負の連鎖を断ち切れない開発者

ソフトウェアの開発現場では、正しいことばかりではなくて、正しくないことも何故か平気で行われている。行われているどころか、問題を指摘する人がいないと、あたかもそれが正しいかの如く脈々と受け継がれていたりする。その一例。

  • 正しくないAPIの使い方を続けている
    そのような使い方をしている開発者に理由を聞くと、「もともとそのような使い方をしている箇所が有ったので真似をした」とのこと。その更に元の開発者をSubversionの履歴で調べていくと、実はもう既に退職した人だったりする。
  • 開発プロセスが形骸化している
    仕様書レビューやコードレビューがまともに行われない。リーダに理由を聞くと「忙しいから」「この案件は急ぐから」とのこと。でも、いつも同じ返事が返ってくるし、それを見聞きしているメンバもそんなリーダを見習ってしまうので、悪しき慣習は決して途切れない。
  • 同じ問題を繰り返し発生させている
    興味深いもので、同じ開発者、チーム、組織は似たような問題を何度も繰り返し発生させることが多い。これは癖とか習慣に依存するものだから、発生してしまうのは仕方がないとはいえ、問題を直ぐに見つけ出して対処する程度の工夫は有っても良いと思う。

昨日と同じやり方だから、前任者と同じコードだから、誰にも何も指摘されないから、と惰性で仕事を続けている限り、開発者としての進歩はあり得ない。自分が行っている取り組みは本当に意味あることなのか、客観的に見て問題ないのか、絶えず自分自身を省みる姿勢が必要だと思っている。



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