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ひたすらまとめ三昧 RSSフィード

2012-04-22

小出裕章:「日本はひどい国」(放射線管理区域をめぐって)

「日本がこんなにひどい国だったとは」
放射線管理区域をめぐっての京都大学の小出裕章先生の発言に、注目が集まっています。

小出先生は、本来、人が住めない場所に、たくさんの子供たちが取り残されている、と訴えています。

放射線管理区域とは、ざっくり言うと、「1平方メートルあたり4万ベクレルを超える場所」を指します。

(参考)
・wiki:放射線管理区域
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%8C%BA%E5%9F%9F


【インタビュー文字起こし】

この動画は、2012年4月6日にyoutubeにアップされたものです。



以下、先生が放射線管理区域について語っている部分の文字起こしです。

(インンタビューここから)

シバ:本来、放射線管理区域というのは、人は住んではいけないんですよね。

小出もちろんです。放射線管理区域というのは、皆さんが、ごく普通の方々が接する可能性のあるのは、病院です。その場所にいけば、必ず放射能のマークが貼ってあって、そこに「関係者以外無断立ち入りを禁ずる」と書いてある場所です。

普通の方は、そんな場所に立ち入ってはいけない。私のようにごく特殊な人間だけが、放射線管理区域の中に立ち入ることができる。もちろん喜んで入るわけじゃありませんけれども、入ることが許されているという、特殊な人間ですね、私は。でも、その私にしたってそこで生活していいなんて言われているわけではないのです。仕事のためにどうしてもしょうがないときだけに入れ。入ったら水すら飲んではいけないと。そういう場所が放射線の管理区域なんですね。

ところが、日本の法令に照らす限りは、すでに福島県全域に匹敵する面積、あるいはもっと、という広大な場所が放射線の管理区域に指定しなければいけないほど汚れてしまっているのです。その事実を目の前にして、日本の国は、自分が決めた法令を反故(ほご)にしてしまって、一般の人たちが、放射線管理区域と呼ばなければいけない場所に住めと、言い出したんですね。逃げたいやつは勝手に逃げろ。国は何の保証もしないということで、人々を放射線の管理区域に取り残す、ということをやって、その状態が今も続いている、ということになっています。

シバ:3・11以降、まったく世界が変わってしまった。

小出:そうですね。私はあれ以降世界が変わったといってたびたび発言してきました。今日シバさんが来てくれているこの場所は、京都大学原子炉実験所です。ここは私の研究室ですから、放射能は基本的にはありません。でも、わたしは、この職場で働くにあたって、ときには放射能を取りあつかうときもあるわけですし、そういうときは放射線管理区域というところで取りあつかうのですね。今日もその管理区域の中に入って仕事をしたりしていましたけれども、その放射線管理区域の内部というのは、実際にはかなりきれい、なのです。どうしてもしょうがなくて放射能を取り扱うという仕事はあるけれども、でも、その場に入って猛烈な被曝をするというようなことになれば 落ち着いて仕事ができませんので、私は自分が立ち入る放射線管理区域を、できる限りきれいにしてあります。

もちろん、放射線管理区域の一部の場所では、放射能があるために被ばくが避けられない場所もありますけれども、でも管理区域のほとんどの場所というのは、きれいです。私がそこの床に寝たところで、私の体が汚れないというぐらいにはきれいにしてあるのです。

ところが、福島第一原子力発電所の事故で、すでに何万平方キロメートルという広さの大地が、放射能で汚れてしまっている。福島県なんていうのは、本当にすごい汚染になっているわけですね。そこで未だに人びとが生活をしているし、子どもたちも生きているし、中には泥んこになって遊んでいる子どもたちだっているんだと思います。そういうところの人たちが被ばくをしたくないと思うのであれば、彼らが生きているごく普通の生活している場所から、私が管理している京都大学原子炉実験所の放射線管理区域に逃げ込んで来れば、被曝が少なくて済むという、そういう状態なんです。

シバ:皮肉ですね。

小出もう本当に信じることができないような、ひどいことが今起きているのです。ただし、シバさんが言ったみたいに、人々はいまやそれを忘れようというか、それに慣れてしまおうとしているというか、そういう状態になっているのですね。もちろん人間なんて、ずーっと緊張しては生きられないし、自分が安全だと思いたいわけですから、こうして1年たって、政府が、私はいつわりだと思うけれども、安全宣言を出すというようなことになり、マスコミも事故の深刻さをきちっと伝えないというようなことになれば、やはり安心もしたいだろうし、忘れてしまいたいということになって当然だと思います。

ただ残念ながら、事実はそうではないと、皆さんに気づいてほしいと思います。

シバ:あれだけの大事故が起きたのに、まだ原発を動かすつもりなのか。

小出日本の国がまともな国ではないと、ずっと前から思ってきました。けれども、これほどひどかったのかというのは、今になって思います。事故を起こしてしまって、人びとをそのまま被曝地に放置するなんていうことが、どうしてできるのか私には未だにわからないし、いまシバさんおっしゃったように再稼働させるなんて言い出すわけですよね。おまけに原発を他国に輸出するなんていうことまで言い出す国なわけで。本当にどういう国なのかもう理解を越えるほどに驚いています。

(インタビューここまで)


【放射能管理区域は、おおよそ暗い緑色以上の場所】

文部科学省の放射能汚染マップ(セシウム合算版)では、暗い緑色が1平方メートルあたり3万ベクレル〜6万ベクレル。ですので、「暗い緑色」、「青色」、それ以上が、おおよそ放射線管理区域に相当します。

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