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ここにいないのは RSSフィード

2016-09-10

[]銀色、遥か 雑感

 中学編から学園編を経て職業編で終わるというのがすべてのルートの流れ。前作「星織ユメミライ」でも見せた『長期間にわたる等身大の恋愛を綴る』というコンセプトを踏襲しています。

 コンセプトがきっちりしており、外れることがなかったため、全体の印象としては前作の感想とほぼ変わりません→星織ユメミライ 雑感 - ここにいないのは

 真っ当で陽性のストーリー・キャラクタ、長い期間を描くことで描き出せる関係性の密度の変化、突飛さがなく生きている感じがする好感度の高いヒロイン、非現実的な判断をしない折り目正しい主人公etc。長所を損なうことなく、評判の良かった前作を引き継いだものとしては成功だったんじゃないかなと思います。


 ただ当然全く同じという訳ではありません。大きな変更点が主人公の造形にありました。

 前作において主人公は『建築家を目指』していることは前提であり、どのルートにおいても職業編では建築家になっていきます。夢や理想がはっきりしていて努力する思春期および、建築家という立脚で各ヒロインの夢や目標と向き合っていました。今作の主人公は最初は自分の夢や目標を持ち合わせていません。まあそもそも中学生がスタートだとすると『どう生きていくか』が明確になっているのは多数じゃないよねというのは確かではあり、将来どうしようか――と悩むのもまた思春期の在り方でしょう。

 そして若々しい時の半生を描かんとした本作において、最初に夢へと邁進していくのはヒロインになっています。

 ――絵で生きていきたい。

 ――女の子の味方になりたい。

 ――演劇の世界で生きていきたい。

 ――フィギュアスケーターでトップに立ちたい。

 ――パティシエになりたい。

 煌めくような彼女たちの夢々。彼女らと恋に落ちた主人公はその夢に引っ張られるように自分がどう生きていくかを選んでいきます。ヒロインを選ぶことによって未来が変わる度合いが大きくなり、別の人生を生きる不思議な感動や、人生が成功することでの選択の正しさを確認する喜びが大きくなったと思います。

 例えばそう。

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 選んで努力さえすれば、海外の大学を卒業だってできるのです。

 結局は彼らの人生の物語なのですが、その彼らの人生の物語に選択と言う形で関わりながら、幸せに暮らしました――おしまいおしまいというお伽噺を観ていくのはある種幸せな追体験でした。

 

 個別シナリオで好みだったのはベスリーと瑞羽。特にベスリールートは出色の出来で、外国人のヒロイン物としては極めて優秀かと。カナダでの大学生活が何となくそれっぽい雰囲気が出てるのがとりわけ素晴らしかったです。


 エロシーンは悪くはないものの在る一点でひっかかりました。身体を重ねる前までは恐る恐るで、一度重ねてしまえば若さに溢れてオサルさんのようにやりまくるという在り方は正義で、そこは大変グッド。あと、

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 みたいな性行為に至る前の機微は時間経過を重要視した本作の特徴でもあるでしょう。大変良いかと。

 ただ、何というか個人的に十代における性行為の経験がないから何とも言えませんが、十代の性行為ってあんなんなに卑語を重要視するのかな?というのは気になりました。性器の名前を呼ばせるのとか十台で嬉しいのかねえ。経験者は教えてくだされ。

 

 瑕疵はありますが作品のクオリティコントロールはお見事かと。前作もそうですが細部をおろそかにせず丁寧に作り上げたエロゲとしてのパッケージングは作品の評価を一段階上に上げますね。

 丁寧な作りの成果としてことさらに褒め称えたいのはEDムービーです。各ヒロイン毎の雰囲気に合わせるのは当然として、展開されるネタが本当にセンスあります。ベスリーと雛多ルートのEDムービーは一見の価値がおおいにあります。

 LINEネタも健在でした。

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 ……爆発すればよいと思うんだ。


 以上。良い出来でした。


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銀色、遥か
銀色、遥か
posted with amazlet at 16.09.10
tonework's (2016-08-26)

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