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川崎市北部地域のこと

2007-04-01 川崎市麻生区高石で実施されたコミュニティバス運行実験について

百合ヶ丘駅と読売ランド前駅とを結ぶコミュニティバスの運行実験が2月13日から3月14日までの30日間行われました。

運行ルートは、百合ヶ丘駅前−高石5丁目−高石6丁目−生田病院前−ヴィレッジ東−水暮町会−高石団地前−読売ランド前駅前で、「山ゆり号」と名づけられたワゴン車は、日中20分おきという間隔で、交通空白・不便地域の解消を図る新たな交通手段という目的を掲げ、川崎市の予算を250万円程度使って実施されました。

今回は、この件について事実関係を中心にメモ、コメントを残しておきたいと思います。

・初日こそ駅から乗車している姿を見かけましたが、その後5回ほど、このバスが高石5丁目付近を通過するのを見かけた時には、1回も乗客が乗っているのを見ませんでした。

1日168人利用者があったという結果発表を知って驚きましたが、この数値を前提に推測すれば、高石5丁目手前でほとんどの乗客が降車したと思われます。駅から高石5丁目の手前の区間では、駅からの距離は1キロ程度しかありません。駅から1キロという距離は交通不便地区でしょうか? しかも、百合ヶ丘駅には日中、乗客待ちのタクシーが常時数台停車しています。

・今回の実験に際して、需要予測や採算のとれる損益分岐点経済効果等の資料は、実験終了後の現在においてもネットや区役所で開示されていません。

ですが、少なからず市の予算が使われた実験なのですから、一般市民に対しても相応の説明がなされるべきではないでしょうか。

事前に、実験実施を決定したこれらの試算根拠が開示されていなければ、実験が成功したのか失敗したのか、公正に検証できないのではないでしょうか?

同じ公共交通でも川崎市営地下鉄については、国策として必要なインフラと位置づけられ、専門の職員が時間をかけて各種試算を行い、経済的合理性が証明されているにもかかわらず、採算性についてさらに議論を求める市民が出てくるほど、この地域には公共交通単体の採算性に関心を寄せている方がいらっしゃったはずです。

実施主体は、今回のバス実験についても、もう少し説明責任を果たすべきだと考えます。

・今後、コミュニティバスを福祉的観点から高齢者のための足として導入を進めていくということであれば、運行本数・ルート設定について再考が必要だと思います。

今回の実験地域以上に、駅から距離があり狭隘で急峻な道路の地域は、川崎北部の丘陵住居エリアには数多く存在します。これらの地域にもコミュニティバスを必要としている高齢者が多数在住しているのですから、運行本数が減ったり回り道をして時間がかかることがあっても、それらの本当に公共交通を必要としている交通不便地区と、病院・公共施設・駅・地元商店街などをできるだけ多くカバーするルートが設定されるべきです。

隣の稲城市では、そのような考えでコミュニティバスが運行されているようです。

・厳しい書き方かもしれませんが、今回の運行実験は、駅から1キロ程度の距離に住む方が、通常の路線バスと同等の運行間隔で、自宅と駅との往復を最短距離でタクシーより格安な料金で利用できただけではないでしょうか。

高齢化社会の進行で、交通不便地区にコミュニテイバスを導入をすることは、喫緊に適切に実施されるべき施策だと私も思います。施策の本来の目的から外れることなく、本当に必要としている市内全ての地域を対象に公平に実施されることを心から願います。

川崎の交通とまちづくりを考える会川崎の交通とまちづくりを考える会 2010/06/10 23:41 2010年6月1日、山ゆり号が3度目の試行運行をしています。当会のホームページにそのレポートを写真満載で掲載しました。
勝手ながら、2回目のレポートとして貴ブログをリンクして紹介させていただきました。
ご報告まで。