教授の戯言

手品のお話とかね。

袋玉子 その後

■ A-1 Multimedia Video 「Egg Bag」



エッグバッグの練習をする度に、玉子の殻を破損しています。作るの面倒なのに…。先日は玉子が袋に入っている状態で左手にぶつけたら、「けしょっ」という乾いた音と共に粉砕。どうも裏返した時に方向認識を誤りがちでよく落っことしたりします。しかし地味ながら練習してて面白い。近所にLサイズの玉子しか売っていない私を見かねて、知人がMサイズのをプレゼントしてくれたのですが、作成途中に4つのうち3つが、内圧に耐え切れずに割れました。しくしく。玉子焼きにもそろそろ飽きてきました。お菓子を作ろうにも、大体のお菓子は卵白と卵黄を分けないといけないため注射器で吸い出したものだと作るのがほぼ無理ですし。厳しいです。手品の前に玉子料理のレシピを増やさないといけないとは。


で、今更ですが、エッグバッグというのは、袋に入れた玉子が消えたりまた出てきたり、お客さんに確認してもらっても消えてるのは間違いないのに、別のお客さんはその空の布袋から玉子をひょいっと取り出してくれたりする、そんなパーラー系マジックです。なお先日飲み会でやったところ、クロースアップでも全く問題ありませんでした。


エッグバッグスライハンドとしてのポイントはあまり無いとは思いますが、その分、演者の口上の練り具合とお客さんとのやりとりが肝になりますので精進したいと思います。昔見た壽里さんの"つかみのギャグ"に憧れているので、それをふくめつつ、スムーズにお客さんが楽しめるような(本音を言えば"やってる私が楽しめるような")演技に持っていければいいと思う昨今です。そんなこんなでA-1マルチメディアの「Egg Bag」を見返してみました。5人の演者がそれぞれ違った演技を見せてくれます。

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・マーチン・ルイス
演技は非常にあっさり。クライマックスは特にありません。スターリング式を使用。…が。全体を通して、この中で最も怪しさが無いと感じました。私は、「怪しい動きや素早い動きは一切無いのに、気がつくと不思議なことが起こっている」スタイルに憧れているので、ある意味理想を見た思いです。これを見たら I NEED A DRINK さんで取り上げられていた"Mardo Egg Bag"が欲しくなりました。買いたいのですがこれ単体で買うのも送料が勿体無いんですよね・・・。服装に合わせてこれとマリニ式を使い分けたりしてみたいものです。ビデオなので画像が多少アレな点を差っ引くとして、堂々とやばい部分を見せているにも拘らず、アヤシイとはつゆほども分からないのは凄いですね・・・。



・トム・マリカ
ファンシーというかアヤシイ音楽に乗せて、カウンターのような場所で演じています。頻繁に起こる観客の笑い声が、ドリフのコントのときに聞こえてくるあのオバチャンの声にそっくり。そして怒涛のクライマックスがステキ。マリニ式を使用。"袋玉子にクライマックスは要らん"という先輩の言も一理あるのですが、やはり正統派プロダクションは見ていて痛快です。ワワワン♪(奴らが口ずさむ合いの手) なお解説はクライマックス部分のみです。基本的な部分は基本に忠実にやっているので自分で勉強せい、と。



・ビリー・マッコム
"ちょっとがっしり目の藤村俊二"といった風体の、魅惑のマッコムおじ様ですが、演技は割とワイルド。この中で一番、袋を虐待するスタイルです。もっともマジシャンの常で、おそらくは虐待"しているように見える"だけなんですが。タータンチェック柄なのですが、これは何だろう、ジャパニーズ・バッグかな?助手はお客さんから一人。
最後には玉子のかわりにウイスキー入りのショットグラスを取り出すのですが、それをなぜステージ上でぶちまけるのですかw FISMのグレッグ・フリューインみたいにぶちまけた直後に鳩が出るかと思ってしまいました。・・・その展開はそれはそれで面白そう。



・チャーリー・ミラー
・ジョニー・トンプソン(トムソーニ)
二人の対談から始まり、それぞれの演技を見せてくれます。どちらもマリニ式を使用し、お客さんから二人、助手としてお手伝い頂くスタイルは共通。二人ともマジックの大家らしい、安心感漂う演技です。少し長めなのでくどい感はありますけど、アンビシャスカード同様、お客さんの反応を見ながら調整可能かと思います。何より私は「昔のスタイルはこうだったんですが〜」から始まるあのスタイルが好きなのです。「今日は特別に種をご紹介して差し上げましょう」というのが。…昔は本当にああやって消していたのでしょうか…。なお練習してみて分かったのですが、その辺の口上を入れるとやはりちょっとだけですが演技が長めになっちゃうんで注意が必要ですね。



ミラーの演技はこのエッグバッグしか見たことが無いのですが、ディズニーの映画に出てきそうなキャラでした。もしくは「不思議の国のアリス」。トムソーニは、コマーシャルクラシックシリーズのときのかっちりした格好ではなく、髪もラフに流していたのですが、どうも筑紫さんっぽい髪の色・具合と彫りの深い目元が、高校鉄拳伝タフにいた関節技の達人・オニ平に似ている気がします。はっ、演技に関してのコメントでもなんでもない。

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数日前風邪をひきまして、高熱出して寝ておりました。それはそれとして不運でしたが、仕事を休んでやるオーディンスフィアの面白さときたら。背徳感!


「何で冷蔵庫じゃなくてテレビラックの上に玉子がいくつも置いてあるの?」
と、見舞いついでに様子を見に来た姉が。
「そこあったかいので。その玉子、あと1週間くらいで孵化しますよ」
「…穴開いて中身の無い玉子から何が孵るのか楽しみね」
「殻の中のひよこは死んでいるか生きているか観測不可能なのです」
「(無視)…弟くん、なんですかこのテーブルの上にある、手錠みたいな奴とビニールテープと鎖は」
「監禁に使う拘束具」
「何言ってるの、いい歳して。(サムタイに)9,000円は無い〜って書いてたのに買ったの」
「!え?なんで?」
「(ブログを)一昨日読みました。ロザンダー?」(姉の職場でここを見て下さっている方がいるらしく、その方から突っ込み方を伝授されたらしいが、当然姉本人はロザンダーなど知らない)
「見ないで下さい・・・。でも9,000円はやっぱ無いですよ!8,500円でした!(海外では70ドル弱でしたけど)」
「物の効用は人それぞれだけど、お金の使い方とか、諸々よく考えなさい」
「…はい」
「ちゃんとあったかくして寝なさい。じゃ、帰ります。またね」
「…この時期あったかくしたら寝られんわ」


サムタイ買っちゃった…。