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2008-02-26 Tue

いくら何でも、これは平山を馬鹿にしすぎ。(笑)

平山衝撃!カズさん逮捕された?(スポーツニッポン)

[]歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

素敵にだまされたい人にオススメ。


個人的に、年末から小説モードが続いており、年を明けてから読んだのも、伊坂幸太郎ラッシュライフ』、古川日出男『LOVE』*1、そして、カズオ・イシグロ『私を離さないで』と、新書専門の自分としては異例のハイペース。(現実逃避モードか?)そして、この3冊の評価は、ツーベース、スリーベース、場外ホームランという感じで、非常に『葉桜』には分の悪い状況ではあった。そして、あまり期待はしていなかった故に、嬉しい大誤算だった。


新本格」が流行していた90年代頃、大学生だった自分も、その手の本を読み漁っていた*2のだが、流行ゆえに、新本格には批判的な声も多かった。中でも自分がよく目にしたのは「人物が描けていない」というもの。

たいがいの本は面白く読み進めることのできる自分としては、その批判が、具体的にどの作品に向けられているか、分からなかったが、歌野晶午のデビュー作『長い家の殺人』に出会った時に「ああ、この本のことか。」と思ってしまったのだった。内容を全く覚えていないので、細かな指摘はできないが、読後感として「トリックの為の小説」「人間が生きておらず、キャラクターとして配置されている」という印象が強かったのだ。

その後、新本格から離れたこともあり、歌野晶午の作品もそれ以上読まず、氏に対する印象は、「人物が描けていない」作家で固定して、10年以上経った。


最近になって、ブックガイド的に参考にしているキノベス*3で、2003年の番外に、歌野晶午の『葉桜』を見つけた。思い返すと『このミス』でも上位にランクしているのを見て、「意外」に感じた覚えがあるため、逆に気になり、図書館で予約。今回、実際に読んでみることになったわけだ。


読み始める。

いきなり、男性視点のセックスシーンから始まり、描写も大げさで悪印象。その後、読み進めるも、安易に殺人が起きる展開と、台詞中心のストーリー展開に辟易。『わたしを離さないで』のあとだけに、とにかく人物が薄っぺらく感じてしょうがない。

「だが、このミス、キノベスでの高評価を考えると、この本には「何か」があるのだろう」、その気持ちが、自分に頁をめくらせた。

構成上、時代の異なる複数の話が平行に進むが、前述の二冊、伊坂幸太郎ラッシュライフ』や古川日出男『LOVE』なんかに比べてもシンプルで、逆に、どう驚かせてくれるのか期待は高まった。


そして、終盤での「ひとこと」にやられた。

今まで自分が読んでいた部分は何だったのだ?と、足元の地面がなくなるような衝撃。久しぶりにこういう感覚に陥った。

予想外の方向からの打撃で、こんなやり方もあったのか、と感心しきりだった。

以下ネタバレモードに入ります)

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*1伊坂幸太郎古川日出男は、ともに感想をまだ書いていません。タイミングが悪かったのです。

*2:当時の贔屓の作家は、綾辻行人竹本健治法月綸太郎など

*3紀伊国屋書店スタッフが選ぶ年毎のベストで2003年から続く

originalovebeeroriginalovebeer 2008/02/28 01:19 お久しぶりです。島田荘司マニアで綾辻行人もデビュー作からリアルタイムで追っかけていた自分ですが(法月は”綸”太郎ですね)、歌野晶午も丹念に読んでました。しかし『ROMMY』くらいでミステリ自体から離れてしまった(ということはもう10年ですね)ので、この作品も未読です。「このミス」での高評価も知ってはいて吃驚していたのですが、とっくに文庫になっていたのですね。今度読んでみます。
最近、読書欲がフツフツと復活して、「ちくま日本文学」を中心に読んでいます。尾崎翠にはヤラれました。戦前のくせしてまるでアンビエントのような緩いブンガク。驚きでした。

rararapocarirararapocari 2008/03/03 01:55 コメントありがとうございます。
やはり、新本格系は、自分にとってのかつてのホームグラウンドだっただけあり、落ち着きますね。(笑)今回、分量的には結構ありましたが、スルッと読めました。『葉桜〜』(文庫版ではない方)の解説を読むと、歌野晶午は、結構チャレンジングな作品を出す人みたいなので興味がわきました。
「ちくま日本文学」は、かっこいいです。尾崎翠自体は初耳ですが、Amazonレビューを眺めると、ちょっと面白そうですね。
あと、倫太郎×→綸太郎のご指摘もありがとうございました。

skysky 2008/03/03 22:45 ちょうど文庫になった頃が葉桜の季節だったので何となく手に取ったのですが、これは本当に驚いた!先入観ってかなり人の思考を支配してるんだなーと、びっくりしました。これと同じ感覚を「鴨とアヒルとコインロッカー」にも感じました。おかげで伊坂作品全部制覇しちゃったくらい(笑)

rararapocarirararapocari 2008/03/09 00:29 コメント、大変遅れてすみません。
>これは本当に驚いた!
そうですね。この小説はすごく驚きますよね!と書くと、読んでいない人に過剰な期待を抱かせるかもしれないので、「あまり驚きません」と言っておきます。(笑)
>「鴨とアヒルとコインロッカー」
アヒルと鴨のコインロッカーですね。昨年公開の映画はオール仙台ロケで、こちらでは結構話題になりました。伊坂幸太郎や乙一は、世代が近いこともあり、ほかの作家よりも特別な感じで読みますね。特に伊坂作品は、登場人物のリンクが面白いので、二重に楽しめるのでいいですね。ゆっくり読み進めます。

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2008-02-20 Wed

[]カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』

わたしを離さないで

わたしを離さないで

圧倒的な閉塞感を持ちながらも、登場人物への愛情から、頁をめくる手が止まらなくなるような魅力を持った小説。

以下、直接的な表現は無いものの、文言の端々からネタバレあり。

(未読の方注意)

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yokoyoko 2008/02/24 00:23 青春小説?SF?と思いながらもどんどん物語にひきこまれていくのは、舞台が特殊でもテーマが普遍的だからですね。読み終えて、こどもの時のように、人が生きていて考えたり感じたりしてるこの状態っていったいなんなの?ととりとめもなく考えてしまいました。
なるほど「閉塞感」。そこまで考えはおよびませんでした。しかし、ともかく「圧倒される」という点で同感です!

rararapocarirararapocari 2008/02/24 23:10 コメントありがとうございます。
「青春小説」っぽいのは本当にそうですね。ただ、登場人物たちの幸せは「これから」には無くて「思い出」の中にしかない。そういう運命である、という点が、この物語の暗さ=閉塞感だと思うのです。そして、21世紀の地球も、決して将来を楽観視できない、という面で、やはり共通するものがあり、その点が非常に「現代小説」っぽさを出していると思うのです。
いやー、しかし、久しぶりに「巧い小説」というのを読みました。圧巻でした。
薦めてくださり、ありがとうございました。

2008-02-18 Mon

[]奥山修司『おばあちゃんにやさしいデマンド交通システム』

おばあちゃんにやさしいデマンド交通システム

おばあちゃんにやさしいデマンド交通システム

デマンド型の乗り合いタクシーについて、システム提唱者自身が紹介した本。地域の公共交通には以前から興味があり、こういった事例も耳にしたことはあったが、詳しく読むと、なかなか「なるほど」と思わせる部分が多く、勉強になった。

今回も引用が多くなるが、その仕組みは以下のようなもの。(リンク先にタクシーの写真あり)

1. 老若男女、誰でも利用できますが運行範囲は旧小高町の行政区内に限られます。

2. 料金は300円と100円の2料金体制で全てチケットで精算されます。

3. エリア毎に乗り降りの場所の違う複数の人が乗車する乗合が原則になっています。

4. 利用できる時間は平日の午前8時から午後4時までの時刻表に基づいた運行になります。

(なお、土、日、祝祭日、年末年始は運休となります。)

小高町商工会

時刻表に基づいた、大まかな路線の決まった運行はするが、バス停がフリーというイメージ。時刻表もフリーというわけではない。

特に、面白いと思ったのは、以下の部分。

  1. 行政と住民、ではなく、行政・住民・地元タクシー会社の三者を考えたシステム
  2. コスト的には、劇的に減少!というわけではない(特にシステム費が高額)
  3. ニーズによって、運行方法を変更

ひとつめについては、地方の公共交通の問題点をHPより引用。

バス利用者の多くが高齢者及び子供と考えられることから、赤字路線が廃止されることにより、高齢者や子供を含む多くのバス利用者は、移動手段の確保が困難になってしまいます。

また、タクシー業界では、不景気の中で利用者と実車率が伸び悩み、経営の悪化などから、倒産に追い込まれるといったケースも出てきています。

これに対して地方自治体は、「地域住民の足の確保」という住民からの要請に答えるため、福祉バスやスクールバスを運行したり、バス赤字路線への補助金を支出するなどの政策を実施していますが、地方バス路線に対する国庫補助の要件変更により、同一市町村を運行する路線は補助対象外となり、多額の財政支出が必要となってしまいます。

おだかe-まちタクシー

この三者に利益を生む(三方一両得となる)のが、このタクシーのシステムだというのが、基本的な考え方。

http://www.f.do-fukushima.or.jp/e-machi/system2/images/zu.gif

タクシー会社がここに加わるのは、直接的には、車両貸し出しのためだが、これがあることで、システムが安定して見えるし、システムの存続圧力が高まるのかもしれない。(行政だけではじめたシステムは、住民がそっぽを向くリスクがあると感じる)

二つ目(コスト)は飛ばして、三つ目(ニーズにより運行方法を変更)について、これもHPより引用。

お年寄りにお聞きした「使いにくい」点は、全部直しました。

現在では時刻表も、路線図も単純明快。けれども最初はバス路線を踏襲して6路線を作り、時刻表も複雑でしたから、とても使い勝手の悪いものでした。運転手さんやオペレーターとも何回も話し合って、極力スムーズに迎えに行けるようにしました。利用実績データを活用して利用者数に併せた変更も行い、現行の形態になるまで、5回ほど改訂しています。

地域サポーター通信?東北21<2007.2月>?東北経済産業局

利用されればされるほど、ニーズに関する情報が蓄積されることもあり、ニーズに応じた修正がしやすい柔軟なシステムである、という点は、非常に強みとなっている。上記インタビュー記事によれば、基本的には高齢者の足としてスタートした印象が強かったが、平成18年度からは、小学生や園児の送迎にも使われるようになったという。

システム費用についての初期投資はかかるようだが、ある程度、どこの町でも導入のメリットのある方法であるように感じた。


最近は、道路特定財源の話題に関連して「地方に道路を」という話もよく聞く。しかし、ハード整備だけで、地方が発展するわけではなく、本書の最後の方で書かれている通り、そういったハードをどううまく使っていくか、という地元のアイデアややる気が問われているのかもしれない。

先日のコメント欄での話題に絡めて言えば、それは、個人にとってのライフハックについても言えるのかもしれない。ライフハックという「道路」*1は手に入れても、その道路に何を走らせたいか、という部分が重要で、それが無ければ、地方も人も寂れていくのかもしれない。

そんな危機感を感じる今日この頃です。

*1:ちなみに、最近ヒットのライフハックは、こちらです。ココロ社さんの才能をこれでもかと感じます。→ライフハックを書くためのライフハック

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2008-02-14 Thu

チョコ、職場の人にもらえた。

それだけで涙。

[]18万アクセス達成

先週末にアクセスカウンタが18万になりました。

とはいえ、内訳としては、検索でここを訪れる方が大半ですので、ときどき訪れてくださる方は、非常に大事なお客様です。今後もよろしくお願いします。

あと、つい先日もはてなスター*1を何人かの方からいただきました。ありがとうございます。

これからも、少しでも読む人の心を動かす文章が書けるようになるよう、そしてコメントやブクマやスターをたくさんつけてもらえるよう、精進します。

[][]中山和義『大切なことに気づく24の物語』

大切なことに気づく24の物語~読むだけで人生がうまくいく「心のサプリ」~

大切なことに気づく24の物語~読むだけで人生がうまくいく「心のサプリ」~

父が「読み終えたから」と送ってくれた本の中に入っていた一冊。

この手の本をいくらでも腐すことはできるだろうが、結局は、利己的に自分にプラスになると思った部分のみ受け入れればいいわけだろう。そして、そういった「琴線」は、読んだ時期によっても異なってくる。24全ての話に心が動き、涙が出る、というのでは、逆に問題だろう。と、amazonの絶賛コメントをやっぱり非難したくなってしまう。

ということで、気になった部分をいくつか。

  • 自分の人生の目標が明確になると、力を発揮できるだけでなく、自分の夢に周りの人を巻き込んでいけるようになる。→自分の人生の目標を明確にするには?→自分の葬式を想像し、参列者が自分になんと言っているのかを想像する(8話目)
  • 本当に大切なことが何かを定期的に考える習慣が必要(一週間後に死ぬとしたら、これだけはやりたいと思うこと、を何故今できないのか、という話と絡めて)(11話目)
  • どうしたら家族と過ごす時間を取れるのでしょうか?大切なのは時間の使い方を考える時間を持つことだと思います。私の場合は毎週月曜日に一週間の時間の使い方を考えて予定に入れます。このときに、家族と過ごす時間も予定に入れてしまいます。(20話目)

何を読んでも同じことが書いてあるなあ、と思いつつも、状況によっては、人を動かす力を持ってくるのが読書の力だと信じたい。だから自分は本を読む。

〜〜〜

とはいえ、副題の“読むだけで人生がうまくいく「心のサプリ」”は書き過ぎ。「行動せずに変わることができる」という幻想に嵌っている時間が長かった、と、いまさら反省することが多いので、余計に気になる。サプリも寒い。副題は、もう少し慎重に考えたほうがいい。(笑)

*1:エントリ横にある☆ボタン。残念ながらはてなユーザーのみ使用可です

atnbatnb 2008/02/17 23:26 「行動せずに変わることができる」という幻想にみんな嵌っているから、同じことを書いても売れるんですよね。ヒルティの「幸福論」の中で、仕事のやり方の記述を見て、そんなノウハウはすでに古典に書かれていたことだったのか、と悟った次第です。▼あるとき、今後ビジネス書で売れて、しかも役に立つものは、どうやって行動させるか、を丁寧に説明して説得する本だろう、と思っていました。今なら、勝間和代の本や水野敬也「夢をかなえるゾウ」がそうでしょう。1.具体的な行動を推奨するライフハックという考えが(それほど表立たなくてもある程度)浸透したこと 2.習慣づけや動機づけを研究した脳科学の成果が、多少なりとも取り入れられていること が原因として大きいのでは、と推測しています。どうでしょ。

rararapocarirararapocari 2008/02/19 01:23 コメントありがとう。
自己啓発本は、ときどき読むのですが、逆にダメな自分を見つめることになったりして、暗黒面に陥ることもあるので、警戒してしまいます。ということで、それほど詳しいわけではないですが、確かに、最近は『つづける技術』などの行動本が増えているようですね。いわゆる「気づき」には飽きが来たというところがあるのかもしれません。ただ、成功した起業家などのオススメ本は、むしろシンプルな「気づき」本だったりするので、結局、読む側の問題だよなあ、と最近は思っています。ということで、どういうアプローチをしても、結局ダメな自分を見つめることになり、ちょっとブルーです。
水野敬也「夢をかなえるゾウ」は、知り合いに薦められましたが、ハードカバーのため、まずは文庫の『ウケる技術』から読んでいます。(これは馬鹿本で面白い。)さわりだけ読むと「夢をかなえるゾウ」は、自分には結構クる可能性があるので、少し心が落ち着いた頃を見計らって読みます。

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2008-02-12 Tue

YMCK最新アルバム、ものすごくいいです。

[][]鬼頭莫宏ぼくらの』(6)(7)

ぼくらの 7 (IKKI COMIX)

ぼくらの 7 (IKKI COMIX)

ぼくらの 6 (IKKI COMIX)

ぼくらの 6 (IKKI COMIX)

最新刊まで購入。(年末時点)

謎の巨大ロボット「ジアース」と、そのパイロットである子供たち(+政府)の中でだけ進んでいた世界が、とうとう、一般人にも少しずつ認識されるようになり、物語は、次第に「内面世界」的なものから「パニックもの」に近くなっていく。そういう意味では、(6)〜(7)の展開はオーソドックスで、5巻までのような圧倒的な魅力は減った。特に最新刊(7)の最終話あたりの「自分の家族が当事者にあたる場合、報道関係者(ここでは番組司会者)は、それをどのように世間に知らせるか?」というテーマは、結構ベタで、個人的にはあまり興味をそそられない。

しかし、(6)〜(7)の圧巻は6巻30〜31話、パイロット切江洋介が「畑飼先生」と「田中さん」から受ける説教シーン。ここまで青く、ここまで長文の説教が、少年漫画の中で真面目に語られるのはとても面白い。というか普通だったらバランスが悪いが、この漫画だから許される、という感じがする。以下ごく一部を抜粋。

  • 何か問題が起きた時に、その原因を自分以外の他人に求めようとするのは、駄目な人間に共通のよくない癖だな。(畑飼先生)
  • 私達は生まれながらにして、生命に対して業と責任を背負っているの。他者の命の可能性を摘み取らずに生きていける人はいないわ。植物を食べ、動物を食らう(略)安易な生命賛美をする前に、そういうことに向き合わないと(田中さん)

[]日経2/10記事「レアメタル、価格が高騰(24面・ニュース入門)」

最近話題のレアメタルについて、ニュース入門に取り上げられていたので、整理。

自分自身、「レアメタル」と聞いても、なんとなく「経験値稼げそう」*1くらいにしか思っていなかったのだが、少し調べてみると、またしても後手後手の日本の外交政策が見えるようで暗い気持ちに。

以下、いくつかの記事から引用したが、松浦晋也さんの書評記事が非常にわかりやすかったので(少し古いが)、興味のある方はご一読を。(以下の本についての書評

レアメタル資源争奪戦―ハイテク日本の生命線を守れ! (B&Tブックス)

レアメタル資源争奪戦―ハイテク日本の生命線を守れ! (B&Tブックス)

レアメタルとは何か

レアメタルとは何か、については、大手町博士のサイトの図がわかりやすかった。

経済産業省は、現在、31種類の金属をレアメタルと定義している。うちクロム、リチウムなど特に安定確保が必要な17種類を「主要鉱種」として、備蓄などを行っている。貴金属のプラチナやパラジウムも、経産省の定義するレアメタルだ。なお、ネオジム、ランタンなど希土類の計17種類の元素は「レアアース」として1種類と数える。

レアメタル価格急騰 : 大手町博士のゼミナール : トレンド : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

図を見ると、非鉄金属の中にレアメタルがあり、重要なものは主要鉱種として指定されていることがわかる。レアメタルで一番メジャーなのはプラチナニッケルコバルトあたりだろうか。

その特徴としては、以下がある。

特に、後者は極端で、例えば、中国レアアースの93%、タングステンの90%を占めている。

価格高騰の原因

価格高騰の原因については端的にいえば以下のとおり。日経記事によれば、中国は2006年11月以降、レアメタルを含む非鉄金属の輸出関税を4度にわたって引き上げているという。

鉱物資源においてもエネルギー資源と同じ流れが生まれている。ベースメタルレアメタルに対する需要が伸びる一方で、供給地域の偏在という特性や、供給サイドの寡占化が進み、資源価格が高騰。これを受けて資源国政府は、資源ビジネスへの介入を強めている。近年、こうした構造が顕著になってきたことが、非鉄金属をめぐる攻防を激しいものにしている。

bp special ECOマネジメント/コラム

対策

こういった問題点に対する対策としては、以下のようなものが挙げられている。

1.ニュース入門(日経記事)

2.大手町博士

「官民一体となった資源外交や、国内外での探鉱開発や代替材料の開発、リサイクル推進などにも取り組むことが必要じゃな」

レアメタル価格急騰 : 大手町博士のゼミナール : トレンド : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

3.総合資源エネルギー調査会

今年6月に出された総合資源エネルギー調査会の答申「今後のレアメタルの安定供給対策について」は、備蓄する鉱物の種類の増加を検討すると同時に、今後強化すべき対策として次の三つを提言している。

1. 海外探鉱開発の実施と資源外交

2. レアメタルの効率利用とリサイクルの推進

3. 代替材料の開発

bp special ECOマネジメント/コラム

4.中村繁夫『レアメタル資源争奪戦』

著者は最後の第4章を、まるまる今後の日本が取るべき対策に当てている。

  (1)国家による海外での探鉱の支援

  (2)国内鉱山の再開発

  (3)突発的供給不足に備えた国家備蓄の推進

  (4)レアメタルリサイクル推進

  (5)レアメタルを使用しなくても済むような新技術の開発

ここでも問題の“震源地”は中国 / SAFETY JAPAN [書評

1〜4すべてに共通する資源外交リサイクル推進、代替材料の開発については常識的で意味がわかるが、国内での探鉱開発と国家備蓄について、さらに松浦晋也さんの書評記事より引用。

(2)は少し説明が必要だろう。国内には採算割れのために閉山したレアメタル鉱山が存在する。国際的な価格が高騰すれば、これらうち捨てた鉱山でも、採掘して採算が合う可能性が出てくるのだ。新たな投資を行って、十分な採算性を持つ品位の鉱床を探すことも考えられる。海外では鉱石を選別した後に残る残渣(ざんさ)の中から、以前は低品位ということでうち捨てていた鉱石を回収する試みも始まっているという。著者は経済水域内の海底鉱床の探査も行うべきだと指摘している。

 国家備蓄に関しては、なかなかお寒い現状が指摘されている。現在、日本は、約3カ月分の原油を国家備蓄しており、同時に約80日分ほどの民間備蓄を保有している。一方、レアメタルに関しては主に鉄鋼への添加用7種類が25日分備蓄されているだけで、民間備蓄も10日分ほどしかない。2006年度からは、電子部品用レアメタルの国家備蓄の検討が始まったが、まだ実際の備蓄には至っていない。

ここでも問題の“震源地”は中国 / SAFETY JAPAN [書評

日本を担う産業において、レアメタルが重要な位置を占め、さらに、その価格が中国の胸先三寸で決まってしまう可能性があるという構図は、まさに痛し痒し。しかも、資源外交という点において、中国は日本の二歩三歩先を行っているという状況。

もう、月か深海みたいなところ行くしかないか?

なお、この日のほかの記事では「詩歌のこだま」で紹介されていた新書『江戸俳画紀行』に興味あり。

江戸俳画紀行―蕪村の花見、一茶の正月 (中公新書)

江戸俳画紀行―蕪村の花見、一茶の正月 (中公新書)

*1はぐれメタルっぽい。

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2008-02-09 Sat

年末頃からの読書記録を、少しずつお蔵だししていこうと思います。

[]好きなお寿司は何?

f:id:rararapocari:20080210034334p:image

モ・グ・ラ!

な・・・・なんだってー!!

モグラ?

33年生きてるけど、まだ食べたことないですが・・・。

・・・

・・

あー、マグロね。

[]農業だけじゃない!どうなる?日本の漁業!〜小松正之『これから食えなくなる魚』

これから食えなくなる魚 (幻冬舎新書)

これから食えなくなる魚 (幻冬舎新書)

息子ようたは、最近マグロが大好物で、食に興味の薄い子ながらも珍しく良く食べる。それだけに、ニュースでマグロの値上げが取り上げられるたびに、「こんなに安く食べられるのも今だけだから・・・」と冗談めかしてよく言っている。

国際的な魚食ブームの中で価格が高騰し、あの魚もこの魚も「これから食えなくなる」。

しかし、この本の主旨は、そこにはない。

もちろん、価格高騰は事実として存在するし、今後もその傾向はあるが、より深刻なのは、国内外の漁獲資源管理の問題*1と、国内漁業の衰退の問題で、むしろこちらが内容のメインとなっている。

マグロについては、読者の興味もあるところなので、三章「マグロはいつまで食べられるのか?」で詳述されているが、これも資源管理と国内漁業の観点から述べられている。

ただし、作者としては、マグロばかりに注目がいくのに苛立っているようで、「マグロを安く食べたい」というのがナンセンスと説く。

あのバブルの時期でも、日本人はそれほどマグロを食べていない。現在のような値段で、誰もがスーパーでマグロの刺身を買い、回転寿司でトロの握りを食べられるようになったのは、実のところ21世紀に入ってからである。長年の習慣でもなんでもない。P34

昔は「高級品」だったマグロやサケが、高度経済成長期を経て日常的な食材となり、かつて「定番」のおかずだった魚たち(アジ、イワシなど)を食卓から追い出したというわけだ。P14

日本の水産業について

食料自給率というと「農産物」だけを思い浮かべるが、魚介類の自給率低下も著しい。113%(1964年)→57%(2005年)(消費量は世界一)という数字は、なかなかインパクトのあるものだ。

本書二章では、養殖から遠洋漁業、加工業に至るまで、日本の漁業が危機的状態に陥っていることが説明される。消費者側の要因としては、安さや見た目ばかりを追い求める姿勢、行政側の原因として、使わない漁港の整備に多額の税金が使われる非効率、また、職業としての漁業の魅力の無さが挙げられていた。

最後の「魅力」については、たとえば、北欧では、漁業者のメインの職場である「漁船」の職場環境改善について、かなり多くの費用が使われていることが示されていた。結局、これは、行政の非効率の問題なのだが、漁船に金が行かず、漁港にばかり金が行くのは、いつも通りの「縦割り行政」。いわく国交省は金を持っているが、水産庁には回らない、とのこと。*2


経済合理性と食文化

少し「消費者」の立場から。

スーパーの魚売り場には、さまざまな国の名前が並ぶ。産地と加工地が異なる場合もあるので、ひとつの切り身が複数の国を渡ってたどり着いていることも多く、国産かどうか、などには半ば無神経になっているところもある。(中国産かどうか、には気を配ったとしても)

しかし、やはり変なことになっているなあ、と感じてしまう事例が多いことは確かである。

  • 北海道で土産用のサケを買おうと思うと、そこには「ノルウェー産」と書いてある。(P50)
  • 需要の少ない近海カツオはタイに輸出に出されて猫缶になり、それをまた輸入している。(P107)
  • 売られている鰹節の大半は輸入品(加工は日本)

まさに、「日本の漁業は高級カツオを猫に食べさせるために存在するのだろうか」という作者の疑問は、誰もが理解できるものだ。

漁獲管理について、消費者側が協力できることは「多く取れる魚を食べる」ということ。最初に引用した「マグロやサケが、かつて「定番」のおかずだった魚たち(アジ、イワシなど)を食卓から追い出した」という指摘は、まさにそのとおりだし、、消費者側の嗜好よりも、自然の恵みを優先させた食材選びこそが「旬」なのだろう。

年中同じ食材が並ぶ「便利」が「旬」を失わせている。経済合理性は、食文化から文化を取り除く。他の国と比べて、日本では、それに対する危機感は少ないのかもしれない。


メモ

漁業で管理といえば、「養殖」があるが、養殖マグロは資源枯渇につながる、という話。

  • 海から獲ってきた小さなマグロを脂が乗るように飼育し、40キロ程度まで大きくしてから市場に出すのがマグロ養殖ビジネス
  • 養殖が進めば進むほど小型のマグロの漁獲量が増えることになるので、資源がさらに悪化してしまう

(P92)

だから、マグロ養殖成功!などという話がニュースになる。

http://www.pronweb.tv/newsdigest/070821_amarine.html


これについては、自分はほとんど気にしたことが無かったが、スーパーでよく見かけるノルウェー産の魚について。

ノルウェー養殖物はダイオキシン類の蓄積量が多い。国産のサケを10切れ食べるのと同じくらいのダイオキシン類が、ノルウェー養殖物を一切れ食べただけで体内に入ってくるのだ。

食の安全性への意識が高いヨーロッパの人たちは日本のサケを食べているのに、日本の消費者ノルウェー産を食べている。「脂が乗り色がきれい」という理由でそちらを選ぶ人も多いようだが・・・P147

買ってくる刺身類には、ノルウェーとかチリとか、ものすごく多いような気もします・・・。

*1温暖化が進んで世界が滅びるのと、食べるものがなくなって世界が滅びるのとどっちが先か、という話。あまり考えたくない。

*2:ただし、ここら辺は、著者が水産庁出身であることからくるポジショントークである可能性もあり。

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2008-02-06 Wed

生きてます。

[]岡村靖幸3度目の逮捕について

絶好調には程遠い精神状況のときに、追い討ちをかけるような辛いニュース。

厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部が歌手岡村靖幸容疑者(42)を覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕していたことが6日、わかった。同部によると、岡村容疑者は5日、東京都新宿区内の自宅で覚せい剤を所持していた疑いがもたれている。

 岡村容疑者コンサート事務局ファンクラブスタッフは公式サイトで「本人の犯した度重なる反社会的行為により、社会に対し多大なるご迷惑をお掛けしましたことを、お詫(わ)びいたします」と謝罪。予定されていた公演の中止とファンクラブの解散を明らかにしている。

asahi.com:歌手の岡村靖幸容疑者、覚せい剤所持で逮捕 - 社会

特にコメントしない。

コメントしないが、2005年の逮捕のときからの自分のブログでの落胆と期待を振り返る。いろいろ不安だったが、やっぱり岡村ちゃんを信じてたんだと思う。


2005年7月の2度目の逮捕の頃〜

これで、ここ数年は、岡村ちゃんの姿を拝むことは出来ないだろうということに、まず落胆した。が、少し考えてみると、もう復帰できないんじゃないか、という気持ちが強くなった。

今回の復帰と一連の活発な活動は、岡村ちゃんの「心」が強くなったことが大きな要因なんだろうと解釈していたからだ。そのために山に籠もってセミナーみたいなものを受けてきたようだが、それもOKだと思っていた。

しかし、それが薬の力を借りてのものであれば、2004年の完全復活自体が「偽り」だったとも言える。

覚醒剤については、昨年見たテレビ『中学生日記』の印象が強い。以前にも書いたが、薬から立ち直り社会復帰した主人公の兄が、結婚するところで物語は終わるが、ラストで大写しになるのは、式場のトイレで兄が使った「覚醒剤」の空袋。結局止められなかったのだ。

復帰しているミュージシャンもいるが、人一倍心が弱いように見える岡村靖幸が、悪魔の誘惑から逃れられるとは思えない。

岡村靖幸逮捕について - Youtaful Days!

勿論、ファンとしては、岡村靖幸の「弱さ」まで含めて好きなので、今回の事件を持ってファンをやめる、というようなことはない。しかし、ファンから同情されるような人間として彼が復活するのは絶対に見たくない。やはり、これまで通り、「スーパースター」としての復活を気長に待ち続ける、というほかはない。それに必要なのは、作品の質以上に、岡村靖幸の人間としての復活だと思う。

岡村靖幸の復活に必要なもの - Youtaful Days!

2007年の岡村靖幸再復活〜

そして、2005年の逮捕から長かったが、岡村靖幸が21世紀に入って2度目の復活を遂げたことは素直に嬉しい。

覚せい剤依存からの更正は、かなり困難なものだと認識しているが、今回のMUSICAのインタビューは、岡村ちゃんを信用してもいいのではないか、と期待させるものだった。9月にはニューシングル発売も決まっているようだし、インタビュー内では年内のツアーについても触れられている。今度こそ順調にいってほしい。

祝・岡村靖幸再復活 - Youtaful Days!

今回のツアーは、「祝・復活」というよりは、もしかしたら、岡村ちゃんにとって「苦難の日々」なのかもしれませんが、自分で決めたことなのだから、何とかやり遂げてほしいです。

岡村靖幸出演のエンタメキャッチプラス - Youtaful Days!

「よく考えてみてよ僕がアンサーだぜ」(『はっきりもっと勇敢になって』2007)という歌詞は、一見、「Baby俺ほどの男は そうはないはずさ」(『SuperGirl』1991)のようなナルシスティックな歌詞に見えるが、結局最後に決めるのは自分、という、自分への言い聞かせの意味なのであろう。上にも書いたように、今回のシングルは、そういう意味で「決意表明」だし、「自分への約束」が多分に現れた内容だと思う。しかし、出演映像からは、その取り組みが順調であるとは、とても思えず、明らかにイバラの道を歩んでいる様子が見て取れた。

ファンとしては、心の中で応援しつつ見守るしかない、まさに「祈りの季節」といったところだ。

岡村靖幸出演映像@エンタメキャッチプラスを見て - Youtaful Days!

確かにリバウンドはあるものの、ある程度バランスしている感じで、健康状況もよいように見えた。

そして、ぴあでもニュース23でも、一時期の迷いを越えて、ある種の開き直りかもしれないが、前向きな姿勢が見て取れて、とても安心した。ニュース23での「2度あることは3度ある、と思っている人もいるようですが・・・」(覚せい剤の使用について)という厳しい質問にも、真面目に答えていたし、とにかく安心した。岡村ちゃんは大丈夫だ!

岡村靖幸出演NEWS23 & ぴあ - Youtaful Days!

ただ、自分は、覚醒剤などの薬物中毒というものは、そこから、それほど簡単に抜け出せる性質のものとは思わない。岡村ちゃんが誘惑を振り払って、同じような過ちを二度と犯さないことを切に願う。

岡村靖幸『はっきりもっと勇敢になって』 - Youtaful Days!

11月のツアー

3年ぶりのライヴ、確かにセットリストに新作は無い。声も完全復活ではない。

しかし、やっぱり、岡村ちゃんのライヴは最高!

岡村靖幸Tour '07「告白」@ZeppSendai 11/1 - Youtaful Days!
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