なまくらどもの記録

2007/12/31 (Mon)  2007年度ベスト本

2007年度に私が読んだものベスト。

[] 2007年度に私が読んだ小説ベスト10

 八年に渡ってつづられた、「流血女神伝」シリーズが完結。神と人の話、にしては神の分量が(特に初期は)少な目でしたが、人が生きる世界の話、そしてそこを覗き込む滅びつつある神たちの話として、エンタテインメントとしても優れた話、素晴らしい物語でした。シリーズ通して、おすすめです。読むなら、「帝国の娘〈前編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)」からがおすすめ。

喪の女王〈5〉―流血女神伝 (コバルト文庫)喪の女王〈6〉―流血女神伝 (コバルト文庫)喪の女王〈7〉―流血女神伝 (コバルト文庫)喪の女王〈8〉―流血女神伝 (コバルト文庫)

「どうでもいい。どうしてお前は、常に自分の意思を神に結びつけなければ気がすまないのだ。ありあまる能力を備えていながら、ひとりでは何も決められないほど頭が弱いのか?」

 エディアルド「喪の女王〈5〉―流血女神伝 (コバルト文庫)」(須賀しのぶ・集英社コバルト文庫)P280より

「それはそうだよねえ。だって、人格崩壊しかけたもんねえ……」

 カリエ「喪の女王〈6〉―流血女神伝 (コバルト文庫)」(須賀しのぶ・集英社コバルト文庫)P141より

 互いに自由になって、自分の足できちんと立てるようになったら、また。都合のよい願いだとは思うけれど、心からそう思う。

 カリエ「喪の女王〈7〉―流血女神伝 (コバルト文庫)」(須賀しのぶ・集英社コバルト文庫)P221より

 ヨーロッパの小国の貴族の娘であるコラリーと、幼なじみの超美形だけど正直すぎて極悪な口のフェリックスが、事件に巻き込まれては解決していくシリーズ。少し前に出ていたシリーズですが、たんのうしました。一冊一冊は楽しいしさくさく読めます。作者男性かと思ったくらいべたべたしてないし、男性でもちょっと少女マンガ読める人ならいけると思います。最初は、コラリーうざーとか思っていましたが、フェリックスのなんじゃそれな発言とか会話からひきこまれていきました。コラリーもひとすじなわじゃいかない性格だし。

盗まれた蜜月〈前編〉―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)盗まれた蜜月〈後編〉―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)

「殺意がないんなら、ゆするのはやめてくれないかな。ああ、それと耳もとで叫ぶのも。ぼくの聴覚器官を破壊するのが目的でないならなんだけど」

 フェリックス「カブラルの呪われた秘宝―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P274より

「コラリーは、警察にまかせただけで気がすむわけ?」

「あったりまえでしょ!?」

「……ふうん」

 フェリックスとコラリー「王国、売ります!―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P280より

「相手かまわず同情するだろう? 飼い主に捨てられたチンパンジーとか、道ばたに捨てられたバナナの皮とか」

 フェリックス「翡翠の眼―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P193より

『アッサ タリーカ』

 フェリックス「奈落の女神 (コバルト文庫―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P60より

「じゃあ、虫ケラに寄生してたあんたはなんだ? ペタンセス細菌か」

 フェリックス「ふたりで泥棒を―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P255より

「きみってヤツは、口のへらない男だな」

「当たり前だ。一つしかないのに、へったらなくなるじゃないか」

 シュシナックとフェリックス「ローランスは猫日和―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P215より

「コラリーをとめられると思うほど、うぬぼれてないよ」

 フェリックス「黒い塔の花嫁―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P62より

「ぼくの愛は、刑法上の解釈を超えるんだ」

 フェリックス「楡屋敷の怪人―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P265より

「わたしが光なんじゃない。あなたが影なんじゃない。光も影も、あなたの中にあるの。あなたは自分で光をつくりだせるのよ」

 リゼット「影の姉妹―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P232より

「花は、どうしてその庭を選んだんだろう?」

「居心地がいいからよ。その庭が大好きだから」

 フェリックスとコラリー「緋色の檻〈後編〉―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P242より

「目が二つに鼻と口が一つずつ。標準的な造作だと思うけど」

 フェリックス「盗まれた蜜月〈後編〉―有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 (コバルト文庫)」(橘香いくの・集英社コバルト文庫)P43より

  • 「ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ」(青木祐子・集英社コバルト文庫

 ヴィクトリア朝時代の英国で、「恋を叶えるドレス」をつくることで有名な「薔薇色」の店主クリスと、公爵の長男シャーロックとの身分違いの恋の話。ドレスもいいですが、今年はクリスがとたんに恋モードに入りまくって素直に告白しちゃったりするのがまたよかったです。

恋のドレスと硝子のドールハウス―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)恋のドレスと運命の輪―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)あなたに眠る花の香―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)恋のドレスと大いなる賭け―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)

地面を踏みしめる音が、幸せだった。

 「恋のドレスと硝子のドールハウス―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)」(青木祐子・集英社コバルト文庫)P122より

「花の香りが似合うようにつくりました。装飾品のかわりに、香りをつけてください」

 クリス「あなたに眠る花の香―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)」(青木祐子・集英社コバルト文庫)P191「あなたに眠る花の香」より

 魔法鍵師をめざすカルナは、厳しいけどほんとにすごいのかよくわかんない師匠、ミラの元で修行中。伝説の魔法鍵師のつくった鍵を開ける機会に恵まれたカルナだが……。

 よくできたファンタジーとして個人的にはおすすめ。感情的にもラストにはかなりもっていってくれて、とても読後感がよかった作品です。「魔法鍵」という設定が非常によく練られていて、こうやったらだめ→次はこの方法、という論理的な解決方法の推理と勘と技術が、いい感じに混じりあっていて楽しめました。ファンタジーというと、でたらめな法則しかなくていいかげんだと思っている方には、ぜひこれを読んでいただきたいです。法則がある魔法が大好きな私にはツボつかれまくり。

魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険 (MF文庫J)魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険〈2〉銀髪の少年鍵師 (MF文庫J)魔法鍵師カルナの冒険 (3) (MF文庫J)魔法鍵師カルナの冒険〈4〉世界で一番好きなあなたへ (MF文庫J)

「アイツ、こんな顔ができたんだな」

 ミラ「魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険〈2〉銀髪の少年鍵師 (MF文庫J)」(月見草平メディアファクトリーMF文庫J)P252より

<<師匠、私も泥棒と鍵師の違いが一つわかりました。同じ数の鍵を開けても、泥棒のほうが三倍疲れます>>

 カルナ「魔法鍵師カルナの冒険 (3) (MF文庫J)」(月見草平メディアファクトリーMF文庫J)P123より

「美味しい紅茶の煎れ方を教えてくれたことは? 四年間、私が作った食事は? 朝練は? 師匠に見守られながら初めて仕事先で鍵開けをした私の胸の高鳴りは? 私に作ってくれた服は!? あれも全部無意味だったんですか?」

 カルナ「魔法鍵師カルナの冒険〈4〉世界で一番好きなあなたへ (MF文庫J)」(月見草平メディアファクトリーMF文庫J)P145より

 

 架空の国「翠」を治める王族には、二つの血筋があり、お互いがお互いを憎しみ合い、殺し合いを続けていた。二つの血筋の、それぞれの長の男子が、「翠」を他国の侵略から守るため、お互いの血筋を絶やしきることをあきらめようとしていた。彼らの願いは実現するのか?

 友情ではなく、「同志」として結びついた二人を描いた「架空歴史もの」。表紙を見ると、ファンタジーぽいですが、ぜんぜんそんなことです。おすすめ。

黄金の王 白銀の王

「薫衣殿。私はときどき考えてみることがある。もしも二十九年前の十一月十日に、荻之原で西風なく東風が吹いていたら、どうなっていたかと」

 ひづち「黄金の王白銀の王」(沢村凛幻冬舎)p383

 佐々木丸美さんにはまった今年前半だった。その魅力の一つは、テンポのよい文章。ぽんぽんぽんと連ねられる言葉が面白くてはまりました。主人公の少女はたいてい頑なで、こっちに石投げてくるような印象。もっと透明感ある少女を描くのかと思っていたので、予想外でした。いきなりロマンチックモードに入ることもありますが、基本的には理性的な主人公たちの思考が面白いです。一番面白かったのは、代表作でデビュー作の「雪の断章」。

雪の断章 (佐々木丸美コレクション)

「……だから口がきけません」

 飛鳥「雪の断章 (講談社文庫)」(佐々木丸美・講談社文庫)P389より

「女にとって恋愛は一種の宗教なのよ。」

 倫子「忘れな草 (1978年)」(佐々木丸美 ・講談社)P135より

知識と人徳はやっぱり異なるものだ。天は二物を与えず。わかる、わかる。

 涼子「水に描かれた館 (1978年)」(佐々木丸美・講談社)P6より

「先生を好きになった罰よ」

 加代子「夢館」(佐々木丸美・講談社)P25より

「恋人はいるが恋人には束縛されない。自由に恋愛を楽しむ主義だよ。と、つけ加えることにしているのです」

 仁科「罪灯」(佐々木丸美・講談社)P37「危険区域」より


 いやー、エンタテインメントにもほどがあるだろ!と言いたくなるようなシリーズ。楽しすぎます。

図書館戦争図書館内乱図書館危機図書館革命

「乙女が! 乙女がここにいます軍曹!」

 柴崎「図書館戦争」(有川浩メディアワークス)P149より


 ハードボイルドな時間モノ。苦悩と葛藤、そして昇華されていくものが素晴らしかった。

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

 おじさんががんばる異世界もの。少しだけ魔術(というか呪術)がありますが、基本は宮廷陰謀モノ。おじさんも楽しめるのでは?

 2008年1月に、続編「影の棲む城〈上〉 (創元推理文庫)」「影の棲む城〈下〉 (創元推理文庫)」が発売予定。楽しみ楽しみ。

チャリオンの影 上 (創元推理文庫)チャリオンの影 下 (創元推理文庫)

  • 「はるかな国の兄弟」(アストリッド・リンドグレーン・大塚勇三訳・岩波少年少女文庫)

 人は死んだら、別の世界で楽しく暮らすんだよ、と病気の弟に言い聞かせていた兄ヨナタン。しかし、ヨナタンは先にその国へ旅立ってしまう。じきに弟もその世界へ行き、二人は永遠に仲良く暮らすはずだった。しかし、そこはかつてヨナタンが話してくれたような、全てがうまくいくような世界ではなかった……。

 読み終わって、線の細い二人が、手をつないでどこまでも歩いていくようなイメージが残りました。とても余韻の残る本です。読んでよかった。

はるかな国の兄弟 (岩波少年文庫 85)

[] 2007年度新人小説ベスト3

 こんなに音読して楽しい本は初めてでした。もうすぐ2巻が出るのが楽しみです。

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

「……こ、こぼねもおおめですが?」

 ちくわ氏「人類は衰退しました (ガガガ文庫)」(田中ロミオ・小学館ガガガ文庫)P146より


 治安が悪化し、誰もが武装している国でなんでも屋として働いている元軍人。ある少女に気まぐれでパンをやってから、トラウマの原因であるドラゴンキラーと関わることになってしまう。物語のキーとなるドラゴンキラーの性格が、予想したのと大幅に違っていたのが、面白い一因かと。ちょっと変わった組み合わせのコンビの皮肉たっぷりの会話を楽しんでください。

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)ドラゴンキラーいっぱいあります (C・NOVELSファンタジア)

「言うわけねぇだろ。馬鹿かお前。それに前にも言ったじゃねえか。優しい言葉が欲しけりゃ金払えよ屁垂れトカゲ」

 「ドラゴンキラーいっぱいあります (C・NOVELSファンタジア)」(海原育人中央公論新社C Novels Fantasia)P199より

 召還したいものと同色の触媒を介してそのものを呼び出す「名詠式」を学ぶ専門学校を舞台として、「名詠式」をそれぞれの立場から学ぶ学生たちの青春を描いた作品。通常は、基本の五色しか呼び出せないし、そのうちの一つしかマスターできないのが普通だが、ある高名な名詠士は全五色のマスターとなった。そして彼はかつて、「夜色名詠」というかつてない名詠に挑戦した少女と約束をしていた。いつか、お互いの夢を果たしたら、その名詠を見せ合おうと。

 パステルカラーのイラストがよく似合う、透明感のある作品。特に最初の巻が素晴らしかったです。

イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)奏でる少女の道行きは―黄昏色の詠使い〈2〉 (富士見ファンタジア文庫)アマデウスの詩、謳え敗者の王―黄昏色の詠使い〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)踊る世界、イヴの調律―黄昏色の詠使い〈4〉 (富士見ファンタジア文庫)

何処にもいない 至小夜

Lwars neckt ele ravience Shadir

 イブマリー「イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)」(細音啓富士見ファンタジア文庫)P14より

夢も望みも、全て遥か過去に捨ててきた

ole shan ilis, peg lear, peg kei, Hir et univa sm hid

その道、もはや振り返ることすら叶わず

Hir be qusi Gillisu xshao ele sm thes, neckt ele

 エイダ・ユン・ジルシュヴェッサー「奏でる少女の道行きは―黄昏色の詠使い〈2〉 (富士見ファンタジア文庫)」(細音啓富士見ファンタジア文庫)P234より

[] 2007年度に私が読んだマンガのベスト5

 こんなに何回も読み返すことになろうとは。アニメがきっかけで読みはじめました。アニメの特に初期もできがいいけど、マンガもものすごく盛り上がる。

 野球マンガですが、ふだんスポーツもの読まない人にもおすすめ。たぶん、球児の視点だけではなくてそれを見ている人たちの視点も入ってるのが魅力だと思います。

おおきく振りかぶって (1)おおきく振りかぶって (2)おおきく振りかぶって (3)おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC)おおきく振りかぶって(5) (アフタヌーンKC)おおきく振りかぶって(6) (アフタヌーンKC)おおきく振りかぶって(7) (アフタヌーンKC)おおきく振りかぶって(8) (アフタヌーンKC)おおきく振りかぶって(9) (アフタヌーンKC)


「エースが欲しい!?」

「ほっ」

「欲しい!」

「欲しい!!」

 「おおきく振りかぶって (1)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)P144より

「お前 力 全部出してんだろ

 守ってりゃそれはわかるから 一緒にベンチ帰ろうぜ!」

 田島悠一郎「おおきく振りかぶって (2)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)P197より

「オレは 勝ちたいんだ!」

 加具山「おおきく振りかぶって (3)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)「基本のキホン!」P216より

「スタンドからたたき出してちょうだい!」

 百枝マリア「おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)P136より

 …ああ… これで夏が 終わ……っ

 阿部隆也「おおきく振りかぶって(6) (アフタヌーンKC)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)P179より

「阿部がふっとぶと思ったのか!」

 田島悠一郎「おおきく振りかぶって(7) (アフタヌーンKC)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)P189より

「三橋!! あとのことはまかして お前の一番いい球 投げろ!!

 お前の投げる球なら 誰も文句ねェから!!」

 花井「おおきく振りかぶって(8) (アフタヌーンKC)」(ひぐちアサ・講談社コミックスアフタヌーン)P124より

  • 「レディー・ヴィクトリアン」全20巻(もとなおこ・秋田書店プリンセスコミックス)

 英国のヴィクトリア朝時代に、家庭教師として働くベルが、殺人事件の犯人の疑いを受けて投獄?疑いを晴らすために、「銀のレディー」とあだなされる侯爵令嬢エセルと、雑誌社社長のノエルが助力してくれた。お礼に出かけたベルは、エセルの大変な秘密を知ってしまう!

 ちょっと昔の少女マンガが好きなら強烈におすすめです。最初の数巻を絵柄とストーリーにひかず読んでいくと、ものすごく面白くなってくること、保障します。主人公はあくまで元気で無謀で思いやりのある、ロマンティック好きなのに現実世界ではとほうもなく現実的、というベルですが、レディー・エセルと彼の過去から現在、そして未来という物語が読ませるものにしました。素晴らしい物語を読ませてくれてありがとうございます、とお礼をいいたくなりました。

レディー・ヴィクトリアン 20 (プリンセスコミックス)

「エセルという存在」

 レディー・エセル・コンスタンシア「レディー・ヴィクトリアン 20 (プリンセスコミックス)」(もとなおこ・秋田書店プリンセスコミックス)より

 異文化の間の埋められないギャップの話。けして「楽しい」といえる作品ではないけれど、ぐさっと残していってくれました。

鎖衣カドルト (ウィングス・コミックス)

 耳の聞こえない大学生と高校生のラブストーリー。白泉社らしい、心理描写を丁寧につづった作品です。絵柄は華やかさには欠けますが、「両思い」になってからの話づくりが上手いなあと思いました。

金魚奏 第2巻 (花とゆめCOMICS)

「私 雅生さんのこと ぜんぜん分かってなかった…

 大事な人の音を聞けないことが こんなにつらいと思わなかった…」

 平山飛鳥「金魚奏 第2巻 (花とゆめCOMICS)」(ふじつか雪・白泉社花とゆめコミックス)P103より


 短編集でも、質がスペシャル高い!これだけでも、ヴィクトリア朝時代のマンガとして、単独で楽しめそうです。

エマ 8巻(DVD付き特装版) (BEAM COMIX)ビームコミックス エマ 8巻(通常版)エマ 9巻 (BEAM COMIX)

[] 2007年度に私が見たアニメベスト3

 最初の数回は見ていないのに、こんなにはまりこむとは予想もしませんでした。なんといっても、記憶に障害があるため、十三時間しか記憶を保持できないという設定が、ものすごくたくさんのことを考えさせてくれました。千尋は十二歳の時にそういう障害になり、その後は十三時間しか記憶を保持できないため、たくさんのことをメモして思い返して、必死で記憶している。そんな彼女が「恋愛」できるのか?というストーリー。ラストはどうなるかということよりは、途中の葛藤がものすごく楽しかったし、考えさせてくれました。実写で見てみたい。

 こんなに短期間に何回も繰り返しみた作品は少ないかと。BGMに最適でした。特に初回は素晴らしい。だんだんペースは落ちてきたような気はするけど、それでも作画もらく保った。安心しておすすめできる作品でした。スタッフの愛が詰まっているのが感じられました。

 NHKがまたやってくれました!予告では、あまり好みの絵柄じゃないなあと思っていたのですが、オープニング、初回であの「電脳」描写にやられ、普通のこどもたちの生活がたまらなく楽しかった。ラスト近くでは、「痛み」と「現実」、「何を大切なものとするか」について考えました。やっぱり、私はラストのお母さんの対応があまりに画一的すぎて、納得できないのですが(どう考えても、ヤサコの大切なものを見ようとしていないように思える。見ようとしてから言ってほしかった)、でもアニメではオバァとかオジィとかの「いい大人」もいるからいっか……。お父さんも会員だし(笑)。これも愛ある作品でした。

 これはもう、来年予定のテレパシー少女蘭には期待してしまいますね!マンガ版は大好きなので期待です。