カガクノオト 感想

 ふと手にした作品が傑作であったほど以上の衝動買いの楽しみは知りません。
 私にとってこの作品がそうなりました。偶々ショップで見て、まず絵の色彩豊かなイメージ目を惹かれ、次いで大好物の架空科学ネタっぽい単語に心を惹かれたため、買ってみたのですが、久しぶりの大当たりでした。

 
 内容物は以下と作者HPにあります。

「カガクノオト」はイラスト本に設定+科学(量子力学)+ゲーム+制作ムービー+小説+ポスターの複合コンテンツ同人誌です。満漢全席!


 イラスト系は書き込みの量が半端なく多いことで色彩と世界の存在感が増しているように感じ、また癒される専門科学というような妙な雰囲気が出ていて、最高に女の子も可愛いですし、塗りも合っていて文句なし。
 繰り返しますが、超最高です。
 

 設定に関してはもう読むしかないだろうという独自のネタであり、小説は切れ味のよいSF小品でした。


 ここまででメロメロになったのですが、今までの設定・絵で成り立ったADVでノックダウンされました。
 枠組みは国立魔法科学大学校を舞台にし、天才少女と凡庸な青年が学園で起きた謎を追うという極めてありきたりです。しかし詰め込まれたアイディアの密度と堅牢なロジックと洒脱なユーモアは群を抜いており、美しい科学に触れたに近しい感動を覚えました。
 静謐でダイナミックな物理的蓋然性に富んだラストも素晴らしいものでした。


 そして最後に嬉しい文字列を読むことが出来ます。

 第一話  終わり

 どれだけ時間が空こうと、続きが書かれることを切に願っています。
 完結した時に改めて傑作だと言えるでしょうから。
 MSMも単行本化するのを待っています!


 以上。ああ、この作品に触れた衝撃を表す言葉が足りずもどかしい!! 大ファンになりました。

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 OHP-JH科学