あの日から

もう10年ですか…。あの日あの時間、ボクは京都東山・法然院横の石段を上がっていた。大きな地響きがしてしゃがみこんだら大きく揺れて何が起こってるのかわからなかった。一生忘れない瞬間のひとつ。

二日後、

西宮北口まで阪急が走り出したので、水のペットボトルを持って祖母の家に向かった。すでにみんな無事だということは聞いていたが、電話もあまり通じないので実際にこの目で確認するために。電車の中は山登りをしそうな格好をした人でいっぱい。途中、カメラ持ってこればよかったなんて思ったけれど、北口を降りて周りの景色をひとめ見てその考えは吹っ飛んだ。持っててもきっと1枚も写真を撮らなかったと思う。そんな気分になれなかった。

すごく良く晴れた

空の下、上ヶ原まで歩いた。めくれ上がった道路。傾いたり倒れたり跡形もなくなった家。空を飛び回る自衛隊や報道のヘリコプター。幸い祖母の家は増築部分から空が見えていたが建物自体は建っており、水道も通じていた。ひとまず安心。北口までの帰り道、半壊したたばこ屋で友達へのプレゼントにラッキーストライクを１カートン買った。

地震は

ひとの力でどうにもできないが震災は抑えることができると誰かが言っていた。都市計画による古いこみいった町に対する整備は震災を防ぐにはある程度仕方ないと思う。