なまくらどもの記録

2008/08/01 (Fri)  おすすめ単巻読み切りコミック

[] おすすめ単巻読み切りコミック

◆bk1 : オタクが選びました。<コミック単巻読み切り特集>

http://www.bk1.jp/contents/booklist/0807_comic

を見てid:teatreeさんが書かれた記事に触発されました。私も!も!

 「複数巻に渡ったシリーズものでない」「新書・文庫サイズでない」「上記2サイトで上げられていない」「絶版も含む」という縛りの上で以下のものになりました。自分の趣味全開です。

 ウィングスコミックスは、単巻でいいの多いよな。うん。

「夜の童話」(紺野キタ・ポプラ社コミックス) 

夜の童話 (POPLARコミックス)

 同人誌掲載作を集めた作品集。紺野キタさんの世界が詰まっている一冊です。優しさだけではない、哀しさ、辛さ、それを上回るあたたかいもの。一生の宝物です。

「さよならわたしのねこ」

「いままでありがとう わたしはゆくね」

「夜の童話」(紺野キタ・ポプラ社コミックス)p148より


「美しいこと」(橋本みつる新書館ウィングスコミックス) 

美しいこと (ウィングス・コミックス)

 ふつうのフリをしているけれど、「ほんとうにうつくしいもの」が見たくてしかたがない少女、みなこは、超能力少年という噂の夜居くんに「うつくしいもの」をみせてほしいとお願いした。夜居くんは、ある「犯罪まがい」のことでそれを確かにみせてくれたが……。橋本みつるは、デビューの頃から変わらない青春の辛さと苦さと青さと絶望感といさぎよさと快感をいまだに持っている。青春、と言うとちょっとさわやかすぎる気がするけれど、若い頃のまだ失っていないような時期の、嬉しい楽しいだけではない感情が、快楽もあるんだけどその両方が詰まっているような物語がどろどろっとではなく、さらっと描かれています。

何でこんなに 人と感じ方が違うのかな

って色んな人がそう思ってるのかな

「美しいこと」(橋本みつる新書館ウィングスコミックス)より

「Kissの事情」(海野つなみ・講談社コミックスAmie) 

Kissの事情 (講談社コミックスアミ)

 いろんな「Kiss」の事情を集めた連作シリーズ。「回転銀河(1) (KC KISS)」の基になったシリーズで、そちらにでてくる登場人物もいたりします。ことごとく上手い上に、少しつながっているのがまたそそる。恋愛ものというよりは、主人公がいろいろと考える話で、それぞれ、相手にも相手の事情があるということがちゃんと伺えるところが好きです。

恋は嬉しい

恋は哀しい

恋は楽しい

恋は淋しい

恋は優しい

恋は切ない

恋は 痛い

「Kissの事情」(海野つなみ・講談社コミックスAmie)p166-167より

「あの子の腕は虹の続き」(鈴木有布子新書館ウィングスコミックス) 

あの子の腕は虹の続き (ウィングス・コミックス)

 シンガーを目指す「うたのおねえさん」が、とてつもなく才能のある男性と知り合って……というと、ベタな恋愛ものっぽいが、ぜんぜんそんなことはなくて(笑)、すごくいい味のある話です。この番組見たい!

「鎖衣カドルト」(吟鳥子新書館ウィングスコミックス) 

鎖衣カドルト (ウィングス・コミックス)

 異文化の間の埋められないギャップの話。けして「楽しい」といえる作品ではないけれど、ぐさっと残していってくれました。

「墨戯王べいふつ」(佐々木泉・小学館ビッグコミックス) 

墨戯王べいふつ

 昔の中国の実在の人物、墨書家で書画狂いのべいふつの話。青年マンガなのに絵が汚くなくて、でもひげおやじがごろごろしてるところとか、コメディが上手い感じにできていてよかったです。アフタヌーンとか好きな人におすすめです。

「嵐が原」(那州雪絵白泉社ジェッツコミックス) 

嵐が原 (ジェッツコミックス)

 那州雪絵さんは、短編で「喪失感」について書かれることがたまにあり、この「嵐が原」もその作品群のうちに入ります。なくしてしまうこと、そしてなくしてしまうことに伴う痛み、その痛みをひきずりながら歩いていくこと。そんな痛みに身に覚えがあり、興味がある方なら、ご一読ください。

「だって… あたし… あの子を止めたくなかったんだもの…!」

「嵐が原」(那州雪絵白泉社ジェッツコミックス)p68より

「LUNAR ヴェーン飛空船物語」(船戸明里・原作佐藤肇・角川書店あすかコミックスDX) 

Lunar―ヴェーン飛空船物語 (Asuka comics DX)

 「LUNAR」というゲームの世界観の中で描かれた物語(話は船戸明里さんが考えている)ですが、ゲームをやっていなくても楽しめます。絶望感とほんとのすこしだけの救いが、白黒の美しい絵で描かれている、凄い作品だと思います。

毎晩眠る前に耳をそばだてた 壁1枚隔てた向こう側の

咳ひとつ ペンのきしみ 紙のこすれる音

「LUNAR ヴェーン飛空船物語」(船戸明里・原作佐藤肇・角川書店あすかコミックスDX)p139より

後記・高さんが宵の徒然で同じ企画で記事を書いてくれました。

[] 読了本

  • 伯爵と妖精―運命の赤い糸を信じますか? (コバルト文庫)」短編集。レイヴン!レイヴン!ということで、自分的にはレイヴン祭り。というかレイヴンのニコへのラブ祭り。あんた可愛すぎやで……。レイヴンはほんとに変わったねえ……。書き下ろしの中篇はなかなか読み応えがあった。リディアがすっかりらぶらぶモード突入ですなあ。

[] となりのウチナーンチュ

 なんか「となりのウチナーンチュ」で検索してくる人が多いなぁと思ったら、今年の青少年読書感想文全国コンクール・中学の部の課題図書に選ばれているらしい。うわー……まさか、早見裕司さんがそんな、学校で薦められる作者になるとは……いや、やばいものばかり書いているというわけではないですが(笑)。私が早見裕司さんを読み始めたのは、高校生のときなので、懐かしいです。読んだ方には、「となりのウチナーンチュ」にもちらっと登場した季里ちゃんが主役の「ずっと、そこにいるよ。」もおすすめです。

teatreeteatree 2008/08/04 10:22 こんにちはー。やっぱり人様のオススメを見るのは楽しいですな。そうくるかぁ!とか(笑)。橋本みつる読んだことないんですよ。新刊も出たことだしチャレンジしてみますね。

psycheNpsycheN 2008/08/04 10:44 こんにちはー。これがこの人の世界かー、と眺めるのは面白いですね。(^^)
今回は、単巻とか制限かかってるから、その中で、というのがまた面白い。
橋本みつるは、白泉社・青春好きならおすすめです。新刊はちょっと絵がとっつきにくいんだけど、古本はもう絶版だらけなので……。ウィングスでは新刊の方がよかったです!