機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛

あらかじめ。
感想は完全にネタバレです。
嫌な人は見ない方がよいです。

さて。
まずは結果から。
非常に満足しました。
はい。
とりあえずあと2回は見たいかな。
できれば劇場で。
「恋人たち」の評価が正直自分の中で低かったので不安もありました。
しかし、こうまとめたかっ!ってのと、こう進めたか!ってのは驚嘆。
ある意味、凄い分かりにくい映画になっています。
しかしダイジェストな感じはしません。
一つはほぼ戦艦の中と戦闘シーンで話がつづられるから。
もう一つはとにかくスピーディーな展開だから。
Zが分かりにくいと言われる「三つ巴」な様相ですが、これを「整理」するのではなく、更に「混沌」化させることによる見せ方になっています。
逆にそれにより、3つの陣営がいつ裏切ってもおかしくない様子が出ている、自分の陣営以外は全て敵、という感じ。
戦闘シーンにもそれが反映されていて、誰かと誰かが戦っているところに第三者の介入、という展開がよく見られます。
ただ、その中で「カミーユ」という主人公の軸は揺らいでいません。
それゆえにカミーユを見ることによって、混乱した戦場の中で、意味不明になるところが無いんですよね。
これはTVのZには無かった事。
その分、シャアが物凄く割を食っているわけですが、それはそれで仕方ない事。
レコアに見放され、ハマーンに失望され、そしてエウーゴを率いる事もできずに消えていく。
シャアの情けなさが逆に目立っている感じがします。
シャアに関してはいくつかの有名台詞の消去やダカール演説のカットといったことにより、さらにその感じが際立ってます。
カットといえば、キリマンジャロやロザミア絡みが完全にカットされていますが、これは正解だなぁ。
TVのカミーユはフォウにずっと引きずられているんですよ。
それが映画では無くなっている。
そのために、カミーユがファに甘えたりする様子が、非常に効果的に描かれている。
TV版では、フォウの代わりだったり、ただの逃げ場所だったファが、映画では純粋にカミーユが甘えられる場所となっている。
戦場で「下がれ!」と言う台詞についても、TV版では「邪魔だから」という感じだったのが、映画版では「心配だから」という感じになっている。
同じシーン、同じ台詞でも全く印象が違う。
特に、カミーユの一人称が「オレ」ではなく、「僕」になっているのは凄い印象を変えています。
カミーユ以外で目立つのはエマとヘンケンの関係。
明らかに一歩進んだ関係になっている。
それゆえにエマVSレコアにおいても、TV版では「女に拘らなかったエマ」VS「女である事に拘ったレコア」が、映画では「よい男に巡り合ったエマ」と「よい男に巡り合えなかったレコア」という図式になっている気がします。
そういう意味では、ハマーンもまた然りで、TV版ではシャアだけではなく、シロッコカミーユも品定めしていたハマーンが、映画版では、「男」という意味ではシャアにしか目が行っていない感じを凄く受けました。
後は全体的にヒステリックな雰囲気が消えていますね。
修正シーンは全編通して無かったし(笑
最たるものがブライトで、シンタとクムがブリッジにいる時に目の前からどけるんですが、
TV版では「ガキがブリッジにいるんじゃない!」って感じの叱責だったのが、映画版では「終わったらパーティーするぞ!」みたいな優しい言葉になっています。
声に関して。
一番違う印象を受けたのはミネバ、完全に子供声。
スタッフロールを見るまで気付かなかったけど、サラ役は変更。
こればっかりはだったらIIでも池脇を使わなければよかったんじゃ?という印象。
ハマーンの榊原さんの声はやっぱりいいですね。
後はセイラさんですよ、セイラさん。
まさか出るとは思わなかった。
井上遥さんがお亡くなりになられてる事をあらためて実感。
そして、それでもなお彼女を起用した事に拍手。
ラスト。
カミーユとファの抱擁がいいです。
とにかくいい!
ある意味どう見てもセックスなんですが(笑
IIのメットでキスができない、はこれの伏線だった気もします。
そして流れる「Love Letter」
アーガマブリッジの対応もいいなぁ。
悲壮感が無い。
エピローグ。
凄く素直に見れた。
そしてZZがこの先には無いとも実感する。
この先にZZはありえない。
むしろこの先に続くのは、逆シャア……特にベルトーチカ・チルドレンの方。
この先に逆シャアを見ると、チェーンではなくベルトーチカ、ナナイではなくハマーンがいる方が納得できる形になっている。
「Dybbuk」
最初に聞いた時には「なんでこれ!?」と思った。
でも家に帰り数回聞いて、そして歌詞を見て思った。
「Love Letter」がカミーユとファの歌なのならば、「Dybbuk」はシャアの歌なのだと。
そういう意味では、富野監督が「全7部作」と言った意味がとてつもなく理解できる。
家に帰ってTV版Zの最終話と逆シャア導入を見ました。
こうも印象が違うのかと、こうも自然に繋がるのかと思いました。
次見に行くのであれば、全7部作の形で見に行きたいなぁと思います。
うん。

Fate/stay night#09

セイバーVSアサシン、そしてその裏でのライダーVSキャスター。
戦闘シーンはそれなりに見応えがあった。
しかし展開にはやはり不満が残る。
言わずともがな、これはゲームが原作。
奈須きのこ独特の緻密な言い回しによる読ませ方は実際にうまい。
しかしこれが映像化されるととにかくくどい。
志貴にせよ士郎にせよ、「ゲームの主人公」としては正解な行動だろうと思う。
すなわち石橋を叩いて渡る行動。
それにより彼ら(すなわちプレイヤー)は世界観や事象を理解していく事になる。
ところがこれが30分のTVアニメの中で行われるととてつもなくダルい。
セイバーの苛立ちが逆にこっちに伝わってくる。
そういう意味ではエンターテイメントの主人公としては、彼らの行動は失格。
極端なところでは窮地に陥っても突然の乱入者によってなんとか助かるご都合主義でちょうどいいわけだ。
映像作品の難しいところを実感するな……いやまじで。

花粉症

周囲で続出している状況ですが、今年はおいらはそれほどでもありません。
事前準備がよかったんだろうかね。
それでも全く無いってわけじゃないけれど。
本来ならこの時期にテンションダウンで色々手がつかなくなるんですが、これはラッキー!!
……まぁその分、妙な痛みで死んでいるわけですが。
乙。