Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

綿矢りさ『蹴りたい背中』★★★

結局、タイトルなんじゃないかなあ。
作品の内容というよりはタイトルが芥川賞もらっているのではないか。最近は本の内容よりもタイトルで本を購入する人が多い(バカの壁)から、インパクトのあるタイトルの作品をわざわざ選んだんじゃないのか、と邪推してしまう。
(なお、綿矢りさというペンネームも、すごくうまいと思う。コピーライター的な作家なのでしょう。)
蛇にピアスに倣って、なんとなくあらすじを書くとこんな感じかな。

教室の中でも浮いているアイドルおたくのクラスメイトに、一方的な想いを抱く女子高生の主人公。周りに溶け込めない彼女の、「好き」とは違うその感情は、自分でもよくわからないままどんどん育っていって・・・。

芥川賞と思って読むと、不満が募る。ティーンズノベルでも結構面白い作品がある、と紹介されて読んだとしたら、綿矢りさのルックスとあいまって、かなりの高評価になったかもしれない。やっぱり「小説すばる文学賞」などという肩書きの方が、彼女には断然似合っている。芥川賞は重い。

それにしても金原ひとみ綿矢りさも作者自身が、作中の主人公と被って見える。先日、受賞関連のイベントの様子をテレビでちらと見たが、リラックスしていた金原に対し、緊張なのか表情のこわばる綿矢りさは、「蹴りたい背中」の主人公にしか見えない。

で、先日(2/24)の日記で触れたフローチャートですが、僕は

綿矢りさ肯定派→[2]りさたむハァハァ派→文学は昔からキャラ売り=私小説
(参照http://d.hatena.ne.jp/kimagure/20040117#p1

かな。もしくは「文学が注目を浴びて若い才能キボンヌ派」
「追記①肯定派に訊く、りさたむの今後」に対しては「他にやりたい事ができてやめちゃう派」かな。広告関係の仕事に興味が出て、文学は趣味で続ける、という感じでしょうか。とりあえず「りさたむ」頑張って欲しいですね。

追伸
宮台真司の話題は今度にします。