犯罪率と失業率の相関

はてブで大人気だけど、久留米大学の松尾先生のとこの学生さんの卒論 犯罪の九割は失業率で説明がつく が素晴らしい。
ただし、あまりに素晴らしすぎて、「失業率ゼロになったら犯罪率もゼロになる」と誤解する人がいるといけないので、補足。本文中に、

犯罪件数=749523.5+348753.6×その年の失業率

ってあるように、定数項があります。失業率がゼロになっても、約75万件の犯罪は残る、という話。この75万件の犯罪は、失業率とは関係無い別の原因で発生する犯罪、という話になるのでしょう。もちろん、失業率5%のときは約250万件の犯罪がある計算で、失業率がゼロになるとそれが1/3になる。でかいわな。
あと、これは相関があるという話なので、失業率が原因⇒犯罪件数が結果、と単純に言い切ることはできません。何かもっと根本の原因があって、犯罪件数も失業率もその結果なのかもしれない。失業率を無理やり下げても、根本の原因を叩かない限り、結局犯罪件数は下がらない、という可能性もあります。でもまあ、失業率が直接の原因っぽい感じには見えるよな。

フロリダのネット事情

びじうのログ へのコメントが長くなったので、トラックバックで。

友人のraurublockから以前指摘があったのですが、フロリダのブロードバンド環境って・・・・。
ヴェライゾンが提供している光ファイバーからして15Mbpsとかだし、コムキャストのケーブルで5Mbps/256kbps、AT&TDSLが6Mbps/512kbps、DirecTVの衛星通信で1.5Mbps/256kbpsですとよ。こういう環境にいると、NTTの光ファイバーで100Mでした、って方が何かの冗談のように聞こえます。

いやいやアメリカを馬鹿にしてはいかんぞ。アメリカでは、200kbps以上の回線は全て broadband なのだ。これは連邦通信委員会が定めてる公式な定義だ。この定義に従った調査により、昨年秋に 合衆国の家庭の50%にブロードバンドが普及 っつう輝かしい結果が出て、ブロードバンド普及率50.9%の日本とほぼ同じだってわけで、アメリカ人は自国への誇りを新たにしたのだった。だから、びじうの接続環境も 立派なブロードバンド なのだ。ちなみにバラク・オバマは「この定義の見直し」を 政策 として掲げている。
まあそんな状況だもんだから、他人の無線LANにタダ乗りするのが流行ってて、暗号化無しの無線LAN電波がしみ出してるところを探してPC積んだ車で街中をドライブする人なんてのもいる。25年前の映画「ウォーゲーム」に「モデムでランダムな番号に片っ端から電話をかけて運良く相手もモデムだったら侵入する」てのが出てきて、それが「ウォーダイアリング」と呼ばれてたんだが、それの子孫だと言うわけで「ウォードライビング」と呼ばれるそうな。電波を見つけるところまでは一般に違法で無いと見なされてるが、見つけた無線LAN経由で Internet にアクセスするのが違法かどうかは州によって法律が異なる。フロリダは2005年に全米で最初に「無線LANへ不正侵入した男を third degree felony として立件した」ことでこの方面の先進州と見なされてる。実際、チャイルドポルノをダウンロードするのに他人の家の無線LANを踏み台に使うとかあるらしいからな。なんかデッカーとリガーを組み合わせたみたいな話だ>ウォードライバー