心の友が亡くなった

2月3日の朝、寝付けずに開いたツイッター町山智浩さんの「フィリップ・シーモア・ホフマンが死んじゃった!」からいろんな人の「信じられない」「震えが止まらない」などのツイートをみて嫌な予感がして鼓動が早くなって手が震えだし、それから少し遅れて「フィリップ・シーモア・ホフマンさん死去」のニュースが入ってようやく状況が分かって愕然とした。にわかには信じられなくて、嘘やろ?冗談きつすぎる…いやいやいやと頭の中で繰り返し続けて、飲み込むのに1時間ぐらいかかった。その日は結局、1日家で落ち込んでた(学生のみ成せる所業)。翌日もまだ辛くて、ツイッター開くと前日のフィリップ・シーモア・ホフマン追悼の雰囲気から普段に戻ってるのも寂しかった。
これほど衝撃で、受け入れ難く、悲しい有名人の訃報はなかった。
もちろん好きな俳優が亡くなったことがショックなんだけど、なんか違う。なんだろう…と数日モヤモヤしてたら、柳下毅一郎さんがブログを書いた。

>>フィリップ・シーモア・ホフマンが死んでしまった……なんでこんなことが起こるのだろう? フィリップ・シーモア・ホフマンが。ODで。ショックだった。あまりにも。フィリップ・シーモア・ホフマンは素晴らしい俳優だった。オスカーだって取った。でも、だから悲しいということじゃない。いやそりゃあ優れた俳優が死んだら悲しいけど、そんなことでこんなにショックは受けない。フィリップ・シーモア・ホフマンはぼくの友だった。いつだって、そこにいてくれる人だった。フィリップ・シーモア・ホフマンだけはぼくを裏切らない、とずっと思っていて、そして実際一度たりとも裏切られることはなかった。
http://garth.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/psh-rip.html

まさに言い当てられたと思った。フィリップ・シーモア・ホフマンは僕にとって心の友で、いつだってそこにいてくれるし、裏切られないし裏切られたこともなかった。カッコ悪いけど愛さずにはいられないヒーローでもあった。その喪失感たるや…。

死因は例によってドラッグのオーバードーズだったけど、そのことをどうこう言うことはできない。映画の外のフィリップ・シーモア・ホフマンのことは何も知らないから。それがわかって、また辛い。
けど、なんで死んだんだよ、死ぬなよ馬鹿野郎!とだけは言いたい。
ご冥福を、と書くつもりで書き始めた記事だけど、まだ落ち着けてないのかもしれません。


(0:53〜のバックハンドからの脱臼がたまらない)


「どうだった?」


"Rock'n Roooooolllllll!!"


ハンガーゲーム2スルーしちゃったけど観に行っておけば良かったとか、ブチギレ演技大好きだったけどドラッグの力もあったのかなとか、まだ観てないフィリップ・シーモア・ホフマン出演作を全部観ようと思ったけど新作はもうないのだし大事にゆっくり観ていこう、とか…。


映画館で観た映画(10月・11月・12月編)

気がついたらもう大晦日だったので大慌てでまとめてやります。
やる意味あるのかというところですがやるしかないです。
ほとんど感想は一言のみ、という感じで、それーー

『クロニクル』

★★★★☆
念願叶って地元の映画館で観れた嬉しさに加え、映画自体も相当良かったです。
超能力持ってる高校生がいたら間違いなくYouTubeに載せそうな、超能力の使い方のリアリティが楽しく、少年が絶望に堕ちたときの爆発が辛かった。

グランド・イリュージョン

★★☆
「金」感が強烈。ショーで4人が客を煽っていくシーンは結構好きでした。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』

★★★☆
アニメ版は全部観ていて、中でも「時間遡行」モノ要素が好きだったので鑑賞。サービスの変身シーン、まどかVSマミの戦闘シーンはドストライクで素晴らしかったです。が、今回は台詞での設定、環境、事実の説明をひたすら聞かされ続けるのに疲れました。アニメ版もそうだったかは覚えていません。女の子のバディームービーとして観ると結構好きです。

『アフターショック』

★★★☆
あえて要望から先にいうと、もっとギュッと凝縮するともっと良くなったと思う!!
ダンス男のくだりは削るかもっと良いダンス見せて欲しかった。
いや、大好きですこれ。スペクタクルはないのですが、俯瞰した地獄絵図ではなく地獄絵図の中にいる人間がばっちり描けているのでOK。ラストの、やっぱりきたー!!もうダメだー!!感最高でした。


『キャリー』

★★
クロエのアイドル映画としても良い物になってるとは思えませんでした。ジュリアン・ムーアはやっぱり思い込み人間役上手い。

『わたしはロランス』

★★★★
観ている間は映像だったり音楽だったりに感嘆したり、どういうところに落ち着くのか気になって仕方なかったけど、画像を見て映画を思い返すと、台詞などをじっくり味わいたくなって今すぐにでも2度目が見たくなってきました。

『武器人間』

★★★
死体かな?と思って近づくと…のシーンに今年一番驚き死にそうになりました。脳みそグチョグチョシーンは『ハンニバル』越えの気持ち悪さ。
武器人間が無双するシーンがどうしても欲しかったです。なんせモスキート超カッコいい。地元の映画館にはTシャツ売ってなくてすごい残念でした。

メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』

★★★★
メタリカは中学生のときに『St.Anger』が出たときに少しハマり、有名曲を何曲か知っている程度ですが、やっぱりアガるなぁと改めて思いました。席におとなしく座って観るのが辛かったです。ステージ崩壊後の「Hit The Lights」、散々色々やっといて、リハのような雰囲気でやる「Orion」で締めるにくさったら!!
ライブ前のロバート・トゥルージロの超重低爆音アップシーンの3D感よかったなぁ。

もらとりあむタマ子

★★★★
予告編観て観に行こうと決めました。本編であの台詞を初聞きしたかったと少し後悔してます。僕が観た回ではお客さんの数は少なかったものの、笑いを共有してる感じがあって、実に満喫できたと思います。

『悪の法則』

★★★★☆
抽象的な台詞が応酬される映画は割と苦手なんですが、これはすーっと頭に入ってきました。必要最低限の説明だとこんなに気持ちが良いものになるのかと思いました。それに加えて、銃撃戦やポリート首ちょんぱ描写やスコアも一級品で、もう、たまらんかったです。2回観に行ったのですが2回目は台詞がかなり説明的に感じられて、やっぱり初見でどうなるかわかりつつも探り探り進む感じと、台詞のびたっとしたハマり具合で脳がぐちゃぐちゃになるような快楽を覚えたあの感じは味わえませんでした。

キャプテン・フィリップス

★★★★
トム・ハンクスがひょろひょろのソマリア人海賊に襲われる話だって?なんて嫌な構図なんだ、と予告編を観るたびに思ってましたが、どっこい本編観たら超面白かったです。ソマリア人側の背景をしっかり描いて、船の上でのトラブルという小さい問題でなく、それが世界システムの副産物であることを描いたことが広がりを持たせたのだと思います。さらにポール・グリーングラス監督のリアル志向がぴったりハマっていて、なんでこうなるの?と思う部分が一切無かった。プロのプロの腕披露シーン大好きな僕としては、SEALs登場からもう最高にわくわくしたのですが、極めつけはメディカル・チェックシーン。確かに、そこでようやく安堵していって涙をこぼすフィリップス艦長の様子も感動的なのですが、それより看護婦長のうるせーよ!と言いたくなるくらいとにかく話し掛け続けて(それも事務的に)意識を落ち着かせつつ、手際よくケガを確認していく様に感動して涙しました。あのシーンの説得力たるや!!長時間緊張を強いられた環境にいて身も心も疲弊しきった人間を安堵させるのに、確かに最も効果的な措置をしているのだ、という圧倒的な説得力。はじめてこんなの観た!!と感動してさすがポール・グリーングラス監督…!と思ったらどうやら本物の軍医さんだったようで。

ゼロ・グラビティ

★★★★★
これはしっかり感想を書きたかったのです…。
2回IMAXで観て、1度目は映像に圧倒され、2度目は物語に感動しました。
メタファーが少しくどく感じられる、確かに、が、それはいい!!
生命活動は続けど死んでいた人間が、また人として生きる決断をして笑顔で「どっちに転ぼうと最高の旅よ」なんて胸を打たないわけがない!!!
ジョージ・クルーニーもめちゃめちゃ格好良いし、オープニングタイトルも超カッコイイし…たまらんかった!たまらんかった!!!

ザ・コール [緊急通報指令室]

★★★☆
好きな映画でした。が、少し宣伝でミスリード食らった感もあります。妙に僕が観た劇場では音がバカデカくて、それがこの映画ではすごくいい方に作用していて良かったです。

と、なんとか3ヶ月分をまとめて…
今年のベスト10を書きます、また今日中に!

映画館で観た映画(9月編・後半)

早速1本目!

サイド・エフェクト

★★★
ルーニー・マーラチャニング・テイタムという黄金夫婦に惹かれて観に行きました。見てくださいよこのルーニー・マーラの透明感を!一方のチャニング・テイタムチャニング・テイタムらしくないチャニング・テイタムで物足りなかったですけれども…。まあそれはともかくとして、中盤までは非常に楽しく観れました。というのも、ルーニー・マーラが実は…じゃないの?という疑惑が出てきた辺りから、すーっと話が小さいところに収縮してしまった感じがしたんです。抗うつ薬の副作用が原因ならば、相手は製薬会社をはじめとした連中で、自分の職業生命をかけて精神科医はこいつらとどう戦うんだろう、これは見ものだ!と期待しちゃって、いや事実、中盤まではそういう描き方をしていたと思うし、この展開には萎えました。ただ、鑑賞後他の方の感想を読むうちに、もったいない観方をしてしまったような気がしたりも。それと自分が思ったよりルーニー・マーラのことが好きなことに気がつきました。だからこそ大好きなルーニー・マーラが大好きなチャニング・テイタムを刺し殺す展開に激しく動揺したり、やっぱりルーニー・マーラが龍の刺青をこさえて製薬会社と戦う展開が観たかったな!とかそんなことを思ったりもしました。終盤まで、えールーニー・マーラが?本当は違うんだよね、嘘だよね…とか考えたりしちゃって、ルーニー・マーラ悪役オチをなかなか受け入れられずカタルシスを感じられなかったりも…。そろそろルーニー・マーラが報われる映画が観たいです。

エリジウム

★★★
ニール・ブロムカンプ監督の前作『第9地区』が大好きで、劇場で予告編を観るたびに期待が高まっていた1本です。率直に言って、微妙だ…という感想です。ニール・ブロムカンプ監督十八番の「ガジェット感」が効いているようで効いていないのが最も残念でした。パワードスーツを身体に埋め込んで装着する、このアイデア、そして施術シーンまでは良かったのですが、戦闘シーンとなると特にガジェット感が強調されることもなく、割とさらっと力が強くなったんだなと分かる程度で、パワードスーツのどのギミックがどう作用しているのか、そういうフェティシズムに踏み込んで欲しかったです。あと、これは某掲示板で観たコメントなのですが、性能の劣る旧式のパワードスーツが、最新装備に苦戦しつつも勝つロマンを描くべきだったでしょう!!性能差をしっかり見せた上で、窮地に陥ったマックスが機知をめぐらせて戦う!!これがあればググーッと好きになったのに!!もう!!ニール!!まあ、それでもニールをかばいたくなる僕としては、きっとハリウッドで大作をつくる上で、どう考えても大して必要ではなかったマット・デイモンジョディ・フォスターのキャスティングをせざるを得なくて、きっと思うように作れなかった部分もあるのだろうなーと思っています。シャールト・コプリーの悪役はさすが素晴らしかったです。電磁シールド展開が最大の盛り上がりポイントだったかなー。次作に期待です。

『凶悪』

★★★★
正直言うと途中睡魔が襲ってきて危うかったのですが、新聞記者が汚れた民家の窓をこすって中を覗くと―から抜群に面白かったです!!死体切断シーンやらおっぱいやら、きっちりやることやってる邦画はそれだけで応援したくなりますが、全体として気に入りました。一部ではウケの悪い新聞記者の家庭パートですが、一番イヤ〜なシーンは常にここでした。もはや殺人に何の抵抗ももたないピエール瀧リリー・フランキーは「向こう側」の人間に振り分けられて、彼らがどんどん人を拷問して殺めていくシーンには恐ろしいと思いこそはすれど、どこか安心して観ることができる部分があります。対して、ボケてしまった夫の母親の世話を託され、じわじわとストレスを溜めていく妻、それに目を向けず手を差し伸べようとしない夫、この家庭パートは僕らの日常に最も近い、避けがたい葛藤であります。大きな凶悪と戦おうとして、身近な人の苦しみに気づけなくなった人間が描かれているところが、この映画がより面白いものになったのだと思います。まあ、妻役の池脇千鶴殺人的に可愛いので、観ている間山田孝之の態度にむかっ腹が立ってしょうがなかったのですが…。それともちろん、ピエール瀧リリー・フランキー、特に先生役のリリー・フランキー最高でした。

地獄でなぜ悪い


今年度ワースト候補作です。どの画像を貼ろうか悩んでいたら、↑を見つけて思わずこれにしてしまいました。「なにも考えずに」観れたら楽しめたんでしょうか。そういうふうに作ってください。
いろいろ文句言ってもそれすら織り込み済みで手の内にいるんだよ、と思われるようで余計嫌気がさすので、シンプルに。役者の演技が苦手(國村隼はいつも通りで良かった)。台詞回しが苦手。演出が苦手(ヘタ?)。映画館で上映中のスクリーンの前をクルーが横切るシーンもなかなかでしたが、監督が「よーーい!!スタートォォォ!!」と叫んだあとそのままカメラの前に立ち続けるシーンが最悪でした。あの監督が出るシーンはどれも頭痛がするほどげっそりしました。これが面白がられる状況にも悲しいものがあります。あぁ、同じくらいの時期に『凶悪』があって本当によかったな、と心底思います。園子温監督作は、『愛のむきだし』と『冷たい熱帯魚』(後半除く)は大好きだったんですが、今見返したらひょっとして違う印象になるのでは、と思い始めてきました。

映画館で観た映画(9月編・前半)

9月に劇場で観た映画は8本!
まずは4本!

『マン・オブ・スティール』

★★★★
「スーパーマン」過去作はクリストファー・リーヴ版の『スーパーマン』のみ鑑賞済みの浅いスーパーマンファンとして、あれだけすごい戦闘シーンが観れただけで大興奮でした。親父が命をはって「力の使い方に気をつけろ」というメッセージを送ったくだりなど、ストーリー的に首をひねりたくなるところが少なくなかったように思いますが、中盤の1VS2の戦闘、後半の地球クリプトンフォーミングとゾッド将軍との一騎打ちで結果大満足でした。各所で言われているように、まさにマンガ版ドラゴンボールを実写に置き換えたような現実離れした戦闘を、これほどまでに現実的に感じさせてくれる映像を観せているという点だけでもこの映画は十分観る価値があったと思います。スーパーマンのテーマはやっぱり聞きたかったな、とは思いますが。
この後、『スーパーマン・リターンズ』を観て、なるほどスーパーマンファンが『マン・オブ・スティール』に納得出来ない理由がわかりました。確かにこれがスーパーマンだ!とは言えない、『マン・オブ・スティール』は!『スーパーマン・リターンズ』の、墜落する飛行機をスーパーマンが助けにくるシーンで、パイロットがレーダーを見て「未確認飛行物体が超高速が近づいてくる!」というこのシーンで毎回涙が出てしまうのですが、こういう要素は無かったですね。最初に『マン・オブ・スティール』の方を見て良かったのかもしれない。

マジック・マイク

★★★☆
チャニング・テイタムのストリップに100点!!!
もう、それだけでいい気がします。あとはマシュー・マコノヒーの煽りを足して120点みたいな。もう何が最高って、僕が観た回は客席が結構空いてて寂しい感じだったのですが、たまたま同じ列に座っていた女子2人がストリップシーンで興奮しててキャッキャリアクションをとってたりして、1人で観るよりよっぽどストリップを堪能できたところですよ!!これだこれだと!!おかげ様で本当に楽しかったですね、僕にとってのこの映画の魅力をさらに引き出してくれたのはあの2人だと思ってます。終わったあともずーっとキャッキャ言ってて「テイタムが〜」みたいなのが聞こえてきて、本当に素晴らしいしあなた達のことが抱きしめたいくらい大好きです!と言いたい気持ちを押し殺して心のなかで拍手してました。
ストーリー的には中盤から漂い始める不穏な空気に少し不安になりましたが、よきところに着地して後味良く終わって良かったです。ストリップ観に来た女子を、気持ち良く帰らせたいじゃないですか。

オーガスト・ウォーズ』

★★★★
トランスフォーマーみたいなロボットが出てくるSF映画だよ!という作りになっている予告編がミスリードであり、実際はロシアの戦争映画であることを事前に知っていたことは大きかったかなと思います。序盤、結構退屈な感じが続いてふーっと眠気が襲ってきた辺りで主人公が乗ったバスに誘導ミサイルが直撃したところから一気に今主人公がいるのは戦場なのだというリアリティが出てきて加速的に面白くなります。その後、細かいシーンなどは覚えていないのですが…エグい描写、グロシーンなどはないにせよ、戦争映画として素晴らしい描写、戦闘シーンでもうたまらなかったですね。
出てくるロボットですが、もうちょっと上手いこと活かせばもっと良くなったのかなと友人と話していたのですが、あくまで戦争映画として観てもらうように作ったのだろうし、妙なカタルシスを持ち込んでその辺りが曖昧になるくらいなら、このくらいの使われ方で十分だろうと、今は思います。
まあ無類に面白かったのですが、残念ながら細部が頭に残っていないので、早くレンタルでまた観たいなぁと思っております。

『恋の渦』

★★★★
監督は『モテキ』の人で、未見だけどこれからも観ることはないだろうし、これにも大して惹かれないな…とスルーするつもりが、ひょんなことから監督&キャストのトークショー付上映イベントに行くことになりました。どんな映画か掴もうと、YouTubeで公開されていた序盤の部屋コン13分くらいのシーンを観たら…何これ面白そう!!となり、結構期待して観に行ったらやっぱり面白かったです、この映画!
コピーにあるようにゲスでエロなDQN達の生態を神の目から見てゲラゲラ笑う映画かと思いきや、いや、実際そういう映画でゲラゲラ笑って観てたのですが、だんだんしゃべり方とかやり方とか表に出る出方は違えど、自分にもこういう所あるよな…という思いが巡り始め、勝手に引いていた境界線が崩され、神の目から引きずり降ろされて同じ地面に立ち、こいつらはクズだけど、俺もクズなんだ、と思い知らされるような…。ただ笑えるだけでなく、そういうグサリと刺す鋭さが感じられて非常に楽しめました。
これが素晴らしい出来になりえたのは、何よりも役者陣の演技だと思います。本当に素晴らしい!よくぞ、クズでみじめでしょうもない人間を演じ切られましたものだと、拍手を送りたいです(そういう気持ちでトークショーで拍手しました)。
が、映画を観た後にその出演者が出てくるトークショーに参加するのは初めてで、そのせいか、もう劇中のキャラクターを引きずってるところもあり、本人たちを目の前にしてどう感じたものか…と割と戸惑ってしまいました。ジョージ・クルーニーとかだったらそんなことはないんでしょうけども、まだ無名(すみません)の方々だったので。キャスティングという意味ではこれが効いていて上手く出来てました。
それと、トークショー付きということで場内ほぼ満席だったのですが、イベント関連だとみなさんテンションが上がるんでしょうか。上映中場内が結構盛り上がっていてみんなで爆笑したり、まあ楽しかったのですが、こんなにリアクションのある環境は滅多に遭遇しないので不思議に思いました。実際、同じこの映画の後日の上映で、結構客席は埋まっているのに、非常に反応が薄いことがありました。もしかしたら1人いいリアクションをとる客がいたらそれが伝播したり、周りの客もリアクションをとりやすくなる環境が生まれる、という部分もあるのかもしれませんが。とにかく良い環境で観れたことも嬉しかったです。

映画館で観た映画(8月編)

前回更新から約3ヶ月が経とうとしていることに気づき、茫然自失としております…。
この間、ちょこちょこと映画館に足を運びいろんな映画を観ていたわけですが、感想書こう書こう思いつつ、日々のあれやこれやに時間をとられて書きそびれ、そのまま時間が経過して観た映画の記憶が薄れ始め、そしてまた次の映画を観て…とこのサイクルを繰り返すうちに、ふーっとブログから離れていっておりました。
しかしもう12月!!2013年が終わろうとしている!!俺ルール「観た映画はとりあえずブログになんか書く」を少なくとも1年は続けたい!2013年ベスト10とかも書いてみたいし!

では観た早速観た順番に。8月に観た残りの映画から行きますよー!

『アート・オブ・ラップ』

★★★☆
ヒップホップというもの(特に日本語)を聞かず嫌いして正直鼻で笑うようなことをしてきたのですが、ライムスター宇多丸さんの「ウィークエンド・シャッフル」を聞くようになり、「シネマハスラー」にはまり、「サタデーナイト・ラボ」にはまり、その流れでヒップホップも最近は聴くようになった(良さがわかってきた)、入門したての僕でも非常に楽しめたドキュメンタリーでした。
有名所、豪華登場陣!って雰囲気を感じつつも、その中のごく一部しか知らなくて、あいつにこいつも出てきたぜ!てな興奮は無かったわけですが、なぜラップをするのか?という本質的な問いから、キミはどうやってリリック書いてんの?などなどテクニック的な部分まで探っており、素人の自分でも興味をそそられるようなつくりになっておりました。
で、面白いのがド真面目ってよりは少しラフにやっているところですね。例えば、街中でインタビュアーのアイス・Tと相手のラッパーがいてこれから収録始めようって時に、カメラに反応してなのかラッパーに反応してなのか、カメラにチラチラ映り込んできたり、あわよくば話しかけてきたりするその辺にいた連中に対して、「おい、あそこにカメラあるだろ?これから収録なんだよ。わかったらとっとと出て行きやがれ」みたいにかますところもしっかり見せてくれたりします。あとは流石ラッパー達、みんな面白いことを返してくるわけですよ!確かスヌープ・ドッグが言ってたと思うんですが、「俺は大麻が嫌いだ。だから燃やして吸うのさ」みたいな。 あとは静かな環境で集中しないと俺はリリックが書けねぇんだ!ってラッパーが、シーンとした中ブツブツつぶやぎながらメモを書き進めていると…「ガタッ(スタッフが物音を出す)」「もう書けねぇ(勢いよく椅子から立ち上がって)」「うそだよ(笑)」なんてボケをする場面とかも。上手い書き方ができないんですが、ここの間もすごくいいんですよ、ボケとして。
即興ラップももちろん堪能しましたが、こういうラッパー達の小粋さが、なによりも印象的でした。


ホワイトハウス・ダウン

★★★
「今夏ベスト!」などの絶賛の呼び声を聞いて、そこそこに期待を持って観に行ったのですが、なんとも中途半端なことに「まあまあ楽しかったかな〜」という感じでした。
良い所はチャニング・テイタムががんばるところ。『21ジャンプストリート』でお目にかかって以来この人のことが大好きになりまして、それはまあ後に観た『マジック・マイク』も最高だったわけですが、これまた後に観た『サイド・エフェクト』よりはチャニング・テイタムらしいチャニング・テイタムでこの点は良かったです。悪い所…は特にないんですが、敵のハッカーみたいな奴のキャラ、あれはイライラしました。もう、コンピュータールームに忍び込んでまず先にチュッパチャップスの入ったコップを立て、お気に入りのクラシックをかけるような環境づくりをするハッカーとかいいから!!!これは僕的には全く気の利いたお約束ではなかったです。もう飽き飽きしてます。例が浮かばないけど、既視感に溢れすぎてしんどかったです。
あとは最後。娘がアメリカ国旗を降るシーン。僕は笑っちゃった派でした。バカにしてではなく、なんというかUSA感に溢れてて…。でも、それに気づいて戦闘機がミサイルを撃つのをやめるところは気に食わない。当然、撃って娘もチャニング・テイタムもどーーん!!終わり!!になるわけないですが、パイロットが自己判断で勝手に発射中止するのはどうなのでしょう。核が撃たれる危険があるとかそういう話でしたよね?っていうリアル的ツッコミは置いとくして、軍人的に無しだろう、と。映画で見る軍人の、上から与えられた命令に絶対服従をせねばならず、ひょっとしたら一般市民の可能性もある相手を、ましてや自分自身の命をも投げ出さなければならないような、そんなストイックで融通が効かないところが好きだし憧れのようなものを感じるんです。もちろんそこに葛藤が生まれるのは然るべきですが、あの状況はパイロットが「駄目だ…撃てない!」となる説得力が無かったし、ただただやめるべくしてやめた感じがあって、萎えてしまいましたね…。
しかし映画館でチャニング・テイタムを拝めるだけで割と満足だったところもあります。
あとホワイトハウスのツアーガイドがいい味出してましたね!

娘役の女優とTVでダンス披露!これを観たらチャニング・テイタムをより愛さずにはいられない!

スター・トレック イントゥ・ダークネス

★★★★☆
今夏で問答無用で抜群に面白かった映画。
スタートレック」シリーズは1本も観ていない、リメイク前作は結構面白かったなー、程度のにわかファンである私ですが、これを観てる時は頭の中で「面白い!!面白い!!」と連呼し、脳汁ドバドバ興奮MAX、ニヤニヤしっぱなしでもう最高でした。のっけからクライマックスで、どこが面白かったかって言われたら全部だよ全部!!という感じで、書くことが全く浮かばないのですがまあとにかく最高でしたよ!!
序盤、海中から巨大な探索船が現れるシーンで、作中の未開部族的宇宙人同様、船のデカさに圧倒され感動、涙!!あまりにデカイもののデカさに圧倒されて感動、という珍しいタイプの感動は、『パシフィック・リム』につづいてまたも味わうことができましたね。
先の『パシフィック・リム』には相当の期待や何やらがあり、好きだけど、好きなんだけど…!!という甘酸っぱい複雑なものがある一方、こちらはド直球に、ストレートに、何の構えもなくおんもしれぇえええ!!と叫びたくなる映画でした。カーンという名前にピンと来ない新参者であってもこれだけ面白かったのですから、もし自分がスタートレックファンだったら失神レベルで興奮したのではないかといらぬ心配をしたくなるレベルで大興奮です。
ストーリー部分に指摘などもされているようですが、僕は映画の勢いに圧倒されて全く気にならなかったです。カークが死ぬー→超人血清でーのくだりが唯一ハイハイ、って思えたぐらいでしたがとにかく勢いがいいので、いいよ!このくらい全然!と大目にみたくなる余裕がこちらにありました。
あと現時点で思い出せる部分で、個人的にだーーーい好き!!!ドツボ!!だったのがワープシーンですね〜。ワープの瞬間の音、迫力、宇宙空間に青く残った船の軌道、すべてが最高に気持ち良く、永遠に観たい一瞬です。
まあとにかく最高で最高で、何の屈託もなく最高と叫べる映画でした。
間違いなくIMAX3Dで観て良かった、(観ていない人は今更ですが)観るべき映画でした!!

『ワールド・ウォーZ』


★★☆

これは特に何も書きたいことが浮かばなかった1本です。

全然良くはないけど、ボロクソ言いたくなるほど悪くもなかったという最も微妙なタイプの映画でした。
珍しくほぼ満席という望ましい環境で観れたのですが、特に周りからのフィードバックはなく、その辺りも残念でしたね。

やっぱりゾンビって言ってんのにゾンビっぽさを感じるシーンがほとんど無かったのが残念でした。ゾンビ映画ではなく、ファミリー向けの映画として売ろうとした宣伝方法も話題になりましたが、レーティング対策なのか、グロテスクなシーンは皆無で、さらに画面ががちゃがちゃしてて何がどうなってんのかわかんない場面も多かったです。
ゾンビ以外でも、観てるこっちがショックを受けるような場面はほとんど無かったように思いますねー…。この手の映画を観るときにどうしてもそういうものを期待してしまうのでがっかりでした。『コンテイジョン』のようなウイルス感染ものとしても、いまいち切迫感のない、ヒリヒリするような緊迫感のない感じもうーん…でした。
あとはブラピ一家の家族描写。いちいち電話で連絡取り合ったりとか…いま取り込み中だっつってんだろ!!ってヤケにイライラきましたねー…。家族向けに売りたい以外にブラピ一家が登場した理由が見当たらず、これも僕にとって完全にノイズでした。

今思えば、映画の前に友人たちと『パシフィック・リム』の話で盛り上がり、『パシフィック・リム』みんなで観たいなぁ…と本編中も何度か考えてしまっていたので自分の鑑賞態度も相当悪かったとは思うのですが。
思うに、もっと肩の力抜いて観ればもうちょっと面白かったのかなと。ブラピが大作ゾンビ映画だ!って変に期待しちゃったのがマイナスでしたかね。序盤、事態を収めるはずのキーパーソンがずっこけた時に銃が暴発していきなり死ぬ、とかWE LOVE PEPSI!!なオチとかももっと楽しめたかもしれません。

それと大変不愉快に感じられたところ。ブラピ一家がゾンビの群れから逃げてきて中東系移民(?)の家族の家に匿ってもらうんですが、そこにもゾンビたちが押し寄せてきて、お父さんとお母さんは噛まれて速攻でゾンビ化、息子だけはブラピ一家共々逃げる。その後、避難先の戦艦からブラピが発つ時にその子どもに「俺の家族をよろしく頼む」って言うんですよ。酷い!!この、鬼!!人でなし!!別に子どもに励ましの言葉をかけてやるシーンとかはいらないけど、その台詞余計だったよ!!しかもお父さんゾンビは確か、ヘリで逃げる直前に兵に銃殺されてましたよね…?おいおいおい、そりゃないよ!!って一番言いたくなったシーンでした。その台詞いらないいらない!

予告でも散々観ましたが、ゾンビの群れがどんどん折り重なっていって、「ゾンビタワー」ができるシーンは迫力ありましたね。大量のゾンビが現れるシーンはどれも映像的に面白かった気がします。
一番良かったのは韓国(でしたっけ)で、ブラピたちが飛行機で逃げる時間稼ぎをする軍人たちですね。これもまあ、ブラピの奥さんが電話かけてきてその着信音でゾンビたちに気づかれるという非常にアホなきっかけで始まる一連なんですが、隊長らしき人がゾンビに噛まれた!スナイパーがゾンビ化する前に隊長を撃とうとすると、「自分でやる」この台詞!
ついこの間『オーガストウォーズ』観てても感じたのですが、軍人の本当に命をかけたこの態度には男として本当に敬礼したくなるものがあります。

最後に、ブラピはもうブラピにしか見えなくなってきたので、確かに俳優としてはある意味もう潮時なのかも、と思います。『悪の法則』は楽しみですけどね!

『パシフィック・リム』


★★★★☆

すっかりブログの更新頻度が落ちているのとは反対に、8〜9月は観たい映画ラッシュで、ここに感想を書き記していないものがガンガン溜まってきております…!!
「映画館に観に行った映画に関しては必ずブログに感想を書く」という自分ルールを、せめて1年は続けたいので何とか振り返って反り返って書きたいと思います!

いや、書こうとはしてたんですよ。何度も書いては消し、書いては消しするうちに面倒臭くなって逃げていたんです。それもこの『パシフィック・リム』のせい。
今年に入ってからこの映画をずーっと楽しみにしてきて、『サイレントヒル:リベレーション3D』で初めて映画館で予告を観たときには叫びたくなるほど興奮し、公開1週間前にはビジュアルガイドを買って観るまで封印し、公開初日にIMAX字幕版初回を観て、それから数日後2D字幕→IMAX吹き替え版とハシゴして、また2D字幕を観て、最後にIMAX字幕版…と生まれて初めて1つの映画を5回観に行くほど「来た」映画でした。
ネット上(2chツイッター上?)では大ハマリした勢とそうでもなかった勢にハッキリ別れているような気がするのですが、僕の位置的には両者の中間くらいでしょうか。
もちろん『パシフィック・リム』5回も観に行ったし、そのうち3回はIMAXなので映画代だけで1万近く使った僕ですから当然大好きですが、大ハマリしている人ほど好きではないような気がしますし、そうでもなかった勢の言ってることも結構分かるのです。

好きな箇所を書いていくだけで相当な量になるので、簡単に、『パシフィック・リム』の素晴らしいところ!
ロボットと怪獣のガチンコ勝負を思いっきり観せてくれたところ。ロボットの攻撃は基本的には殴る。さらにサブウェポンや必殺技まであり、現在の映像技術でこんなものを大迫力で観せてくれるのですから、これで悦ばない漢はいないだろう!!と扇情的な物言いをしたくなるほど興奮しました。特に本編中最大の見せ場、香港防衛戦。前線にチェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンが立ち、後方にストライカー・エウレカが控えて2匹の怪獣を迎え撃つシーン。チェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンが倒され、ストライカー・エウレカも機能停止し、大ピンチ…!というところで現れる、ジプシー・デンジャー!!!数機のヘリコプターに運ばれて後光を受けながらジプシー・デンジャーが助けにくるシーンに、僕は初めてかっこよすぎて感動して涙が出るという体験をしました。この後の一連も本当に素晴らしい。巨大タンカーを引きずって現れるジプシー・デンジャー、足を踏ん張って巨大タンカーで怪獣をぶん殴る!!エクスタシー!!!よくぞこんなものを観せてくれた!!!とギレルモ・デル・トロを抱きしめたいほどですよ!!さらにその後、もう打つ手がない…まだある!!「チェーンソード起動」ジャキーーン!!の格好良さ!!フォーーッッ!!!!大気圏外から落下、「衝撃に備えろ!!」とかもう…熱い!!熱すぎる!!!ヤバイ!!!これはヤバイ!!!

…とごめんなさい、このぐらいにします。
ただあと1つ!!『パシフィック・リム』、「イェーガーは2人のパイロットがドリフトして操縦する」っていう設定が本当に最高だなと思っていまして。イェーガーは1体でも、そこに2人のパイロットがいて、協力して怪獣を倒すんだ!っていう感じがたまらなく燃えるし、胸に迫るものがあるんです。僕が劇中で最も好きな台詞、レザーバックにジプシー・デンジャーが投げ飛ばされ、そこにレザーバックがさらに襲いかかろうと全力疾走してくる、ジプシー・デンジャーが立ち上がり、ローリーが森マコに向かって言う台詞、Come on! Let's do this TOGETHER!!」にそれが最も現れているような気がします。「一緒にあいつを倒すんだ!」の字幕も素晴らしかったです。2人には恋愛感情らしきものも見えていましたが、ラストは額を合わせて笑い合うという、キスシーンを描かなかった辺りも拍手。

それと、フォローではないですが、よく見かける批判として、戦闘シーンがほとんど夜だったり、水中だったりして見辛い、というもの。当然あえてやっているんだと思います。なぜなら…真っ昼間に戦うイェーガーの姿は恐らく間抜けに見えちゃうから。唯一ストライカー・エウレカが真っ昼間に怪獣と戦うシーンがありますが、ビルの屋上にいる人が撮っているような独特のアングルで、あれでギリ格好良く見えるのかと。なぜそう思うのかというと、香港防衛戦で地上に上がって比較的明るい場所での戦闘になってからのジプシー・デンジャーの動きが、ところどころ間抜けに見えるようなところがあったからです。人型のデカイものが滑らかに動く、というのを格好良く見せるのが難しいのだろうと勝手に思っていますが、どうなんでしょう。他に、雨だったら海上での戦闘は言うまでもなく水しぶきの粒子との対比でイェーガーのデカさの強調ですよね。恐らく、イェーガーは水しぶきをあげて、水に濡れて、ヘリや自身のライトで部分部分が照らされている状態が一番格好良く見えるのではないかなーと思います。

そして、惜しいところ。
パシフィック・リム』そうでもない派はストーリー部分に一番ツッコミを入れているようですが、僕もそう思います。パーツは揃っているのに組み合わせ方が雑で、持っていけるはずのカタルシスまで到達できない、という感じをいろんなところで強く受けました。例えば森マコがイェーガーのパイロットを志望しているのにペンテコスト長官がそれを許可しない、っていうのはすごく良いフリなのに、あっさり許可出しちゃう辺りとか。マコがウサギを追った!やっぱりイェーガーのパイロットには不的確だ、の流れからジプシー・デンジャーに再度搭乗する辺りとかもすごく燃える展開を期待していると、意外とあっさり行っちゃう、こういう物足りなさは要所要所感じました。キャラクターに関してもペンテコスト長官の頑固指揮官キャラっぷりとか、科学者のニュート、ハーマンのテンプレキャラとかも数回観るとちょっと辟易しちゃったり…。もうちょっとキャラクターを掘り下げる描写が欲しかったとか、それなら他のイェーガーのパイロットとの絡みのシーンをもっと出して欲しかったとか思わざるを得ません。
あとは、ラストバトルが香港防衛戦を上回っていないところとか…。カテゴリー5のラスボス感もいまいち無かったし、やっぱり最後、ジプシー・デンジャーは帰還してほしかった。どうやら扉は塞げたようだ、だけどジプシー・デンジャーは帰ってこない…と思わせといてからのジプシー・デンジャーが海中から登場!歩いて陸地に向かう姿を観たかったなーと。
とまあいろいろああしてほしかった、こうしてほしかったというのがあるんですが、でもこうするとあれが成立しないか…などとなってややこしいので、この辺りにします。

そして、文句!
吹き替え版の声優。こんなことを書くと、声ヲタからぶっ叩かれそうで怖いんですが、杉田智和はミスキャストだったのでは…。『ハルヒ』などは観ている身からすると、ナレーション部分はあ〜、杉田ってかキョンだよな〜とどうしても思ってしまうし、それに「ロケットパーンチ」の言い方がしょぼかった。「エルボーロケット」を言い換えたのは良いのですが、言い方が残念すぎました。そのほかに、予告だったらペンテコスト長官は大塚明夫だったのに、本編では玄田哲章になっていた、とか。大塚明夫の声が大好きかつ、最後に全員を鼓舞するシーンとかやっぱり大塚明夫のほうが良かったのでは?と思ってしまいます。
あと細かい点ですが、ローリーがマコに言う台詞の語尾がやたらと「〜しろ!」「〜やれ!」みたいな命令口調が多かった気がします。「〜やるぞ!」と言って欲しかった。先の「協力してる感」が減じられてる感じがしてこれも吹き替え版はマイナスでした。
吹き替え版、ひょっとすると字幕版より燃える感じになっているのでは!?と期待していましたが、むしろ不満の方が多くてどうしても吹き替え版は2回目に行く気になりませんでした。
それと、物販!!もっと頑張れ!!『パシフィック・リム』を観に行く人、特に何回も観に行く我々のような人たちは『パシフィック・リム』にお金を使いたいと思ってるんですよ!!もっとグッズ考えてくれ!!フィギュアはいいとして、ストラップだったりクリアファイルだったり、もうちょっと良い物はできなかったのか!?特にクリアファイルセットはがっかりした!!5体のイェーガーそれぞれが入ってて最高かと思いきや、またそのガンプラ的なデザインのやつかよ!!何でも良い、とにかく別のショットが良かったよ!!結局僕はパンフしか買ってません。どれも入場者プレゼントでもらえた、ポストカードとポスター(これは素晴らしかった)を超えるものはなかったです。なんだかんだ、物は売れたようですが、ほしいものが無いなかで買わざるを得なかった人たちも結構いるのでは、と邪推したくなるほど、物販にセンスを感じませんでした。

最後に、要望。
チェルノ・アルファとかクリムゾン・タイフーンの戦闘、そして怪獣に勝つところも観たかった!
もっとイェーガーの活躍シーンが観たい!
パイロットたちをもっと観たい!
怪獣が街壊すシーンももっと観たかった!
尺、5時間でも良くない??

以上!
書いててまた観たくなってきたので6度目行きます!