頑張るほどに問題の本質が見えなくなる

残業や休日出勤で仕事を片付けるのは悪くはないし、納期を守るプロ意識として結構なことだとは思うのだけど、そうやって力任せの解決をいつまでも続けていると、本来解決すべき問題の本質を見失っている気がしてならない。毎日残業して仕事を続けなければならない状況には、何か別の要因が有るはずだ。

  • 担当者間で仕事の割り振りが上手く出来ていない。
  • 仕事をうまく片付けて回すためのノウハウが共有されていない。
  • 知恵を出せば効率的に進める方法が有るのに、面倒なので何も考えていない。
  • 効率の悪い方法を繰り返すことに何の疑問も持っていない。
  • 言われた通りの仕事の進め方に従うことが必須だと思い込んでいる。

例えば、納期のように明確な締切りが存在するだけで、脇目もふらずテキパキと仕事を片付けられる人は多い。そんな状況になると無駄なことは省くようになるし、少しでも効率的な進め方をするためにいろいろと頭をひねって考えるはずだ。そんな思考を常日頃から意識的に持って作業していれば、(突発的な状況は別として)慢性的な残業とは無縁の仕事を進められるのではないかと思う。

残業を繰り返してその場しのぎの対策を延々と繰り返すのではなく、少しは立ち止まって考えてみて、より本質的な問題点の解決に注力すべきではないだろうか。問題の本質が明らかになればこそ抜本的な対策を打てるわけだし、残業という消耗戦のような状況からも脱却できる。残業して、問題を取りあえず無視することにより、問題の根っこがさらに深く潜り込んでいくような気がしてならない。

もちろん、「そんなにがむしゃらに頑張らなくても良い」「残業しないと人事評価に響く」「定時間内は息抜きをして、残業代を稼ぐために残業する」というケースも珍しくはないけど、そんな組織や人材はこれからの時代に生き残っていけるとは思えないので論外。周りの雰囲気に流されて惰性的に仕事をするようでは、「単なる駒の一人」として埋もれてしまう危険がある。小さな問題点を見つけ出して、より効果的な改善を図るような問題意識の強い人材だけが、生き残っていけるのではないかと思っている。



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