Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞5/27

どうなるEV充電規格/標準化獲得へ仲間作りを(10面・日曜に考える)

電気自動車(EV)の充電方式を巡り、日本と欧米との規格争いが注目されている。EVの基盤整備で先行する日本企業に対し、欧米の自動車大手が待ったをかけた形だ。
「チャデモ方式と欧米方式が対立するより、併存するよう努力したい」。先週、EV充電規格の推進団体、CHAdeMO(チャデモ)協議会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は、コネクター通信制御などを除けば共通部分は多いとし、互換路線を打ち出した。

  • EVの重電技術には交流と直流があり、交流は国際標準化済み。
  • 問題となっているのは急速充電が可能な直流。

チャデモ方式は日産自動車東京電力など日本企業が推進し、先行していたが、反発する欧米勢はコンボ方式を推進。ただしコンボ方式はまだ机上の規格という。
記事では地デジ、携帯電話の3Gなど、標準化で負けた事例を挙げ、周到な標準化戦略を求める。冒頭の「併存」発言についても中途半端な選択肢はかえって競争力を損なうだけだとし、日産のゴーン社長を前面に押し出し、中国を味方に取り込むなど、実質的な働きかけを望んでいる。これは負けたくない。
さて、最近よく記事を見かけるチャデモ。面白いネーミングだと思い気になっていたが、調べてみると…。

電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッドカー(PHEV)の充電に利用する急速充電方式の共通規格。トヨタ、日産、三菱自動車富士重工東京電力の5社を幹事企業として設立された「CHAdeMO協議会」(CHAdeMO Association)において検討が進められている。CHAdeMOでは、共通の規格を推進していくことによる、無駄のない充電インフラの拡大や技術的課題の早期解決を図ることなどを目的とする。CHAdeMOの名称は「CHArge de MOve」の略とされ、「動く/進むためのチャージ」、電気の「de」、「クルマの充電中にお茶でもいかがですか」の3つの意味を含むという。

やはりダジャレか。

国連気候変動会合が閉幕/議論実質進展なし/新興国、先進国と隔たり・会議の形骸化危惧(5面)

見出しですべて語られている。今後は今年11月のCOP18に向けて議論が続けられるとのこと。

日米エネルギー連携険しい道/天然ガス渦巻く政治(3面・けいざい解読)

「日米協力イニシアチブ」についての解説。
オバマは米電力の80%を2035年までに“原発も含む”低炭素のクリーン・エネルギーに置き換える目標があり、現状で米電力供給の2割を占める原発は重要な電源。したがって原発再稼働に向けて日本を最大限に支援する。
日本は天然ガス輸出を米国に迫るも、米国内の一部企業が価格上昇を懸念して強く反対し、それにより国の判断は保留状態。
脱原発依存の流れもあり、やはり天然ガスに期待が集まるが、米国内のブームは凄いみたいだ。経済を回すという意味では、省エネや計画停電ではなく、あくまで開発が重要視されるし、実際重要なんだろう。ただ、環境破壊など開発の負の面も常に意識する必要がある。

[ワシントン 24日 ロイター] 米国は頁岩層(シェール)に含まれる石油や天然ガスの開発が勢いづき、エネルギー価格が世界最低の水準となった。
企業の生産コストが低下して米国製品の国際競争力が高まり、あらゆる産業で投資が活発化している。一部では米国が10年も経たずにエネルギーの純輸出国に転じるとの予測も聞かれる。
シェール石油・ガス開発で使われる水圧破砕法と呼ばれる手法は環境被害の懸念を引き起こしており、規制当局が動いてブームは沈静化すると警告するアナリストもいる。しかし今のところ新規投資をあきらめる企業は見当たらない。
既に長距離トラック輸送業界では変化が起きている。トラックがディーゼル油より大幅に値段が安い液化天然ガス(LNG)を利用するようになっているのだ。トラックは米国の貨物輸送の約4分の3を占めるだけに、輸送コストの低下は経済全体を活性化し、投資を呼び寄せ、新規プロジェクトに回る資本を生み出し、企業の利益を押し上げる。

天然ガス供給会社のクリーン・エナジーパイロット・フライング・Jと組み、100カ所を超えるトラックの拠点に来年末までにLNGタンクを設置する方針だ。

読書

今回、興味を引くものが盛り沢山。


マイクロワールド (上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

マイクロワールド (上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

マイクロワールド (下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

マイクロワールド (下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

2008年10月に66歳で亡くなったマイクル・クライトンの書きかけ原稿をもとに、残された手書きメモや資料からリチャード・プレストン(代表作『ホット・ゾーン』)が2年がかりで完成させた作品。「ハーバード大学院生たちがそれぞれの専門分野の知識を駆使してサバイバルしていく冒険パートは無類の面白さ」と大森望が太鼓判を押すこともあり、上下巻だが読んでみたい。


貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

本書の議論は情緒的ではなく、徹底して科学的。行動経済学の最新の理論に導かれて、一見すると「非合理的」な貧者の行動の仕組みがストンと理解できるようになっている。経済学の流れを変える書物として数々の賞を受賞したのも当然だろう。

スゴ本でも紹介のあった作品。訳者は山形浩生氏ということで、これは本当に面白そう。


会社員とは何者か? ─会社員小説をめぐって

会社員とは何者か? ─会社員小説をめぐって

「意表を突く文学論」とのこと。会社員を主人公にした小説=会社員小説の核に、会社・仕事と家庭・私生活の対立、緊張があると考え、作品としては黒井千次坂上弘、絲山明子、長嶋有らが取り上げられる。自己啓発本っぽいタイトルなのに文学論というところに非常に惹かれる。


バーンスタイン わが音楽的人生

バーンスタイン わが音楽的人生

躍動感ある新鮮な言葉の記録。20世紀を代表する良心的音楽家の遺言として、現代の日本人にも広く読まれるべき一冊とのこと。音楽家の発する、力を持った言葉に興味がある。