『欲望のバージニア』


★★★★

久々に訪れた東京、夢のバルト9で観て来ましたよ…!
もう何が驚いたって平日昼過ぎなのに人がめちゃめちゃ多かった!場所が場所だからか年齢層も若いし。さすが東京!うひょー!という感じで、わくわくして『欲望のバージニア』のスクリーンに入ると雰囲気が一転。落ち着いた老紳士たちがぱらぱらと座っていてロビーにいたギャルなたちはどこへやら…。思わず「しまった、モンスターズ・ユニバーシティか、なんなら全然興味ないけど銀魂行くべきだったか…」と邪な考えが脳裏をよぎりましたがなんだかんだ場内が暗転するまでにはそこそこ席も埋まり、非常に良い感じで観れました。

バルト9で観たせいなのかもしれませんが、環境的に快適だったことに加えて、スクリーンがデカい&音がバカデカいことがすごく良くて、『欲望のバージニア』の印象が自分の中で格別なものになってます。この映画、ポジション的には2番手的存在であるトム・ハーディが全部持っていった感じで、彼が出てくるシーンはどれも最高で見応えがあったように思います。メリケンサックつけて容赦なく殴るトム・ハーディ、気になる女が出来たけどちょっと部屋を覗くだけで帰っちゃうトム・ハーディ、大事な資金を奪われたシャイア・ラブーフに「金の問題じゃない。主義の問題だ。」と叱責するトム・ハーディ、ナイフで首根っこを深く切られても生き延びたトム・ハーディ、何発銃を撃ち込まれても死なないトム・ハーディ、酔っ払って凍った池のほとりで1人踊ってみたら足元が滑って池に転落、「あーさぶさぶさぶ…」と凍えながら家に戻っていくトム・ハーディ…。時系列めちゃくちゃですが、とにかくトム・ハーディがすげーー良かった!!ということが言いたいのです。

これ、話はオーソドックスというか、そこまで新鮮味があるようなものではないと思うのですが、要はキャラクターと1920年アメリカの雰囲気にどれだけハマれるかというところで好みが別れるものだと思います。
トム・ハーディ以外のキャラで言えば、女性陣良かったですね。あの『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャスティンがエロく、なんとおっぱいも見れたし、田舎娘のミア・ワシコウスカの可愛さに至ってはもうたまらんものがありました。『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』でライアン・ゴズリングの息子役をしていたデイン・デハーン君がシャイア・ラブーフの友人で、足の悪い役を演じていましたが彼も良いオーラをまとってますね。ヘタレキャラなんだけど嫌いどころかむしろすごく好感を抱ける感じ。一方シャイア・ラブーフはホントに腹立つんですが…まあそういう役なんですけども。

悪役のガイ・ピアース潔癖症で相手を殴るときにちゃんと白い手袋をしてボコボコに殴り、ハンカチを取り出して手袋についた血を拭き取る、とか、ぴっちりした髪型を好んで乱れるとすぐさまクシで直す、とか観てるこちらに嫌悪感を抱かせるには十分なイヤ〜な感じあったんですが、もう1つ何か欲しかった!確かにこいつキモいしどうしようもない悪役でこいつぶっ殺すっきゃねぇ!!と思わせてくれるには十分なんですが、もう1つ、この映画ならではこの悪役の存在感を際立たせる何かが欲しかったですね。

あとは途中出てきたゲイリー・オールドマンがそれきりだったのが少し残念などありますが、総じてキャラクターはどれも良かったですよ!!

それと、音がデカい環境の鑑賞で本当に良かったと思うのが、この映画の音楽ですね。この映画の脚本もしているニック・ケイヴがスコアも担当しているということを予告編で知ったときに、まず音楽は間違いなく良いだろうなと。ニック・ケイヴ本人というよりも、よく一緒に組んでるウォーレン・エリスが僕の大好きなオーストラリアのバンド、Dirty Threeのバイオリニストでして。きっと『欲望のバージニア』でも一緒にやってくれるんじゃないかしら!と願っていたら、まんまと彼っぽいバイオリンが聞こえてきて、やたーーっっ!!と喜んでいたわけです。
まあ、そんなことは置いといても、単純に映画のスコアとして、この映画の雰囲気、1920年アメリカの埃っぽい雰囲気を醸成していくのにかなり効果的であるし、音楽として聞いても心地よいものになっていて、大変良かったです。

これ聞いてたらもっかい映画館で観たくなってきたなぁ…やっぱり真っ暗でデカい画面そしてデカい音で映画観るのって最高ですね!
欲望のバージニア』、まとめるとトム・ハーディと音楽が最高!!ということで下半期はいい出だしが送れてます!

最後にせっかくなのでDirty Threeの音源を2つばかし。

13分と長尺な上、アブストラクトな演奏でとっつきにくいかもしれません。けどできれば通して聞いて頂きたい、周りの空気がDirty Three色に染まるはずです、それが心地良ければあなたもきっと好きになる!


こちらは4分くらいで、曲自体も彼らにしてはカチッとしてて聴きやすい。メロディが素晴らしいです。