芥屋らくかい堂

2008-02-01

[] 画家・柳田烈伸の誕生

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子ども学連続講座 ART&TALK LIVE 「芸術家と表現と子どもたち− 天空の宮沢賢治さんへ −」へ出かけた。おなじみアクロス福岡 円形ホールだ。荒井良二(絵本作家)・MAYA MAXX(画家)・柳田烈伸(画家)という3人のアーティストが、宮沢賢治へのオマージュ(献辞)をそれぞれに絵として表現していこうというアート・イベントである。荒井さん、MAYA MAXXともに、時代の先端を走っているばりばりプロのアーティスト。柳田君(烈やん)は福祉作業所・工房まるのメンバーで、今回2人のプロの胸をかりて、プロ画家としてデビューすることになった。超一流のアーティストが無名の新人とコラボし、デビューを応援する ─ 。素敵なセッティングだ。仕掛けたのは、目黒さん。「この若き才能を世の中に送り出そうじゃないの」との心意気だ。ということで、深い感謝の気持ちを抱きながら(僕は、工房まるの役立たず理事である)、12時前から円形ホールに陣取った。

そこには、かけがえのない濃厚な時間があって、「やっぱりライブ(生)でなきゃ」という、久々に胸がつまる思いを感じたことだった。ライブは、3人それぞれの宮沢賢治についての、カジュアルな語りから始まり、それが一段落すると、ステージで思い思いの画材を手にしてキャンバスに向かって絵を描き始めていった。それも壇上にあがったギャラリーがずらっと取り囲み、ギャラリーとおしゃべりをしながらの、いわば同伴つき制作である。僕はというと、烈やんのキャンバス正面にでんと座り、彼の筆遣い、色づかい、息づかいをじっと追い続けた。彼の作品はたくさん見てきたけれど、制作過程にじっくりつきあうのは初めてだ。脳性マヒでふるえる手が、キャンバスに引っ掻き傷のような線を落とし、デッサンを描き、手でこすりながら陰影を加えていく。プロの2人の3分の1、4分の1くらいのスピードだ。制作の瞬間瞬間を切り取ると、不自由な手の運びが見る側にひりひりと伝わってくるけれど、時間の推移ともに烈やんの表現世界がしっかり立ち上がっていく、その不思議さ。制約条件をわがものにした上で、そこから独自の世界をつくりだしていく様がとてもカッコよかった。荒井さん、MAYA MAXXが発しているオーラにつつまれながらの、画家・柳田烈伸の誕生に際会していたのだった。

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100人近くのオーディエンスも、それぞれのやり方で3人の制作現場(そこでは目黒さんが言うように、絵筆をもつ手が考えているのだ)に立ち会い、クリエーターの「気」にふれ、一枚の「絵」が生みおとされていく時間を共有できる感動をたっぷり味合うことができたはずだ。まさに、ライブの醍醐味であり、大いなる愉悦がそこにあった。

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*工房まる→http://maruworks.org/news/?cid=6

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