泣き虫。

今にも泣き出しそうだよと、
雲たちが集まってきたんだ。

心配ご無用!
きれいな青色を描いていたのに、
なぜ、ぼくを隠そうとするんだい?

勘違い屋の雲に、そう言い返してやったのさ。

だけど。

シアワセそうな親子が、ぼくの下を通った瞬間、
ぼくは、わーって泣き出してしまったんだ。

何でもない光景なのに、何でこんなに涙が出るんだろう?

ぼくは、こんなに不安だったんだね。
ぼくは、こんなに悲しかったんだね。
ずっと、へっちゃらなふりをしていただけなんだね。

「よく降るね」って、
きみがうんざりした顔をしたけど、

ごめんね。
もう、涙が止まらないんだ。