販:Lee Asher「Losing Control」

要するに、「理屈で考えれば全然違うのだと分かるけど、見せられるとそのまま納得してしまう」というトップ・コントロール技法の冊子です。ノーマル、アッカーマンのアイディア(私はこれをよく使っています)、立ててやるパターン、テーブルに置きながらやるパターンなどが解説されています。なお、冊子内にアッシャー本人が実演する演技動画のリンクも入っていますので、冊子で理屈を読みつつ、本人の完成形はこうなる、というのがちゃんと動画でも理解できる素敵設計(リンク先でも、動画での"解説"はありません。あくまで実演のみです)。

技法とは関係ないですけど、アッシャーの紹介しているフルニエデック、嫌いじゃないんですが、そもそも手に入りにくすぎじゃないですかね。日本で売っているんでしょうか。あと私が持っているやつ、本気で投擲するとティッシュ箱に刺さるくらい固いんですけど。キュウリくらい楽勝です。武器として大変優れていると思います。手品用としても、なじんでくると堅牢だし使いやすいとは聞くんですが。主に二川滋夫さんあたりから。他にそもそも使っている人を見たことがありません。

あと訳者あとがきが去年の8末日付になっていて、「なつやすみの宿題を片付けた感」というのは、原稿自体はもうその時点で終わっていたからとのことで、 組版お兄さん「やはり訳者から締め切りが切られず、己の気力が満ちるのを待ってから組んだのは間違いでした。すみませんでした」だそうですw 

2016-12-31 備忘年記

[] おおきく振りかえって2016


1年を思い出す。

◆1月
・割と正月早々ガルパンの映画ばかり見ていました。自室でウイングカンテレかき鳴らしながら笛を吹くマンに。
・A-10の地表攻撃映像を見て、戦車が紙屑のように粉砕されていく様を見て震える。
・なぜかこのタイミングで『鉄のラインバレル』を見ていました。すごく面白いと思うのですが、当時流行ったんでしょうか?「あなた……最低です!」
https://twitter.com/propateer/status/684753167892922368 シュトゥルムティーガーの砲弾はマジででかいです。写真はムンスター戦車博物館。
・『僕だけがいない街』がとても面白い。イケメンの賢也くんがペパロニちゃんと同じ人とはw 
・翻訳のひとが「部数の問題なのですが、こういうのって30年前に出してれば印税3倍でしたよ……」とか言ってて「小学校にも上がってないやつがどう訳すんだ」と思いましたが黙っている。
・国語辞典ナイト(昼)に参加。辞書マニアの人たち面白いw 私は部屋のスペースの都合上電子辞書しか基本使いませんが、紙の辞書も(特に昔の辞書)味があって面白いですよねえ。
・TENYO-ISMという、4万円ほどする7kgダンベルが届く。
・勝手に「ヤマギシルイのカードマジック」のレクチャーノートを書く。10万字を超えて無事死亡。
・『バトルシップ』が面白い。「戦艦が簡単に沈むか!」「痛いのをぶっくらわせてやれ!」「チキンブリトー」
・一年生チームメンバーの好きな戦車が大体アメリカ戦車なのは、USA-GIさんチームだからなのでありますか!? →GIはなんだ。Government Issueか。



◆2月
・人類にとって意味のある手品とは何か。
https://twitter.com/mega_mari/status/697721447096066048
https://twitter.com/propateer/status/698537822127464448
ソラノオトを見ました。
・サイトーさんのお勧めで『このすば』を見始めました。大変楽しいです。
・米原万理本をいっぱい読んでいました。
http://happyeveryday.biz/post-7333
https://twitter.com/propateer/status/700664789110906880 卯月ちゃん頑張りすぎ。
・『SAO2』を見始めました。最初ミステリなのかなと思いましたが、後段は終末医療というか。VRというかARの近い将来の使われ方を見るようでした。
https://twitter.com/propateer/status/702133549839745025
ツバサクロニクルを読んだりしていた。



◆3月
・それは私のおいなりさんだ にThis is my dick.ってサブがあったんだけど、おいなりさんは竿のほうじゃないだろと思って調べたら、weblioにtesticle sackとあり、しかも和訳が「金玉袋」に並んで「お稲荷さん」とあり、分かってる人が書いたな、とニヤリとする夜。
・ガルパンで4DX初体験。
・ヤマギシルイ東京レクチャー。
・ガルパン新聞をI〜V、全部揃えました。勝ち組な気がします。
https://twitter.com/propateer/status/706436337130311680 私もそういうことを言いながらBOX買ってしまった大勢のうちの一人でしたw 名作です。
・『監獄学園』で腹筋が攣るほど笑うw 
・ツバサクロニクル、私の大好きな北斗ちゃんとかもっと出せよと思いつつ終わってしまい悲しい(注:連載はもっと前に終わっている)。
・ボリス・ワイルドのレクチャーに行く。大変楽しかった。商売っ気があまり感じられなかったというか、物はもちろん売ってるんですが、大体のことはその場で解説しちゃう感じで。ボリス「世の中、少部数しか作らないとか、限定版商法みたいなのも最近多いけど、私は、色んな人が私の手順を演じてくれるとかのほうが嬉しいし、そのほうが自分の今後にも繋がると思ってるんだ」と仰ってて、わたし天邪鬼なんでつい買ってしまいましたよ、お布施の意味を込めてw 雰囲気的に「私は限定版商法に憧れている者です」とは言えなかったw あとT君がこざわさんの奸計にはまる。
山浦章さんが亡くなっていた。
・アルファ碁が超強かった。
・幕張のウルティラでガルパン観ていたら、機材トラブルで突然映画が止まるというレアなイベントが起こりました。
・シウェイ・リーが来る!→来なかったけどジョー・デンが来てとてもうまかったし面白かった。



◆4月
https://twitter.com/propateer/status/715774217422245893
https://twitter.com/propateer/status/715774266835398656 「皆さん初めまして!20回目とかの方はそろそろいい加減にしてください!大洗女子学園戦車道隊長の西住みほです!」 このころはまだ15回程度だったのでセーフ。
・『ラブライブ』のあとに『サイコパス』を見返し、落差に震える夜。
・夜毎、BW・マークト・デックの読み方を練習する。
機動戦艦ナデシコが20年前……!……かはっ!(呼吸が乱れる)
・音門さんのオススメにより『あいまいみー』を見始めてとても好きになりました。じょばー。ところでなんでギターがマーティン・フリードマンなのですか?家族を人質に取られたりしているのですか?生あいまいみーも面白かった。天津向さんが不憫でw
https://twitter.com/propateer/status/717007495974113280 きらりちゃんはあの変な話し方さえなければ良かったのに。杏ちゃんとのペアは良かった。
・フェニックスデック最高!ということでお友達を募って買うも、当初@370円くらいのはずが、関税等で420円くらいになり、そんなにお得感はない感じに。とはいえ、バイシクルより断然噛みやすくはある。
・『NARUTO』を読む。ああ、これは流行る、と思いました。少年漫画はこうでなきゃ、的な。そして御多分に漏れず血統の勝利w
https://twitter.com/propateer/status/717316171976941568 アンチョビが可愛すぎて辛い。
・え、エレン先生が盛り上がってすぐ消えたのって今年だったの…?
・辞書について https://twitter.com/propateer/status/717588255777001473
https://twitter.com/propateer/status/717610466550284288
・一日で立川シネマシティにてガルパンとマッドマックスの極爆を観る。気持ち良かった。
・TAKAHIROさんの。くっそ不思議でした。https://twitter.com/propateer/status/718270044472504322
・「ガルパン同人誌の赤字がついに3万円を切りましたよ!」とか嬉しそうに語ってくるT君。
・『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』『坂本ですが?』『甲鉄城のカバネリ』『くまみこ』『ふらいんぐういっち』『マヨイガ』『ばくおん!』『神撃のバハムート』『ジョーカーゲーム』『ジョーカーゲーム』など見始める。
・ダローのレクチャーに参加。マイヒーローがそこにいました。素敵過ぎる。
・五箇山白川郷に初めて行きました。雪の大谷も初めて見ました。そこで買った限定日本酒が大変美味しかったです。黒部ダムは閑散としていました。
https://twitter.com/tarareba722/status/690366168415260672
絵を描いたり小説を書いたけど自分で宣伝したり誰かに「見てみて」と頼むのは恥ずかしい、という人は多いと思いますが(プロでもそういう方は多いですが)、そんな皆様には私がいつも思い出す、宣伝セクションの偉い人から聞いた文言をご紹介いたします。
「作品は、作って半分、届けて半分」
いいこと言うなあ。
https://twitter.com/propateer/status/723300262425726976
ほしかったが買ってない。
https://twitter.com/propateer/status/723338944914432000



◆5月
・『ちはやふる』が面白い。熱い。私の高校時代とかMADテープ作ってゲラゲラ笑って、ネオジオとかやってた思い出しかありません。
・『アバンチュリエ』が震えるほど好きなので、フランス行ったら絶対聖地巡礼しようと誓う。
・ハンソン・チェンレクチャー。大変楽しい。会の前にこざわさんに習ったサイコロ手品も楽しい。酒も入っているのであらゆるものへの肯定感がすごい。
・成田→(モスクワ→)プラハ、プラハ(→ザグレブ)→ドゥブロヴニク、ドゥブロヴニク(→イスタンブール)→ヴェネツィア、ヴェネツィア→パリ、パリ(→モスクワ)→成田 という感じでヨーロッパを周遊。ソーミュール戦車博物館でガルパン聖地巡礼を、エトルタ奇岩城でルパン聖地巡礼を果たしてまいりました。旅行中に『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』を見て面白すぎました。
・あとあまり「ここに行きたい」というのが無い割に旅行は好きなので、アニメや漫画の聖地巡礼が実にいいきっかけになることに最近気づきました。たまにマジシャンに会いに行ったりもしますが。
水谷優子さんの訃報。マリーが。アセンブラが。
・『鉄のラインバレル』コミックス版読了。
洲崎西イベント。
https://twitter.com/propateer/status/734589426039422977 ふしぎ。
https://twitter.com/propateer/status/735917195469815808
 https://twitter.com/propateer/status/735918164962213888
持ってて良かった『ガルパンで学ぶ英語』



◆6月
・「ガルパンBDを買うと、場版が毎日タダで観られる」とかいう最高にロックな発言を見る。「3000円払うとガチャが無料で10回も回せる」に通じるw
・友達に「明日暇?大洗いかねえ?」というお誘いを受け、車中でドラマCDを流しながら大洗に遊びに行く始末。
https://twitter.com/propateer/status/740028191171969024 名言です。
https://twitter.com/propateer/status/746121212741378048
https://twitter.com/propateer/status/746121313635360768
https://twitter.com/propateer/status/746231548060413952
・ぱんっあふぉーに初めて行ってみました。すごい散財してきました。
https://twitter.com/propateer/status/747047375789690880
https://twitter.com/propateer/status/747082070229323776
https://twitter.com/propateer/status/747570216368902144
https://twitter.com/propateer/status/748475485345046528



◆7月
・よく観客ABCをそれぞれアレックス、ボブ、クラリスみたいに頭文字で分かりやすくする例を見ますが、もしかしてバノン先生の解説に出てくるラケルとリズは、ラケルがR側でリズがL側にいるということなのかと「謎は全て解けた!」感に満たされたのですが、こいつらいつも単独登場でした。しくしく。
https://twitter.com/propateer/status/748708925692784641
・大学の手品講習会。頑張りました。
・チョコのルーツで、「マヤ人の間では、カカオの断片10個でうさぎ1羽、カカオ4粒でかぼちゃ1個、8〜10粒で女を一晩、100粒で奴隷が買えた」というのがあり、かぼちゃが高級品なのか、娼婦が安いのかがよく分からなくなってまいりました。
・オスィーのフォールスカットって、確かにフォールスよりも本当にカットする(いまカットし終えたところから左へ戻っていく)ほうが断然嘘くさくなるのねwww 不思議だwww
https://twitter.com/propateer/status/749593131184599040
・寝て起きたらバノン先生が大量の回答を送ってきてくれてる幸せ。中に登場するLizに関して思い当たるフシがあって、モデルこの人?って送ったら「よくぞ気づいた。元ネタを当てたのは君が初めてだ」とか来てちょっと嬉しいw
・数年ぶりにハーフムーンに。やはりうまいショーだと思いました。
・魚心くんの中の人ってアンチョビ姐さんだったのか。
https://twitter.com/propateer/status/751076376069836800
・シゲオ「そういえばヤマギシルイさんは、レクチャー以外ではノートとか出されてるんですかね」 きょうじゅ「んー私が勝手に作りかけのはありますが、出ませんね、永久に」 シゲオ「そうなんですか……」 まあ出ないですねw
・『ラブライブサンシャイン』を見始めました。
・トルコで軍事クーデターがあった。
https://twitter.com/propateer/status/754323381386752004
https://twitter.com/propateer/status/754667273365753856
・ナディア一挙放送を見る(BDもDVDBOXも持ってるのに)。やっぱり最高です。
・齋藤修三郎ショーこと、齋藤Show三郎に撮影班として参加。しかし、そのう、このタイトルはないんじゃないですかね、Beeさんw
https://twitter.com/propateer/status/757472956767350785
https://twitter.com/propateer/status/757722649158152192
https://twitter.com/propateer/status/758106713799036930
・もしかすると二川さんは、訳すときA spectator(参加してお手伝いしてくれるひと)を「客」、それ以外の皆さん(AudienceとかSpectators)を「観客」と区別しているのか…?英語の冠詞は大抵うざいけど、冠詞のおかげで分かったりする内容もあるからな。難しい。
・自作のヤマギシノートを送りつけたあとの二川さんの感想「あまりの分量に眩暈がしました」
・ダー様ほか、聖グロの皆さんは紅茶を持ってて優雅、と何も考えずにそう認識しておりましたが、ふと、ティーカップをソーサーごとでもカップ単体でも、中身入れたまま持って歩き回ったり飲んだりするのは、実は優雅とは全く関係がないというか、むしろマナー的にはアレなのではないかと思い始めました。
・北米版ピンドラは苹果がガルパンのおケイさんなのよね。能登が蝶野教官だったりもする。ファビュラスマックス。私のダメ絶対音感によれば子供の頃の苹果の声はアリサの声のひとな気がするのだけど、そっちはキャスト一覧に出てないのよねえ。



◆8月
https://twitter.com/propateer/status/760426299978416128
・『シン・ゴジラ』見ました。 https://twitter.com/propateer/status/761912452317454336 うちの職場の倒壊は確認できませんでしたが、近いので多分壊せたはず。
https://twitter.com/propateer/status/762182940071604226
https://twitter.com/propateer/status/762675244230283265
https://twitter.com/propateer/status/762988721071280128
・Boris Wild『Transparency』の原書を買いました。レンチキュラーかっこいい!
https://twitter.com/propateer/status/763002471560073216
・デスクリムゾン発売から20年と聞き震える。
コードギアスから10年と聞き震える。
・小川勝繁レクチャー。久々にカードが1作も出ないレクチャーであり新鮮。
コミケでガルパン本を売ったりLosing Controlを練習していたりしました。
・CAMERON JOVEの「方言キャラクターを書きたい人向けの参考書」シリーズ、持っていたかあやふやで買わなかったのですけど、やはり四国編を持っていなかった模様。くそう。冬には買いたい。ここのシリーズすごく好きなのよね。そういうキャラを作る予定は全く無いのですがw→冬、ちゃんと買いました。
http://www.gimpysmagic.com/mimilied.html ほしい
https://twitter.com/propateer/status/765334029629427713
https://twitter.com/propateer/status/767150374864113664
https://twitter.com/propateer/status/767336654306549760
https://twitter.com/propateer/status/767374848490287104
https://twitter.com/propateer/statu
s/767733413721743361
総合火力演習初参加。せんしゃしゅごい。戦闘ヘリ怖い。終了間際に土砂降りになり、バスを90分ほど待ちましたが敗残兵感がすごい。あとクラーラの中の人を初めて生で見ました。
・「己の芸術論が己の作品をしのぐような芸術家は不幸である」(マチス) あーあるある、感。
https://twitter.com/propateer/status/770805858049548288



◆9月
https://twitter.com/propateer/status/771939367900315649
これ重要。
・ようやく齋藤Show三郎のDVDをつくる。ジャケットは作らなかったけど、メニュー画面とかEDとか作って疲れました。
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・世間が「君の名は。」で盛り上がっていたので、向こうを張って「言の葉の庭」を見ました。あえて今。新宿御苑に金麦を持っていくしかない、と思いました。
・洲崎西サマーパーリー2016 ?バボでバブリー泡祭りに。いつもながらあの人たちはあたまおかしい。最高です。
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・昔は野島さんのクリレクには手順の概要を書いた紙が付いていたことを思い出して遠い目になる。まあ、前日に3つ出来ました!とかだと書いてる暇がないのかもですが。
・『デイグラシアの羅針盤』クリア。ホントすごい。いまこんなレベルのものが同人ゲームで出る時代なのね。。。
・「テジナ道というのは、世界中でマニアのおっさんの嗜みとして受け継がれている伝統的な文化で、突然敬語になるという礼節があって、ダーティーワークは慎ましく、決めポーズだけは凛々しいマジシャンを育成することを目指した武道なんです」「いまではマイナーな趣味とされていますが、昔は、落語、辻歌、手妻と、並び称されるくらいで、公の仕事が充実してないひとも心身ともに健やかに、美しくなれるそうですよ(ステージ上で)」 「素晴らしいです。普段ファッションに気を使わない人と、麗しい燕尾服やラメの舞台衣装の組み合わせ!」 「(客観的に見たネタとして)最高のカップリングです!」(CV:秋山殿)
・『君の名は。』立川で見ました。いいラブコメSFだと思いました。
・おへんろ!DVD愛媛編も楽しい。ナンバーワン空海&行基アニメ。おへんろ早く最終巻も作ってください。
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https://twitter.com/propateer/status/776757385293500416
https://twitter.com/propateer/status/778180925570113536
https://twitter.com/propateer/status/778270613496434688
https://twitter.com/propateer/status/778270697785139201
・『ジパング』読み始めました。
テンヨーフェスティバル。楽しい。そしてついついセットで全部買ってしまう。佐藤総、佐藤喜義、まではツモれたのですが、まさか1Fに佐藤大輔牌があったとは(佐藤大三元)
・上田に遊びに行きました。真田丸全プッシュモードでした。
https://twitter.com/propateer/status/779556479057571840
https://twitter.com/propateer/status/780185864383008768
https://twitter.com/propateer/status/780392934390714368
・二川滋夫レクチャー。しかしin Canada。行きたかったけれども。



◆10月
・二川会強化合宿 in 大山(神奈川)。強化されました。テンヨー力(ぢから)あたりが。
https://twitter.com/propateer/status/782504568596811781
・#ガルパンLO表紙パロ という恐ろしいタグを見つけるw
・氣賀さん、二川さん、大学の大先輩、というビッグ3にお呼ばれしてしまい、怖くなってしまいついこざわさんを誘ってしまう。
https://twitter.com/propateer/status/783318442505940992
・「デイグラシアの羅針盤」のチーム、カタリストの監督というか原案者に対してこざわさんがテンヨー新製品を実演する会に参加。手品はともかく、デイグラシアについて色々聞けてとても楽しかった。
https://twitter.com/propateer/status/784968647831789568
・『君の名は。』立川で見ました。やはりいいラブコメSFだと思いました。
・国際航空宇宙展。モックとはいえF-35を見られてよかった。しかしコミケ以外で来るビッグサイトって違和感しかないw
https://twitter.com/propateer/status/786738718325571584
・『キングダム』を延々と読んでいました。
・小川心平さんが亡くなる。
・Fool Usでわが心のヒーロー、ポール・ガートナーがペン&テラーを、しかも"Unshuffled"で倒すという胸アツ展開。スクリプト・マヌーヴァのページに舞台裏の詳細(ガートナーのブログから)があるので読みましたが、いやアツい。 http://www.script-m.jp/blog/?p=208 ポール・ガートナーがペン&テラーを騙すまで 
https://twitter.com/propateer/status/792978290927480832
https://twitter.com/propateer/status/792979515966300160
・野島伸幸氏が1日に手品を94個作るとかいう、「どうかしてる」行為をしていて震える。http://magicmore.net/nojima-twitter-magic-create-94/
https://twitter.com/propateer/status/794832797735075840



◆11月
・ガルパン最終章の発表がある。朗報。
高井研一郎先生がお亡くなりになる。そして高井先生が描いた二川さんの出版記念会のうちわを見て、10年前のことだったことに震えを禁じ得ない。
https://twitter.com/propateer/status/798119106603937792
・『この世界の片隅に』を観てなぜだか涙が止まらないマン。クラウドファウンディングに参加していなかったことを後悔するという感覚に襲われて自分でも意味が分からない。
https://t.co/mpbvWDUNaZ
・高尾山で酔う。(マス酒が売っていた)
・ガルパン劇場版見納め(11月20日)。
・ゆうきともライブレクチャー。とても楽しい。あと教え方に無駄がない。すごい。
・ガルパン劇場版リバイバル上映
https://twitter.com/propateer/status/802809489598529536
 ずるいwww 1週間じゃねーかwww
https://twitter.com/propateer/status/802852797796392960
https://twitter.com/propateer/status/804172414502322176



◆12月
・『ガルパンで学ぶ英語』第2版が出る。修正内容はマウスに乗っかられているときの桃ちゃんの台詞を、絵コンテ集の記載を見て修正しただけという。ていうかなぜ100冊以上売ってからそんなことを…。
・科学博物館に来た。https://twitter.com/propateer/status/805284442482700288
・ジョジョ、バイツァダスト、どう倒すんだこれ、と不安になる。
・競女がすごい。アツい。あと自分の知らない日本語がバンバン出てくる。「尻ガトリング」「尻数の多さ」「K(kuikomi)-Acceleration」「金剛尻」「軟尻体質」「乳催眠」ときて、締めに「尻が追ってくる!」ですよ。何だこの言語感覚。
https://twitter.com/propateer/status/812082477556563968
・久々に東日本大震災のときの、あすぱらさんところのチャリティー手品をいくつか見直す。みんなうまいよねえ。
・フォース集
https://twitter.com/propateer/status/806730166588182532
https://twitter.com/propateer/status/806730861563416580
https://twitter.com/propateer/status/806731643914326017
・長谷和幸さんのレクチャー。
・ゲームマーケット初体験。色々ばかすか買ってしまう。
・ジョジョ4部。控えめに言っても最高だった。
・競女。最終回のアツさときたら震えた。これ実際ストーリーラインは王道少年漫画だと思いました。
・『この世界の片隅に』を再度。2回目だし大丈夫だろうと思いきや、前回と違った個所でもボロボロ泣く。なんでだ。
・ボードゲーム会。BASARIとAcquire。どちらも名作でした。
・T君が仕事と私生活に加えて手品本の締切に追われてげっそりしていた。「僕は趣味の本なので無理のない感じで好きなときに出せばいいと思ってたのですが、出版というのはそうではないそうです……『12月に出ると言ったな、あれは嘘だ』(CV:玄田哲章)」 ホントに嘘だったですねw 2017年1月12日発売。
・コミケ。Beeさんのお店の売り子での参加でしたが、壁サークルに並んで、買い物済ませて戻ってきたら完売しており、何も役に立ってずに終わる。競女の「尻の限りを尽くす」Tシャツが買えなくて涙する。