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2017-01-29 Sun

[]大スクリーンで観るべき映画〜パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]


1988年、平凡なサラリーマン、オ・デス(チェ・ミンシク)は何者かに誘拐、監禁され、何と15年もの歳月を経て突然解放された。なぜこのような仕打ちを受けたのか真相を突き止め復讐すべく、すぐさま彼は行動に移すのだが…。

日本のコミック(土屋ガロン嶺岸信明)を原作に『JSA』のパク・チャヌク監督が手がけ、2004年度カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した戦慄の韓流サスペンス映画。暴力シーンはもちろんのこと、パワフルでインパクトに満ちた描写の連続には観る側が疲弊するほどだが、それ以上に、まさに衝撃的という言葉がふさわしい結末には圧倒される。韓国映画界の充実度を改めて痛感させられる問題作。ぜひとも体調を整えた上で、これ以上の予備知識を入れずにご覧になることをオススメする次第である。(的田也寸志

Amazonより)


何度か書いたが、ここ最近感想を書いている過去作品の映画は、KindleFireというタブレット端末で見ている。タブレット端末はストーリーを追うには申し分ないが、映画的迫力やスタイリッシュな映像が売りの作品は、その魅力を十分に堪能できないと思う。映像美に引き込まれるには、画面が小さく、周囲の視覚情報がどうしても邪魔をしてしまう。

この『オールドボーイ』は、まさにスタイリッシュさが売りの作品。テンポの良い映像を優先するため、ストーリー運びも省略が多く、油断をしているとすぐにわけがわからなくなってしまう。

出前の餃子で監禁場所を突き止める場面やラストシーンなどは、実は、よくわからなかったので、巻き戻して見直した部分。

結局、「凄さ」は感じたが、全体としてまとまりに欠ける印象となった。タブレット端末で見なければ、傑作と感じたかもしれない。


とはいえ、最初はダメ人間に見えた主人公がどんどん魅力的になっていく様子や、長い廊下に現れる沢山の敵を、横スクロールゲームのように片づけて行く場面、天使の羽根や金槌などのビジュアル的な小道具の使い方など、素人目にも工夫が凝らしてあり、観ていてとても面白かった。。

また、やや納得しづらいものの、敵役のイ・ウジンの「復讐」の理由や、その復讐方法(15年も監禁した理由)については、どちらもタブーに触れるもので、その執念にゾッとした。こんな奴はいない!と思う部分もあるが、粘着質で、かつ純朴さを兼ね備えた変態としては、ものすごく分かりやすい性格で、主人公のオ・デスとともに魅力的なキャラクターだ。。

ただし、その復讐を可能とする特殊なトリックは、大ネタなのはわかるが、それが判明したとき素直に驚けず、ピンと来なかった。

まあ、それも含めて、やっぱり大きなスクリーンで観た方が楽しめる映画というのがあるんだなと強く思った。


原作も少し気になる。

azecchiazecchi 2017/01/23 10:39 オールドボーイ、私は公開当時に映画館で観ました。なかなかの迫力で楽しめました。ラストの大ネタは儒教の国である韓国ならではというところがあり、日本人にはイマイチ理解できない部分なんですよね。

rararapocarirararapocari 2017/01/23 23:19 コメントありがとうございます。ネタバレを避けるため、曖昧な書き方になってしまいましたが、ハッキリ言ってしまうと、近親相姦ネタのタブー感というのは感覚としてわかり、これが判明したときの衝撃は理解できました。しかし、「偶然」を装って二人を恋仲に仕向けるためにイ・ウジンが仕掛けた「後催眠暗示」というトリックが、ちょっと自分にはわかりづらく、素直に驚けなかったのでした。ラストも催眠術師が出てくるのですが、催眠術師が関わると、物語がどんどん理解しにくくなっていくような感じがしたのです。

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2017-01-28 Sat

[]10年ぶりの夢枕獏夢枕獏神々の山嶺(上)』

神々の山嶺(上) (集英社文庫)

神々の山嶺(上) (集英社文庫)


驚いたことに、本当に驚いたことに、10年ぶりの夢枕獏だ。

中高生〜大学生の頃はあんなに夢中になって読んでいたのに、このブログの中で取り上げていないなあ…と思ってはいたが、著作の感想を書くのは、2007年1月のたむらしげるとの共著『羊の宇宙』以来ということになるので、実際、それだけの期間読んでいないと思う。

こんなに離れていた原因は、自分の「固め打ちしない主義」にある。この人の作品をもっと読んでみたいと思ったとしても、「ばっかり読み」はしない。そもそも、小説というジャンルも、数冊続けば、新書やノンフィクションを読むようにする、一種強迫観念があるのかもしれない。昔読んだ清水義範の短編に、人生のイベントも含めて全てのバランスを意識する人の話があったが、とても納得しながら読んだ覚えがある。

特に、ここ数年は、未読作家の中でも、女性作家を贔屓して読む傾向にあったので、高校〜大学時代に好きだった田中芳樹夢枕獏新本格系のミステリ作家などはとにかく後回しになってしまっていたのだった。


ということで、久しぶりに読んだ夢枕獏だが、予想以上に時間がかかった。

確かに文庫上巻だけで500頁近くあるから、時間はかかるのだが、なかなか波に乗れなかった。

後半になるにつれ、ミステリ(謎解き)要素が増えてくるので、一気に読みやすくなるのだが、前半は専門用語が頻出する登山シーンが、イメージしづらかったのが理由だと思う。ビヴァークだとか、ツェルトだとか、靄がかかったようなイメージのまま読み進めていた。ここら辺は谷口ジローの漫画を読もうと思うので、最終的には問題なくなるだろう。

あらすじは以下の通り。


カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生カトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。


物語は、主人公・深町が、現在は所在不明である羽生丈二の半生を、関係者の意見を聴きながら再構成することで進んでいく。


上巻での読みどころは、中盤の7章に登場する羽生丈二の手記だろう。

モンブランの北東にあるグランドジョラス北壁に単独で挑んだ羽生は滑落。しかし、後に「奇跡の登攀」と呼ばれる片腕だけの脱出行を成し遂げることになる。手記は、その際に書かれたものだ。

途中からどんどん文章がシンプルになってくる。何しろ五体満足ではない。負傷した身で、闇の中で書かれた文章だ。最後はほとんどが平仮名だ。

そんなわけないだろ、と思いつつも、これだよ!これだよ!平仮名だけで頻繁に改行されるような切羽詰まった文章が好きだった!これこそが夢枕獏だよ、と興奮しながら読んだのだった。

(一部抜粋)

そうか。

あしたは、やるぞ。

これまで、にじゅうねんちかくも、おれは、岩にしがみついて、のぼることだけやってきた。

あしたの25メートルは、みせてやる。

これまでのおれのありったけを。

きし。

きしよう。

もういちどかおをだせよ。

p288


さて、この本の構成は、驚いたことに、映画『凶悪』にそっくりだ。『凶悪』で、「先生」の悪を暴こうとして、取材を続ける雑誌記者・藤井の様子は、そのまま羽生丈二を追い求める深町の動きと重なる。取材の成果によって、当時の状況が、リアルタイムにその場所にいるような視点で再現されるのも同じだ。

そして何より、深町が羽生丈二の居場所とカメラを突き止めようとするメインストーリーに対して、深町本人の女性問題が、「今そこにある危機」として描かれる。ここもサブストーリーとして、藤井の家庭問題が描かれ続ける『凶悪』と同じだ。


しかし、映画『凶悪』の「先生」が半ば過去の人間として描かれるのとは異なり、上巻のラストで、深町は羽生丈二と直接会うことになる。深町は常に関係者の証言を通してしか羽生丈二には触れられないのかも、と予想していた自分は相当に驚いた。

バディものの映画っぽい流れになった『神々の山嶺』が下巻でどのように展開するのか、本当に楽しみだ。


なお、昨年の映画は、このようなキャストだという。

夢枕獏の作品は、何となく谷口ジローで映像化している自分にとっては、岡田准一は少し違う気がする。もう少し上背のある人の方が似あう気がする。岸涼子、岸文太郎、長谷渉はイメージ通りかもしれない。


参考(過去日記)

本が好き!運営担当本が好き!運営担当 2017/01/25 22:11 突然のコメント、失礼いたします。はじめまして。
書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」を運営しております、和氣と申します。

貴ブログを拝読し、ぜひ本が好き!にもレビューをご投稿いただきたく、コメントさせていただきました。

本が好き!:http://www.honzuki.jp/

こちらのサイトでは、選ばれたレビューアの方が本をもらえるようになる「献本サービス」を行っています。レビューをご投稿の上ご連絡いただけましたら、通常は審査を通過した方のみ申し込み可能な献本に、すぐご応募いただけるようにいたします。

1.会員登録 
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名前の通り「本好き」の方がたくさん集まって、活発にレビューを投稿して交流をされているサイトですので、よろしければぜひ一度ご訪問いただけましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

rararapocarirararapocari 2017/01/26 23:23 ありがとうございます。実は、本が好きには以前登録していて、献本をしていただいたこともあります。しばらく休んでしまっていましたが、またチャレンジしてみようかと思います!

本が好き!運営担当本が好き!運営担当 2017/01/30 14:46 rararapocari 様

もう登録されていたのですね。そうとは知らずに大変失礼いたしました。

rararapocari様の書評をお待ちしております。

今後とも本が好き!をどうぞよろしくお願いいたします。

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2017-01-25 Wed

[]とにもかくにも体幹〜柴田輝明『跳び箱に手をつき骨折する子ども

副題にもある「ロコモティブシンドローム」は、2014年頃からテレビ番組でも取り上げられており、聞いたことがあった。

“しゃがめない” “腕がまっすぐ上がらない” 今、子どもたちの体に異変が起きています。 ロコモティブシンドローム、運動器症候群ということばを聞いたことがありますか? 手すりにつかまらないと階段を上れない、足腰が痛いなど、関節や筋肉といった運動器の疾患で、高齢者を中心にその予備軍も含めて4,700万人いるとも推定されています。 そして今そのリスクが、子どもにまで広がっていると指摘する声が上がっています。

子どもの体に異変あり 〜広がる“ロコモティブシンドローム”予備軍〜|NHK|クローズアップ現代

その危険性が広く認識されて、2016年から学校保健の定期健診の中に「運動器検診」が導入され、小中高で「しゃがみこみ」や「片足立ち」などの検査が実施されているという。

本書は、そんな「子どものロコモ」の現状や、対策方法についてまとめられたもの。


子どものロコモについては、上に引用したクローズアップ現代の内容紹介が、ポイントを押さえて上手くまとまっている。

そこでも書かれているが、問題は、片足立ちやしゃがみ込みができないことそのものにあるわけではなく、運動機能の低下によって、些細なことで大怪我をしてしまうというところにある。(学校での骨折の発生率は、1970年から2011年の40年で約2.5倍、p41)

そして、その理由は、単に運動不足にあるわけではない。スポーツをしている子も昔より怪我をしやすくなっている。つまり、運動は量だけでなく質(多様性)が必要だということだ。

子どもたちにとって、成長、発達には、運動は大切ですし、運動が必要であることは間違いないですね。

でも少なければ運動の効果もないし、多すぎたり、与え方を誤ると、害、副作用があると思うんですね。

この運動の必要性なんですけど、運動には2つのポイントがあって、運動の質と運動の量。

運動の質は、いわば多様性なんですね。

いろんなことをやるということですが、運動の量については、3つのポイントがあって、運動の時間、運動の強度、運動の頻度、何回やるかということですね。

子どもの体に異変あり 〜広がる“ロコモティブシンドローム”予備軍〜|NHK|クローズアップ現代


そして、その際に重要になるのが「体幹」ということになる。またしても「体幹」。

本の中では、グラグラ、フニャフニャせずに良い姿勢を維持して勉強や人の話を聞くためには、まず体幹を鍛える必要があるとし、体幹を鍛えるロコモ体操が紹介されている。さらに、次のように、体力からくる精神力を重視したいと主張する。

姿勢がいいと呼吸が楽になり、血液循環もよくなります。脳への血流もよくなりますから、酸素がよく供給され、脳の活動を活発にします。

つまり、よい姿勢がとれるということは、子どもの生きる姿勢も積極的にします。子どもにとって生きる自信が生まれ、「逃げないでチャレンジしよう」、「もう一度頑張ろう」という意欲につながるのです。p59

本の中では、本題であるロコモの問題にとどまらず、最近の子どもの睡眠や食事にまで言及しており、勇み足のような気もするが、体幹→姿勢→精神力というロジックについては、ある程度納得できるところもある。

マラソンの本を読んでも、毎回出てくる「体幹」については、ここらでしっかりトレーニングをした方がいいのかも。

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2017-01-22 Sun

[][][]宮沢賢治関連の感想 目次

宮沢賢治作品本体の感想

 ⇒自分の宮沢賢治への愛は、この朗読CDから始まっています。岸田今日子の表現力に驚きます。


ますむらひろし関連作品の感想

 ⇒ますむらひろしの漫画『銀河鉄道の夜』は大好きな作品ですが、『イーハトーブ乱入記』と合わせて読むと理解が深まります。


その他(映画、漫画、宿泊施設、音楽)

 ⇒「KENJIの春」はアニメ作品、「存在の祭りの中へ」は岩波現代文庫。当時は本当にマイブームだったのだなあと感心する。

 ⇒朗読漫画ですが、1〜2巻で宮沢賢治の『やまなし』が作品として取り上げられます。作品解釈も含めて読み応えありです。

 ⇒以前、岩手県・鴬宿温泉にあったウォーターアミューズメントパーク「けんじワールド」に宿泊した感想です。あまり宮沢賢治らしさは感じなかった…

 ⇒このブログでは初期のオリジナルラブ妄想。

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2017-01-21 Sat

[]ほんとうのさいわいは一体何だろう〜山本文緒『ブルーもしくはブルー』

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

最近、歌人枡野浩一漫画家古泉智浩がやっているラジオ番組『本と雑談ラジオ』のpodcastを聴くのが楽しい。二人とも癖があるが、何だかんだいって、自分は枡野浩一の面倒くさい感じが好きなんだなあ、と改めて思う。だけでなく、ここで取り上げられる本は、どれも面白そう。

いつだったか、番組内で枡野浩一が好きな本として口にしていたのが、この『ブルーもしくはブルー』だった。以前も書いたが、山本文緒は、自分が大学生だった20年くらい前に、「本の雑誌」で激推しされていたことから、ずっと気になっている(でもほとんど読んでいない)作家。中でも、この本はタイトルが印象に残っていた。


広告代理店勤務のスマートな男と結婚し、東京で暮らす佐々木蒼子。六回目の結婚記念日は年下の恋人と旅行中……そんな蒼子が自分そっくりの〈蒼子B〉と出くわした。彼女は過去の記憶をすっかり共有し、昔の恋人河見と結婚して、真面目な主婦生活を送っていた。全く性格の違う蒼子Aと蒼子B。ある日、二人は入れ替わることを決意した! 誰もが夢見る〈もうひとつの人生〉の苦悩と歓びを描いた切なくいとおしい恋愛ファンタジー。万華鏡のように美しい小説。

この本『ブルーもしくはブルー』は、上にあらすじを引用したように、タラレバ人生を送っている「もう一人の自分」と人生を入れ替える、という内容。ドッペルゲンガーで「入れ替わりもの」をする、というのが特徴だろう。


入れ替わる前の二人の心情が面白い。

  • 見方を変えれば、この河見との生活は、東京で暮らす蒼子から押しつけられたものであるとも言えるのではないか。二台ある自転車のぴかぴかの方をあちらの人が先に乗って行ってしまったので、自分は仕方なく残された錆だらけの自転車に乗って人生を走っているのではないだろうか。(p60:蒼子B)
  • 正しい選択をした私が、違う土地で幸福に暮らしている。知らなければ知らないで済んだことなのに、私は知ってしまった。もうひとつの人生、それも正しい人生が、別の場所で営まれているのだ。私は選び間違えた。きれいな見かけに騙されて、私は欠陥車を選んでしまったのだ。埃をかぶっていたもう一台の車こそ、人生を快適に走り抜ける性能のいい車だったのだ。(p65:蒼子A)

そして二人は、一か月という約束で生活を入れ替える。

東京での生活自由を満喫している蒼子Bは、これまでの人生を次のように振り返りながら福岡に渡った蒼子Aに思いをはせる

それは考えようによっては幸福な生活だった。いつでも自分のことを考えてくれる人がそばにいるのだ。(略)

蒼子は、もうひとりの蒼子が目の前に現れるまで、そういう生活に何の疑問も持っていなかった。自分が我慢をしていることすら気が付いていなかったのだ。

ないものねだりなのだろうかと、蒼子は思った。余るほどの自由があれば心の拠り所が欲しくなり、強く愛されればそれは束縛に感じる。

p125

一方の蒼子Aは、まさに、夫・河見の「強い愛」に満たされ幸福を感じていたが、ある晩、夫の暴力を受けて世界が一変する。

皮肉なもので、こうなると佐々木の良さが見えてきた。確かに彼はクール過ぎるところがあるが、暴力で自分の妻を押さえつけるような人ではない。(略)

河見と佐々木、どちらが正しい選択であったのか、すっかり分からなくなった。いったい私はどうしたらよかったのだろう。

p149


入れ替わり前、この物語の主人公である蒼子Aは、人生には「正しい選択」があり、「人生を快適に走り抜ける性能のいい車」を自分は逃してしまっていた、と思っていた。しかし、実際に入れ替わってみると、そうではなかった。「正しい人生」なんてない、ということを、蒼子Aも蒼子Bも知る。つまりどちらを選んでもブルーな人生、「ブルーもしくはブルー」なのだ。

入れ替わり体験によって、別の視点を得て、もとの自分の生活にあった幸せを再確認する、というステレオタイプの展開を裏切り、この小説では、元の生活も輝きを取り戻さない。そこが、ある意味では救いになっていると思う。

ラスト直前の蒼子Bの言葉は、決定打になりそうなメッセージを含むが、蒼子Aが即座に否定する。この部分がとても良かった。これが決定打になってしまうと、「所詮はお話」ということになってしまう。綺麗すぎる。

「私達、ちゃんと愛されてたのよ。河見君にも牧原君にも。佐々木さんでさえ、結婚した時はあなたのことが好きだったのよ。それをねじ曲げたのは私達なのよ。愛されてたのに愛し返さなかったのよ、私達」

彼女は話し終えると、大きく溜め息をついた。私は彼女の言葉の意味を考えた。彼女の言うことはもっともだが、では、どうすればよかったのだろう。私は自分なりに精一杯佐々木を愛したつもりだった。拒絶されようが相手に愛人がいようが、努力して愛するべきだったというのか。努力して愛すれば、この冷えて虚ろな気持ちが満たされるというのだろうか。努力して愛する、それは演技ではないか。上手い演技をすれば、素晴らしい人生の舞台ができ上がるとでもいうのだろうか。

p248


小説の中では、ひとつだけあるSF設定(二人が並んでいるときに、他の人から見ると片方しか見えない状況がある)もきっかけにしながら、自分が今ここに存在していることの意味を、2人の蒼子が悩み続ける。

吼えろペン』で、炎燃(島本先生)が、実生活でも二股の恋愛漫画家に「自分でも解決できない問題を読者に丸投げするな!」とアドバイスする場面があったが、まさにそれ。作者自身も「生きる意味」について悩みながら、そして安易に回答を出さない中で、小説としてどう届けるのかを考えている様子が伺える。


ラストでは、ふたりの蒼子は、ともに離婚に向けてバタバタしている。そんなとき福岡に戻った蒼子Bから届いた手紙を読んで苦笑いする蒼子Aに、自分は、何というか安心した。「幸せ」というものに「正解」はないし、浮き沈みの中で、泣き笑いしつつ、それぞれの幸せを追い求め続けるのが人生なんだと思う。『銀河鉄道の夜』のジョバンニのように。

苦労して離婚したところで、この先いいことがあるとはとても思えません。けれど、死にたいわけでもないのです。

この生きることへの執着は、どこから来るのでしょうか。分からないまま、年を取って死ぬのかもしれませんね。p257


参考(過去日記)

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2017-01-15 Sun

[]今そこにある凶悪の種〜白石和彌監督『凶悪』

凶悪

凶悪

ずっと前に聞いたタマフルの映画評で「ぶっこむ」という言葉が印象に残っていた『凶悪』。

これまた印象に残る映画だった。

以前見た映画だと『ヒーローショー』も、同様の後味の悪さがあったが、この映画では、より観ている側が自身に引き付けて見られるような設定上の工夫がされている。それが、山田孝之演じる記者・藤井の「家庭の事情」だ。勿論、原作にあたる新潮45ノンフィクションには無い設定だろう。

諸悪の根源のように描かれる「先生」木村孝雄(リリー・フランキー)、そして、木村を告発した死刑囚・須藤(ピエール瀧)。「凶悪」というのは、当然彼らを指す言葉だ。

のうのうと暮らす木村を、藤井(山田孝之)は、どうしても許せず、証拠を挙げるために奔走する。しかし、藤井自身の生き方も、そんなに褒められたものでないことを、藤井の妻(池脇千鶴)がことあるごとに追及する。

  • 死んだ人たちのためじゃなくて今生きている自分のためにエネルギーを使ってほしい。
  • 修ちゃんはいつもそう。大事なことから逃げてばかり。
  • 世の中には、こんな怖い人たちがいるっていうことがよくわかった。この記事は面白いよ。でもそれが大事
  • 自分は最近、お義母さんに、暴力を振るってる。

社会悪に向けた藤井の執着は、自らの足元の花を踏みつけることで成り立っている。そもそも悪を裁きたいという気持ち自体が、好奇心の延長上にあり、もっと大切なことからの逃避のあらわれではないか、と藤井は妻から言われ続ける。

仕事か家庭か、みたいな話は誰にでもあるが、それ以上にこの映画で問われている重要な点は大きく二つあると思う。

  1. 高齢者の殺人で金を稼いでいた「先生」を裁こうと必死だった藤井の足元で、高齢者への暴力が起きている。つまり、「凶悪」でないところにも、凶悪の種がある。(事実、電気屋のお爺さんの殺人は家族からの依頼で起きている)
  2. 人を「罰したい」という気持ちは、どこから出てきているのか?

この映画の最後で、誰が一番人を殺したいと思っているのか、という話が出てくるが、観ている側は、ずっとそのことを突きつけられている。この映画で直接的に触れられているわけではないが、報道が増えているように感じられる介護殺人なんかの話題とあわせて考えると、人を罰したい気持ち、家族への「叱る」意味での暴力など、多くの人が経験しているようなことが、殺人と地続きであるような気がしてくる。

『ヒーローショー』は、酷い、怖い、関わりたくない、という感想だったが、『凶悪』は、酷い、怖い、でも自分と少し関わりがある、という感想を持った点が違った。


後半になって須藤が、牧師の薦めで俳句やペン習字を習い始め、生きている実感が湧いてきたと語る部分のむずがゆさ、何故かこれから殺す爺さんの願いを聞いてしまう五十嵐の人柄など、駒かいディテールで気に入ったシーンも多かった。

池脇千鶴は『舟を編む』でも出てきたが、だらしない感じの彼女、疲れた感じの主婦など、輝かない女性を演じるのが上手い。山田孝之は、ヨシヒコや北区赤羽とも共通するけど、まっすぐさが良いですね。

これに関しては、やはり原作本も読んでみたいと強く思った。


凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)


参考(過去日記)

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2017-01-14 Sat

[]人生を肯定してくれる漫画〜つづ井『腐女子のつづ井さん』(1)

腐女子のつづ井さん (MF comicessay)

腐女子のつづ井さん (MF comicessay)

久しぶりにテレビで高校サッカーを見た。

高校時代に所属していたサッカー部は、それほど強いわけでなく、自分はレギュラーではなかったが、それでもサッカーに思い入れは強く、同世代小倉隆史城彰二を見ると、熱心にサッカーを見て、サッカー練習していた頃の自分を思い出す。

また、高校野球もそうだが、負けムードの学校側のスタンドで手を合わせて祈る女子生徒をテレビカメラが抜くのを見るのも結構好きだ。可愛いかどうかではなく、彼女の視線の先には誰がいて、どんな関係なんだろう、とか、ちょっと妄想して楽しんだりする。


そんなときに、最近読んだこの漫画を思い出した。

タイトル通り「腐女子のつづ井さん」が友達と話をするだけの漫画だが、その妄想のレベルが自分とあまりにも違い過ぎるので面白い。

「ねー聞いて、めっちゃハッピーな夢見た」とつづ井さんが友達のMちゃんに話しかけるところから始まる「腐女子と夢」の回はこんな感じ。

  • (1)高校生のつづ井さんは、バッテリー間の人間関係の悩みを聞いて野球部男子といい感じになる。
  • (2)甘酸っぱいイベントをたくさん経たあと、最終的にピッチャーの子に寝取られる
  • (3)Mちゃんの感想「めっちゃいいじゃん。超うらやましい!」

(1)のような夢は分かるが、(2)の展開に驚き、(3)の予想外過ぎる反応によろめく。序・破・急、というのか、あっという間に腐女子沼に連れてかれる。

…すべてがこんな感じ。

他にも名言が多くて、「ここで、そんな表現が…」「なぜこんな発想に…」等、何だか色々と勉強になる。

  • ますらをの しろたへのあな いとをかし(出会って間もないオカザキさんがLINEで送ってきた古文)
  • 男性といい感じになっても「私チ●コついてないけどいいの!?」って本気で思うようになった(Mちゃん)
  • もうアニメイト行きたい アニメイトのきれいな空気の中で深呼吸したい(就活で疲れているつづ井さん)
  • これ…韻を踏むどころじゃない…日常パートとスケベパートがまるで…そう おもちつきのように…すごいスピードと頻度で交互に…すごい…(Mちゃん)
  • 東京すっごいな!!これ…この窓際でセ●クスするやつやん!!「外から見えちゃうよ…」といか言いながらめっちゃ盛り上がるやつやん知ってる!100万回読んだことある!!(Mちゃんと泊まるホテルの部屋を見て興奮するつづ井さん)
  • この世に互いの乳首に毎日オロナインを塗り合う男子高校生がいるかと思うと…貯金全部使ってオロナインを高校に寄付したい(つづ井さん)
  • じゃあ来年は右乳首にニベア 左乳首にオロナイン塗ってみようよ!!(Mちゃん)
  • 「私の十字架」ってどう?(この漫画のタイトル案を聞かれたオカザキさん)

いや、一人一人の言葉も面白いけど、やっぱり、会話の中の、無防備なバカ話の感じが面白いんだと思う。

「生きる」という言葉の意味について考えてしまう「腐女子と内緒話」の回とか、ときめきの魔法式の断捨離をやったあとで物が増えてしまう「腐女子断捨離」の回とか、好きな漫画の最新話に衝撃を受けたオカザキさんが喪服で現れる「腐女子感受性」の回とか、どれも、やり取り全体が面白い。


で、それだけじゃなくて、この種の漫画にしては自虐要素が少なくて、笑わせようとしてバカやってる感じでもない、というところがいい。友達は大事にするけど、影響を受け過ぎず他人を気にせずに楽しく生きている感じ、そこに、好きなことに突っ走る生き方を肯定されるようで、読んでいて楽しくなってくる。

幸せな雰囲気が強くて、自分はとても好きな漫画です。


こちらから試し読みができるので是非→コミックエッセイ劇場


参考(過去日記)

⇒同じく友人に「オカザキさん」が登場する『岡崎に捧ぐ』がテイストとしては近いかもしれません。この感想は、3作にまたがるアクロバティックなものになっており、読みにくいですが、昨年読んだ中でも1,2を争う好きな漫画です。山本さほさんは絵柄も好きです。

⇒こちらも2冊同時紹介のアクロバティックな構成ですが、『俺たちのBL論』は、自分になかった物の見方を懇切丁寧に教えてくれた、素晴らしい教科書です。

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2017-01-09 Mon

[]似非科学という難しいテーマ〜朱野帰子『賢者の石、売ります』

賢者の石、売ります

賢者の石、売ります

マイナスイオンドライヤーなどの美容家電製品は廃止すべきです」。大手電器メーカーに勤める科学マニアの羽嶋賢児は、自社の目玉製品にダメ出しをするというタブーを犯し、最も行きたくなかった商品企画部に異動になる。心から科学を愛する賢児は、似非科学的な効果を宣伝して売り上げを伸ばそうとする美容家電商品を許せなかったのだ。だが正論を振りかざす彼は、鼻つまみ者扱いに。まっすぐすぎる科学愛は、美容家電を変えることができるのか!?


テーマが似非科学と知って、まず興味を惹かれました。

しかも、似非科学嫌いの主人公が、外野から否定するのではなく、美容家電を売る側の立場になる、という設定が面白い。

そうだよ、自分のモヤモヤを吹き飛ばすのは、きっとこんな感じの小説だよ、と期待度を上げて読み始めたのです。


僕と似非科学

小説の感想を書く前に、ここ数年、科学とニセ科学似非科学)に対して考えていることを書きます。

というのも、この話題についての問題意識が以前とは少し異なってきているからです。

以前は無邪気に「この考え方は非科学的だ!」と、断罪するような強い気持ちで、もしくは、嘲笑するような気持でニセ科学に向き合っていたような気がします。

しかし、最近では、ニセ科学批判に慎重になりました。もっと言うと、ニセ科学批判をする人に対する否定的な気分さえ出てきたのです。


大きなきっかけの一つは東日本大震災です。

あのときの、放射能に対する扱い(例えば、東京での生活が安全か)では、身の回りでも安全か危険かで大きく意見が分かれ、西日本への移住を真剣に考えた人もいました。あのとき、どちらの陣営も「専門家」の意見を盾にお互いの意見の正当性を主張しましたが、それを理由に多くの専門家批判されました。

当時自分は、収集できる情報から論理的に判断している人が多いのは、「安全(ただちに危険はない)」派だと考えましたが、一方で、メディア・リテラシー科学リテラシー)を持って、個々人が情報の正否を判断していくのは、相当に厳しいことだと考えました。

だから、風評被害のデマを広めるような人は論外ですが、家族が食べる食品の産地に過敏過ぎる人に対して、たとえそれを非科学的だと思っていたとしても、特に否定的なことは言いませんでした。

常に科学的に正しいことを選択するのは相当に難しいことだし、「専門家」が言っているから大丈夫だ、という発言の説得力が全くない時期で、ネットで繰り返される安全厨VS危険厨の貶し合いに、ただひたすら両者の考え方の断絶を痛感する日々でした。


もう一つのきっかけは、『賢者の石、売ります』でも(個人名を上げずに)何度も話題に上りますが、小保方さんのSTAP細胞騒動があります。あのときは論文捏造の検証に、ネットが威力を発揮したこともあり、ネット上での小保方さん叩きの熱は強いものでした。一方で、(どこからその気持ちが出てくるのか分かりませんでしたが)陰謀論まで出すほどの小保方擁護派もいて、それに対する小保方否定派の罵詈雑言具合というのも、なかなか見るに堪えないものがありました。


さらには、また、改めて書きたいと思いますが、最近ほぼ決着した子宮頸がんワクチンの問題。

これについては、ワクチンの副反応被害に苦しむ人たちや、それを支援する人たちが「ニセ科学」として批判されるという、何だかやるせない状況が続きました。

一方的にニセ科学を断罪したがるような人は、専門家でも何でもなく、虎の威を借りて武装し、常に「正しい」ことを人に教えなくては気が済まないネット弁慶の人が多いように思いますが、科学的かどうか以前の問題として、もっと人として考慮しなくちゃいけないことがあるのでは?」という疑問が離れませんでした。


ということで、もはや、自分にとって、ニセ科学についての問題意識は、「科学的か/非科学的か」というよりも、毎度毎度、「科学」派を気取るネット弁慶が、「正しさ」の剣で、無邪気な「ニセ科学」派を斬って斬って斬りまくるのが状況をどう受け入れるのかという部分が大きくなっていきました。そして、そのように斬りまくるのが、断絶した2つの立場の歩み寄りに役立つとはあまり思えませんでした。


最初にも書いたように、一個人メディアリテラシーを駆使し、正しかろう情報に辿り着いて、「科学的な判断」を行うのは、相当に難しいことだと思います。誰もが、時間的な制約から、どこかで「思考のショートカット」をしなければならない中で、「ニセ科学」に自分の判断を委ねる人が出てしまうのも理解できます。

そういった、思考のショートカットをする際に、「ニセ科学」を選択する人を出来るだけ減らすにはどうすればいいのか、というのが、今の自分の問題意識です。


だから、「ニセ科学」の出鱈目さを説明して、嘲笑するようなタイプの本(例えば、『買ってはいけない批判本)は、今の自分は読みたくありましせんでした。こういった方法こそが、トランプを支持するような反知性主義者を勢いづかせ、さらに断絶を深くした根本にあると考えるからです。

その点、『賢者の石、売ります』は、主人公が科学マニアでありながら、美容家電を売り、主人公の姉はパワーストーンを売る、ということで、絶対に、「両者の歩み寄り」が書かれるはずの小説で、そこが、読む前に自分が一番期待したところです。


以下、ネタバレを含みます。

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2017-01-04 Wed

[]老若男女問わずオススメしたいアニメユーリ!!! on ICE


昨年(2016年)は、個人的には、Amazonタブレット端末(KindleFire)によって時間の使い方が大きく変わった。

具体的には、通勤時間で見終える程度のアニメ作品や、特撮、ドラマのような30分単位くらいの連続ものを見るようになったということが大きい。

そして、年末になって大変な作品を観てしまった。

それが、この『ユーリ!!! on ICE』。


この作品の凄いところは、アイススケートの美しさを際立てて見せるということにある。

必殺技が出るわけでもなく、比喩表現や効果音、決め台詞で競技を組み立てるのではなく、ひたすらにアニメーション表現で、アイススケート競技を魅せる。結局はここに尽きる。

第1話で勝生勇利がヴィクトルのコピー(踊ってみた)を滑るシーンや、最終2話(第11話、第12話)でのグランプリファイナルの6選手の滑走が、それぞれかなり長い時間取られているにもかかわらず、長さをほとんど感じさせないということは、アニメーションで動きを見せることと、アイススケートで体の動きを表現することが非常に相性が良いということを示しているのだと思う。


ただ、勿論、このアニメの良さはそれだけじゃない。

「表現すること」に対する各選手の考え方の違い、変化が面白い。

この作品では、多くの選手が、「愛」をどのように表現するか、について模索するが、特に、主人公の勝生勇利が、演技の中にとどまらず、「愛」について、全身で向かっていく様に引き付けられる。

最初にヴィクトルから与えられたショートプログラムの演目”愛について〜Eros〜”に対して、まず、自らの愛を「カツ丼に対する愛」と解釈する。

その後、当初思い描いたストーリー(ジゴロの男が主人公)から大きく変えて、女性を主人公にした内容にして、美女になり切って滑る。

そして、そのことによって、競技以外の日常生活の中でも、自らの「愛」が外側に出ていく。そこが最高に面白い。

競技者としての成長と並行して、人間としての成長が描かれている。

そこが、このアニメの一番の魅力だと思う。

この作品の名言は数多くあるが、5話での会見シーンの勇利の言葉は、絶対に欠かせない。

今年のグランプリシリーズで

僕がテーマにするのは「愛」です

今までのスケート人生、

いろんな人に助けられながらやってきましたが、

愛について考えたことは一度もありませんでした。

恵まれた環境にいながら それを活かしきれず、

一人で戦ってるような気持ちでずっといました。

けど

ヴィクトルコーチが現れて、僕の見ていた景色は一変しました。


僕の愛。

それはわかりやすい愛や恋ではなくて、

ヴィクトルとの絆や

家族や

地元に対する微妙な気持ち

ようやく自分の周りにある

愛のような物に気付くことができました。

はじめて自分でつなぎ留めたいと思いたい人、

それがヴィクトルです。


その感情に名前はないけどあえて愛と呼ぶことにしました

愛を知って強くなった僕をGPファイナル金メダルで証明します!


勿論、話題になった第10話にも驚かされたが、とても長くなってしまうので、ここでは省く。

ひとつだけ言うと、この回では、勇利のヴィクトルに対する行動以上に、ピチット君の名アシストが凄すぎる。


さて、勿論、タイのピチット君だけでなく、各国のスケート選手はみんな魅力的だ。

中でも自分が好きなのはユーリ・プリセツキー(ユリオ)。造形的なことに絞ると、長髪と女性っぽい動きが素晴らしい。そして、肩甲骨や背骨から腕を伝って指先まで、フィギュアスケートにおける背中付近の表現力がいかんなく発揮されている。このキャラクターが一番「美しい」と思う。

また、最終回の12話になって、一年前のGPファイナル(第1回)でユリオが勇利をどう見ていたかが分かるというストーリーの妙は素晴らしい。これだけでなく、勇利、ユリオとヴィクトルとの関係は全12話を観てみると、綺麗すぎるほどにまとまっており、ストーリーとして穴がない。一応、続編が期待されるような終わり方になってはいるが、これで話が終わっても納得度の高い作品だ。

現在、2週目を見ているが、何度でも繰り返し見たい作品。佐賀県唐津市聖地巡礼の旅に行きたいくらい好きです。(イカ食べたい)


最後にもう一つ加えるなら、ディーン・フジオカによる主題歌「History Maker」が本当に素晴らしいです。英語詞ではありますが、サビの「We were born to make history」という部分だけでも気持ちが鼓舞されます。ディーン・フジオカ本人による公式HPのコメントも誠実さを感じるし、内容に非常にマッチした曲です。目下のところのカラオケ課題曲でもあります。

この曲”History Maker”は、勇気を持って日々限界に挑戦するあなたに捧げる応援歌です。 厳しい競争の中でチャレンジし続けるアスリートの方々はもちろん、それぞれの立場で新しい歴史の1ページを作る挑戦をしている方々への応援歌。そして自分もネクストレベルを目指し努力し続ける”History Maker”でありたいという思いも込めてレコーディングを行いました。 「ユーリ!!! on ICE」の主人公勇利の視点、勇利を導くヴィクトルの視点、そして皆で歴史を作っていくんだ、というより普遍的で広い視点。それぞれの視点が絡み合った構成にメッセージを込めています。

公式HPより引用

History Maker

History Maker

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