佐藤景一の「もてない音楽」 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter


2013-11-06 サロネンのヴァイオリン協奏曲

[]ニューヨークフィルサロネン ニューヨークフィルとサロネンを含むブックマーク


初のニューヨーク


【今回のコンサート

「Salonen, Sibelius, and Ravel

日時:2013年11月1日11

会場:エイヴリー・フィッシャー・ホール Avery Fisher Hall(NYC


ミュージシャン

管弦楽ニューヨークフィルハーモニック

ヴァイオリン:リーラ・ジョセフォウィッツLeila Josefowicz

指揮:エサ=ペッカサロネンEsa-Pekka Salonen


【曲目】

組曲マ・メール・ロワラヴェル

ヴァイオリン協奏曲サロネン

交響曲五番(シベリウス


ニューヨークに遊びに行ったので、リンカーンセンターニューヨークフィル聴いてきました。


サロネン自作ヴァイオリン協奏曲演奏しました。

これがすごく面白かった。


超高速でヴァイオリン重音を弾き続けるタフな曲。

独奏のジョセフォヴィッツの技巧に感動。


オーケストラドラムセットまで引き連れて大音響カタルシス

バルトークっぽいけど、それより、ジプシー音楽ジャズ連想させる感じ。


会場はおばあちゃんばっかりだったけど、こういうのは若い人に聴いてほしいなあ。


作曲家自作自演以外でも、聴く価値があると思いました。

日本でもやってほしいなあ。


こういう曲です。


D


さて、そのほかはラヴェルの「マ・メール・ロワ」。

プログラムに「マザーグース組曲」って書いてあったから「はて?」と思ったんですが、英語だとそういうことですね。


アンサンブルがすばらしいのはもちろんですが、ここではコンサートマスターGlenn Dicterowの美音に感動しました。


で、最後シベリウスの五番。


演奏はすばらしかったです。

弦の響きの美しさ、管の響きの鮮やかさ。どれをとっても最高性能のオーケストラという感じです。


プログラムを見たら、弦のメンバーは韓国系中国系が多数ですね。

世界中から優秀な奏者を集めている感があります。


サロネンの指揮ぶりはさすがで、終楽章最後のところ、ちょっと不思議なタメを作ってジャン!と終わりました。


いやあすごかった。


しかし、ぼくは改めて、シベリウスは苦手だなと思った次第です。

ふと気がついたんですが、ぼくの苦手なブルックナーシベリウスって似てるなと。


メロディが少なめ

・繰り返しが多い


ブルックナー交響曲でおなじみの、このふたつの特徴、とくにシベリウスの五番にはあてはまるんじゃないでしょうか。


シベリウスブルックナーも、いつのまにか「あっ終わってる」って感じなんですよね。


それを再確認したコンサートでした。

演奏はすごくよかったですよ。


エイヴリー・フィッシャー・ホール音響が悪いなんて話も聞きますが、そんなことはなくて、立派なホールでした。


プログラムを見たら寄付がどっさりで、運営も楽だろうなと思いました。

ニューヨークにはオケが少ないという理由もあるんでしょうが


そして今後のコンサートカレンダーを見たら、ニールセンシンフォニーだけのコンサートとか、ニコライ・チェレプニンの曲とか、日本では考えられないような面白そうな演奏会が目白押しでうらやましくなりました。


チケット日本オーケストラと同じくらいだし、ニューヨークに住んでたら毎週通いたいって思いましたよ。


まあしかし、ぼくは東京に住んでるんで、東京オーケストラを応援していきたいですね。


ともあれ面白い体験でした。

2013-10-27 セシル・テイラー来日記念

[]セシル・テイラーがやってくる セシル・テイラーがやってくるを含むブックマーク


2013年11月17日


いやー、びっくりしました。

セシル・テイラーが来日ですよ。

先日、京都賞を受賞したんですね。


チケット買いました。11月17日草月ホールです。


楽しみです。

で、予習でこんなの見つけて聴いてます


D


1969年パリライブ

ジミー・ライオンズアルトサックスに、サム・リヴァースのテナー


サム・リヴァースのテナーはじつにアホっぽい


しかし、演奏自体はすばらしい。

若くて元気なセシル・テイラーピアノからほとばしるエネルギー


アンドリュー・シリルのドラムスもすごいね。


まあ、初めて聴く人にはなんじゃこりゃ、でしょうけど。


ライブの当日を楽しみに待ってます

なにしろ、昨年の来日公演は中止になりましたからね。

泣きましたわ。


今度こそ、84歳の天才ジャズピアニスト演奏を生で聴きたいですわ。


もちろん、こんなん聴いてても女の子にはもてません。

2012-11-17 菊地雅章のユニークなピアノに感動する

[]菊地雅章を初めてまとめて聴く 菊地雅章を初めてまとめて聴くを含むブックマーク


ユニーク日本ジャズピアニスト


菊地雅章名前はもちろんずっと知ってるんですが、そういえばなぜか聴く機会がなかった。


今回Youtubeでまとめていろいろ聴いて、すっかり好きになってしまいました。

なんでいままで聴かなかったんだろう?


いちばんカッコイイのがこれでした。


Kikuchi Masabumi: SUSTO (1981)

D


これはすごい。


ジャズとかフュージョンとか、ジャンルを超越してる。

こんな音楽はほかに聴いたことない。


いろんなミュージシャンが入ってるけど、それぞれの個性希薄で、ひとつサウンドしかないように聞こえる。


あえていうなら、70年代マイルスバンドに似てる。

On The Corner」とか。


しかし、ここにしかないユニーク音楽です。

ポップ音楽のような顔をしてるけど、これはほとんど現代音楽じゃないの?


このアルバム一枚だけで、菊地雅章は忘れられないミュージシャンと呼ばれるでしょう。


さて、この人、60年代は、こういうピアニストだったんですね。

前も紹介したんですが、これ。


Hino Terumasa and Kikuchi Masabumi: Hino - Kikuchi Quitet(1968)

D


カッコイイ。1965-67年のマイルスバンドのようなサウンド。

菊地雅章ピアノハービー・ハンコックぽいんだけど、ちょっと違うよね。

ハンコックよりストイックで、より神秘的。


これが、1970年にはこうなる。


Kikuchi Masabumi: In Concert (1970)

D


A面はほとんど、マイルスの「In A Silent Way」だよね。

峰厚介サックスがカッコイイ。

もちろん菊地雅章のエレピもすばらしい。


B面の妖艶な雰囲気もカッコイイ。

このアルバムは必聴ですよ。


で、こちらは78年のアルバム


Kikuchi Masabumi: But Not For Me(1978)

D


「SUSTO」ほどではないけど、これも不可思議なサウンド。

BGMのように聴けるんだけど、じっくり聴くと深い。


うーん、すごいな。


60年代渡辺貞夫バンドにいたときは、こういうプレイをしてたんですね。


Watanabe Sadao: Fly Me To The Moon(1967)

D


さらにさかのぼると、こんなアルバムに参加してたんですね。


Charlie Mariano: Stone Garden of Ryoan Temple竜安寺の石庭(1963)

D


これかっこいいなぁ。

日本風ジャズチャーリー・マリアーノは、日本音階を一種の旋法として使ってるよね。


この曲は菊地雅章の作品で、後に山本邦山と吹き込んでますよね。


Yamamoto Hozan and Kikuchi Masabumi: Stone Garden of Ryoan Temple竜安寺の石庭(1970)

D


こっちのほうがカッコイイよね。尺八ジャズ

菊地雅章ピアノもいいし、ゲイリー・ピーコックベースもすばらしい。


菊地雅章ピーコックは、こんなのも吹き込んでる。


Gary Peacock: Hollows(1971)

D


うーんたまらん。


そして、菊地雅章2012年の録音がこれ。


Kikuchi Masabumi: Ballad I(2012)

D


枯淡の境地ですね。

もっとも、菊地雅章ピアノは、もともと饒舌ではなくて、ストイックで切り詰めた音なので、それが行き着くところまで行ったのだとも解釈できます


うーん、つくづくすごいピアニストだ。


彼のプレイ日本っぽいと思うんですよ。

欧州ピアニストに近いのかも知れないけど、やっぱりいかほどか違う。


日本らしさを感じさせて、それでもって世界ジャズファンに愛される菊地雅章。こういうピアニストがいてくれることに感謝したいと思います

ぜひぜひ、聴いてみてください。


ただ、こんなん聴いててももてないのかも。

2012-11-11 1970年代日本のジャズを聴く(その3)

[]やっぱり70年代日本ジャズを聴いてる(3) やっぱり70年代の日本ジャズを聴いてる(3)を含むブックマーク


日本ジャズは宝の山


ひきつづき1970年代日本ジャズを聴いてます


まずはこれ。

ピアニスト鈴木宏昌1978年アルバム

Suzuki Hiromasa Trio :PRIMROSE (1978)


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たいへんスタイリッシュピアノです。

ぼくはジョン・テイラーとか思い出しちゃった。


この人、佐藤允彦大野雄二と同じ時期の慶應義塾出身なんですね。

しかも海のトリトン主題歌作曲家


これまで演奏を聴いたことがなかったのが恥ずかしい。


このアルバムオリジナル曲ばかりかな?

どの演奏もいい。井野信義のベースもいい。


しかし、スティーブ・ジャクソンドラムスうるさいデリカシーがない。

まことに惜しい。


しかし聴く価値のあることは保証ます


さて、つづいてこちら。

ベーシスト鈴木の74年のアルバム


Suzuki Isao Quartet: Blow Up (1974)

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どの曲もまことにカッコイイのですが、タイトル曲の「Blow Up」がいい。

烈しいジャズロックで、ベーステーマを取る。


この生々しいサウンド。

Three Blind Miceレーベルの録音はどれもいいなと思ってたんですが、それが確信に変わりました。

ベースが目立ちながらも出しゃばらない。

こういう録音はなかなかできるもんじゃないと思うのです。


このレーベルはいいですね。

ぼくはジャズ聴いて20年ですけど、これまでそれを知らなかったという事実に愕然とします


さて、続いてこちら。これもTBMレーベル

アルトサックス奏者大友義雄アルバム


Otomo Yoshio Quartet: Moon Ray (1977)

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普通ジャズなんですけど、いい音色フレーズですよね。

ベース川端民生、ピアノ山本剛。

じつにしっかりしてて、これぞジャズという感じのサウンドです。

スタンダードのIf I should youがすばらしい。


そしてベーシスト宮本直介の74年のアルバム


Miyamoto Naosuke Sextet: STEP!(1974)


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6人編成のバンドで、アレンジも凝ってて、ビッグバンドのようなサウンド。

個人的にはあまり好きなタイプではないけど、この熱っぽさには心打たれる。


サックストランペットもいいけど、やっぱりリーダーベースがいい。

こういうベースは好きなんですよ。


心を静めたいときには合わないけど、ガッツが欲しいときはいいよね。

これもTBM。なんてすごいレーベルなんでしょう!


で、最後はまた渡辺貞夫


Watanabe Sadao: Open Road (1973)


D


これはライブ録音の2枚組。


かなり凝ったアレンジとサウンドで、ジャズロックボサノバが混在してる。

共演者も豪華。(渡辺文雄ドラムス鈴木良雄ベースがいい)


しかし、なにより聴くべきは渡辺貞夫サックスアルトとソプラニーノを吹いてる。


とくに終盤の怒濤ソロがすごい。

ほんとうにすごい。開いた口がふさがらない

ナベサダのすごさは知ってるつもりでいたけど、なにも知らなかったのだと痛感しました。


これを聴かないのはあまりにもったいので今すぐ聴いてください。


1970年代日本ジャズはほんとうに豊かですね。

宝の山の探求をもう少し続けます


ただ、こんな音楽を聴いてても女の子にはもてないけどね!

2012-10-28 1960〜70年代日本のジャズを聴く

[]1960〜70年代日本ジャズにしびれる(2) 1960〜70年代の日本のジャズにしびれる(2)を含むブックマーク


日本ジャズはやっぱりすごかった


前回につづいて日本ジャズをご紹介します。

Youtubeは宝の山ですね。

今回は60年代のやつも入れます。


まずはこれ。

松本浩・市川秀男カルテット MEGALOPOLISメガロポリス


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1969年アルバムヴィブラフォン松本浩と、ピアノ市川秀夫(Early Summerの作曲家!)。

1曲目はちょっと古くさいかな、と思ったら、2曲目でエレキチェンバロ(??これなんて楽器ですかね?)が出てきてしびれる。

おおカッコイイ。


ヴィブラフォンピアノも実に洗練された演奏

アレンジも凝ってておみごと。


つづいて、これ。

日野皓正菊地雅章1968年の録音。

日野・菊地クインテット Hino-Kikuchi Quintet」


D


これはかっこいいよね。ほとんど60年代後半のマイルスバンドのサウンドだよね。菊地雅章ピアノユニークさが際立ってる。

この人はいったいどうやってこんなスタイルを身につけたんだろう??


さて、これ。

1975年渡辺貞夫モントルージャズフェスに出たときライブ盤。

渡辺貞夫 Swiss Air


D


す…すごい。

言葉を失う圧倒的な演奏

なんというスピード感。まさに音の奔流。

ジャズとはこういう音楽のことです。


かつてナベサダはこんなにすごいサックス奏者だったのですね。


で、さいごにこれ。

マル・ウォルドロン1972年東京で吹き込んだアルバム

トランペット日野皓正ドラムス日野元彦ベース鈴木勲。

マル・ウォルドロン/日野皓正 Reminiscent Suite」


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すばらしい…。

マル・ウォルドロンが吹き込んだ録音の中でもトップクラスに属するんじゃないでしょうか。

日野皓正日野元彦もいいけど、鈴木勲のベースがいい。


彼は日本ミュージシャンといっぱい共演したけど、彼の音楽を受け止められる力量を持ったミュージシャンがこの国にたくさんいたからでしょう。


ほんとうに日本ジャズはすばらしい。

日本の人には、北欧ジャズとか南米ジャズとかより、まずこういうのを聴いてほしいと思いますよ。


自分の足下にあるものが見えない人は、けつまづくに違いないよ!


ただ、こんな音楽聴いてても女の子にはぜったいにもてないけどね。

2012-10-23 70年代日本ジャズの底力

[]1970年代日本ジャズはこんなにすごかった。 1970年代日本のジャズはこんなにすごかった。を含むブックマーク


日本ジャズは昔からすごかった


少し前に福居良の「Scenery」を聴いて以来、70年代日本ジャズYoutubeで探しては聴きまくっています。


このへんの音源を熱心にポストしている方がいて、ずいぶんお世話になりました。

そして、70年代日本人ジャズ充実ぶりに驚倒しました。


正直、ここまですごいとは思っていませんでした。

ぼくがこれまで聴いていたのはごくごく一部だったのですね。

不明を恥じるのみです。


日本ジャズはこのころから、すでにユニークで洗練された独自のスタイルを築いていたのですね。

ほんとうにうれしくなりました。


少しでも多くの人に、そのすばらしさを伝えたいと思います。


まずはこれ。


今田勝「Green Caterpillar」(1975)

D


ピアニストリーダーによるクールジャズロックだね。

ギターがかっこいいと思ったら、若き渡辺香津美だった。

このバンドのノリはすばらしい。


つぎにこちら。

鈴木勲「オランウータン」(1975)

D


ジャズメッセンジャーにも一時参加していたベーシスト鈴木勲のアルバム

これもそうとういい。まさに70年代ジャズロック

なんて洗練されたサウンドでしょう。


そしてこちら。


福村博「福村博クインテット」(1973)

D


福村博はトロンボーン奏者で、このアルバム向井滋春との共作。

トロンボーン2本クインテットという野心的な編成。

前のめりでバイタリティあふれるサウンドがたいへんすばらしい。


さいごにこれ。

峰厚介「ダグリ」(1973)

D


若きテナーサックス奏者峰厚介と若きピアニスト板橋文夫エネルギーをほとばしらせる傑作!!


いやもうたまらない。


Youtubeコメントを見たら、英語で「すばらしい!」ってたくさん書いてある。

要するに、みんな知らなかっただけなんだな。


昔はネットがなかったから日本ジャズがいかにすばらしいか、外国にはほとんど伝わらなかったんでしょう。


それがようやく伝わるようになってきたのです。

いいことじゃないですか。


でも、まず日本人が、こういう過去の先人の音源を聴くべきでしょう。

日本人ジャズバカにしないで聴いてみてください。

日本人にしかできないジャズユニークなかたちが、はっきりと見えるはずです。


今回紹介した音源は、どれもすばらしいものです。

ただ、こんなの聴いてても、女の子にはたぶんもてないけどね。

2012-09-30

putchees2012-09-30

[]三上寛の「BANG!」を聴け 三上寛の「BANG!」を聴けを含むブックマーク

今回のアルバム


三上寛BANG!」(1974)


トラック

1.このレコードを私に下さい

2.逢えてよかった

3.華麗なる絶望

4.Bang!

5.密猟の夜

6.なんてひどい唄なんだ

7.赤い馬

8.最後最後最後サンバ


紹介を忘れてたアルバム


台風の夜に、ふと三上寛の「BANG!」を聴きたくなったので聴き直して見ましたが、たちまち引き込まれてしまいました。


以前紹介しようと思って、そのままになってたんですが、このアルバムはいい。


三上寛というと、どろどろの土着的な歌というイメージですが、このアルバムはすっきり聴きやすい。


もちろん、陰々滅々とした歌もあるんですが、わりとそういう色は薄め。


代わりに音楽が充実している。


なぜなら、山下洋輔トリオ山下洋輔坂田明)が参加してるから

山下洋輔のアレンジの才能が遺憾なく発揮されております


とくに「3.華麗なる絶望」と「7.赤い馬」がすばらしい。


D


すばらしい。三上寛の歌とは思えない(?)!


「華麗なる絶望」では、山下洋輔エレキチェンバロ?でブルージーな演奏をしています

(残念ながらそっちの動画は見つからなかったです)


ついでに、この曲では坂田明サックスを吹いてます


D


まあ、それはともかく、トラック3と7だけでも聴いていただきたい。

三上寛ちょっと…という人にも楽しんでいただけるはずです。

もちろん、佐伯俊男ジャケットイラストもすばらしい。


しかし、言うまでもなく、こんな音楽を聴いてたら女の子にはぜったいにもてません