テキサス流お花見。

ブルーボネット

日本は桜が見ごろでしょうか。薄紅にけむる桜の花は、本当に美しいですよね。さて、こちらテキサスでは、州の花"Bluebonnet"という、ラベンダーに似た青い野草シーズン真っ盛りです。夫の会社でも、会議の席で「Bluebonnetは今、どのくらい咲いている?見に行った人は?」という前振りがあるほど、テキサスではポピュラーな花です。昨年も、免許取りたての今時分に、地理もよく分からないまま花見ドライブを慣行しましたが、あいにくの雨模様で、イマイチ満喫しきれませんでした。今年こそは!と、気合を入れて出発しました。


今回は、前回に比べて土地勘も養われたので、Highwayだけでなく、"Trail"と呼ばれる、行きかう車もまばらな農道も通ってみることにしました。農道と言ってもほとんどが整備されており、50マイル(80キロ)くらいは普通に出せる道路です。昨年も思いましたが、Bluebonnetがよく咲いているという"Hill Country"という地域は、「テキサス=砂漠」というイメージを覆す、緑の丘陵が連なる美しい景色が続きます。イギリスのコッツウォルズ地方や、北海道の美瑛などの道央の景色に通じるものがあります。特に「Highway105」はおススメ。牧場や森の中を、ひたすら真っ直ぐの道路がのぼったり下ったり、それが数マイル続きます。アップダウンの少ないヒューストン市内では味わえない楽しさです。




Bluebonnetは土手の芝に混じって群生して咲いています。それにしても、"Wildflower"は写真に収めるのが難しい!車の助手席で、「あ、あそこに沢山咲いている!」と叫んだ時は既に通り過ぎていますし、そもそも時速60マイル(97キロ)で走行中に、ぶれないで撮れるわけがない。また、遠景で群生を捉えようと思うと、青い花は目立たずただの牧草地帯にしか写りません。反対に、道端の一画をズームで撮影すると、Wildflowerの広がりとか青く色づく草原というのは、どうしても伝わりにくいんですよね。やはり、どう頑張っても、人間の目が捉える感動には敵いません。結局、後半は、写真撮影を諦め、純粋に自分自身の目で楽しむことにしました。


ランチに立ち寄った"Brenham"という小さな町は、古きよきアメリカの田舎町の佇まいを残した風情で、洒落た雑貨屋もあり(Bluebonnetは香りがないのでラベンダーを購入)、散策も楽しかったです。ランチで食べたバーガーとミートローフも素朴で美味しかったですね。この町のあるWashington郡は、1836年にテキサス共和国がメキシコから独立した際に、その首都となった歴史的な場所で、今でこそその跡地は、訪れる人もまばらな小さな美術館と公園になっていますが、知る人ぞ知る興味深い土地柄のようです。


散策最後は、Brenhamに本社を置く、テキサスでは有名なアイスクリーム"Blue Bell Creameries"の、昨年果たせなかった工場見学をし、アイスをしっかり食べました。平日というのに、見学ツアーもおみやげ物屋も、びっくりするような賑わいでした。皆さん、日ごろ食べているアイスクリームには興味津々なんですね。