読了本
- 「多情剣客無情剣〈上〉 (海外シリーズ)」「小李飛刀」という異名を持つ李尋歓が、親友を得たり、旧友の家を訪れて盗人と疑われたりする。一週間以上かけて、やっと上巻が読めた。古龍なのに(笑)、文学的な語り口だったり、ごくごくまっとうに戦ったりするシーンがあって驚いた。代表作と言われるのもわかる。けど、私にはあまり面白くはないなー。あはは。そういうのは、他で読めるからいいや、と思ってしまいます。あーこーいうの、ハードボイルドっていうんだ。だから好きじゃないんだなー。
「ものにしたければ、心を掴め。じわじわとやるんだぞ」
「多情剣客無情剣〈上〉 (海外シリーズ)」(古龍・岡崎由美訳・角川書店)p397より
- 「新・特捜司法官S‐A〈7〉―ジョーカー外伝 (新書館ウィングス文庫)」未来の日本州では、特捜司法官というおおっぴらに裁けない犯罪をとりしまるアンドロイドがいた。ドラマでその特捜司法官役をしている秋津が主人公。地球では、ネオヒューマンと呼ばれる新しい人類がでてきた。彼らはフィギュア人形のような美しい容姿とともに、感情よりは理性を優先させる、「人間」から見ると理解しがたい性質を持っていた。ネオヒューマンと人間の対立が悪化、暴行を受けることも起きてきた。自分がやや情に薄い性質を持っているので、最後のショートは読んでいてうわっと思った。今回は、その外見よりも内面での対立、理解しあえないのか、ということが描かれています。ちなみに、マンガ版で似たような設定のがありますが、この作者はそちらの原作者。マンガとは同じ世界観で、登場人物がほぼかぶっていません。
- 「人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)」続けて人間衰退もの(笑)。人間が衰退して、きまぐれだけどすごい技術力を持つ「妖精さん」が「人類」になった世界。人間は、ただゆっくりと滅びていく自分たちの文明を見つめていく……なんてうつくしい話ではなく(笑)、「妖精さん」にちょこっと好かれている女の子が、ちょっとフツーじゃない日常を送る話、かな?今回はシュールな感じでした。一巻が私は一番好きです。のほほんでもない、奇妙というほどでもない、独特な感じが楽しめます。ライトノベルっぽくないので、夢見ない(笑)ファンタジー好きとかにいいかも。
「ネガティブ絵本禁止」
「人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)」(田中ロミオ・小学館ガガガ文庫)p76より
- 「本屋の森のあかり(1) (KC KISS)」「本屋の森のあかり(2) (KC KISS)」うさぎ屋さんが4巻よかった!と書いていたので、かってみた。うーん……これは、続き買うか迷うなー。なんかこう、ひっかかったり、ぐっとくるところがなんでかないんですよね。ポイントが薄いというか……メガネ男子を売りにしようとするのもせこいと思う。一人メガネじゃないのに。意地悪同期が、一番人間らしいなーと思った。
一巻で不満だったのは、自分では面白くはなかった、という本を売るために他の本を返品した、というところで副店長が「本はただの紙の塊ではないんですよ」と言ったところ。言ってることは正しいけど、この場面で言うか?と思った。自分が好きな本だけ売ってたら、売れない人はどうすればいいのさ!私さ!売れなければ本屋がつぶれるんだよ。いい本を売ることは大事だけど、同時に商品として売れなければ意味がないと思うんだけど。
- 「マーベラス・ツインズ契 (4)貴公子の涙 (GAMECITY文庫)」昔の中国の江湖を舞台としたちょっと伝奇が入った小説です。移花宮へ一人向かった鉄心蘭。しかし、そこに目当ての人はなく、花無缺が彼女を助けてくれた。二人はある屋敷へ忍び込むが、そこで二人にそれぞれに危機が迫る!鉄心蘭、貞操の危機なのです。おいおい、またその展開?と思ってどきどきした。そして、私が真のヒロインとして期待する(笑)蘇桜の登場!いやー、うまく人をだまくらかすところは、小魚児をほうふつとさせました。もう小魚児はあなたのモノでいいです!差し上げます!
……しかし、何よりがっくりしたのは、このシリーズ、続きは携帯サイトでやるとのこと。うわー……サイアク。後で本にまとめてくれないんだろうなあ、きっと(予想)……。そのお知らせで、面白さが50%減。せっかく面白くなってきたのにぃ。
「《移花接玉》の技を使うためには、第一段階として、倒立して手を足としなければならない。両足を開いて頭をそらせ、息を殺して気を鎮める」
小魚児「マーベラス・ツインズ契 (4)貴公子の涙 (GAMECITY文庫)」(古龍・川合章子訳・KOEI GAMECITY文庫)p261より
- 「警士の剣(新装版 新しい太陽の書3) (ハヤカワ文庫SF)」滅び行く世界をさまようセヴェリアンの紀行っぽい話になってきた。道行きが全員救われないような気がしてきた(笑)。ラストはどうなるのかなあ。