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2008-05-31 Sat

[]ヤングサンデー休刊について

小学館が30日(金)、青年コミック誌『週刊 ヤングサンデー』の休刊を正式に発表。同誌はテレビドラマ化もされた『Dr.コトー診療所』や『クロサギ』など数々の人気作品を生み出してきた。87年4月の創刊(当時は隔週刊)以来、愛されてきた同誌だが、7月31日発売号をもってひとまず、その歴史にピリオドを打つことになる。

『週刊 ヤングサンデー』休刊正式発表(オリコン) - Yahoo!ニュース

木曜日発売の週刊漫画誌の中では、学生時代からヤングジャンプではなくヤングサンデーを読んでいたクチなので、何というか感じるところがありました。

ヤンサンといえば、何といっても喜国雅彦なのですが、古屋兎丸『ショートカッツ』、阿部潤『the山田家』などのスタイリッシュな作品がたくさんある一方、『青春くん』のような愛すべき作品もあり、自分にとってはギャグ漫画の印象が強いです。

ストーリー漫画では、柏木ハルコ山崎さやか北崎拓などのちょっと変わった漫画が、他と一線を画していたように思います。特に、回収騒ぎを起こした山崎さやか(当時沖さやか)『マイナス』は、毎回、読みたくないと思いながらも読んでしまう作品で、異常な迫力に満ちていました。

あ、あと、自身の青春時代と切り離しにくい『Bバージン』(山田玲司)とか『冬物語』(原秀則)ね。ちょっと泣けてきた。

何となく一首。

サンサンと

日が降り注ぐ毎日が

ずーっと続きはしないのだなあ・・・

ヤンサンとサンサンをかけています)

[]吉田太郎『世界がキューバ医療を手本にするわけ』


世界がキューバ医療を手本にするわけ

Amazonで購入
書評/ルポルタージュ

本が好き!さんからの献本です。ありがとうございます。

キューバといえば、カストロ政権の社会主義国という以外は、「野球の強い国」「村上龍」くらいのイメージしかなく、本書のタイトルを見て、「なぜ医療?」という疑問符が浮かんだ。*1

手本にされる国というだけあって、国としてしっかりとした医療システムを整備しているのだろう、という予断のもと、本書を読み進めた。

しかし、キューバ医療の現場の説明は、タイトルからの印象を、いい意味でも悪い意味でも裏切ってくれた。

勿論、他国が手本とする部分は、目次にしたがって並べれば、以下のようなものがあるといえるのかもしれない。

ところが、これらの中には、財政難と言われる日本では勿論、他国でも、そのまま真似の出来ないものも多い。

そこにはキューバという国の特殊事情がある。

たかだか人口1100万人にすぎない小国が、世界を股にかけた医療援助活動をこれまで展開できたのは、バックにソ連という親分がいたからだった。だが、そのソ連は消滅し、もはやない。わずか数年前までは、経済危機で青息吐息だったはずなのに、いったいキューバに何が起こったのだろうか。なぜ再びキューバは国際舞台に舞い戻ってこられたのだろうか。種を明かせば、ベネズエラという新たなパトロンができたからにほかならない。P183

世界第五位の産油国であるベネズエラと組んでいるからこそ、ある程度、お金のことを気にせずに自由に立ち回れているという裏事情があるわけだ。

ということで、共産主義国であることも含めて、だいぶバックが異なるため、その医療政策を手放しに称賛出来ない。ここで、冒頭に戻るが、自分が当初期待していたものは、そこにはなかった。しかし、あまり予想していなかった部分で驚かされた。

自分にとって、キューバ医療の素晴らしさは、そのシステムではなく、「思想」にあった。

それについては、本書で紹介されている関係者の弁を辿るだけでおなかいっぱいになるほどだ。

バイテク開発についてのキューバの特徴を語るカストロの言葉↓

資本主義では、すべての研究センターは、互いに戦いあっている。だが、我が国ではどの研究センターも互いに協力しあっている。資本主義では、どの病院も競争し、互いに戦いあっているし、同じことが意思でもいえる。だが、我が国では、どの病院も互いに密接に恊働している。医師科学者も誰もが互いに協力している。こうした例外的な状態が、科学を発展させているのだ。他のいかなる制度も科学者の間でかような団結や協力を求められない。社会主義ほど科学技術を進展させることができる制度がほかにあろうか。P81

多くの時間や資金、労力を割いてまで国内では根絶されたコレラワクチン開発に力を注ぐ理由について、熱帯医学研究所のグスタポ・クリ所長のコメント↓

この研究所ができたときに訪れたフィデルは『われわれの原則は人類の幸せのために働くことにある。ここはキューバのためだけの研究所ではない。全人類のための研究所なのだ』と語ったのです。私は、世界のために働くことにとても充実感を覚えています。P91

フロリダマイアミ代替医療に取り組む鍼灸師の言葉↓

キューバには、本当の医療があります。なぜなら、ここでは病気を治すことがビジネスにはなっていないからです。P126

パキスタン震災後に故郷に戻ったパキスタン出身の作家タリク・アリ氏の言葉↓

キューバ医師たちの行動は、歴史に深く刻まれることでしょう。わが同胞の多くは、いま、愛について新たな言葉を学びました。それは、キューバです。P147

開発途上国医師を養成することを目的として設立されたラテンアメリカ医科大学(授業料は無料というだけでなく、「敵」であるはずの米国の学生も受け入れている)について、米国のアブダル・アリム・ムハマド医師の言葉↓

こんなことをしてキューバは何か得るものがあるのでしょうか。いいえ、何も得ません。キューバ人たちは本当に人類のことを気にかけています。人間は医療を受けるに値し、その権利を持つ。人間的くらしや自由を手にし、幸せを求めるい値する存在だと本気で信じ込んでいるのです。P169

小説家から1997年に文化省大臣となったアベル・プリエトの言葉↓

グローバル化のもたらす深刻な問題は、全世界の文化水準の低下です。例えば、他国では自国の偉大な作家やミュージシャンを知らないのに、マイケル・ジャクソンの私生活には精通しています。そして、メディアの操作で、この世で幸せを生み出せるのはモノを買うことだけだと思わされています。

車を手にできれば幸せで、それを新車に買いかえられるならば、もっと幸せだと、消費能力と幸せとが関連付けられています。ですから、暮らしの質は、精神的、文化的な次元にあるとの思想を促進し、心や文化で人生がもっと豊かになるようにしなければなりません。P199

高齢者大学の設立について文化の大切さを説くキューバの老人医療専門家セルマン医師の言葉↓

なぜ、文化が大切かというと、それが、ストレスの解消につながるからです。最もストレスがかかることは、人と人とが対立していることです、ですが、キューバでは皆が助け合っています。(略)他国の政府は利益のことだけを考えますが、キューバは世界の人々、皆のことを考えます。ですから、海外に医師派遣するのだし、120歳クラブも世界に対して提唱しているのです。P213

大学学生連盟会長のカルロス・ラヘ(25歳)の言葉↓

人民を導く人々は、いつも模範となるよう心がけなければならない。権威とは厳格な生活ぶりと労働への献身からもたらされる。(略)

われわれは今、モノの消費ではなく、思想や信念に基づくことで大多数の人民からの支持を維持しなければならない。P233

勉強不足で、ゲバラやカストロについて、これまでほとんど無知だったため、こういった言葉の数々には、なかなか驚かされた。

勿論、独裁政治の中でトップに立つ人が名君主であったからこそ、医療をはじめ国全体としてもうまく行っている部分はある。そして、トップが変われば*2、国のあり方が大きく変わるというリスクは常に抱えているのだろう。また、その政治体制ゆえ、下の階層の生活が外の国からは見えにくい部分はあるかもしれない。

しかし、「爪の垢を煎じて・・・」ではないが、日本にも、もう少し、上でカルロス・ラヘ君がいうような「人民を導く人々」が出て来てもいいのではないか?政治家が悪いのかマスコミが悪いのかよくわからないが・・・。

と、キューバと日本の違いに思いをはせながら読み終えた本でした。

次は、このへんかな?

現代思想2008年5月臨時増刊号 総特集=フィデル・カストロ

現代思想2008年5月臨時増刊号 総特集=フィデル・カストロ

*1米国医療の衰退を批判するマイケル・ムーア監督の映画「SiCKO」(シッコ)で、見習うべき国のひとつとして取り上げられていることで注目を浴びていることについては、映画を未見のため知らなかった。

*2フィデル・カストロは今年2月に引退、後継は弟のラウル・カストロだが、77歳という高齢。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20080531

2008-05-24 Sat

[]ARABAKI ROCK FEST. 2008(他人のふんどし

これまでも書いているとおり、ARABAKIには行けなかったのですが、よくコメントを頂いているkaz_mineさんより、長いメールをいただきましたので、アップさせていただきます。

当初は、抜粋するのが丁寧かとも思っていたのですが、熱のこもった文章を再読していたら、勿体なくてカットしきれないと思い、また、メールに「著作権はフリーとします(笑)ので、煮るなり焼くなりして頂いて結構です。」というお言葉もいただいていましたので、全文転載することにしました。

kaz_mineさん、よろしくお願いします。

枠囲みの中がkaz_mineさんの文章で、地の文が、それに対する僕のコメントです。

2008.4.27 荒吐ロックフェス日記

 [到着まで]

午前中、東照宮骨董市に家族で出掛けたりしてたので、仙台駅東口には11時半ころの到着。

バス待ちの人の列が出来ており、乗り場はすぐに判った。

近くの公園にトイレに行って戻ると、ちょうどバスが来ており、そのまま乗車できた。

乗車すると、周囲には2日通し券のリストバンドを巻いた人たちが多数。

iPodを取り出し、「東京 飛行」を復習していると、案の定居眠りし、ふと気付くと山形自動車道の上。

天気はまずまず、晴れ曇り。

エコキャンプみちのくに着。バスの臨時停留所からは結構歩く。入り口ゲートまで、1kmくらいは歩いたのでは?

途中、「リストバンド引換所」が数箇所あったが、1箇所目は無人、2箇所目は「いまここでは引き替えしていません」と。

更に歩いていると、駅弁売りスタイルでリストバンドを保持したスタッフのお兄さんに会ったので、声をかけてみると換えて貰えた。

直後にお兄さんと話していた人の会話が聞こえたが、ちょうど俺まででお兄さんのバンド在庫が品切れになったらしい。

このあたりで、遠くから腹に響く低音が聞こえだした。盛り上がって参りました。

わくわくしてきますね。

あまり行ったことがないのでわかりませんが、ふだん人のいない郊外でのイベントは、人の処理だけでも相当大変なんだと思います。多分、この時間は、結構、人の多かった時間帯だったのではないでしょうか?(朝一以外の人は、このくらいの時間から来るのでは?)

やっと入り口ゲートに着く。スタッフのお姉さんにリストバンドをぎこちなく見せつつ入場。

・・・・思ったよりも大量の人!! ・・・・今日は祭りだべか? (そうです)

日射しと人いきれで若干暑い。

やっぱり若い人が多い印象。仕事の知り合いに会ったりすると恥ずかしいので、帽子を被る。サングラスもかけてたので怪しさ100%だったに違いない。

通路脇の芝生は、どこもレジャーシートを敷いた人たちに占拠され、俺一人ですら座るのは難しそうだった。

子供連れも結構居る。お昼なので食事中の人が多い。

会場中央でタワレコが出店していたが、HMVはトイレ棟(?)に張られた大きな広告のみ。間違えて入ろうとする人が居ただろうなと要らぬ心配。

やはり、子ども連れも多いのですね。音楽を楽しむというよりは雰囲気を楽しむと割り切れれば良さそう・・・。

あと、行ったことがないので全くわかりませんが、ステージ近くはレジャーシート不可/かなり離れた場所なら可ということでよろしいでしょうか。レジャーシートで満天の空のもとライヴ鑑賞というのは魅力的ですね。

 [曽我部恵一BAND]

この時点で13時。ゆえに、12時からの「GANGA ZUMBA」は断念。

一番大きなステージ「陸奥」に到着。会場最奥にあり、たしかに文字通り「みちのく」だ。

すごい人で、会場後方左側辺りで観る。既に「曽我部恵一BAND」が演奏中。ブログで教えて貰っていたバンドだ。

歌も上手く声量もあり、いわゆるロック系の声質、ときどきダミ声が混じるがそこが快い。

なんといっても盛り上げが上手い。かなりの客の入りだったが後ろの方までノせていた。

「TELEPHONE LOVE」という(と思われる)曲では、「知らなくてもいいから声出せー」「適当でいいぞー」と言っていて可笑しかった。

曲自体は明るいJapanese rockと言う感じで、メロディーラインは好きな部類だったと思うが、なにぶん初のステージでもあり、今ひとつ乗り切れず。

何というか、もう少し、落ち込んだ時でも聞けそうな曲であれば、(ライブが好印象だっただけに)ファンになったかも。聴いていて照れ臭さが先に立ってしまった。(我ながら齢を取ったものだ。)

それにしてもやはりすごい音量で、子供を連れてこなくて正解だった、と思った。迷子の危険性も高い。

唐突ですが、曽我部恵一、歌が上手いんですね!?

僕は、10年以上前に、友人からサニーデイ・サービスを勧められて聴いたときは、その友人(サニーデイのファン)に「ライヴに行くと、歌がものすごく下手」と言われていたので、そう思い込んでいました。僕自身は、タワレコのインストアでしか聴いたことが無かったので、巧拙については特に感じませんでしたが、さすが、百戦錬磨のライヴ・バンドだけありますね。

なお、曽我部恵一は、リリース数が多すぎてついていけませんが、音楽ファンには薦めたいミュージシャンです。

終了後、落ち着ける場所を求めて「陸奥」横の閉鎖されたトイレ棟へ。

(エコキャンプみちのく内に元々設営されているトイレはFEST.の間使用禁止で、FEST.開催中に使用できるトイレはすべて仮設であった)

このとき少し天気雨がぱらついていたが、すぐに止んだ。

軒下のコンクリートブロックに座って行動を検討。みちのくプロレス・・・は全く興味がないのでパス。

ステージ「津軽」のFLYING KIDSまでは、かなり時間が空く。

かといって他に見知ったバンドも無く、唯一知っているKANが「津軽」でFLYING KIDSの直前に演奏するので、とりあえず「津軽」に向かった。

 [KAN]

津軽」は「陸奥」に比べかなり小さい。会場の左横がすぐ湖(恐らく、釜房湖)で、吹き抜ける風が冷たい。

湖の周囲を巡る柵に座り、音合わせやマイクテスト(「テス・テス」「ワンッツー、ワンッツー、トゥー、トゥー」など)をぼんやり聞きながら、持参の調理パンで昼飯。

持参のウイスキーお湯割りを飲んでいると寒さが身に染みてきた。ついさっきまでは暑さすら覚えるほどだったのに・・・

持参のシャツとフリースを着込み、やっと落ち着いた。しかしもう追加できる上着は無く、夜に不安を残す。地元民なのに寒暖を読み違えてしまった。

ウイスキーをちびちびやっているとKANがスタート。それほどの興味はないので、柵に座ったまま音だけ座って聞いていた。

「他と違って、腕を振り上げたり声を出したりするところはありません。ずっとまったり行きます」と言っていたが、実際その通りだった。

ピアノ1本で弾き語りしていた。やっぱりピアノがお上手。

知っている曲は「まゆみ」のみ。これは良かった。

他も相変わらずのKANワールド爆発で、コソバユくなった。

聴くべき人生の時期を逃している感じがするので、KANをこれから改めて聴くことはないかもしれませんが、息の長いファンのやりとりを見ているだけでほんわかするものがあると思います。

会場の左横がすぐ釜房湖・・・・

えええ!ARABAKIロックフェスは、みちのく公園でやっていたんですか!

エコキャンプみちのくってどこだろうか?と思っていたので、全く気づきませんでした。この前、ようたの幼稚園の親子遠足で行きました。県内で、おそらく休日に仙台市の親子が行く遊び場ベスト3には入る場所なので、ロックフェスに親子連れが多かったのもうなづけます。

 [FLYING KIDS]

ウイスキーが思いの外ハイピッチで減るので、自重。FLYING KIDSはちゃんと聴く事にする。

座って待っていると徐々に人が増えだした。ステージ右寄り中程に移動。

FLYING KIDSは、イカ天時代のおぼろげな記憶しか無かったが、素晴らしかった。知っている曲は「幸せであるように」と最後の「風の吹き抜ける場所へ」だけだったが、逆に言えばこの2曲を演奏してくれたのは奇跡か?

まず、構成が上手かった。知らない曲だが、ビートの効いた曲から始まり、徐々に盛り上げていった。(単に、心理学やThe Rover、ブロンコといった辺りで始まる俺好みの構成に似ていたというだけかも・・・)これならオジサン化してきた自分も安心して自然に乗り込める。

そして、圧倒的な歌唱力と声量。完全に会場を飲み込んでいた。

「俺たちに、それぞれ違った人生を歩んで来た皆の音楽を聴かせてくれ!」というアオリが印象深かった。「この日のために俺たちはたくさん練習してきた」というのも、泣かせるセリフだった。

衣装はスゴかった。(派手) 後で観たキヨシローと、勝敗付け難しというところ。まあ彼は昔もそうだった気がする。

これは見たかったです。

知っている曲が多いという以上に、ファンクというジャンルが、自分のツボのど真ん中であるということが(今更)わかってきた今だから。そして、日本ファンク界のゴッド*1が再び姿を消してしまった今だからこそ聴きたかったです。

ただ、いろいろ調べてみると、FLYING KIDS名義以外でも、浜崎貴司の活動は活発になって来ているし、今年はFLYING KIDSとしてのリリースもあるかもしれないみたいだし、改めて聴いてみようかと思っています。

 [ゆらゆら帝国]

いよいよOLの準備をすべく、隣の会場「鰰」へ。前の「ゆらゆら帝国」が演奏中、人が溢れていた。

全然見えないし、dullな曲調であり、FLYING KIDSの歌唱力に圧倒された直後の耳にはvocalも「弱い」としか聞こえず、印象は良くない。

事前にCDで独特の音世界に慣れていれば、また印象が違ったのかもしれない。

「あーもう早くOL!」と思いつつ、ウイスキーを飲みきってしまった。

ゆらゆら帝国は、絶対はまると思ってCDを借りたにも関わらず、右耳から左耳にスルーしてしまうパターン数回。アルバムが合わなかったのか?タイミングが悪かったのか?

 [Original Love]

出てくる人の流れに逆行し(他のOLファンのスリップストリームを利用)、会場へ強引に入り込む。すみませんでした。

「鰰」は「津軽」よりは僅かに広い印象。

前から3〜4列目くらいにつけることができたが、開演30分前から場所取りするようなファンは多くはないらしく、この時点での観客はせいぜい5列程度。急がなくても良かったかも。

ひたすら待っていると、音合わせが始まった。真面目そうなおじさんがキーボードの音を確認していて微笑ましい様子だったのだが、この人が松本さんだったらしい。・・・唯一顔・姿を知っている木暮さんが出てきてギターを合わせ始めてやっと、音合わせしているのがメンバー本人であることに気付いた。なんだかステージ上に居るせいか、皆が大きく見える。

永く永く感じる時間が過ぎ、「ARABAKI」のジングルが流れて、いよいよ登場。個人的には(いわゆる)初田島。

田島、でかい。細長い。かっこいい。白いシャツに黒いジャケット、いまのホームページの写真の(すなわち、東京 飛行ジャケの)印象そのまま。

いろいろ人のレポを読むと、この日の田島貴男は、かなりかっこよかったみたいですね。ビジュアルだけでも十分人目を惹くので、ファンでない人も足を止めていたのではないでしょうか?

メンバーと何事か打ち合わせると、いきなり「接吻」でスタート。面食らった。

うんうんこれも聴きたかったけど、いきなりってどうよ! と思いつつも、

半分酔っぱらっている事もあり、あっという間にマンセー状態に突入。

歌う田島の頭のちょうど真後ろに雲のかかった夕日が見え隠れし、後光が差しているようだった。

「枯れ葉色のtwilight」のところでは、「ホラ、ちょうど今」みたいなジェスチャー。盛り上がる。

1曲目でもあり、切なく歌い上げるのではなく、ガツンと盛り上げる歌い方。ーー切々と歌うのも聴きたかった。

2曲目、銀色の変わったギターに持ち替えて「ジェンダー」。これを1曲目に演るだろうと思っていたのだが、やはりフェスの客層を考えた構成なのだろう。

3曲目「えー恋の・・・・(聞き取れず)をやります」とボソボソと言い、え??恋の片道切符??と思っていたら「恋の彗星」を演奏。これまた意外な選曲で感動。最近何だったかのコンピに入ったらしいし、新しい曲のうちでは比較的初心者向けなので選ばれた?

個人的にはもうノリノリ。田島も若干タコ的動きを見せ始める。後ろを振り返る暇など無く、どの程度の客が入っていたかは全く知らない。

オープニングが「接吻」というのは驚きますね。

3曲目「恋の彗星」は、ライムスター宇多丸などが監修したmixCD(↓)に入ったので、そういう意味では順当です。ちなみに、自分は、この曲はあまり好きではなかったのですが、これを聴いてから、少し見直しました。(偉そう)

なお、「ジェンダー」は、予想通りというか、これ以外の予想曲は全部外れました。

4曲目、「朝日のあたる道」でまた度肝を抜かれる。うんこれももちろん聴きたかったけど、もっとマイナーな曲も期待してたんだけど。それに新曲はやらないんだね・・・と若干複雑ながら、自分が死ぬ瞬間に聴いていたいほど好きな曲なのでうれしい。

この曲の始まりの時に、田島自ら、シンセか何かのリズムパート演奏のスイッチをいれていたと思う。

うしろから「ホラ、あの曲だよ」という声が聞こえてた。

これも記憶が曖昧だが、この辺でMC。基本的に照れ笑い的な話し方で、やっぱりこんな感じの人柄か・・・・と実感。

バイクにはまっていること、最近は曲作りしていることを話すも、ライブ予定や新譜の予定のアナウンスはナシ。ぬぬう。

「40にして中・大型の免許を取り、最近は峠フェチ。荒吐は初めて来たが、ここまで来る間も峠がいっぱいで、ゾクゾクした」といった内容を話していたが、自分で二輪を運転して会場に来た・・・って事かいな。

「ほんとうに久しぶりのライブで。」そうだそうだ。何とかしてくれ。

5曲目、松本さんをサックスに追いやっての「明日の神話弾き語りでは、音割れせんばかりの(しなかったけど)声量。すばらしい。

次は「20才くらいのガキの頃に作った曲を聴きます」と言い間違えて意図せず会場を盛り上げ、

で、「BODY FRESHER」・・・・・・この選曲、シビれた!(.....とはいえ、どんな選曲でもシビれた可能性大)

これで6曲、もう終わりなんてイヤン、と思っていると、最後に、よりによって「The Rover」・・・・・・・ホレた。

どれも、素晴らしい演奏だった。

ただ、アレンジには全く新しい工夫が無かったので、マニアとしてはそこは不満。新曲も無かった。

まあ、ロックフェスなので、これは止むを得ないだろう。

FLYING KIDS同様、圧倒的な歌唱力、声量に、とにかく魅了された。

最後が、「The Rover」というのは、また面白いですね。フェス全体として、次以降も盛り上げていこうという感じにしたかったのでしょうか?。

それにしても、期待していた今年の活動についてのアナウンスが一切無かったのは痛いです。特にライヴに行けない身としては、それの方が楽しみだったので拍子抜けでした。気長に待つ訓練は積んでいるつもりなので、大丈夫ですが。

あと、バイクは事故が怖いので気を付けてください。(田島貴男様へ)

 [BEGIN]

OLの後若干放心。隣の会場で直後に始まった原田知世には行く気が起きず。

しばし余韻を反芻して楽しんだ後、「陸奥」に戻り、BEGINを聴く。

空がどんどん暗くなっていった。

それに伴い寒さが身に染み出した。丸くなって座り体温の放散を防ぐ。吹き抜ける風が恨めしい。

結局BEGINの演奏も座ったまま音だけ聴いた。

MCがお笑いのように面白かった。曰く、「俺たちがこの会場というのは間違いかと思った。大きい音が出せないので、もっと小さな、津軽あたりが適当だと思う。」「FLYING KDISとか、ORIGINAL LOVEとか俺たちが聴きたいバンドが一杯出ている。イカ天に出た事は自分たちの誇りだ。当時、自分たちも含めて『ネオ・アコースティック』と呼ばれたが、石垣島から出てきたばかりの俺達は『ネオ・アコースティックって何だ?』と語り合っていた。」「最後、キヨシローさんは俺たちも是非観ていきたい」等々。

曲は最後の「涙そうそう」以外は聴いた事が無かったが、楽しかった。

これもよさそうですね。

BEGIもあまり聴いたことがないのですが、KAN同様、いちげんさんにも優しい(聴き取りやすい+親切な)ミュージシャンなのだろうと思います。

 [忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS]

あまりの寒さにコーヒーを買いに行くも既に売り切れ。

JUN SKY WALKER(S)にも興味はあったが、既に開演しており、入り込むのが面倒なのでやめる。

OL以外は別にファンではないので、基本的に後ろの方とか端の方で控えめに観るようにしていたのだが、

あまりにも寒くて止むに止まれず人の温もりを求めてキヨシローの場所取りの人々に混じっていたら、そのまま熱いファンたちのド真ん中で観ることに。

やはりキヨシロー、あなどれず。この歳でこの演奏、この盛り上がり。

以前NHKで田島と競演したのは観たが(このとき田島は「銀ジャケットの街男」などを歌っていた)、やっぱりどの曲も知らない・・・

たまに聞き覚えのあるサビのフレーズが混じる程度。(後で確認すると、「完全復活ライブ」の時

の曲目とかなり被っていたようだ。)

喉頭癌で入院したというニュースは聞いており、このときは「喉頭癌じゃもう二度と声が出ないのでは・・・」と思ったのだが、今回のライブは以前と全く変わらない発声に聞こえた。

ギターの人(有名な人らしいが知らず)が、さんざん「完全復活」という言葉で煽る。

大トリであり、他会場もすべて終わっているので、主催者側も力が入ったと思しく、スモーク、紙吹雪、巨大ボールといった演出もあり。

「Yeahって言え〜!」と煽るので、素直に叫びまくった。

バンドの方々の演奏もさすがにウマイ。アドリブパート含め完璧。

このため、キヨシロー本人が余興的に演奏したハーモニカや名前の判らない吹奏楽器の演奏の素人ぶりが際だつようだった。

アンコールからが更に盛り上がり、最後は「こんな夜に、お前に乗れないなんて〜」と大合唱(この曲は知ってた)。満足。

主催者のアナウンスに従って、紙吹雪を拾って回収しつつ帰路についた。21:30頃だった。

ゴメンナサイ。キヨシロー、わかりません。それこそ、「雨上がりの夜空に」しか知りません。

でも、だからこそ、こういうところで見てみたいですね。

久しぶりに歩き回り、演奏中は立ちっぱなしの上に寒さが堪え、縦ノリが多かったので、疲れた。

年齢の影響と言うよりも、単に運動不足と思われる。

23時頃バスで駅東口に着いた後、夕食をとりがてら歩いて帰宅するつもりが、時間が遅く市内も閉店の店が多い。

コンビニでお茶を買っただけで、結局そのまま歩いて家に着いてしまった。

殆どお金を使わず、エコというかケチというか・・・・

東京在住の方はわかりにくいかもしれませんが、23時過ぎると、結構閉まる店多数。飲み屋は営業していますが。

 [総評]

こうして読み返してみると、せっかく行ったのに座って聴いたりしており勿体ない。

しかし寒くてこれが精一杯ではあった。

目当てのOriginal Loveは、大満足。

個人的にライブそのものが本当に久しぶり('00年のASKAソロツアー以来!)だったし、ロックフェスというものも初めてだったので、

歳を取ってしまった自分が楽しめるのか不安だったが、ウイスキーのお陰か、純粋に楽しかった。

(自我を失っている自分に冷徹にツッコむ第2の自分、という厄介者を、アルコールで追い払う事に期待通り成功したと言える)

田島のvocal含め演奏全てに大満足。非の打ち所ナシ。

もともとマンセーなので冷静に評価できず、正当な評価と言えるかどうかは疑問だが、少なくとも今の自分には最高のエンターテインメントだった。

欲を言えば新たなアレンジを聴くという発見の喜びが無かったのが残念。CD通り、の感がぬぐえず。

発見という意味では、FLYING KIDSの良さが印象に残った。今度ベスト盤でも買ってあげよう。

来年もこのフェスに行くか、と言われれば、やはりOLの出演の有無次第だろう。

運営云々をたった半日で評価できないが、自分が行って、見た範囲内では、満足できるものだったと言えそうだ。

屋外でのロックフェスは皆そうなのかどうか、とにかくどのバンドもvocalの音が立ちまくっていたような気がする。もう少しvocalの音量を絞っても良かったのではないだろうか。

FLYING KIDSORIGINAL LOVEなど、vocalの歌唱力・声量があるバンドの演奏が抜きんでて魅力的だったのは、その辺りも関係があるのかもしれない。

お疲れ様でした。

自分が一番印象に残っているライヴが、オリジナル・ラヴ日比谷野音(Fire Walkingツアー)ということもありますが、野外のライヴというのは、感動もひとしおですよね。暗くなる頃とか最高です。

また、目当てのミュージシャンのファンでない人(この場合は非オリジナル・ラヴファン)が同じ会場で聴いていると思うと無意味に緊張したりするのも、フェスならではではないでしょうか。また、逆に、ぶらり立ち寄るという「衝動聴き」もできるし、自分もフェスは行ってみたいですね。来年、OLが来ても来なくても、ようたを調教して連れて行こうかと思ってしまいます。

それにしても、オリジナル・ラヴの新曲・・・


最後に、わざわざ、レポートをいただき、kaz_mineさん、本当にありがとうございました。

[]チャットモンチー生命力

生命力

生命力

さて、ARABAKIでは1日目に出演したチャットモンチーだが、年度末の精神的に最も余裕のない時期に、ふと聞いたのがセカンドアルバム『生命力』だった。

このアルバムについては、yokoさんもARABAKIで印象に残ったと言っていた曲「世界の終わる夜に」にだけ書きたい。

ファースト『耳鳴り』は、明るい印象のみが残っていたため、かえって、この“爆弾曲”が心の隙間(笑ゥせぇるすまん風に言うなら)に入り込み、ダークな方向へ気持ちがシンクロしてしまったのだった。

売れたシングル「シャングリラ」(3曲目)が、いわば“助走”になっているのもポイント。シャングリラ自体は明るい曲なのだが、サビ前の歌詞がちょっと微妙。

胸を張って歩けよ

前向いて歩けよ

希望の光なんてなくったっていいじゃないか

ええ?

希望の光がなくてもいいのかなあ?

と、心の奥底に澱が残る中で次の曲「世界の終わる夜に」が始まってしまう。

歌詞はフレーズを抜粋。

“しまった もう世界は終わっていた”

“私が神様だったらこんな世界は作らなかった”

“愛という名のお守りは結局からっぽだったんだ”

“どうせ育ちやしないからみんな何かに目をそらしてる”

“今もどこかがいろんな理由で壊れ始めてる”

聴きながら新幹線の中で泣いた。

全編ダウナーながらも時代の空気を読んだ傑作と言いたい

スリーピースのガールズロックバンド」というピチピチ感からは大きく外れるし、アルバムの中では異質の曲ではあるが、自分の中では『生命力』は、この曲あってのアルバムだといえる。

D

*1:日本のファンクを背負って立つのは、先日発売されたばかりのシングルのジャケに「KING OF FUNK」と書いていたスガシカオでしょうが、少し前に遡れば、やはりファンクと言えば岡村靖幸だったのではないでしょうか。

キイロイトリキイロイトリ 2008/05/24 23:05 はじめまして。ちょくちょく拝見しております。
失礼ながら最初に突っ込ませていただくと、ARABAKIはみちのく公園ではなく
釜房湖の対岸の「エコキャンプみちのく」というキャンプ場が会場なのです。
私も最初に同じ勘違いをしていたので…(笑)
あと、あまりにも人が多いので、お子さんは連れて行かないほうがいいかも。
出演者にもよりますが、野外のせいか音量もだいぶ大きめなような…
私はオリジナル・ラヴしか聴けなかったのですが、選曲もフェス向きでよかったと思います。同時間に別ステージでエレファントカシマシをやっていたので、会場が閑散としていたら…なんて思っていたのですが、結構お客さん入っててビックリしました(笑)

rararapocarirararapocari 2008/05/26 01:50 キイロイトリさん、コメントありがとうございます。
>釜房湖の対岸
そうなのですか。みちのく公園自体が広いので、その敷地内に会場があると思ってしまいました。
▼子どもを連れていくのは難しいというのも有難いアドバイスです。うちの場合は実行しようとすれば奥さんに止められるとは思いますが、確かに、あまり子どもに優しくはなさそうですね。
▼それにしても久しぶりのライヴ+久しぶりの来仙だったので感動もヒトシオだったと思います。なお、今回、仙台に来ておいて、ツアー先から除くということは、多分無いのではないかという楽観的な気持ちになっています。「まずは新作」というところですが、期待したいです。
今後もよろしくお願いします。

kaz_minekaz_mine 2008/05/26 16:23 あわわ、「生」のままお使い頂くとは少し予想外でした。音楽的教養が全くないので(ファンクって何ですか?)rararapocariさんだけでなく多数の方の目に触れるかと思うと恥ずかしいです。文中、なぜかキーワードのリンクが「う○こ」に張られててしまっているのも恥ずかしいです。
これに懲りずお付き合いのほどお願いします。

rararapocarirararapocari 2008/05/27 00:36 全文掲載させていただいたのは、kaz_mineさんの文章が、それこそ「多数の方の目に触れる」用につくられていたのが決め手でした。音楽的素養がないのは自分も同じですので、恥ずかしいなんて謙遜しないで下さい。「う○こ」のことは、(う○こだけに)水に流してください。
なお、音楽のジャンルというのは非常に難しいですが、ファンクは、比較的「聴けばわかる」ジャンルです。日本人なら岡村靖幸、スガシカオ、SUPER BUTTER DOGあたりを聴けば分かります。Wikipediaで「ファンク」の項を見ると、オリジナル・ラヴの名前がありますが、OLでファンク色の強い作品は「Rover」ではないかと思います。

kaz_minekaz_mine 2009/05/07 17:06 このときまで、自分も全くキヨシローには縁がない生活を送っていたのですが、このライブの臨場感、迫力は強烈な忘れがたいものでした。
振り返ってみれば、キヨシローの短かった完全復活の期間にうまいこと立ち会えたわけで、感慨深いです。このフェスに行っていなければこの感慨は無かったと断言できます。
今日のvoiceで田島も触れていたので、思い出して書き込んでみました。
ところで、今年のARABAKIは、田島が来なかったので行きませんでした。(その夜は坂本龍一に行ってました。) スガシカオが来たらしいので、rararapocariさんはひょっとしたら行くのでは・・・と思っていたのですが、お引っ越しでそれどころじゃなかったですね。
当日の仙台は大雨でした。行かなくて良かった。
それと今気付きましたが、私、文章中で「小松さん」とさんざん言ってますが松本さんの間違いですねこれ。当時の私は「松」つながりで間違えたようです。小松さんが出てきたらびっくりだっての。1年ぶりにお詫びして訂正致します。

rararapocarirararapocari 2009/05/08 07:00 >キヨシロー
自分もニュースを聞いてARABAKIを思い出しました。まだ若いのに・・・と思うと同時に、人一倍精神力のありそうな方の命も軽々と奪ってしまう病気の怖さを思い知りました。ご冥福をお祈りします。

>坂本龍一
坂本龍一は、ほとんど聞かないのですが、新アルバム+ライヴは村上龍が例の如く絶賛しているので気になっています。「年相応」(笑)の音楽だし、積極的に聴いてみようかと思います。

>小松さん
これは、脳内で「松本さん」と読み替えていたようで気が付きませんでした。修正しておきました。

2008-05-20 Tue

[]細川貂々ツレがうつになりまして

ツレがうつになりまして。

ツレがうつになりまして。

図書館で借りてきたこの本をテーブルの上に置いておいたら、早速、奥さんが読んでいた。

それから数日かけてちょこちょこ読んでいたようだが、区切り区切りで「怖い」を連発。

というのも、「うつ」と聞いて思い当たる人が何人かいたからだ。

  • その1⇒僕
    • 年度末は、よく「もうだめだ」を連発。
    • 「今まで内緒にしていたけど、毎日会社を素通りして、近くの公園で鳩のえさやりをしてるんだ」などと何度も煽る。
  • その2⇒親友の夫
    • 出社していないことを共働きの妻に隠していたが、上司からの電話で発覚。現在休職中。
    • 転職を繰り返している。

特に、後者は、激務がたたって会社を辞めざるを得なくなった「ツレ」にパターンが似ていること、また、結婚当初から親友の「選択」を疑問視していたことから、「怖い」という発言につながったようだ。勿論、「僕」が「うつ」になるという可能性も十分あるわけだが、そうなったときのことを想像すると、やはり「怖い」と思ってしまったようだ。

同感だ。

特に、この本が、「行きつ戻りつしつつも、1年という長い期間をかければ、明るい未来が見えてくる」という話を強調すればするほど、憂いは深くなる。勿論、1年という期間の長さもあるが、それ以上に、ツレへのケアが、至れり尽くせりである点は、プレッシャーになる。というのは、これらのケアは、作者が在宅の仕事(漫画家)であるから可能なだけで、同じことをしようとすれば、(共働きなら)夫に合わせて妻も休職するか、(子持ちの主婦なら)膨大なエネルギーを必要とする「子育て」の一部を放棄しなくてはならないからだ。

例えば、リハビリとして「電車」に夫婦二人で乗り込んだところ、往路は大丈夫だったが、復路は「乗り物全般が無理」ということを言い出し、結局3時間かけて歩いて帰ったというエピソードがあるが、自分がケアする立場に立ったら「そんなわがままは言うな」と、ツレをタクシーに押し込めてしまうかもしれない。

そういう感覚は、自分の「うつ」への理解が不十分だから湧いてくるのかもしれないが、作者の

「てんさん」のようにふるまえるのかと言われれば、甚だ疑問だ。

あとがきで「ツレ」が自ら書いているように、辛くても治る病気である、ということが見えるのは、「うつ」の当事者や予備軍にとっては嬉しい内容であると思う。しかし、治すには、よき理解者の絶えざる協力が必要、という事実には、「相棒」にとっては、脅威に映る。

どちらの意味でも、うつを理解するのには、まずこの一冊という本なのでしょう。


最後に

この本は、なかっちさんの以下のエントリにインスパイアされて読んだものです。名言続出で、この本以上に感動しました。僕自身はまだまだ理解が不足しているので、『その後の〜』も読んでみます。

D16D16 2008/05/21 02:37 >その1⇒僕
 あおりすぎて逆に心配かけちゃダメだぞー。

なかっち(k.c.e.)なかっち(k.c.e.) 2008/05/21 13:03 こちらではお久しぶりです。リンクを張って頂き恐縮です。

>名言続出
ハハハ(笑)ありがとうございます。自分は、自分が失恋した時の日記を読んで、そのあまりの詩人ぶりに感動したことがあります(笑)。苦しみは、どんな人をも哲学者にするんだと思います。

>作者の「てんさん」のようにふるまえるのか
「ツレうつ〜」と「その後の〜」の間には、実は「イグアナの嫁」という中巻があって、それを読むとこの「てんさん」は、主婦なのに家事もやらずただ怠けている、「社会的にはどっちかというとダメな人」として描かれています。全然立派じゃないです。 でも、そういう人の方が、自分が病気の時のパートナーとしては、安心するかもしれません。この二人が、実際はどういう夫婦なのかがよく理解できる本です。ブックオフにあったら読んでみて下さい。

自分は幸い、病気を治す環境に恵まれていると思いますが、一家の大黒柱の方となると&実際うつになったことがないと、うつは本当に「怖い」の一言だろうなと思います。 自分がかかっているお医者さんによると、睡眠不足だけでも、うつになるそうです。最近眠れなくて困ってるという状態になったら、睡眠薬を出してもらって、それを使ってでも眠ったほうがいいと思います。 とはいえ、ストレスがたまっていると、なかなか寝付けませんよね。
ストレスをためないようにするには、「出す」ことを意識すると良いのではと思います。運動とか、(巷で女性に人気の)岩盤浴で汗をかく、大笑いする・カラオケで絶叫する(息を出す)、泣ける映画・本を読んで定期的に(1ヶ月に1回等)泣いておく・悲しくなったらすぐわんわん泣いちゃう(涙を出す)。お通じも大事です。 日中、「出す」ことを意識しておくと、夜、比較的、眠りやすくなると思います。 
自分がうつになったのは、「会社ではどんな扱いを受けても絶対泣かない」と決めていたのも大きいのかもしれません。 非常にガマン強い性格のため(苦笑)、最後までこの決まりは守り抜きましたが、これは、社会人としては立派でも、体には非常に良くないことだろうと思われます、その分、ストレスはたまっていくわけですから。 泣くと、凄くスッキリして、リラックスするじゃないですか?みっともなくても泣いちゃう方が、ストレスはたまらないだろうと思われます。 ...といって、これを男性の方に言うのも、何なんですけど...会社や家ではダメなら、カラオケボックスなどで。
あとは、自分を客観視して感謝する、ということでしょうか。 家で寝てるしかできない立場の者にとっては、働けている人は、毎日起き続けていられるそのこと自体、羨ましいものです。
雑穀で「アマランサス」というのがあるんですが、この雑穀は、精神的疲労を軽減すると言われているそうです。確かに、3食毎食食べてると、効くような気もします(自分が極端に具合悪い時は無理ですけど)。試しにご飯に混ぜて炊いて、食べてみてはいかがでしょうか。

rararapocarirararapocari 2008/05/24 01:19 ■D16へ
おおお久しぶり!「経験者は語る」ですか?
自己暗示にかかりやすいタイプなので、奥さんよりも自分を気にして、そういう発言は控えています。

■なかっち様
長いコメントありがとうございます。
先日、本屋に行ったら、最近ツレさんの方が本を出していることを知りました。少し立ち読みしたら、辛いときに読んでいた本の中に、吾妻ひでお『失踪日記』が入っていましたが、これを読んだときは『ツレが・・・』以上に、「奥さん凄すぎ」と思ったものです。2冊を続けて読んで、「自分がダメでも奥さんがちゃんとしてくれるから、仕事辞めても何とかなる」と思った人も結構いるかもしれません。
それにしても、なかっちさんのコメントのほとんどが、「僕がうつにならないためのポイント」に費やされているのが、逆に心配になってきます。やはり、最近のエントリは、うつ度が高かったでしょうか?自分はストレスをためないし、いつでもよく眠れるタイプなので、それほど大丈夫なのではと楽観視しています。最近、それ(ストレスをためないこと)が問題なのではないかと心配になるくらいです。
>家で寝てるしかできない立場の者にとっては、働けている人は、毎日起き続けていられるそのこと自体、羨ましいものです。
これは、その通りかもしれません。あれこれ言わず頑張ります。

>イグアナの嫁
上のエントリでは、特に触れませんでしたが、自分は動物を長く飼った経験というのが無いので、家族同様に扱うペットの感覚というのはわからないんですよね。そういう意味では、作者夫婦とイグアナの関係については、ちょっと興味があります。これも読みたいです。

なかっち(k.c.e.)なかっち(k.c.e.) 2008/05/24 14:18 >最近のエントリは、うつ度が高かったでしょうか
いや、このエントリ内で「うつで思い当たる人」にご自身をあげておられたので、ビックリしてしまった次第です。
しかし、ストレスをためないでよく眠れるなら、とりあえず大丈夫そうですね。(笑)

>あとは、自分を客観視して感謝する、ということでしょうか
>家で寝てるしかできない立場の者にとっては、働けている人は、
>毎日起き続けていられるそのこと自体、羨ましいものです
これは、うつを「治す」のに有効な考え方であって、うつになっちゃうかもしれないと恐れている人にとっては
不適切な発言でした。スミマセン。うつの人にとっての禁句「頑張れ」と言ってるようなものですよね。
ここをご覧のかたでそういう不安を抱えている方は、あまり頑張らないで下さい。

rararapocarirararapocari 2008/05/26 01:42 いろいろご配慮ありがとうございます。
昨日もテレビで特集されていましたが、うつの人もそうでない人も、まずは勉強し、理解することが必要なのですね。

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2008-05-19 Mon

[][]八木山動物園ベーブ・ルース

先週末に八木山動物園に行ったので、azecchiさんに倣って、落ち着かないシロクマの写真をアップ。

八木山動物園は、地下鉄東西線関連の駐車場工事で、入場までにかなり時間を取られるようになってしまい、ちょっと不満です。

〜〜〜

「カキーン!」・・・なんか窓の外で音がした!

f:id:rararapocari:20080517121318j:image

よく見えないなあ。

f:id:rararapocari:20080517121332j:image

なんだろう?

f:id:rararapocari:20080517121339j:image

ベーブ・ルースでした。

f:id:rararapocari:20080517113153j:image

由来は以下の通り。

動物園がある八木山は、明治時代まで越路山と呼ばれた地域の一部であったが、八木久兵衛が払い下げを受けて所有し、開発に乗り出した。1929年(昭和4年)に完成したのが八木山球場であり、翌年の1930年(昭和5年)に八木山遊園地が完成した。球場では1934年(昭和9年)11月9日にベーブ・ルースホームランを打った。八木山動物園は球場の跡地にできたもので、今も動物園の中に彼の銅像がある。

仙台市八木山動物公園 - Wikipedia

ここまでは知っていたが、さらに調べると、ベーブ・ルースは全米選抜で来ていることがわかった。この時期に、北海道から九州まで16都市というのはかなり凄いことだと思う。また、日本チームが16戦全敗というのが素晴らしい。

1934年 来日:メジャーリーグ選抜:全国12都市(東京函館仙台富山横浜静岡名古屋大阪小倉京都大宮宇都宮)で16試合を開催

日米野球 - Wikipedia

[]天笠啓祐『バイオ燃料−畑でつくるエネルギー

バイオ燃料―畑でつくるエネルギー

バイオ燃料―畑でつくるエネルギー

タイトル通り、2006年頃からブーム的な動きを見せ、現在の食料品高騰の原因の一端を担っているバイオ燃料に関する本。

基本的な内容を一通りおさらいしながら、その問題点に迫る内容。

知っている人には今更のことであるが、特にでんぷん質の作物の非効率性については勉強になった。

トウモロコシは、二酸化炭素削減にほとんど寄与しない

バイオ燃料の種類は大きく3つあり、そのうちのバイオエタノールの原料は3種類に分かれる。

このうち、トウモロコシのようなでんぷん質の作物は、二酸化炭素削減にほとんど寄与しない、という。(P114)

すなわち、トウモロコシの場合、1リットルの化石燃料を使用して製造されるバイオエタノールは多くても1.5リットルだという。

対して、ブラジルにおけるサトウキビの場合は7.6リットル程度とされており、大きな差がある。

これは、

原料→(1)原料の粉砕(2)酵素を加えて糖化(3)酵母を加えて発酵(4)蒸留→バイオエタノール

という過程のうち、糖質の作物は(2)糖化の工程が不要になるからである。(P34)

ただし、上の1.1、1.5という数字は、バラつきがあり、見方も分かれるようで、例えばWikipediaの記述は1.34という数字を出し、バイオエタノール燃料による効果を評価するかたちになっている。*1

バイオマスエタノールを燃焼して得られるエネルギーよりもエタノールを生産する過程で投入されるエネルギーの方が大きい可能性がある。別の自然エネルギー化石エネルギーを使ってまでバイオマスエタノールエネルギー源を変換する必要があるかどうかを検討しなければならない。

トウモロコシを原料とするバイオマスエタノールの場合、2002年7月に公表された米国農務省の報告書によればエネルギー収支は1.34とされている。すなわち、エタノール生産に投入されたエネルギーの熱量を1とすると、生産されたエタノールの熱量はその1.34倍になるということである。これに対し、ガソリンエネルギー収支は0.74程度とされているので、トウモロコシを原料としてエタノールを生産すると効率性が8割程度向上するということもできる。

バイオマスエタノール - Wikipedia

国連大学の安井至教授の2007年7月の記事では、1.3という数字を、ほとんどガソリン車と変わらないという評価を示している・

さまざまなデータが出されている。例えば、米国環境保護局の研究者が出したデータによれば、1という化石燃料を投入した場合に、得られるバイオエタノールエネルギー量を次のように推定している。

f:id:rararapocari:20080520020915j:image

 米国トウモロコシを原料として作ったエタノール1.3で、ガソリンをそのまま使った場合とほとんど変わらない。すなわち、エネルギー的にあまり意味は無い。それに比較すれば、ブラジルサトウキビから作るエタノールは、かなりエネルギーのゲインがある。

石油を上回る自動車燃料は現れるか(07/07/04)コラム:日経Ecolomy

National Geographicの2007年10月号記事でも、トウモロコシエネルギー効率を疑問視している。

 ここで重要なのは、これはあくまで「理論上」の話だという点だ。米国バイオ燃料は現状だと、農家や農業関連の巨大企業には大きな利益をもたらしても、環境にはあまり良い影響を与えない。トウモロコシの栽培には大量の除草剤と窒素肥料が使われるし、土壌の浸食を起こしやすい。しかも、エタノールを生産する工程で、得られたエタノールで代替できるのと大差ない量の化石燃料が必要になる。大豆を原料とするバイオディーゼル燃料のエネルギー効率も、それより少しましな程度だ。また、米国では土壌と野生生物の保全のために畑の周辺の土地約1400万ヘクタールが休閑地になっているが、バイオ燃料ブームでトウモロコシ大豆の価格が上がれば、この休閑地までも耕作され、土壌に蓄積されているCO2が大気中に放出されるのではないかと環境保護派は懸念している。

特集:地球の悲鳴 バイオ燃料 実用案にもお国柄 2007年10月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP

第二世代バイオ燃料の問題点

ということで、糖質の作物に比べると、でんぷん質の作物によるバイオエタノールについては、評判が悪いというのが現状のようだ。

また、食料と燃料の競合という意味では、でんぷん質、糖質の作物ともに問題があるため、第二世代バイオ燃料として本命視されているのが、セルロース質のバイオ燃料であるという。この場合、セルロースの分解の効率化が課題となる。ここで作者が問題視しているのは、課題解決のための技術開発の主役が遺伝子組換え技術であることについてである。

遺伝子組換え技術の問題点としては、(1)食べ物の安全性を脅かす(2)環境に大きな影響を与える(3)特定の企業(モンサント社など)によって種子が独占されることが挙げられているが、やや、説得性に欠ける気がする。個人的には、遺伝子組換え技術の問題点について、十分理解できていない部分がある(使った方がいいんじゃないの的感覚がある)ので、もう少し知りたかったところだ。*2


解決策としては・・・

最終章で作者の主張する、地球の将来に向けた環境政策は「小規模な自然エネルギーを基調とした社会」であり、主旨については十分理解できる。

しかし、具体的な中身については、やはり説得力に欠ける。

例えば、風力、太陽光などの自然エネルギーと合わせて、廃食用油などの回収・リサイクルを行う菜の花ネットワークプロジェクトなどの取り組みを以下のように評価している

こうした地域レベルの小規模な取り組みは、品質のばらつき、回収の手間、機械購入費用などの面で、採算をとるのはむずかしいが、積極的に評価できる。しかし、国や大企業が乗り出し、規模を拡大して採算を求め出すと、性格は一変する。環境破壊型の事業になり、原料の途上国からの輸入につながり、人々の食糧を脅かす存在になるのだ。(P52)

ここで、採算が取れないことを認めながら、それを全く問題視しないのは気持ちが悪い。一地域の問題であるならまだしも、地球全体のことを話すからには、採算性が重要な因子になるのは明白なはずだ。

これに関しては、先日読んだ、大前研一のコラムでの環境保護論者への批判があてはまるので以下に引用する。自分は、ここまで辛辣に批判する気はないが、地球環境問題が深刻になるにつれ、環境保護の議論には、よりシビアな論理展開が必要になって来ていると感じる。この本はためになったが、最終的な結論には、それが欠けていたと思う。


最後に、食料価格の問題と関連して環境保護論者について触れておきたい。

 彼らはいつも「風車がいい」とか「太陽光発電はクリーンだ」「地熱発電は素晴らしい」「バイオエネルギーがいい」などと主張する。しかし今回の食料品高騰の影響で明らかになったように、本当にそういう代替エネルギー必要十分条件を満たしているのかどうかを、彼らは本気で検討しているのだろうか。わたしはいつも疑問に思う。

 風力発電は、技術的には一応確立している。しかし、それでどこまで必要な電力が賄えるのか。環境に関しても風車が林立する光景を見れば、少なくとも視覚的には意見の分かれるところであるし、鳥などの死骸が散乱している光景を見れば自然との調和には疑問符がつく。おそらく平らな農地が多いデンマークあたりの10%くらいの供給が限度ではないかと思われる。

 太陽光発電もそうだ。たしかにクリーンなエネルギーではある。しかし東京に必要な電力を太陽光発電で賄おうとしたら、(仮に光電変換の効率が 40%になったとしても)東京都全体を発電パネルで覆っても間に合わないのだ。せいぜい年間日照日の多い地域における補助エネルギー止まりであろう。

 また、遠隔地に作れば送電ロスの問題がバカにならない。設備の建設で消費されるエネルギーは、いつになったら償却するのか。施設の維持コストはどれくらいかかるのか。

 わたしは環境保護そのものに異論はないが、こうした大局的な見方をしないまま“クリーンエネルギー”を推進しようとする勢力に対しては強い疑念を抱く。

 クリーンエネルギーが環境にはいいのは明らかだし、今後も研究開発を続けていく重要性もわたしは理解している。しかし現状では「まだまだ」なのだ。環境にもよくて、人々の生活に必要な電力をすべて賄えるようなマジックはいまだ存在しない。また太陽光をエネルギーに転換する化石燃料バイオ燃料、光電パネルなどよりも、(アインシュタインの『E=mc2』を用いて)質量をエネルギーに変える原子力の方が格段に環境に優しいし、生態系との取り合いにもならないことを理解すべきなのだ。

 この明々白々な事実を直視せず、やれ「風力だ」それ「太陽だ」と主張する人たちを見ると、わたしは「ああ、彼らは人命より環境が大切なのだな」と皮肉の一つも言いたくなるのだ。

暴動まで起きた世界的な食料高騰 / SAFETY JAPAN [大前 研一氏

*1:同列に評価できる数字なのか分からっていない部分もあります

*2:例えば、日経新聞08/3/30のサイエンス欄では「改良樹木で荒れ地再生」との見出しで、遺伝子組換えポプラを「温暖化ガス削減の大きな切り札」として紹介している

azecchiazecchi 2008/05/24 10:57 動物園、僕は子供よりもむしろ自分が楽しんでますね。八木山動物園の白熊さんはなかなか活発そうですね。キュート!!

rararapocarirararapocari 2008/05/26 01:39 コメントありがとうございます。
動物園は、行ってがっかりすることがないので好きですね。もちろん、子どもが喜んでくれるのが第一ですが、自分もそれなりに楽しめる。八木山動物園は、結構コンパクトですが、その分ぐったりするほど連れまわされないところもいいです。そして安いのも大変魅力的です。

2008-05-14 Wed

[]『愛と感謝の美容室 バグジー』1・2


愛と感謝の美容室 バグジー 1

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愛と感謝の美容室 バグジー 2―『心を育てる』感動コミック VOL.2

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「本が好き!」さんからの献本

美容室「バグジー」についてのエピソードを満載した自己啓発漫画で、Amazonの紹介文を引用すると、概要は以下のとおり。

福岡県北九州市に、7つの美容室を展開する有限会社バグジーは、社員の辞めないお店、お客様の再来店率・紹介率の高いお店として美容業界だけでなく、他の業界からも注目を浴びている会社です。

久保華図八社長は、渡米経験のあるカリスマ美容師として、帰国後、北九州で美容室をオープンしますが、ある時、新規出店を目前にして幹部が立て続けに退職し、一時は倒産の危機に陥りました。

それをきっかけに、実力主義成果主義を改めて、社員満足・お客様満足の経営をめざすようになり、今では、高い社員満足と顧客満足、そして年率2ケタの成長を実現されているのです。

久保社長は現在、年間300回に及ぶ大手企業を中心とした講演活動や全国レベルでのインストラクター教育に取り組まれており、先日、NHKの「ビジネス未来人」にも出演されました。

感動コミックシリーズ第一弾では、「バグジーマジック」と言われる感動経営の秘訣を、ご紹介します。

職業についての本であるから、自然と自らの仕事観と比較しながら読むことになるが、かなりの部分について圧倒され、自分の仕事に対する考え方を見直さなくてはと言う気持ちになった。。

  • 職場の雰囲気:スタッフ同士が仲がよく、一丸となって仕事に取り組んでいる
  • 社会貢献:地域密着を目指し、店舗近辺の清掃活動も積極的に行う。病院などへ出張して行うボランティアカットなどの社会貢献
  • 感謝:顧客に感謝されることを積み重ねることは勿論、顧客やスタッフに向けて感謝の気持ちを持ち続け、行動として示している。

そして、これらのことが、すべて仕事のやりがいにつながっているという事実。

まだ若い組織で、目が届く規模であることが、こういったことを可能にしているともいえるが、どういった組織でも参考と出来る部分がたくさんあると感じた。

特に、2巻のリーダー論は、実用的というよりは自戒の言葉として、胸に記しておきたい。

リーダーとは

  • 自分の都合で生きるのではなく、相手の都合に合わせられる人
  • 相手の喜びや悲しみに参加できる人
  • みんなの心を晴れやかに出来る人
  • 利より信を選べる人
  • 周りのお役にたてる人
  • ギブアンドギブで生きられる人

また、久保華図八社長が事業の拡大について、師と仰ぐ北川八郎に相談に行ったときのアドバイスもよかった。

お店を急拡大して喜ぶのは経営者だけ。

もし、君が饅頭屋さんだったら

お店が繁盛してくると、きっとあんこを少なくして饅頭をたくさん作ろうとするだろう。

でもね、そんな時こそ、饅頭の数よりもあんこを増やした方がいいんだよ。

まあ、自分は経営者ではないから、直接関係ないのですが・・・。

〜〜〜

とはいいながら、やはり、自分の仕事観とはどうしても相容れない部分もある。

それは、全体を貫くスタンスとして存在する「大家族主義」。

  • 入社式キャンプ、クリスマスイベント、忘年会の四大行事に欠席すると即退社
  • 入社式で行われる、新入社員の親からの手紙の朗読
  • 久保社長が自宅で食事するのは毎月第三日曜日のみで、それ以外はほとんどスタッフ達と食事

勿論、これがないと「バグジー流」ではないのだろうが、ある程度、会社とプライベートを切り分けたい自分には抵抗がある。また、ワーク・ライフ・バランスというような言い方で、「ワーク」よりも「ライフ」に目を向けるようになってきた世間一般的な流れとも逆行しているように思う。

〜〜〜

ただ、そういう批判的な気持ちはあっても、巻末のスタッフの写真なんかを見ると、幸せそうで、やっぱり羨ましいと思ってしまう自分もいるのだ。仕事ってなんだろう?という素朴な疑問に立ち返る二冊だった。


追記

なお、肝心の漫画。決して絵が下手なわけではないのに、素人くさく=安っぽく感じる。線が細い(((太いところもある。一巻P118-120など限定的なのはなぜかよくわからないが。))割に、枠線が太く、画面が白い(背景があまり描かれない)のが原因だと思う。内容よりも絵柄によって「胡散臭い」と感じてしまうところもあるように思わせてしまうのはマイナス。

(次エントリに内容続く)

[]速水健朗自分探しが止まらない』

自分探しが止まらない (SB新書)

自分探しが止まらない (SB新書)

上に紹介したバグジー流のやり方には、どうしても一種の「胡散臭さ」を感じてしまう。例えば、こんなシーン。

  • スタッフ一同が会社理念を唱和したあと、円陣を組んで「今日もツイテルツイテル!ハッピー!ハッピー!バグジーFIGHT!」と叫ぶ朝礼
  • (上でも述べたとおり)新入社員の親からのメッセージの朗読と、入社式の感想の提出

こういったやり方は、この『自分探しが止まらない』に紹介されていた「居酒屋てっぺん」の朝礼にかなり近いテイストを持っている。

その光景は異様なものだった。そこで働くのは20代前半の男女。彼らは「最近うれしかったこと」「自分の夢」などについて一人ずつ精一杯の大声で、発表しなくてはならない。強制されるというよりも、自発的にそれをすることを、余儀なくさせられていると言ってもいいかもしれない。(P168)

自分が、これらに対する「胡散臭さ」を、雑誌によくある心霊商品に対するそれのように一蹴できないのは、こういった朝礼や決まりの中に、ある程度の価値を認めているからである。

一般的に言われる「自分探し」についても同様で、それを肯定的に評価する部分と「胡散臭い」と思ってしまう部分が混在している。それでは、「自分探し」の何が問題なのか?そんな問題意識で本書を手にした。

〜〜〜

この本の著者である速水健朗さんは、同世代ということもあり、納得できる部分が多い。

特に、全体として、「自分探し」をする若者を一方的に否定する(もしくはあとがきにあるように「嗤う」)のではなく、味方に立ちながら自己反省を促す、というような中立?のスタンスを取っているのは、非常に共感できるところだ。ただし、その微妙すぎるスタンスゆえ、本全体としてのメッセージは、かなりぼんやりとしたものになった気がする。そういう意味では、ある程度、読書テーマを明確にした読み方でないと、何だかよくわからないままエンディングを迎えてしまう本である。

以下では、自分がテーマとして掲げた「自分探しの何が問題なのか」について指摘があった部分を、本文中から4つ挙げ、自分なりに考えてみた。


(1)「気づき」のみによる変身願望

自分探し」にはまる人たちに対する違和感についての最も大きい部分は、「気づき」の過大評価ということになる。これについては全編にわたって書かれているが、最終章にまとめられている。

  • 海外に自分探しに出かける人たちは「自分を変えるために何か具体的な努力をしようとは考えずに、環境を変えることで自分を変えようとする」傾向がある(1章)
  • フリーターたちは「やりたいこと」を(社会経験や他人とのコミュニケーションからではなく)「本人の内部にのみ存在し、本人だけが発見しうる」ものであると考える(2章)

つまり、「自分の内部に潜んでいるはずの可能性」への「気づき」が重要視されるのが、この本のテーマとなっている「自分探し」ということになる。これについての速水さんは「イージーに能力が開花すると考えるのは突飛で、受け入れられない(P208)」と書いているが、そのとおりだと思う。

ただし、「自分探し」(変身願望)ではなく、「気持ちの切り替え」という範囲を限定した目的のためであれば、旅に出たり、自己啓発本を読んだりすることは非常に有効であるだろうし、「気づき」自体には意味があると思う。


(2)ドラッグとしての自分探し

自分探し」にはまる人たちへの違和感として、もう一つ挙げられるのは、自己啓発が持つ「ドラッグ的」な部分だ。

自己啓発は一種のドラッグだ。高揚が切れると、さらなる自己啓発の材料を必要とする。軌保の場合、お笑い、映画、日本一周、アフガニスタンといった具合にその矛先が移動していったのだ。そして、その次の矛先は環境問題だった。(P154)

本書では、かつて、山崎邦正と一緒にTEAM0というコンビを組んだ軌保博光の事例が紹介されているが、メッセージとしては『新ゴーマニズム宣言スペシャル:脱正義論』を読んだときの方が強烈だった。この本は、小林よしのりが、HIV訴訟に深く関わった末に、「運動」に関わり続ける人たちに向けて「非日常の世界から日常世界に復帰しろ」と説くものであった。

つまり、両方とも、「自分探し」(自己啓発)が自己目的化することは、結局は、社会的な関わりの中での成長に繋がらないということを言っており、それはまさにその通りだと思う。


(3)「やりたいことを仕事にする」の欺瞞

また、本書の中では、自己啓発を促す側の問題点についてもいくつか挙げられている。

このうち、自分が、これまであまり考えたことが無かった「やりたいこと」と「仕事」の関係について書かれた部分が興味深く、いろいろと考えさせられた。

本書の中では、村上龍ベストセラー13歳のハローワーク』について、以下のような評価がされている。

この本は(略)「いい学校を出て、いい会社に入れば安心」という時代はもう終わったのだから、「やりたいこと」「好きなこと」を見つけて、働いた方が人生は有利であると主張する。

この本の趣旨や内容にはそれほど否定すべき要素はない。しかし、この本が学校の教材や参考図書となり、世間の模範となり、これが唯一の正しい“就職観”として認知されつつある現状には問題がある。この世の中には「やりたいこと」を仕事にした人だけで構成されているわけではなく、むしろ仕事を「やらなくてはいけないこと」としてやっている人たちで構成されているという認識が抜けているのだ。

「やりたいこと」「好きなこと」だけが大きく前面に押し出され、本来存在している「誰もやりたがらないことを進んでやること」に対する価値への配慮がまったくないのは問題だろう。(P118)

言われてみればその通りである。

しかも、最近、自身の仕事に対して、好きでこの仕事をやっているのか、生活のために仕方なくやっているのか、よく分からなくなるという、深い闇に落ちつ登りつしている自分にとっては、非常に鋭い問題意識である。

世間に溢れるビジネス書の多くは「やりたいことを仕事にする」を軸に自説を展開しているから、自分なんかがそんな本を読んだ時は、自分の仕事観とのギャップに、ますます闇にはまり込んでしまう。つまり、「やりたいことを仕事にする」論は、就職活動中の若者だけでなく、既に職に就いた多くの人間を不安にさせる論理なのだ。そういった中で、「自分探しホイホイ」にはまって行く人も多くいる。


(4)自分探しホイホイによるビジネス

冒頭で取り上げた「居酒屋てっぺん」については、作者は以下のようにばっさりと切り捨てている。

企業の経営者が従業員に自己啓発を強いる理由は一つだ。“ポジティブ・シンキング”を植え付け、安い給与で目一杯働かせること。

(略)

こういった自分探し系の若者たちが「夢」などという言葉に乗せられて、労働者として搾取される姿を指して、労働社会学者の本田由紀は「<やりがい>の搾取」という言葉を使っている。(P169-170)

3章では、これ以外にも共同出版ビジネス、ボラバイトボランティアをしながら最低限の給料で生活するリゾート地などでの住み込みのバイト)などの自分探しビジネスを総称して「自分探しホイホイ」という言葉が使われている。章のタイトルにあるよう、それによって「夢」を持った人たちが「食い物にされる」ことになる。

例えば、先日の日経新聞の書籍広告欄『21日間で夢をかなえる魔法のノート』に寄せられた「推薦の声」のメンバーを見ても、みんな似たような本を書いている人たちになっている。

  • 佐藤伝(習慣ナビゲーター)
  • 朝倉千恵子(株式会社新規開拓代表取締役社長)
  • 舛田光洋(そうじ力研究会代表)

特に、舛田氏は「そうじ力も、21日間続けることで強力なパワーが得られます」と、コメント内に自分の宣伝を忍びこませているし、自己啓発本という“軽い”「自分探しホイホイ」における3者による囲い込みが見て取れる。

しかし、バグジーの事例を見る限り、「食い物にされている」という一方的な評価には難しい部分がある。本人たちは、(労働の割には)低賃金で働いているのかもしれないが、やはり、自分と比べて「やりがい」における勝ち組ではないか、という考えも頭を離れないからだ。(ここでは、あくまで自分個人の問題に還元して言っている。)

〜〜〜

再び、「やりがい」について。

誰しもやりがいのある仕事を選びたいに決まっている。しかし、やりがいのある仕事は激減している。そんな状況で「やりたいこと」を職業にしなくてはならないと教えられてきた人間たちは、さまようしかないのだ。これも「自分探し」が生まれる原因の一つだ。(P138)

IT化やマニュアル化によって、どんどん「やりがい」の収奪が進行しており、個人レベルでも、やりがいのない仕事に割く時間が増していると感じる。

勿論、それを解消していくのにライフ・ハック*1を駆使するのが、現代社会人の作法なのだろうが、30代半ばになって、自己と仕事の齟齬を強烈に感じている自分にとって、どうすればベストなのかはよく分からない。

ということで、結局、当初、問題意識としてあった「自分探し」の「胡散臭さ」について、ある程度解消できたが、仕事の「やりがい」の問題が残ってしまった。

いずれも非常に私的な問題設定だが、後者については、「やりがい」を少しでも増やすために、仕事を通じた人間関係(同僚、顧客)を大事にし、自己の成長を実感できるような取り組みを継続することが重要なのだろう。カンフル剤として、ときどき自己啓発本を読みながら。

*1:本書では、ライフハックについて、自己啓発本のルーツにあたるニュー・ソートに端を発するものとして言及されている。が、安易な「変身願望」に走るのではなく「辛い日常をこなす」ツールと考えれば、自己啓発とは対極にあるものという考え方もできると思う。

kaz_minekaz_mine 2008/05/20 15:29 私も転職に前後して「やりがい」についてはよく考えましたが、結局は「生き甲斐」という問題に帰結するのでは、と思いました。
で、突き詰めていくと、(非常に同時代的な平均的結論で、天の邪鬼な自分としては残念なんですが)家族へ/からの愛情がそれ(生き甲斐)に相当するのでは、と思っています。そしてそれは最終的に博愛へ繋がっていくのが理想です。
・・・・無理矢理短文にまとめたので説得力に欠けますか・・・・
ところで、今回の話題も含め、いつもながら問題意識が私と共通していて面白いです。
同世代、恐るべし。

rararapocarirararapocari 2008/05/20 23:29 kaz_mineさん
コメントありがとうございます。
自分の「生き甲斐」に対する確信と覚悟があってこそ、転職に踏み切ることができたのだろうと尊敬します。
勿論、独身の方は違う感覚を持つと思うし、家族構成にもよると思いますが、自分にとっても「家族」というのは大きな要素です。ただし、家族のためにすべてを投げうつほど利他的な人間でもないので、自分の成長や金銭面、長期的な安定性など、すべてが「仕事」に関わるわけで、そういった複数要因のことを思うと、すぐに思考停止に陥る自分がいるのです。
香山リカのいう「貧乏くじ世代」ではありませんが、同世代的な感覚が強い世代なのかなあ、と思いますね。

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2008-05-12 Mon

[]吉田屋の「みそロールケーキ

先日に続きロールケーキの話。

土曜日に、名取のイオンに行ったら、吉田屋さんという味噌屋が出店しており、みそマドレーヌ、みそチーズケーキ、みそロールケーキという挑戦的な商品を出していたので、全部買ってきた。

感動したのは「みそロールケーキ

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側面には、胡麻がちりばめられている!

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中心部には「餅」と「しそ」が入っているなど、ロールケーキの常識を超えたトッピングに衝撃を受けました。

予想と違って、味は美味しかったです。ただ、自分には「正統派」の方が合うかな・・・。

konkokonko 2008/05/14 22:53 みそロールケーキ!かなり衝撃的です。
胡麻がスゴイ。もはやロールケーキの域を超えているような・・・。
めずらしい食べ物になかなか手を出せないのですが、
おいしいという感想を聞くと興味がわきますね〜。
大阪の「堂島ロール」はご存知でしょうか?
こちらではなかなか手にはいらないのですが、先日ついに食べました!
クリームが多くてびっくりしますが、ミルクが効いていてたまりません。
強力にオススメです!!機会があれば是非!

rararapocarirararapocari 2008/05/14 23:53 konkoさん。お久しぶりです!
この手のチャレンジ商品は、「微妙」という感想を述べるしかないものも沢山あると思うのですが、これは中身の出鱈目さ(なぜ「ごま」?なぜ「しそ」?)とは裏腹に味としてはしっくりきました。ちなみに、かなり「微妙」だと思ったのは、青森県小川原湖で食べた「しじみソフトクリーム」です。
「堂島ロール」は知りませんでした。検索して画像を見ましたが、ものすごく美味しそうです。自分は、チョコレート系よりも生クリーム系が好きだということが分かってきたので、なお興味をひかれます。西の方に行くことはあまり無いので、なかなか難しいのですが、機会があれば食べてみます。

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2008-05-11 Sun

[]みなしごスプーにとっての母の日

4月の改編で、土曜日の朝も「おかあさんといっしょ!」が放映されるようになった。平日版よりも、体操のよしお兄さんとまゆお姉さんがフィーチャーされた内容。うたのお兄さん、お姉さんに負けないように、二人を応援する気持ちで見ている。(いつも見ているわけではないが)

さて、5/11は母の日ということで、着ぐるみによる人形劇「ぐ〜チョコランタン」もそれに因んだ内容だったが、主人公のスプーは孤児なので、ほかの仲間の雰囲気に加われない。長老的存在のガタラットに「君が生まれているということは、おかあさんがいるということ。生んでくれたことに感謝しよう」と諭されるというシリアスな展開になる。

いい話だったが、何か違和感を覚える番組タイトルに対する言い訳も含んでいるのかも。

[]けんじわーるど

宮沢賢治のプチマイブームが吹き荒れる4月の頭に、恐れ多くも宮沢賢治の名前をつけた「けんじワールド」を併設するホテル森の風(岩手県・鴬宿温泉)に行った。

けんじワールドは、波の出るプールを中心とした全天候型施設。名前がついているわりには、宮沢賢治のテイストにほとんど気を配っておらず、らしさは全くと言っていいほど感じられなかった。メインのビーチでは、ようたは波打ち際のみで遊び、それはそれで楽しそうだったが、子ども用プールの小さな滑り台も嫌がり、周囲をぐるりと囲んだ流れるプールでは、ときどき上から降ってくるシャワーが怖いと歩いて2週も回るはめに。ウォータースライダーは年齢制限があり、利用できず。夏ちゃんも、少しだけ水につかった。

平日だったため、客は少なく、やや賑やかさには欠けたが、混雑していたら何もできなかっただろう。そういう意味では、ちょうどよかったのかも。

ホテル森の風は、露天風呂から岩手山も見えて満足したが、夕食のバイキングはイマイチ。夕食後は、無料券がもらえたこともあり、お祭り広場的に行き、ようたがやりたいといったスーパーボール釣りをやってみる。ようたは3回チャレンジで何とか1個取ることができた。その後、自分も生涯初のスーパーボール釣りに挑戦。長く居座っていた小学生の女の子は、いわゆる「ポイ」の一端が破れても、逆の端を使う巧みさで、山盛りのスーパーボールを手にしているのを見て、見よう見まねでやるものの、「ポイ」は、思いのほかすぐに破れて、5個ほどすくって終了。あの子はかなりの名人だったはず。

帰りに、これも宮沢賢治ゆかりの地「小岩井農場」に行った。「小岩井農場まきば園」はシーズンオフということで無料。羊を見てアイスを食べて帰った。観光地としては少し敷地が広すぎて、ちょっと退屈するかもしれない。農場としては、まきば園までの往復の道から覗いた風景の方がそれらしかった。

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[][]『イーハトーブ幻想〜KENJIの春』/見田宗介宮沢賢治──存在の祭りの中へ』

イーハトーブ幻想 ? KENJIの春 [DVD]

イーハトーブ幻想 ? KENJIの春 [DVD]

宮沢賢治―存在の祭りの中へ (岩波現代文庫―文芸)

宮沢賢治―存在の祭りの中へ (岩波現代文庫―文芸)

KENJIの春は、宮沢賢治生誕100周年を記念作品で、自叙伝的な内容ながら、賢治作品のエッセンスがところどころに入った幻想的な作品。アニメではあるが、決して見やすくはなく、賢治に関する基本的知識が不可欠な作品となっている。賢治役が佐野史郎、というだけで、マニアックな気がするが、事実、マニアックで、Amazon評を読むと、せめて「春と修羅」くらいは読んだ上で見るべきだったかなと思った。

〜〜〜

本の方は全体を通して半分ほど目をとしたが断念。

あとがき等を見ると、高校生向けの本だというが、内容はかなりハイレベルで序章だけでもお腹いっぱいだった。それだけに満足度は高いが、「KENJIの春」同様、自分の宮沢賢治レベルをもう少し上げて再度読みたい本。

ただし、『KENJIの春』と並行して読んだことで、賢治の生い立ち*1や、その生き方*2について理解が深まった。

また、ある程度知ってはいたものの、実学という面でも非常に優秀な人であり、農業指導などの活動にそれが発揮されたという点については、改めてその偉大さを感じた。

今後、花巻宮沢賢治記念館なんかも含めて、もう少しディープに賢治ゆかりの地を訪ねたいと思った。

*1宮沢賢治は金貸しの家に生まれ、金銭的な不自由はなかった

*2:「KENJIの春」では教師を辞め、農業指導に没頭した時期についての描写に詳しい

2008-05-10 Sat

[]『銀河鉄道の夜』しあわせさがし

『銀河鉄道の夜』しあわせさがし (理想の教室)

『銀河鉄道の夜』しあわせさがし (理想の教室)

「理想の教室」シリーズの『銀河鉄道の夜』解説本。3月末頃読了。

前半では、原作の重要な部分をほぼ漏らさずに引用されており、この一冊でも『銀河鉄道の夜』の全体像がよくわかる。

3回に分かれる講義のテーマは「神なき世界へ」「友だちって何?」「自己犠牲」で、いずれも、初期形と最終形の違いの理由についてや、賢治の目指した世界について、わかりやすく説明されており、非常に読み応えがあった。

よくわからなかった初期形でのブルカニロ博士とのやり取り

「ぼくはカムパネルラといっしょにまっすぐに行こうと云ったんです」

「ああ、そうだ。みんながそう考える。けれどもいっしょに行けない。そしてみんながカムパネルラだ」

についても、うまく解説してあったし、満足の内容。*1

解説には、賢治研究本の読書案内もあり、全体的に丁寧なので、自分のような賢治研究初心者としてはまず読みたい一冊。

なお、読書案内で惹かれたのは以下。

宮沢賢治―存在の祭りの中へ (岩波現代文庫―文芸)

宮沢賢治―存在の祭りの中へ (岩波現代文庫―文芸)

最新 宮沢賢治講義 (朝日選書)

最新 宮沢賢治講義 (朝日選書)

参考(過去日記)

石原千秋『「こころ」大人になれなかった先生』

同じ、「理想の教室」シリーズということで。

最近、作者の石原千秋荻上チキさんの師匠であることを知りました。

*1:愛の持つ利己的な側面を嫌った賢治は、態度としては矛盾のある「博愛」ではなく、個別的な愛(もっと言えば、妹トシへの愛)をすべての人間に注ぎたい、と考えていた。賢治にとっての妹トシは、ジョバンニにとっての、カムパネルラということになる。

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2008-05-05 Mon

[][]府中市郷土の森博物館は良かった

GW前半は、東京にいた。

一日空いた27日は、もともとノープランだったのだが、当日朝になっていろいろと検索した結果、プラネタリウム目当てに、府中市郷土の森博物館に行くことになった。


府中市郷土の森博物館のスケールに驚いた。

現地到着後、次のプラネタリウム上映まで1時間以上あることがわかり、園内を散策したのだが、予想以上に「いい場所」であることが判明。

  • 明治時代から昭和時代初期にかけての復元建造物の数々が、なかなか見ごたえがある。明治天皇の休憩所や宿所として利用されたこともあるという旧田中家住宅と尋常小学校くらいしか見ることができなかったが、これらだけでも入場料金のもとを取れるのではないか?
  • 緑多い中、小川*1が流れる園内中心部。水車小屋も風景にマッチしている。奥に水遊びの池があるようだったので、もう少し暑くなれば、子どもも楽しめるだろう。
  • 茶屋では、ようたが好きなしょうゆだんご(「みたらし」だんごはあまり好きではないので困る)があったので食べる。なぜか飛騨名物とのノボリ。
  • プラネタリウムが併設された博物館は、現在改修中で、ごく一部しか見ることができなかったが、GW後半に大國魂神社で行われる「くらやみ祭」の様子がわかり勉強になった。

結局、1時間では、全然回りきれずにプラネタリウムに向かってしまったわけだが、実際には、メインは園内でもかなりの面積を占める「梅園」のようだから、奥が深い。

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府中市、やっぱり金持ってるのかなあ*2、という気持ちとともに、(隣接した調布市民もよく知らなかったくらいだから)もう少し宣伝をうまくやった方がいいのではないか?という気持ちになった。

あ!その良さを府中市民が独占できるように、市外に向けてはあまりPRしない、という戦略か・・・!?


春の大三角形の見つけ方を学習

プラネタリウム鑑賞時は、事前に時間をよく調べてから行った方がよい、と改めて思った。

上映されていたプログラムは3つあったのだが、見ることができたのは、12時半から上映の「ムーミン谷のオーロラ」。夕方は大人向けのプログラムだったので、これはこれでよかったのだが、その前の上映が「宮沢賢治 銀河鉄道の夜」(2006年に全国のプラネタリウムで上映され、好評を博したもの)ということで、これは非常に残念だった。

宮沢賢治 銀河鉄道の夜 [DVD]

宮沢賢治 銀河鉄道の夜 [DVD]

これについては、仙台市の新天文台での上映を待つことにしよう。

さて、プラネタリウム。前半は、解説員の方による、春の星座の見つけ方。それにしても、単なる光の点の集まりから、おおぐま座だの、おとめ座だの、人間の想像力ってすごい。

後半はムーミン。星座との関連は、春を告げるおとめ座の1等星「スピカ」が取り上げられることから。

ようたは、前半部の解説も含め、それなりに興味を持って聞いていたようだが、ムーミンでは、モラン(触れるものを凍りつかせる化け物)登場以降、怖いからといって、あまりスクリーンを見ないようにしていた。(そもそも、全体的に雰囲気が暗い)

自分は、あまりテレビでムーミンを見ていた記憶がないのだが、いろいろと深みのある作品ということで、今更ながら小説版を読んでみたい。

それにしても、ミイは邪悪な顔だ。

*1:ここの小川は、ポンプでくみ上げて循環利用している。そのためか、魚はいないのが残念。

*2府中市競馬場を持っているので金持ちだということになっている。実際にどうなのかはよく知らない。

yokoyoko 2008/05/06 09:19 ムーミンは、子どもの頃はちっとも面白さがわからなかったのに、10年前くらいに読んで相当ハマりました。オススメします。原画も好きです。絵本「それからどうなるの?」もステキです。
「銀河鉄道の夜」は近くのプラネタリウムでやっていたので見ました。美しい作品でしたが、子どもは普段のプラネタリウムのほうがよかったそうです…。

azecchiazecchi 2008/05/06 21:44 プラネタリウムはけっこう子供が恐がりますよね。暗くて。
ムーミン、僕も数年前にハマりました。深いような浅いような、人物(?)造詣が絶妙です。

rararapocarirararapocari 2008/05/09 04:43 ■yokoさん、azecchiさん
情報提供ありがとうございます。
銀河鉄道は、もともとの物語が難解なため、たしかに難しい部分はありますね。ただ、それ用につくられた作品なので、やはり、プラネタリウムで見たい気持ちがあります。そのときは子どもも無理やり連れて行きます。ようたは、暗いところ自体は大丈夫みたいなんですが・・・。
ムーミンは、お二人の話からも、自分が好みそうな「におい」を感じるので、いずれ読もうと思います。
「それからどうなるの?」は、ビデオが図書館に置いてありましたので、借りて見てみようと思います。

2008-05-02 Fri

[]よしながふみ西洋骨董洋菓子店』全4巻

西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス)

西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス)

『フラワー・オブ・ライフ』『大奥』『きのう何食べた?』を経て、代表作ともいえる本作品に辿り着いた。

2001年にテレビドラマ化されたが、今年になって、アニメ化(フジテレビ系ノイタミナ枠)+韓国で映画化の話があるという。

第1巻の発売は2000年6月ということで、8年近く前になるが、絵柄はほとんど変わらない。かといって、今の絵に不満があるわけではないので、この頃から高い完成度を誇っていたともいえる。ちなみに、よしながふみ作品の絵柄のポイントは、繊細かつ力強さを感じるアゴのラインだろうか。男女問わず、表情がアゴに表れている。余談だが、『ウイングマン』連載の頃、桂正和は、女性キャラのアゴのラインに命をかけていた、というような話を聞いたこともあり、キャラクター造形の重要なポイントのひとつであることを改めて感じた。

ストーリーは、基本的には、若い男4人が、職場であるケーキ屋を舞台にして、さまざまな人間関係を繰り広げるというもの。登場人物の数等を考えると、『フラワーズ・オブ・ライフ』の縮小版ともいえそうだ。しかし、『フラワーズ・・・』が、かなり深いテーマに入り込んだのと比べると、『西洋・・・』は、最後にサラリとかわす感じでさっぱりしている。逆にケーキへの入れ込み度が高いので、ストーリー云々ではなく、甘いものが好きな人にはオススメの作品。

なお、ご都合主義を避けるような、もやもやっとしたエンディングは嫌いではない。が、4巻に入ってから急にギヤが入り加速度を増した展開を考えると、「万事解決」的な終わり方を望んでしまう気持ちもある。とはいえ、10巻程度の長丁場なら、ケリをつけてほしい気持ちが勝るが、全4巻の作品ということを考えると、すべてが解決しなくてもいいのではないか。

これまで読んだ4作品は、どれもそれぞれに特徴があり、優劣はつけがたい。『西洋骨董洋菓子店』も、確実に、読み過ごせない・読み返してしまう作品であり、誰にでもお薦めできる。最近まで、こんな面白い作品を描く漫画家がいることを知らなかったのは、本当に悔しい。

ところで、いわゆるBL的な部分は、それほどハード?なものではなく、受け入れられた。ラストまで考えると、この作品に不可欠な要素だし、不自然ではなかった。

〜〜〜

さて、悔やまれるのは、ドラマ版を見ていないこと。

という主要登場人物4人は、豪華なだけでなく、美男子の選出という点でも納得のキャスティング。特にタッキー*1

ただし、原作と設定が異なるためか、椎名桔平阿部寛がやや年が行っている。原作に忠実になるのであれば、どちらかを、竹野内豊あたりが演じることになるだろうか。

まあ、キャスティングの話は置いといて。このドラマは、「劇中に出てくるすべての音楽がMr.Childrenの楽曲で構成」されているという点だけをとってみても自分にとって見る価値あり。主題歌である『youthful days』は、このブログのタイトルのネタ元でもある。

Amazonで検索してみると・・・

アンティーク ?西洋骨董洋菓子店? DVD-BOX

アンティーク ?西洋骨董洋菓子店? DVD-BOX

DVD−BOXが出てるのか!?

見る時間が無くても買いたくなってしまう。

ジャケ写を見る限り、4人の配役は完璧だ!特に阿部ちゃんのはまり方がすごい。

[]清月のイタリアンロール

ケーキつながりでロールケーキの話。

GW前半に上京したときに行きかえりともJR三鷹駅を使った。

いつの間にか駅の工事は終わっており、いわゆる「駅ナカ」が充実したのだが、その中に、マンスリースイーツなる店があった。

マンスリースイーツは、月替りで話題のスイーツをお届けする『スイーツ専門店』。

『街のスイーツアンテナショップ』をコンセプトに、人気の定番スイーツから地域の隠れた名店まで幅広くスイーツの魅力を紹介します!

株式会社JR東日本リテールネット | 専門店

ということで、都内と近郊に数件の店舗が出ているようだ。

上京時に、そこで、ロールケーキを買ったら、ものすごく美味しかったので、帰りにも買っていった。

出店していたのは、山梨の菓子処「清月」*2で、イタリアンロールは人気商品とのこと。しかし、帰りに買っていったマロンチョコレートには、行きに買ったプレーンの衝撃は感じることができず、非常に残念。プレーンを食べた時はお腹が空いていたのだろうか?

というか、ロールケーキは、自分の中では超定番商品で、何食べてもある程度美味しいのではないかという疑惑が晴れなくなった。

*1:自分にそのケはないのですが、旬の頃のタッキーは、日本一の美男子だと思います。一方で、小栗旬の売れ方が自分には理解できません。

*2:清月のHPはこちら。http://www.saygets.co.jp/index.htmlロゴマークの表記が「SAYGETS」なのは非常に恥ずかしい。考え直した方がいい。もしくは開き直ってダンディ坂野にCM依頼。

YUKAKOYUKAKO 2008/05/03 08:12 ドラマアンティークはすごく良かったのでDVDBOX買おう買おう♪(豪華出演陣だけでも価値あり)あの冒頓とした雰囲気は阿部ちゃんしか出来ないよ、絶対。

ひつじひつじ 2008/05/03 08:37  ドラマアンティークは よしながふみが 千影は阿部寛をモデルに書いたとカミングアウトしていたくらいだし 桔平ちゃんはドラマが進むにつれ どんどん橘化して よしながふみが 書こうと思った橘が動いて喋ってると感激した位で アダルト二人組みの 何とも言えない間の芝居を見るだけでも買う価値ありです
コメンタリーは面白いですよ

rararapocarirararapocari 2008/05/05 13:54 YUKAKO様
2万円近くするので、そう簡単には手が出ません。もう少し考えましょう。
ひつじさん
コメントありがとうございます。
「千影は阿部寛をモデルに書いた」「よしながふみが 書こうと思った橘が動いて喋ってると感激した」>それは凄いことですね。さらに興味がわいてきました。どうしても欲しいですが、もう少し金額と時間と相談します。

2008-05-01 Thu

4月が終わってしまった。

[]農協は夜の七時

最近流行しているみたいなので、聴いてみたら、そのシンクロ率に驚きです。

吉幾三の方のポテンシャルが高いということもあるでしょうが、先日のFPMのアルバムを聴いたときにも思いましたが、「東京は夜の七時」という曲自体が、他の曲とものすごく合わせやすい万能な曲であるという気もします。

D

たまには息抜きにいいじゃないですか。こういうのも。(自分への言い訳)

[][]我が家のファンキー

8月生まれの夏ちゃんは股関節が柔らかい。

生まれたときに抱えた足の膝が伸びており、頭にくっつかんばかりだったことも影響しているようだが、気がつくとどちらかの足を手でつかんだり、顔の近くに持ってきている。

そんな夏ちゃんは、ベビーカーに座っているときも、ほぼ常に片足を枠の外に投げ出すような姿勢を取っているのだが、この姿勢、何かに似ているなあ、と思っていたら、これでした。↓

Fresh

※夏ちゃんはアフロではありません。

LindaLinda 2008/05/02 08:44 わっ!衝撃!夏ちゃんの格好が、なんとなく想像できます。そういえば、うちの子も赤ちゃんの頃、よく足の指を舐めてました。幼稚園くらいになってやらせてみたらできなくて、な〜んだ、こないだまでやってたのに〜って。いつ頃までできるんだろう。観察しといてください。うちの場合、息子よりも娘のほうが股の開き率が高く、もう〜女の子なんだから〜と、よく直していました。夏ちゃんもお気をつけください。
Sly & the Family Stoneは、ちょこっと聴きで、いいな〜と思いながらしっかり聴いたことがありません。このジャケットに衝撃を受けて急に聴きたくなってきました。

rararapocarirararapocari 2008/05/03 00:23 ようたも、この時期、足をよく舐めていたのですが、夏ちゃんの場合、やや常態化しています。最近はズリバイで動
き回るようになり大変です。
▼スライは、知っている曲が浮いて聴こえてしまうためか、いまいち聞きこめません。何度か挫折したのは「Stand!」の方でしたが・・・。自分も改めてチャレンジしてみてもいいかも。

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