アニメーションの利点

 最近ピーターパンが実写版映画として公開されている。まだ見ていないので、文句をつけるのは食わず嫌いみたいなもんでよくないのかもしれないが、ピーターパンはアニメでこそ生きるものだと思う。


 ピーターパンが空をぐるぐる飛んだり、空中でぐりぐり動いたり、妙なオーバーリアクションでウェンディーをからかったり、フック船長を相手に甲板上でこれまた奇抜な動きでサーベルを振ったりするのがよいのであって、実写では迫力ある動画にすることが難しくなる。


 やはりアクションシーンや、動きの激しいシーンでは、動画はアニメに後塵を拝す結果となる。見ていて迫力があったり、格好良い動画を作るという点では、アニメのほうが遙かに有利なのだ。


 アニメ(又は3DCG)では、現実では不可能な素早い動きや、トリッキーな動きが表現できる。一方実写はしょぼいので、アニメを見慣れていると、例えば映画の格闘シーンや、殺陣シーンなんかもすべてしょぼく見えてしまう。別にアニメ好きの主張、というわけではない。ただ単純に、動画の質において、アニメは実写を遙かにしのぐのだ。アニメをよく見ている人は、同じことを思っていると思う。


 最近では、そうだな、R.O.Dあたりの作画動画が素晴らしいと謳われているアニメのアクションシーンは、そこらの映画を遙かにしのぐ迫力があるように思う。
また、アニメというより、二次元のアドバンテージというのもある。三次元では矛盾が生じるものでも、平面上では表現できるカットも作れる。故に、ジョジョ立ちのような、実現不可能ではあるが、二次元では実現可能な格好良いポーズ、というものも二次元では表現可能である。アニメーションのアドバンテージを賞賛すれば賞賛するほど、ますますオタの主張っぽくなってくるので困るが、まあいいたいことは分かるだろう。


 まあそういうわけで、俺はアニメーションという手法は、映像作品を作成する上では最も優れた媒体であると期待している。だから、ピーターパンを実写でやる意味は特にないし、アニメに劣ることは明らか、せいぜいアニメを上回る利点と言えば、アニメ嫌い実写大好きな人間に気に入られると言うことくらいか。


つづく