コウナゴについての違和感、もやもや

コウナゴ(小女子)についてネットで盛り上がっている模様。

http://matinoakari.net/news/na/fes/item_67627.html
http://d.hatena.ne.jp/kentultra1/20080929/1222719625
http://d.hatena.ne.jp/lastline/20080930/1222739408

たしかになんだか興味をそそられるのでここで話す話題ではないけど書いておく。
この事件は、
よく読めば犯罪予告ではないが誤解を招く悪意ある文章を掲示板にのせたところ、通報され、警察も状況的に動かざるをえず、社会に迷惑かけたので逮捕
という話。たしかにいたずらにしちゃ当時の状況下で度が過ぎるし、実刑でるのも(みせしめの意味も含めて)しょうがない。言論統制だとは思わないし、この例を展開させて警察が権力保持の為に悪用できるとも思えない。思えないんだけど、だけどなんだかもやもやがとれない。偽善者的もやもやというか、なんだろうなぁこのもやもやは、と考えていた。

考えてみると、やっぱり気になるのは「よく読めば犯罪予告ではない」が、「だれがどうみてもタチの悪い悪戯で、場合によっては実行される恐れもあり、警戒せざるをえなかった」という、文章の論理的意味ではなく「解釈」によって逮捕になったというところ。(厳密には、解釈によっておこった迷惑によって、だが)

だからといって別に擁護するつもりもない。ただ、これって、僕らとしては、殺人予告ほど過激ではないにしろ、こういう言葉の罠というのは、広告では実に日常的にあるトラップで、常にそれを避けるようにして生きているので、たまにこういう逆の例があることに反応しているんじゃないかと。

例えば「無料!ありえない!(笑)」と書いてある広告をみても、ホントにまったくもって無料とは思わないわけで。ヨドバシで「Eee-PCがなんと100円100円!!!」と言っても「どーせ通信料まぜこぜ月賦だろーが」と思うわけで。殺人とはレベルがまったく違うのだけど、この100円とか無料とかってあきらかに故意にもかかわらず、これらは完全に露骨に間違った論理的意味をもたない限り排除されたりはしない。

健康食品通販で

「これのみはじめてからもう毎日が健康で、腰痛も直って、いやーもう手放せないですね(※個人の感想です)」

もセーーフ。実験データを捏造するなど、露骨に間違うとアウト。

もっと自然で狡猾な例でいくと、今の広告ではないけど、サントリー烏龍茶のCMのコピーに、

「姉さんはよく食べる なのに……ずるい
(間があって)
そのお茶は サントリー烏龍茶」

というのがあった(今は「食べよ妹(笑)」)。文面な何もいってないけど、これは、

「姉ちゃんはよく食べている(のに太らない、これには秘密があって、お茶を飲んでいるからです、)そのお茶はサントリー烏龍茶」

と解釈可能。……解釈可能でしょ?てか当時のCMは明らかにそういう作りだった。悪意たっぷり。(裁判しても多分反省ところか、そんなことはCMでは言っていないと言い張るだろう)

にも拘らず文面としては論理的に何も言っていないのでセーフ、なわけ。これっておかしいよね。ね。ね。被害としては勘違いして烏龍茶買う乙女が増える程度だけど、こういう広告が溢れているこの世の中では、論理的に派手に崩壊している(例えば※印の中が読めないほど小さいとか、なにも書いていないとか)ことはない限り罰則はない。「烏龍茶は痩せます。だから多少は食ってもいいよ」といったら薬事法違反?だから言わないけど、そういう効果を感じる誘導ならセーフ。変だよね。変じゃないとすれば、論理最優先なわけ。勘違いするのは自己責任じゃボケ。

でも今回はそうじゃなくて、言葉が誤解をまねくかなんてどうでもよかったっつーか悪意あるなら悪意だろ、そのせいで迷惑こうむったんだよ、という話で、妥当だとは思うけど、なんか心にひっかかるのだった。