記憶しておきたいこと。

妻が実家から帰ってきて1週間が過ぎました。
いつものように二人で静かに食卓をはさんでいると、この数か月に起きたことが全部夢だったんじゃないかと感じたりします。
伊勢丹にマタニティウェアを買いに行ったこと。
代官山にベビーカーを下見に行ったこと。
もうしばらくは外食できなくなるからと、お気に入りのお店に食事に行ったこと。
水天宮にお参りに行ったこと。
外出中に妊婦の体調が悪くなって、あわててタクシーつかまえたこと。
出産の日のバタバタ。
仕事を早めに終えて産婦人科に急いだこと。
赤ちゃんに初めて会って身が震えたこと。
これらのことは本当にわが身に起こったことなんだろうか、得意の妄想だったんじゃないかと、そんな思いが湧いてくるのです。
でも、背後のふすまをそっと開けて寝室を覗くと、そこには確かにミッフィーのベビー布団の上に無防備な格好をした身長50センチの娘がいるのです。
人は現実だと思っていたことが夢だったと知った時に、悲しみや絶望を知るのでしょう。
反対に夢かと思ったことが現実になった時には、、、、
私はこの自分が体感した思いをずっと忘れないようにしようと思います。
今後も色んなことが起こるでしょうが、この”幸福感”と言葉にしてしまうと陳腐になってしまうけど、静かに心の底から感じたものを忘れないでいると、きっとなんとかなるように思うのです。