副題:調査報道の裏側
著者:清水 潔 出版社:新潮社(新潮新書) 2015年7月刊 \842(税込) 254P
調査報道の取材事例を通じて、「自分の目で見て、耳で聞き、頭で考える」ことの大切さ、真相に迫るプロセスを教えてくれる内容である。
悪いことをするやつは、かならず人をだまそうとする。
おめおめと騙されてたまるか。 かならず悪事をあばいてやる! という著者の叫びが全編にあふれている。
著者の清水潔氏は1958年東京都生まれのジャーナリスト。
写真週刊誌「FOCUS」のカメラマン、記者を経て、現在は日本テレビ報道局で記者・解説委員を務めている。
アナウンサーや政治部の記者のように画面に出てくる人ではないので、清水氏の名前をはじめて聞く人も多いかもしれないが、「桶川ストーカー殺人事件」や「足利事件」は覚えていることだろう。
清水氏は「桶川ストーカー殺人事件」で警察よりも先に犯人にたどり着き、さらに警察の怠慢捜査と隠蔽工作をあばいた。
また、「足利事件」では、無期懲役刑が確定した男性が無実である可能性を報じ、再審無罪の道を開いた。
清水氏は、社会を大きく動かしたこの2つの事件をはじめ、おかしいものはおかしい、と追求しつづける一匹狼の事件記者なのである。
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