耳かき殺人事件 裁判員判決は無期懲役

耳かき店員ら殺害、被告に無期懲役判決
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4565357.html


だそうで。夕方TBSのニュースと、NHKのニュースを観たが、キャスターはこぞって悔しそうに原稿を読んでいた。裁判員裁判などで使われるいつもの決まり文句「市民目線の判決」という言葉を聞かなかったように思う。


これが死刑になっていれば、「市民目線の判決だから」「控訴審でも市民目線の裁判員が下した判決を覆してはいけない」みたいなことを解説者にでも言わせるのだろう。もしかしたら明日のワイドショーで言うかもしれないが。


結局、テレビマスコミが裁判員裁判を押した理由は厳罰化を期待しただけだったという話。


判決では、弁護側が主張した被害者と店の落ち度(貢がせるだけ貢がせてポイした)は無視されたようなものだが、TBSの報道では、そういった内容も一緒に報じられて、自業自得感がある。裁判員も判決文には書かずとも、話し合いの中でそういった被害者と店のやり方への反発があって死刑回避に動いたのでは?と思わせる。


耳かきキャバクラ等、客から吸い取れるだけ吸い取ろう、という経営方針、営業方針の店や企業は、こういった客による暴力的な反撃に有ったとき、世論を代表する「市民目線の」裁判員から同情心を寄せられないということを覚悟しといたほうがいい。

 裁判員裁判で初となる死刑が求刑された事件で注目の判決が言い渡されました。耳かき専門店で働く女性とその祖母が客の男に殺害された事件の裁判で、東京地裁は殺人の罪に問われた元会社員の男に無期懲役の判決を言い渡しました。裁判員の判断はどのように判決に影響したのでしょうか。


 元会社員の林貢二被告(42)は去年8月、耳かき専門店で働く江尻美保さん(当時21)と祖母の鈴木芳江さん(当時78)を殺害した殺人などの罪に問われました。5日間にわたった審理で林被告は終始うつむき、遺族や関係者が証言する中、たびたびメガネをとって涙をふきました。


 「被害者の方に取り返しのつかないことをして本当に申し訳なく思います」(林貢二被告)


 初公判で林被告は起訴内容を認めたうえで、まず遺族らに謝罪しました。検察側は「一方的に恋愛感情を抱き、来店を拒否されて犯行に及んだもので身勝手だ」と主張しました。ですが、弁護側は「江尻さんの月収は65万円に及んだこともあったが、そもそものきっかけは収入の大半をつぎ込んだ耳かき店に突然、出入り禁止になり、理由を知りたいという気持ちからだった」などと被告にも酌むべき事情があると訴えました。


 主に情状面に争点がしぼられた今回の裁判員裁判。1日午後3時半、静まり返る東京地裁の法廷に裁判長の声がこだましました。


 「被告人を無期懲役に処する」


 林被告は身動きひとつせず、裁判長の言葉に聞き入りました。その一方、遺族からは嗚咽(おえつ)が漏れてきました。


 5日間にわたる審理で弁護側は「犯行に計画性はなかった」と主張しました。さらに、遺族に対し毎日のように手紙を書き、事件当時63キロあった体重が46キロに減ったことについても触れ、「深く反省しているあらわれだ」と裁判員に訴えました。林被告自身、最後の公判で次のように述べています。


 「命で償うしかないという気持ちと、生きて批判を浴びながら憎しみの対象として存在する、そうしたさまざまな思いがめぐっています」


 女性4人・男性2人の裁判員にどこまで反省の態度は伝わったのでしょうか。裁判員らは会見に応じ、今回の判決について「遺族の方々の思いを受け止めて一生懸命、公正な判断を下すことが大事だと思ったが非常に苦しかった」などと話しました。


 一方、元裁判官の山室恵氏は今回の判決に疑問を呈します。


 「裁判官による裁判であれば死刑の確率が非常に高かった」(元裁判官・山室惠氏)


 判決終了後、江尻さんの父親は「一体、何人殺せば死刑になるというのでしょうか。検察官にはぜひ控訴していただきたいと思います」とコメントを出しました。(01日17:14)