The Best of the National Book Award

書いた本人が忘れてましたが、全米図書賞受賞作の中からベスト1を選ぼうという企画が進行中でした。7月に報告した記事は以下のリンクからどうぞ。

http://d.hatena.ne.jp/quadrillepad/20090708/1247031685

で、いよいよノミネート6作品が発表になりました。

The Stories of John Cheever(1981)
Invisible Man, by Ralph Ellison(1953)
The Collected Stories of William Faulkner(1951)
The Complete Stories of Flannery O'Connor(1972)
Gravity's Rainbow, by Thomas Pynchon(1974)
The Collected Stories of Eudora Welty(1983)

私が本命視していたラルフ・エリソンの『見えない人間』は残っていますが、それ以外はハズレました。まさか短編集が4作も占めるとは! しかもフォークナー、オコナー、ウェルティと見事に南部作家ばかり。

ちょっとどうかと思うのは、ここで選ばれてる短編集がオリジナルじゃないってこと。オコナーのもウェルティのも、それまで発行した短編集をまとめた全短編集だし、フォークナーの場合は42編を集めた900ページを超えるもの。ノーベル賞受賞作家が何十年にも渡って書き溜めた短編をまとめた作品集と、一冊の長編を比較するってのはどうも無理があるように思うんですけど……。

追記:受賞作の発表は11月18日です。

追記:投票したらその時点での集計結果がわかるようになっていました。10月2日現在で、トップはフラナリー・オコナーの34%、2位はラルフ・エリスンの21%、ピンチョン・ウェルティ・フォークナーが12〜13%で横並び、ジョン・チーヴァーだけが7%と出遅れてるといったところです。

自分も投票したいと思われた方は下のリンクからどうぞ。

http://www.nationalbook.org/nbafictionpoll.html

「The Lost Symbol」読了

ハァハァ、ようやく読了。
何回途中で寝たことか。

怒涛のオープニングを始め、サスペンスを盛り上げる技術はたいしたもので、映画化すればさぞや見せ場になるだろうシーンは幾つもあるものの、いかんせんメインの謎が……。

ワシントンDCを舞台に、フリーメーソンが代々伝える古代の謎を探し求めるわけですが、うーん、しょぼい。途中まではそこそこ面白く読めるのに、結末が近づくほどにどんどん悪くなっていく。ネタバレになるから書けないけど、国家に深刻なダメージを与えて世界のありようを変えてしまうような脅威というのが××××で、人間を神に近づける太古の叡智の正体が××××ってのは、あんまりヒドすぎないだろうか。