Yondaful Days!

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色彩を持たないニューシングルと、よろめきが待ち遠しいニューアルバム〜オリジナル・ラブ『ファッションアピール』

本日4月24日、オリジナル・ラブの久しぶりのシングル「ファッションアピール」がダウンロード販売開始となります。(↓Youtubeで試聴もできます!)ライブ先行発売で一足先に入手した身として絶賛紹介します。


タイトル曲「ファッションアピール」はシングルらしく聴きやすい曲で、「新しい服を着こなして街に出よう」という春にぴったりの軽やかな曲となっています。これで女性コーラスだったら・・・という個人的な願いは今回も果たされぬままでしたが、重すぎず軽すぎないバランスのとれた楽曲で、自分は好きです。
カップリング扱いで販売されるのは、1996年発売のアルバム『Desire』収録曲「黒猫」と「青空のむこうから」で、いずれもライヴで弾き語り形式で披露されたもので、民族楽器にどっぷり嵌っていた時代の空気をそのままにライヴを真空パッケージした弩級の名曲です。シングル曲との振れ幅の大きさも楽しいので、併せて聴くことをお勧めします。


オリジナル・ラブの良さを一言でいえば「よろめき」です。(笑)
何故そちらに行ってしまうのか・・・その方向で合っているのか・・・とにかく安住しない音楽性が田島貴男の魅力。好評を博した『白熱』からそれほど時間をおかずに発売される『エレクトリック・セクシー』は、タイトルもそうですが、先行シングル「ファッションアピール」」の音楽性は『白熱』からかなり遠く、そんな、よろめいてしまうような危うさに満ちています。前回のライブで明らかになっているように「一撃アタック」なんていう楽曲が入るミラクルなアルバムになるようで、自分は、もう心配で心配で鼻歌が止まりません(笑)アルバムの方は6月発売ということで、まだしばらくありますが、よろめきたい人は先走って予約しておくのがオススメです。

エレクトリックセクシー

エレクトリックセクシー


さて、オリジナル・ラブに『風の歌を聴け』という、村上春樹の有名小説と同タイトルの名盤があることをご存知でしょうか。これは特に意識してつけたタイトルではないようですが、今回のファッションアピールも、期せずして、多崎つくる化していたことを指摘しておきたいと思います。
今回、シングルとして発売される3作ですが、これを5作にしてみるとはっきりします。(追加2曲もポニーキャニオン時代の曲で、これもオススメの曲です)

  • ファッションアピール
  • 黒猫
  • 青空のむこうから
  • 白い嵐
  • 赤い街の入り口

言わずもがなですね。
高校時代の仲良し5人組の中で一人だけ、名前に色がつかない多崎つくるは、今回のシングル曲「ファッションアピール」そのものです。
つまり、これは、オリジナル・ラブの最大のヒットアルバムである『風の歌を聴け』と同様、今回のシングルがヒットするという暗示ですね。
競馬でいうところの「サイン読み」みたくなっていますが、ヒット祈願ということでよろしくお願いします。夏のツアーが楽しみです。


Standard of 90’sシリーズ「風の歌を聴け」(紙ジャケット仕様)

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風の歌を聴け (講談社文庫)

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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