勝ち方

すでに選挙は終わっているような感じで、自公の大敗北と民主党の一人勝ちで終わるのではないかと思います

民主党は300議席以上取りそうなくらいの勢いというか、反自公の流れは強く、特に自公の大物議員の当落が注目を浴びています。総理大臣経験者だけでも森さんと海部さんは、ほぼ落選候補になってしまい、福田さんも激戦、安心なのは安部さんくらいになってしまいました。元総理でもそうですから、派閥の領袖や大物議員(大臣経験者等)などはかなりやばいようで北海道の3人を筆頭に、かなりの数の大物議員が落選の憂き目にあう事となりそうです

このままの情勢でいきますと、派閥の領袖や大物議員をはじめ、かなりの数の議員が落選したりしてしまうと、自民党は壊滅的な打撃を受ける事が予想され、派閥が維持できなくなるかもしれません。少なくともある程度求心力を持った人が残らない限り、自民党内の新しい枠組みができてしまう恐れがあります。解党的出直しみたいな感じになってしまうのでしょうか?

150〜180議席くらい取らなければ自民党は次に出直すのが難しいとされていますが、現在の情勢は、そこまで取れそうになく、民主党も、自民党を潰滅させるかの如く、激しく当落を争っている大物議員の選挙区にてこ入れをしています

恐らく、ここで徹底的に自民党を叩いてしまえば、来夏の参議院選で有利になるからという事でしょうが、あまり勝ちすぎてしまうと、自民党が解党してしまうのではないかと思っています。小沢さんはそれでも良いと思っているような感じなのですが、解党してしまうまで叩いてしまいますと、日本の政治は民主党の独裁政治になりかねませんので、ある程度生き残れるように勝たねばいけないと思っています

つまり55年体制と言われた自民党社会党の関係のように、社会党を生かさず殺さず野党にしておけば良いのではないかと思うのですが、ここで一気に殲滅してしまおうとばかりの勢いになってしまい、これには候補者はもちろん、当の民主党や対立している自民党大物候補者も読み切れなかったのではないでしょうか?

象徴的な選挙区には、森さん対田中絵美子さん、福田さん対三宅雪子さん、久間さん対福田衣里子さん、塩崎さん対永江孝子さん、太田さん対青木愛さんなどの代表的な対決があります。自公の大物に対するのは、地盤も看板も鞄も持っていなさそうな女性候補達で、もちろん政治経験はゼロ(愛さんだけは違いますが)で、後援会ももっていなさそうですし、しかも青木愛さんに至っては、わずか1ヶ月半くらい前に出馬表明しただけなので、平時であれば大物議員の圧倒的な勝利に終わるだろうと思うのですが、今回は激しい闘いを繰り広げていて、ほとんどが民主党の勝利になりそうというのですから驚きです

冷静に考えてみますと、自民党の候補者はやはり高齢な方が多く、60〜70歳台がゴロゴロいます。60歳前半くらいならそれほど問題はないと思うのですが、70に近い人や70歳代もかなりいて高齢化している事が伺われるだけでなく、古狸みたいな印象だったり、族議員のレッテルを貼られていたり、派閥政治の権化みたいな人だったりと、あまりにも印象が悪い感じのする人ばかりです。伊藤正義さん・後藤田正晴さん・塩川清十郎さんなどのような好々爺みたいな感じでしたら、誰しも悪い印象は持たないと思うのですが、あまりにもタマが悪すぎます

また、候補者を見渡していると、30〜50歳代の若い方を見る事もできますが、良くみてみると二世どころかほとんどが三世とか四世なので、自民党にはこんな候補者しかいないのかとさえ思ってしまいます

政治家に対しては、派閥金権政治世襲、あるいは老害というのが、一番問題ではないかと国民は感じているのに、いざ立ててきた候補者がそのようなイメージの人ばかりだったというのも、あまり良くありませんでした。特に小泉チルドレンとして前回当選したような人は議員としての成果ともかくとしても、清新さやフレッシュさはあったのに、実際の小選挙区候補者は、郵政復帰組みたいな訳のわからない人が候補者になったり、チルドレン達は軽く首を切られたりしたのも、印象的にはあまり良くなかったように思います

いずれにせよ、自民党幹部連を狙い打ちにした姫刺客作戦ですが、民主党に寄せられている津波のような追い風を受けて完全に嵌ってしまい、大きな顔をしていた大物達がかなり落選する事になりそうです。核になるような人がいなくなってしまえば、派閥が解体してしまうどころか、自民党の存続すら危ぶまれてしまいます。自民党を潰してしまいますと、一方の核となる党がなくなってしまうという事で、政権交代が可能な政治的緊張が失われてしまう事になりますので、自民党には負けて欲しいのですが、民主党にはあまり勝って欲しくないという微妙な心理もあります
派閥が壊れない程度に勝つ。老害の人も少し残しておき、彼らは次回の選挙で落とすようにして、少しずつ力を削いでいくという勝ち方が良いのではないかと思っています

労害みたいなお年寄りや、三世四世みたいなボンボンは、いつでも落選させることができそうなので、一度で落とさなくてジワリジワリ落とした方が、より常勝を得易くなるのかなとも思ったのですが、小沢さんとすれば、叩ける時に叩いてしまおうという事みたいです。恐らく、今回のような大津波級の民主党への支持が今後も続くかどうかわかりませんので、これも仕方がありません


いずれにせよ、このままの状況で進んでしまいますと、今回選挙で痛烈なパンチをもらってしまった自民党は、党を立て直す時間もろくにないうちに来夏の参議院選を迎えてしまいます。波に乗ってくるであろう民主党は、次には年金制度改革や地域主権などを旗に立てて押してきますので、再び、大勝するのではないかと思われます

衆参ともにボロ負けしてしまいますと、自民党は完全に息の根を止められた格好になってしまい、党勢を挽回するのは相当難しくなってしまいます。さりとて、対立する相手に情けをかけるわけにもいきませんので、手加減できる程選挙は甘くなく、最終的には有権者の判断に任されるわけなのですが、極端に勝ちすぎるのはあまり良くないかなとも思っています

それでも、今まで自民党の政権が終わる事など簡単に想像ができなくて、関心が低かった有権者でしたが、今回の選挙はいつもと違い、今度は自民党政権を潰す事ができるぞとばかり、積極的に投票に行くことになり、初めて国民が政権を選択することができる歴史的な選挙になると実感していると思います

この一点だけでも、今回の選挙は大きな意義を持っているのではないでしょうか・・・