エネルギー

始まる前は長いと思っていた夏休みだがあっという間に過ぎ去ってしまった。この休み中に相当の数の本を読めたが、その中で圧倒的な取材力に感銘を受けたのが黒木亮の「エネルギー」。エネルギー源価格が高騰し各国がその囲い込みに走る中でタイムリーなテーマであるが、本書では原油天然ガスをめぐる投機の動き、イランやサハリンにおける開発の動きなどが政治的な動きを含めてこれでもかというくらいに緻密に述べられており、ほぼノンフィクションといってもよいくらいの内容。新聞などで報じられている表面的な事実の裏で、エネルギー源をめぐって国際的にこんな動きになっていたんだということがよく理解できた。ただ、構図が分かってますます我が国のエネルギー安全保障の脆弱性に危機感を持ってしまった。内ゲバに興じている場合ではない。

エネルギー(上)

エネルギー(上)

エネルギー(下)

エネルギー(下)