Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ARABAKI ROCK FEST. 2008(他人のふんどし)

これまでも書いているとおり、ARABAKIには行けなかったのですが、よくコメントを頂いているkaz_mineさんより、長いメールをいただきましたので、アップさせていただきます。
当初は、抜粋するのが丁寧かとも思っていたのですが、熱のこもった文章を再読していたら、勿体なくてカットしきれないと思い、また、メールに「著作権はフリーとします(笑)ので、煮るなり焼くなりして頂いて結構です。」というお言葉もいただいていましたので、全文転載することにしました。
kaz_mineさん、よろしくお願いします。

枠囲みの中がkaz_mineさんの文章で、地の文が、それに対する僕のコメントです。

2008.4.27 荒吐ロックフェス日記
 [到着まで]
午前中、東照宮の骨董市に家族で出掛けたりしてたので、仙台駅東口には11時半ころの到着。
バス待ちの人の列が出来ており、乗り場はすぐに判った。
近くの公園にトイレに行って戻ると、ちょうどバスが来ており、そのまま乗車できた。
乗車すると、周囲には2日通し券のリストバンドを巻いた人たちが多数。
iPodを取り出し、「東京 飛行」を復習していると、案の定居眠りし、ふと気付くと山形自動車道の上。
天気はまずまず、晴れ曇り。

エコキャンプみちのくに着。バスの臨時停留所からは結構歩く。入り口ゲートまで、1kmくらいは歩いたのでは?
途中、「リストバンド引換所」が数箇所あったが、1箇所目は無人、2箇所目は「いまここでは引き替えしていません」と。
更に歩いていると、駅弁売りスタイルでリストバンドを保持したスタッフのお兄さんに会ったので、声をかけてみると換えて貰えた。
直後にお兄さんと話していた人の会話が聞こえたが、ちょうど俺まででお兄さんのバンド在庫が品切れになったらしい。
このあたりで、遠くから腹に響く低音が聞こえだした。盛り上がって参りました。

わくわくしてきますね。
あまり行ったことがないのでわかりませんが、ふだん人のいない郊外でのイベントは、人の処理だけでも相当大変なんだと思います。多分、この時間は、結構、人の多かった時間帯だったのではないでしょうか?(朝一以外の人は、このくらいの時間から来るのでは?)

やっと入り口ゲートに着く。スタッフのお姉さんにリストバンドをぎこちなく見せつつ入場。
・・・・思ったよりも大量の人!! ・・・・今日は祭りだべか? (そうです)
日射しと人いきれで若干暑い。
やっぱり若い人が多い印象。仕事の知り合いに会ったりすると恥ずかしいので、帽子を被る。サングラスもかけてたので怪しさ100%だったに違いない。
通路脇の芝生は、どこもレジャーシートを敷いた人たちに占拠され、俺一人ですら座るのは難しそうだった。
子供連れも結構居る。お昼なので食事中の人が多い。
会場中央でタワレコが出店していたが、HMVはトイレ棟(?)に張られた大きな広告のみ。間違えて入ろうとする人が居ただろうなと要らぬ心配。

やはり、子ども連れも多いのですね。音楽を楽しむというよりは雰囲気を楽しむと割り切れれば良さそう・・・。
あと、行ったことがないので全くわかりませんが、ステージ近くはレジャーシート不可/かなり離れた場所なら可ということでよろしいでしょうか。レジャーシートで満天の空のもとライヴ鑑賞というのは魅力的ですね。

 [曽我部恵一BAND]
この時点で13時。ゆえに、12時からの「GANGA ZUMBA」は断念。
一番大きなステージ「陸奥」に到着。会場最奥にあり、たしかに文字通り「みちのく」だ。
すごい人で、会場後方左側辺りで観る。既に「曽我部恵一BAND」が演奏中。ブログで教えて貰っていたバンドだ。
歌も上手く声量もあり、いわゆるロック系の声質、ときどきダミ声が混じるがそこが快い。
なんといっても盛り上げが上手い。かなりの客の入りだったが後ろの方までノせていた。
「TELEPHONE LOVE」という(と思われる)曲では、「知らなくてもいいから声出せー」「適当でいいぞー」と言っていて可笑しかった。
曲自体は明るいJapanese rockと言う感じで、メロディーラインは好きな部類だったと思うが、なにぶん初のステージでもあり、今ひとつ乗り切れず。
何というか、もう少し、落ち込んだ時でも聞けそうな曲であれば、(ライブが好印象だっただけに)ファンになったかも。聴いていて照れ臭さが先に立ってしまった。(我ながら齢を取ったものだ。)
それにしてもやはりすごい音量で、子供を連れてこなくて正解だった、と思った。迷子の危険性も高い。

唐突ですが、曽我部恵一、歌が上手いんですね!?
僕は、10年以上前に、友人からサニーデイ・サービスを勧められて聴いたときは、その友人(サニーデイのファン)に「ライヴに行くと、歌がものすごく下手」と言われていたので、そう思い込んでいました。僕自身は、タワレコのインストアでしか聴いたことが無かったので、巧拙については特に感じませんでしたが、さすが、百戦錬磨のライヴ・バンドだけありますね。
なお、曽我部恵一は、リリース数が多すぎてついていけませんが、音楽ファンには薦めたいミュージシャンです。

終了後、落ち着ける場所を求めて「陸奥」横の閉鎖されたトイレ棟へ。
(エコキャンプみちのく内に元々設営されているトイレはFEST.の間使用禁止で、FEST.開催中に使用できるトイレはすべて仮設であった)
このとき少し天気雨がぱらついていたが、すぐに止んだ。
軒下のコンクリートブロックに座って行動を検討。みちのくプロレス・・・は全く興味がないのでパス。
ステージ「津軽」のFLYING KIDSまでは、かなり時間が空く。
かといって他に見知ったバンドも無く、唯一知っているKANが「津軽」でFLYING KIDSの直前に演奏するので、とりあえず「津軽」に向かった。

 [KAN]
津軽」は「陸奥」に比べかなり小さい。会場の左横がすぐ湖(恐らく、釜房湖)で、吹き抜ける風が冷たい。
湖の周囲を巡る柵に座り、音合わせやマイクテスト(「テス・テス」「ワンッツー、ワンッツー、トゥー、トゥー」など)をぼんやり聞きながら、持参の調理パンで昼飯。
持参のウイスキーお湯割りを飲んでいると寒さが身に染みてきた。ついさっきまでは暑さすら覚えるほどだったのに・・・
持参のシャツとフリースを着込み、やっと落ち着いた。しかしもう追加できる上着は無く、夜に不安を残す。地元民なのに寒暖を読み違えてしまった。

ウイスキーをちびちびやっているとKANがスタート。それほどの興味はないので、柵に座ったまま音だけ座って聞いていた。
「他と違って、腕を振り上げたり声を出したりするところはありません。ずっとまったり行きます」と言っていたが、実際その通りだった。
ピアノ1本で弾き語りしていた。やっぱりピアノがお上手。
知っている曲は「まゆみ」のみ。これは良かった。
他も相変わらずのKANワールド爆発で、コソバユくなった。

聴くべき人生の時期を逃している感じがするので、KANをこれから改めて聴くことはないかもしれませんが、息の長いファンのやりとりを見ているだけでほんわかするものがあると思います。

会場の左横がすぐ釜房湖・・・・
えええ!ARABAKIロックフェスは、みちのく公園でやっていたんですか!
エコキャンプみちのくってどこだろうか?と思っていたので、全く気づきませんでした。この前、ようたの幼稚園の親子遠足で行きました。県内で、おそらく休日に仙台市の親子が行く遊び場ベスト3には入る場所なので、ロックフェスに親子連れが多かったのもうなづけます。

 [FLYING KIDS]
ウイスキーが思いの外ハイピッチで減るので、自重。FLYING KIDSはちゃんと聴く事にする。
座って待っていると徐々に人が増えだした。ステージ右寄り中程に移動。
FLYING KIDSは、イカ天時代のおぼろげな記憶しか無かったが、素晴らしかった。知っている曲は「幸せであるように」と最後の「風の吹き抜ける場所へ」だけだったが、逆に言えばこの2曲を演奏してくれたのは奇跡か?
まず、構成が上手かった。知らない曲だが、ビートの効いた曲から始まり、徐々に盛り上げていった。(単に、心理学やThe Rover、ブロンコといった辺りで始まる俺好みの構成に似ていたというだけかも・・・)これならオジサン化してきた自分も安心して自然に乗り込める。
そして、圧倒的な歌唱力と声量。完全に会場を飲み込んでいた。
「俺たちに、それぞれ違った人生を歩んで来た皆の音楽を聴かせてくれ!」というアオリが印象深かった。「この日のために俺たちはたくさん練習してきた」というのも、泣かせるセリフだった。
衣装はスゴかった。(派手) 後で観たキヨシローと、勝敗付け難しというところ。まあ彼は昔もそうだった気がする。

これは見たかったです。
知っている曲が多いという以上に、ファンクというジャンルが、自分のツボのど真ん中であるということが(今更)わかってきた今だから。そして、日本ファンク界のゴッド*1が再び姿を消してしまった今だからこそ聴きたかったです。
ただ、いろいろ調べてみると、FLYING KIDS名義以外でも、浜崎貴司の活動は活発になって来ているし、今年はFLYING KIDSとしてのリリースもあるかもしれないみたいだし、改めて聴いてみようかと思っています。

 [ゆらゆら帝国]
いよいよOLの準備をすべく、隣の会場「鰰」へ。前の「ゆらゆら帝国」が演奏中、人が溢れていた。
全然見えないし、dullな曲調であり、FLYING KIDSの歌唱力に圧倒された直後の耳にはvocalも「弱い」としか聞こえず、印象は良くない。
事前にCDで独特の音世界に慣れていれば、また印象が違ったのかもしれない。
「あーもう早くOL!」と思いつつ、ウイスキーを飲みきってしまった。

ゆらゆら帝国は、絶対はまると思ってCDを借りたにも関わらず、右耳から左耳にスルーしてしまうパターン数回。アルバムが合わなかったのか?タイミングが悪かったのか?

 [Original Love]
出てくる人の流れに逆行し(他のOLファンのスリップストリームを利用)、会場へ強引に入り込む。すみませんでした。
「鰰」は「津軽」よりは僅かに広い印象。
前から3〜4列目くらいにつけることができたが、開演30分前から場所取りするようなファンは多くはないらしく、この時点での観客はせいぜい5列程度。急がなくても良かったかも。
ひたすら待っていると、音合わせが始まった。真面目そうなおじさんがキーボードの音を確認していて微笑ましい様子だったのだが、この人が松本さんだったらしい。・・・唯一顔・姿を知っている木暮さんが出てきてギターを合わせ始めてやっと、音合わせしているのがメンバー本人であることに気付いた。なんだかステージ上に居るせいか、皆が大きく見える。
永く永く感じる時間が過ぎ、「ARABAKI」のジングルが流れて、いよいよ登場。個人的には(いわゆる)初田島。
田島、でかい。細長い。かっこいい。白いシャツに黒いジャケット、いまのホームページの写真の(すなわち、東京 飛行ジャケの)印象そのまま。

いろいろ人のレポを読むと、この日の田島貴男は、かなりかっこよかったみたいですね。ビジュアルだけでも十分人目を惹くので、ファンでない人も足を止めていたのではないでしょうか?

メンバーと何事か打ち合わせると、いきなり「接吻」でスタート。面食らった。
うんうんこれも聴きたかったけど、いきなりってどうよ! と思いつつも、
半分酔っぱらっている事もあり、あっという間にマンセー状態に突入。
歌う田島の頭のちょうど真後ろに雲のかかった夕日が見え隠れし、後光が差しているようだった。
「枯れ葉色のtwilight」のところでは、「ホラ、ちょうど今」みたいなジェスチャー。盛り上がる。
1曲目でもあり、切なく歌い上げるのではなく、ガツンと盛り上げる歌い方。ーー切々と歌うのも聴きたかった。
2曲目、銀色の変わったギターに持ち替えて「ジェンダー」。これを1曲目に演るだろうと思っていたのだが、やはりフェスの客層を考えた構成なのだろう。
3曲目「えー恋の・・・・(聞き取れず)をやります」とボソボソと言い、え??恋の片道切符??と思っていたら「恋の彗星」を演奏。これまた意外な選曲で感動。最近何だったかのコンピに入ったらしいし、新しい曲のうちでは比較的初心者向けなので選ばれた?
個人的にはもうノリノリ。田島も若干タコ的動きを見せ始める。後ろを振り返る暇など無く、どの程度の客が入っていたかは全く知らない。

オープニングが「接吻」というのは驚きますね。
3曲目「恋の彗星」は、ライムスターの宇多丸などが監修したmixCD(↓)に入ったので、そういう意味では順当です。ちなみに、自分は、この曲はあまり好きではなかったのですが、これを聴いてから、少し見直しました。(偉そう)

申し訳ないとフロム赤坂 アーバンMIX

申し訳ないとフロム赤坂 アーバンMIX

なお、「ジェンダー」は、予想通りというか、これ以外の予想曲は全部外れました。

4曲目、「朝日のあたる道」でまた度肝を抜かれる。うんこれももちろん聴きたかったけど、もっとマイナーな曲も期待してたんだけど。それに新曲はやらないんだね・・・と若干複雑ながら、自分が死ぬ瞬間に聴いていたいほど好きな曲なのでうれしい。
この曲の始まりの時に、田島自ら、シンセか何かのリズムパート演奏のスイッチをいれていたと思う。
うしろから「ホラ、あの曲だよ」という声が聞こえてた。
これも記憶が曖昧だが、この辺でMC。基本的に照れ笑い的な話し方で、やっぱりこんな感じの人柄か・・・・と実感。
バイクにはまっていること、最近は曲作りしていることを話すも、ライブ予定や新譜の予定のアナウンスはナシ。ぬぬう。
「40にして中・大型の免許を取り、最近は峠フェチ。荒吐は初めて来たが、ここまで来る間も峠がいっぱいで、ゾクゾクした」といった内容を話していたが、自分で二輪を運転して会場に来た・・・って事かいな。
「ほんとうに久しぶりのライブで。」そうだそうだ。何とかしてくれ。
5曲目、松本さんをサックスに追いやっての「明日の神話」弾き語りでは、音割れせんばかりの(しなかったけど)声量。すばらしい。
次は「20才くらいのガキの頃に作った曲を聴きます」と言い間違えて意図せず会場を盛り上げ、
で、「BODY FRESHER」・・・・・・この選曲、シビれた!(.....とはいえ、どんな選曲でもシビれた可能性大)
これで6曲、もう終わりなんてイヤン、と思っていると、最後に、よりによって「The Rover」・・・・・・・ホレた。
どれも、素晴らしい演奏だった。
ただ、アレンジには全く新しい工夫が無かったので、マニアとしてはそこは不満。新曲も無かった。
まあ、ロックフェスなので、これは止むを得ないだろう。
FLYING KIDS同様、圧倒的な歌唱力、声量に、とにかく魅了された。

最後が、「The Rover」というのは、また面白いですね。フェス全体として、次以降も盛り上げていこうという感じにしたかったのでしょうか?。
それにしても、期待していた今年の活動についてのアナウンスが一切無かったのは痛いです。特にライヴに行けない身としては、それの方が楽しみだったので拍子抜けでした。気長に待つ訓練は積んでいるつもりなので、大丈夫ですが。
あと、バイクは事故が怖いので気を付けてください。(田島貴男様へ)

 [BEGIN]
OLの後若干放心。隣の会場で直後に始まった原田知世には行く気が起きず。
しばし余韻を反芻して楽しんだ後、「陸奥」に戻り、BEGINを聴く。
空がどんどん暗くなっていった。
それに伴い寒さが身に染み出した。丸くなって座り体温の放散を防ぐ。吹き抜ける風が恨めしい。
結局BEGINの演奏も座ったまま音だけ聴いた。
MCがお笑いのように面白かった。曰く、「俺たちがこの会場というのは間違いかと思った。大きい音が出せないので、もっと小さな、津軽あたりが適当だと思う。」「FLYING KDISとか、ORIGINAL LOVEとか俺たちが聴きたいバンドが一杯出ている。イカ天に出た事は自分たちの誇りだ。当時、自分たちも含めて『ネオ・アコースティック』と呼ばれたが、石垣島から出てきたばかりの俺達は『ネオ・アコースティックって何だ?』と語り合っていた。」「最後、キヨシローさんは俺たちも是非観ていきたい」等々。
曲は最後の「涙そうそう」以外は聴いた事が無かったが、楽しかった。

これもよさそうですね。
BEGIもあまり聴いたことがないのですが、KAN同様、いちげんさんにも優しい(聴き取りやすい+親切な)ミュージシャンなのだろうと思います。

 [忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS]
あまりの寒さにコーヒーを買いに行くも既に売り切れ。
JUN SKY WALKER(S)にも興味はあったが、既に開演しており、入り込むのが面倒なのでやめる。
OL以外は別にファンではないので、基本的に後ろの方とか端の方で控えめに観るようにしていたのだが、
あまりにも寒くて止むに止まれず人の温もりを求めてキヨシローの場所取りの人々に混じっていたら、そのまま熱いファンたちのド真ん中で観ることに。
やはりキヨシロー、あなどれず。この歳でこの演奏、この盛り上がり。
以前NHKで田島と競演したのは観たが(このとき田島は「銀ジャケットの街男」などを歌っていた)、やっぱりどの曲も知らない・・・
たまに聞き覚えのあるサビのフレーズが混じる程度。(後で確認すると、「完全復活ライブ」の時
の曲目とかなり被っていたようだ。)
喉頭癌で入院したというニュースは聞いており、このときは「喉頭癌じゃもう二度と声が出ないのでは・・・」と思ったのだが、今回のライブは以前と全く変わらない発声に聞こえた。
ギターの人(有名な人らしいが知らず)が、さんざん「完全復活」という言葉で煽る。
大トリであり、他会場もすべて終わっているので、主催者側も力が入ったと思しく、スモーク、紙吹雪、巨大ボールといった演出もあり。
「Yeahって言え〜!」と煽るので、素直に叫びまくった。
バンドの方々の演奏もさすがにウマイ。アドリブパート含め完璧。
このため、キヨシロー本人が余興的に演奏したハーモニカや名前の判らない吹奏楽器の演奏の素人ぶりが際だつようだった。
アンコールからが更に盛り上がり、最後は「こんな夜に、お前に乗れないなんて〜」と大合唱(この曲は知ってた)。満足。
主催者のアナウンスに従って、紙吹雪を拾って回収しつつ帰路についた。21:30頃だった。

ゴメンナサイ。キヨシロー、わかりません。それこそ、「雨上がりの夜空に」しか知りません。
でも、だからこそ、こういうところで見てみたいですね。

久しぶりに歩き回り、演奏中は立ちっぱなしの上に寒さが堪え、縦ノリが多かったので、疲れた。
年齢の影響と言うよりも、単に運動不足と思われる。
23時頃バスで駅東口に着いた後、夕食をとりがてら歩いて帰宅するつもりが、時間が遅く市内も閉店の店が多い。
コンビニでお茶を買っただけで、結局そのまま歩いて家に着いてしまった。
殆どお金を使わず、エコというかケチというか・・・・

東京在住の方はわかりにくいかもしれませんが、23時過ぎると、結構閉まる店多数。飲み屋は営業していますが。

 [総評]
こうして読み返してみると、せっかく行ったのに座って聴いたりしており勿体ない。
しかし寒くてこれが精一杯ではあった。
目当てのOriginal Loveは、大満足。
個人的にライブそのものが本当に久しぶり('00年のASKAソロツアー以来!)だったし、ロックフェスというものも初めてだったので、
歳を取ってしまった自分が楽しめるのか不安だったが、ウイスキーのお陰か、純粋に楽しかった。
(自我を失っている自分に冷徹にツッコむ第2の自分、という厄介者を、アルコールで追い払う事に期待通り成功したと言える)
田島のvocal含め演奏全てに大満足。非の打ち所ナシ。
もともとマンセーなので冷静に評価できず、正当な評価と言えるかどうかは疑問だが、少なくとも今の自分には最高のエンターテインメントだった。
欲を言えば新たなアレンジを聴くという発見の喜びが無かったのが残念。CD通り、の感がぬぐえず。

発見という意味では、FLYING KIDSの良さが印象に残った。今度ベスト盤でも買ってあげよう。
来年もこのフェスに行くか、と言われれば、やはりOLの出演の有無次第だろう。
運営云々をたった半日で評価できないが、自分が行って、見た範囲内では、満足できるものだったと言えそうだ。
屋外でのロックフェスは皆そうなのかどうか、とにかくどのバンドもvocalの音が立ちまくっていたような気がする。もう少しvocalの音量を絞っても良かったのではないだろうか。
FLYING KIDSORIGINAL LOVEなど、vocalの歌唱力・声量があるバンドの演奏が抜きんでて魅力的だったのは、その辺りも関係があるのかもしれない。

お疲れ様でした。
自分が一番印象に残っているライヴが、オリジナル・ラヴの日比谷野音(Fire Walkingツアー)ということもありますが、野外のライヴというのは、感動もひとしおですよね。暗くなる頃とか最高です。
また、目当てのミュージシャンのファンでない人(この場合は非オリジナル・ラヴファン)が同じ会場で聴いていると思うと無意味に緊張したりするのも、フェスならではではないでしょうか。また、逆に、ぶらり立ち寄るという「衝動聴き」もできるし、自分もフェスは行ってみたいですね。来年、OLが来ても来なくても、ようたを調教して連れて行こうかと思ってしまいます。
それにしても、オリジナル・ラヴの新曲・・・


最後に、わざわざ、レポートをいただき、kaz_mineさん、本当にありがとうございました。

*1:日本のファンクを背負って立つのは、先日発売されたばかりのシングルのジャケに「KING OF FUNK」と書いていたスガシカオでしょうが、少し前に遡れば、やはりファンクと言えば岡村靖幸だったのではないでしょうか。

チャットモンチー『生命力』

生命力

生命力

さて、ARABAKIでは1日目に出演したチャットモンチーだが、年度末の精神的に最も余裕のない時期に、ふと聞いたのがセカンドアルバム『生命力』だった。
このアルバムについては、yokoさんもARABAKIで印象に残ったと言っていた曲「世界の終わる夜に」にだけ書きたい。
ファースト『耳鳴り』は、明るい印象のみが残っていたため、かえって、この“爆弾曲”が心の隙間(笑ゥせぇるすまん風に言うなら)に入り込み、ダークな方向へ気持ちがシンクロしてしまったのだった。

売れたシングル「シャングリラ」(3曲目)が、いわば“助走”になっているのもポイント。シャングリラ自体は明るい曲なのだが、サビ前の歌詞がちょっと微妙。

胸を張って歩けよ
前向いて歩けよ
希望の光なんてなくったっていいじゃないか

ええ?
希望の光がなくてもいいのかなあ?
と、心の奥底に澱が残る中で次の曲「世界の終わる夜に」が始まってしまう。
歌詞はフレーズを抜粋。

“しまった もう世界は終わっていた”
“私が神様だったらこんな世界は作らなかった”
“愛という名のお守りは結局からっぽだったんだ”
“どうせ育ちやしないからみんな何かに目をそらしてる”
“今もどこかがいろんな理由で壊れ始めてる”

聴きながら新幹線の中で泣いた。
全編ダウナーながらも時代の空気を読んだ傑作と言いたい
「スリーピースのガールズロックバンド」というピチピチ感からは大きく外れるし、アルバムの中では異質の曲ではあるが、自分の中では『生命力』は、この曲あってのアルバムだといえる。