univ

  • 前ふり

予告したとおりunivの話。
この作品は2部構成で
大学1、2年にあたる前編「univ〜恋・はじまるよっ〜」と
大学3、4年にあたる後編「univ〜愛・おまたせっ〜」に分かれています。
前編の発売日は2001年05月25日、後編の発売日は2002年05月31日と、DCが発売される直前、曲芸商法に業界が毒される寸前のちょいと昔のゲームです。何故今そんなゲームの話をするのかと問われても困りますが、この不遇な作品の名前を覚えている方が懐古気分になれば嬉しいなという感じで、この文章をでっち上げてみました。

  • 初めに…ゲームの感想

 舞台はとある大学を中心とした学園都市。その大学はIT関連のインフラ整備の権威を招き、IT技術トップランナーとなり、また教育においても全国有数となった。同時に学園都市もまた進化するIT技術に基づいた情報都市に生まれ変わろうとしていた。
 その大学に入学した主人公は勉強、バイトと学生生活を送りつつ、同級生、留学生、下宿の子たちと仲良くなっていく。しかし順風だった彼の生活は学年を重ねるうちに、都市が変わっていく裏で起きていること、過去に起きたことを知るようになっていく――


 という内容。
 このゲームの基本はナンパ物で、同級生や留学生、下級生に対して会う度にプレゼントを贈り、好きそうな話題を出し、週末のデートに誘う必要があります。そのためのシステムが実にいい味を出していて、買い物や他の人物との会話から話題やプレゼントを揃え、町をぶらついていて目当ての少女と見つけたら、装備して提出します。同時に大学生活において、学習、睡眠、バイト、食事、掃除、遊びに費やす時間を配分することもあいまって、擬似大学生活体SLGと言うべき代物になっています。会社が解散して開発が変則的になったせいで意図したものでないにしろ、前後編でのシステムの変更が妙ちくりんなリアルを生んでいました。前編だと単位制のため勉強の必要量が提示されるのですが、後編だと専門に入るため勉強の必要量は明示されません。私はそういうもんだよなと納得してしまいましたが、どうでしょうか。
 また、キャラクタの作りにもぎりぎりの所で創造物としてのあざとさがないため、会話を重ねて、徐々に対応が円滑になると、擬似的な人間関係を築き上げているとしても上々の手応えがありました。
 後編になると恋人同士になると、デートのたびに性交渉が出来るのですが、本当に交渉という言葉がぴったりのシステムでした。一方的に気持ち良くはなれず、というか主人公が能動的に快感にひたれる行動は殆どありません。雰囲気を作って、盛り上げつつ、勝手なことはしないという男の義務を果たすことを強制されます。少しでも失敗したり、早漏すると余裕で好感度がダウンしたり、罵られます。身体が慣れてくると、要求が高くなるのも泣けます。ただこの性交渉システムは笑いも兼ねていて、最終的にHポイントがMAXまで溜まると、デート後に「ここでやらせろ」という選択枝が実行可能となり、

 主人公「あっちに行こうぜ」

 という台詞の後、場所を変えずにヒロイン共々のりのりでおっぱじめます。あっちってどこよ、背景真昼間の路上なんですが、と吹っ飛ぶ事と請け合いです。世界観がどうこういうレベルではない衝撃でした。ここら辺に関しては次回より細かく話します。

 
 でまあ、シナリオの話に戻ると、「研究に基づいた計画による成長途上の都市」というどう処理しても使えそうな魅力的な設定が画面上でも、シナリオ上でもさっぱり映えないのがカクテルクオリティでした。キャラクタ個別シナリオに関しても薄いか、尻すぼみかというF&Cクオリティ!
 しかし目的と設定に合わせたシステム・キャラクタが構築されていたのは賞賛に値します。その先にある可能性を思うと、尚更このゲームの精神を継ぐものが出てきていないのが惜しい(一番近いのがKissのカスタムシリーズでしょう)。

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