猛暑のちビール日和

 ぼくが勤めている日本語学校は今月いっぱい夏休みなので、毎日、ただ暑いあついといって朝からビールばかり飲んで過ごしていたかというと、そうでもない。
 朝から平気で酒を飲む人はたくさんいるが、ぼくはどうしても朝から飲む気になれない。断っておくが、それは道徳心からではない。
 理由のひとつは、朝ビールを飲んでもおいしくない、ということだ。早起きしてその辺の草むしりをして汗まみれになったとしても、冷蔵庫のビールには手がのびない。水かお茶を飲んでしまう。身体が、ノンアルコールのものを要求しているからだろう。
 どうも身体が、そういう仕組みになっているのだろう。それは、個人的な遺伝子のせいなのかもしれない。
 もうひとつの理由は、アルコールが回るといい気持ちにはなるが、それでその日が終わってしまうからである。とくに昼間のアルコールは効きがいい。
 何も予定がない日であっても、その日一日を棒に振ってしまうような気がするので、もしかしてそれは自分のセコい性格の反映だろうか。
 したがって、やっぱりビールは夕方からに限るのである。何かを成し遂げた日なら最高にうまいが、何もしなかった日もふつうにうまい。
 ところが最近おもしろいことに気がついた。ビールを飲む場所(まあ環境ですね)によって、ビールの味が大きく変わるのである。
 たとえば今夏は猛暑日も多く、夕方になっても30度を下らない日も多かった。暑ければ文句なしにビールがうまいか、といえばそれがそうではないのだ。サウナのなかでビールを飲む人はいないだろう。
 理想をいえば、日中の気温はせいぜい30度。夕方になって2〜3度低くなる。というようなシチュエーションがベストのような気がする。しかし、冷房のなかでは効果が低い。
 そういえば、猛暑だからといってビールの売り上げが上がるわけではない、というビール会社のデータも出ている。
 で、今日はというと、けっこう「ビール日和」なのである。ヒヒ (^_^)
(photo:台湾、九份にて)