世界★成人の儀式

 アメリカは成人式というものはないようです フランスも。
 イギリスでは18歳の誕生日に、大勢の人がパーティを開いてくれて、鍵のマークが入ったカードを両親からもらいます。これは、「何時に帰ってきてもよい、どこで何をしてもよい、後はあなた自身の人生を生きなさい」という「責任」を持つという証なんです。沢山の人達が集ってくれて何か認められたようで嬉しいですね。

 バンジージャンプ。その起源はメラネシアの小国、バヌアツ共和国のニューヘブリディズ諸島にあるペンテコスト島で行われていた成人の儀式である「ナゴール」といわれている。高さ30メートルのバンジー塔から足首につるを巻きつけ、地面ギリギリに落下するかなり危険なこの競技
 南部エチオピア。数頭の牛の上を歩く成人の儀式「牛飛びの儀式」
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 ブラジルの原住民の成人の儀は長さ3Cmの虫を手袋に縫いこんでそれを手にハメ、踊り明かすらしいです。この時に虫が手をチクチクと刺し、その激痛に耐えてこそ成人の証と言う事でこの儀式を行うらしいです

 去年地震で被害を受けたスマトラ島の近くのニアス島の原住民は2Mもある石の跳び箱を激走して飛び越える。それが出来て成人の仲間入りだそうです。

 マサイ族の若者はだいたい14、5歳になると生きたヤギを抱え、1人でサバンナに出かけます。それを餌にライオンを仕留めると、立派な成人として認められ、大事な部落の会議へも参加を許されるそうです。尻込みしてライオン狩りへと出かけられない若者は、いつまで経っても成人として認められず、会議への参加はおろか結婚さえもできません。

 チャリンゼのクウェレ族のように、少女が思春期を迎えると収穫の季節まで隔離していた部族もあります。隔離されている間、少女は木やヒョウタン製の人形を持ち込み、大切に扱わなければなりません。そうすれば、たくさん子どもを授かると信じられていました。隔離生活から解放されると、踊りが披露され、望ましい相手と結婚することができました。
部族によっては、儀式の時に視覚的な教材として土の人形を用います。人形は歌やなぞなぞ、詩の隠れた意味を実際にやってみせるために使われ、その後で若者に簡単な言葉で説明されます。それは、例えば、妻たちは男たちを家にとどまらせるように、土の椅子に座らせてもてなさなければならないといった内容です。

 堅生式(サクラメント
14才になる子どもを対象に一度だけ行われます。「子ども時代」から「青年時代」へと移る「思春期」という人生最大の転換期にたつ人間に、人生の喜びと苦しみを経て魂が成長していくための支えを与える式です。この式を受けた子供は以後、キリスト者共同体では「成人」を対象とするすべての催しに参加できるようになります。
ユダヤ教Bar Mitzvah
 男児が一人前の成人として認められる年齢は13歳ユダヤ教の宗教上の「義務を負う人」という意味になり、あらゆるユダヤ成人を指すことばである。この女子版が、Bat (Bas) Mitzvah

■成人式/1月15日
 満20歳をもって成人とする思想は、紀元前200年頃の中国で既にあったといわれています。
 中国では、男子が20歳を迎えると、冠をかぶり、成人を祝うという儀式が行われていました。この「加冠の儀式」に相当するのが日本の「成年式・元服式」です。最近では、成人式といった方が通りが良いのですが、本来は男子の場合を「成年式」、女子の場合を「成女式」といい、年齢は男子13 歳から15歳、女子12歳から16歳が最も多かったようです。
 儀式は、男子は「元服」といって、子供の髪型をやめさせ、冠をかぶり、髪を結ってまとめました。女子はそれまで長くしていた髪を結い上げる「髪上げの儀式」を行い、子供から大人になることを祝ったのです。また、女子の成人式は、たいてい初潮を見たときに行われました。

●イニシエーション・・・アジア 日本 AD 
 入社式または加入礼とも呼ばれる。成人の年齢に達した男子(女子)の男子結社・秘密結社・若者組・婚組などへの集団的加入礼をいう。こうしたイニシエーションは多くの場合秘密的に行われる。これに対して,成人に達した男女が,個人的・家族的に行う祝い事は“成熟祝”と呼ばれ区別される。入社式と成熟祝の二つをまとめて“成年式”と呼んでいる。
イニシエーションは通過儀礼の一つであるが,古典的名著『通過儀礼』を書いたファン=ヘネップは,入社式を非性的な世界からの分離の儀礼であり,男女いずれかの性に属する人間だけでつくられた集団への編入儀礼だと述べている。伝統的な種族社会で一般にみられる入社式では,男子をこれまで属していた女と子供の世界から切り離し,一定の期間彼らを物理的に隔離することが多い。この場合,若者たちが一度死んで再び新しく生まれかわること,つまり“死と再生”という観念に結びついた一連の象徴的儀礼をしばしば伴っている。また,隔離期間には,その種族の祖先や年長者に対する尊敬・服従が教え込まれ,一人前の成人男子として苦難に耐える能力を示す精神的・肉体的な試練を受ける。女と子供の世界は,無責任と愛情と幸福の支配する俗的世界であり,これに対して成人男子の結成する結社の世界は聖なる高位の世界であるとされる。
したがって,俗界から聖界への移行は,死を象徴するような決定的な方法で絶縁される必要があった。新加入の男子はいったん象徴的に死に,やがて聖への参加が可能な新しい生命を手に入れた成人として再生してくるという考え方である。これらの過程で,身体変工と呼ばれる抜歯・文身・割礼などが若者に施されるが,これは“社会的切断”と呼ばれる儀式で,加入礼を受けている若者を,彼の親や親族との依存的紐帯から社会の手で切断することを象徴するものである。また,身体変工は,若者を一人前の自立的人間たらしめ,同じ時期に施術を経験したほかの若者たちとの連帯感を強化し,同じ種族の成員としての責任の自覚を促す目的をもっている。
 アフリカはコンゴのババリ族のマムベラと呼ばれる入社式では,割礼は行われないが文身の儀礼がある。この儀礼のあいだ中始祖の声として唸り木が振りまわされる。マムベラの入社式には友好関係にあるほかの氏族も招待されるが,同じ入社式に参与することによって,おたがいの連帯を強めるのである。成年式は踊りで始まり太鼓が響きわたると,女たちは逃げるように村を立ち去り森へ行くが,真夜中に連れ戻される。翌朝,踊りはつづけられ,男たちは森からしなやかな樹の枝をもってくる。この枝で入社式に参加している若者を突然殴るのである。ほかの男たちは,殴られた少年たちを樹皮製の新しい褌でつつみ,体に油をすりこむ。殴ることは殺すことを,油を塗るのは再生の儀式を示しているものと考えられる。
 西アフリカのズル族では,少年は“新生”するものとして祝福され,いったん別の小屋へ隔離されたのち,名前を改めて,現れる。またリベリアのクペル族では,イニシエーションを受ける若者たちは,ワニの霊によって飲み込まれ,一度は死んで霊界に入ったものとされ,“吐き戻しての儀礼”によってこの世に戻ってくる。若者たちは新しく名前をもらい,村へ帰ってきたとき,別人のごとく振る舞い親類の人々をも忘れたふりをするのである。
 わが国でも成年式の祝いをナガエ(名替え)という地方があった。山口県の見島では,このことをホンニンになるといい,京都付近でヨボシギと呼ばれる成年式でも幼名を改めている。また長崎県西彼杵郡では“絞め殺す”といって,首を絞めて一時気絶させる成年式行事があった。このように,イニシエーションは種々の儀礼や要素から形づくられているが,その中心は,再生を伴う儀礼的死であり,新加入者がこれまでの自己と訣別して,新しい人間に生まれかわることを象徴している。

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