デンジャーマウスという男。

こんにちは。八月も終わろうとしてますね。特にこれと言ったきっかけはないのですが、僕の大好きな、とある音楽家を紹介したくなったので記事を書きました。
21世紀の名プロデューサーの一人、そう、Danger Mouseです。この記事では彼が今まで関わってきた作品を取り上げて、少しでも知ってもらおうと、また、ここのブログを読んでいるような人なら既に知っている人も多いだろうと思いますが、さらに興味を持ってもらおうと思ったので、よろしくお願いします。



まずは彼の初期の作品、『The Grey Album』の中から、「moment of clarity」。

JAY-ZのThe “Black” AlbumにThe Beatlesの”White Album”の音をサンプリングしたからThe Grey Album。この発想から既にDanger Mouseの奇才さが表れているように思えます。
実はこのアルバム、Beatlesが使われていることに怒ったEMIが出荷停止命令を出したため、お蔵入りなったというエピソードも。そのため、CDとして一般流通はしていませんが、ネットでは音源がかなり出回っているため、楽曲聴くのは割と簡単にできます。


続いて、プロデューサーDanger Mouseの名を世界中に広めた、言わずと知れたこの曲。


Damon Albarnとは、この曲が収録されたGorillazの2ndが出てからも引き続き関わっていて、後に彼が結成したThe Good, the Bad & the QueenのアルバムのプロデュースもDanger Mouseが手掛けています。


また、プロデュースした曲ではなく、Danger Mouse本人が参加した曲の中でもっとも有名な曲と言えば間違いなくこれでしょう。

Cee-Lo Greenをボーカルに迎え、二人組として活動していたGnarls Barkleyは、この「Crazy」が世界中で売れに売れました。なかでも、イギリスではシングルチャート9週連続1位を記録するほど大ヒット。
実はGnarls Barkleyの2ndの最後の曲では、じみぃ〜にですが、現代のもう一人の名プロデューサー、Nigel Godrichがエンジニアとミックスを担当していたりします。その曲がこちら。


Danger Mouseは他にもThe Shinsのボーカル、James MercerとBroken Bellsを組んでいたり、イタリアの音楽家のDaniel Luppiとも共同でアルバムを制作していたりします。

また、このDaniel Luppiとのアルバムではゲストボーカルとして元ストライプスのJack Whiteやノラ・ジョーンズが招かれています。Danger Mouseが女性ボーカルをフィーチャリングするのは中々貴重じゃないかと。


とまぁ、色々遠回りしましたが、基本的にDanger MouseはUSインディー系のプロデュースが主です。

Sparklehorseに関しては、彼らの4thアルバムの一部の曲しか関わってないのですが、後に共作名義で『Dark Night of the Soul』をつくりました。このアルバムの面白い所は、各曲で様々なアーティストとフィーチャリングしているところ。そのメンツもThe Flaming LipsからDavid Lynchまで様々かつ超豪華。そしてJulian Casablancasとのコラボ曲がこちら。SparklehorseのMark Lincusは昨年自殺してしまったため、結果的にこの『Dark Night of the Soul』は彼の遺作となってしまいました。


また、The Black Keysについては彼らの08年のアルバム、『Attack & Release』以降からプロデュースしています。このアルバムはThe Black Keysが有名になるきっかけのアルバム…だと思います。

改めて聴いてみるとめちゃめちゃかっこいいよ、この曲。


そして若干意外というか忘れられがち?なプロデュース、The Raptureの3rdのタイトル曲。まあ、正直僕この曲…ていうかこのアルバムあんまり聴きこんでないです。Danger Mouseが関わったのはこの曲だけなんですが、なかなか特徴がでてますね。というより寧ろ、あまりThe Raptureっぽくない…?


そして!


僕が現時点でどのアーティストのどのアルバムよりも好きな、個人的生涯のフェイバリットアルバムをプロデュースしているのもDanger Mouse !!!(チックチックチック)
そしてそのアルバムというのがズバリ、Beckの『Modern Guilt』。その中でも僕が一番好きなこの曲を紹介したいと思います。

Beckというのは、基本的に“音を色々足して音楽を作っていく”アーティストだったと思うのですが、そんなBeckが初めて“引き算の音楽”に挑戦したのがこの『Modern Guilt』なのではないかと個人的に思ってます。また、今まで様々なタイプのアルバムを作ってきたBeckの、いわゆる“Beckの音”が確立したのもこのアルバムなのではないかと。


というわけでDanger Mouseが今まで関わった様々な作品について紹介してきました。僕が思う彼の凄い所というのは、やはりそれぞれの楽器が持つ可能性を最大限に引き出せるところだと思います。ドラム一つとっても、ただリズムを刻ませるのではなく、一種のメロディを持たせるように使うからこそこれだけ面白い音になるのではないかなぁと思います。
また、Danger Mouseの作る音というのはとても現代的であると同時に、クラシックなロックであり、特に、彼のサンプリングの使い方なんかにその傾向が顕著に表れてるような気がしますね。

これから誰と音楽を作るんでしょうか?なんでも今はU2のアルバムに関わっているとの噂もありますし、今後が楽しみです。まだまだ若い(34歳)ですし。因みに、本名はブライアンっていうみたいです。




なんかもっと軽い感じで書く予定だったのに、結果、真面目にがっつり書いてしまいました。読んでくれた方、ありがとうございます。今まで聴いてなかったアルバムに興味を持って頂ければ幸いです。
以上、さぶでした!


追記:補足用の第二弾も書いたよ!「働く!危険なネズミさん