貴重な異文化交流一題

 某企業で日本語指導したベトナム女子3名が遊びにきた。
 いずれも20代前半の子たちだが、半年前に研修が終わって別れたときよりも確実に垢抜けしていた。若い分だけ日本社会への適応力もすばやいようである。
 パッと見は日本人の若い女子と変わらないし、興味の対象も共通である。
 おおよそのベトナム人は、だいたい日本人より体幹がしっかりしているようで、背筋がのびて姿勢がいい。
 そんな連中といっしょに歩いていると、あの集団はいったい何だろう? と思われかねない。
 異様? とまで思われたくないが、若い女子を引き連れたくたびれ中年男は、けっして正義の味方には見えないだろうなぁ……。
 日本語をおしえていると、たくさんの外国人と知り合いになる。
 多くはアジアの人たちだが、地方で出会うのはほとんどが技能実習生であり、おおよそ20代〜30代の若者である。
 彼らは日本語がつたないあいだは、地域の日本語教室やそこの先生がコミュニティーセンターとなって、日本社会とつながる場合がある。もちろん、企業がそういう役目を果たすこともある。
 地域の日本語教室ではたらく日本人ボランティアは、ほとんどが中高年である。また、ホスピタリティマインドも求められるためか女性が多い。
 学校を除けば日本では、一般の中高年と若者が出会って何かをするという場は無きに等しい。
 異文化交流実践の場として、そういう外国人の若者たちと個人的な付き合いを持ち、交流を深める日本語教室ボランティアも少なくない。
 気持ちはわかるしそういうのも否定しないが、ふつうに考えれば世代間のへだたりは相手が外国人であろうが、そうかんたんには埋まらない。
 教室をはなれれば、個人的にははたらきかけない。帰国後こちらから積極的に連絡しない。つまり、深追いしない。ーーというところが僕のスタンスである。
 とはいえ、来る者まで拒む理由はないので、ときどきサプライズがあるのである。
 相手が女子なら多少照れくさいし、家人にはからかわれ汗も出るが、まあ許してほしい。(^_^;)
(photo:タムシバ袴腰山にて)