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鉄腸野郎Z-SQUAD!(旧館) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-02-19

スラッシャー映画、このブチ殺し方がヒドい!

「『スラッシャー映画、このブチ殺し方がスゴい!』の反響が大きくて、『スキャナーズ』のマイケル・アイアンサイドも斯くやという程に震え戦いている」

「閲覧数がいつもの70倍に跳ね上がってましたもんね」

「いやはや、本当にありがたいことだ。
 これを期に『13日の金曜日』『ローズマリー』などA級スラッシャーから、『ブラッド・カルト/悪魔の殺人集団』『猟奇!惨殺魔/ザ・ミューティレイター』といたZ級スラッシャーまで、多種多様なるスラッシャー映画に、一般の映画ファンの方々が興味を持って戴けたとしたら、Z級映画愛好家としてこれ程嬉しいことはない
 それでは早速、スラッシャー映画このブチ殺し方がヒドい!の発表だ。まずは第5位!

D

『鮮血!悪夢の卒業式』から、ちょっと何がどうしてそうなったのか良く分からない死だ。
 何か、刺さるんだなぁ……」

「?????これは、マットに針が仕込んであったということですか?????」

「それが良く分からない。
 最初からマットにトゲトゲが載せてあったのなら、全力で飛びに行った彼がバカであるし、そもそもどうしてそんな所にトゲ………トゲか……?と衝撃より疑問が先行してしまった」

「マットに体重がかかったら、仕込んだトゲが突き刺さるように出来ていたんですかね……」

「正直ブチ殺しカタルシスが全く得られないので、もっと清々しくブチ殺して欲しいと思う」

「まあ地味だし、良く分からないし、これは確かにヒドいですね……」

鮮血!悪夢の卒業式 [DVD]

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「さて、第4位だ!

D

『プロムナイト』から、長い!!!だ」

「長いですね」

「ああ、長すぎる」

「………本当に長いですね」

プロムナイト [DVD]

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プロムナイト DVDBOX

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「そして第3位だ!

D

『エンゼルターゲット』から、槍投げ殺人事件だ!」

「うわぁ、前にも取り上げたこのヘチョヘチョジャベリンですか………これは確かに酷いですよね……」

「以前の記事では徹底擁護の姿勢を取ったが、最初に見たときはヒドすぎるだろコレwwwwwwwwと草を生やしまくらざるを得なかった覚えがある」

「だってコレ、ペニョヘローーーーーーーーーン!でグサッて!!!
 ペニョヘローーーーーーーーーーーーーン!でグサって!!!!!」

「このペニョヘローーンさは、ペニョヘローーーーン以外の何物でもないヘニョペロ加減だな」

「効果音とゴウゥッ!という、わざとらしさ横溢の呻き声でお茶を濁している、この小賢しさがドイヒーです」

「この他にもこの映画での酷い殺り様を特集しているので、良ければ拙文をお読みいただけると嬉しい、とても嬉しい!」

ハイパーオリンピック発売と同年公開「エンゼルターゲット」その1
http://d.hatena.ne.jp/razzmatazzrazzledazzle/20130212/1360658409




「さて第2位だ!

D

『肉欲のオーディション/引き裂かれたヒロインたち』から、何かが滑ってやってくる!だ」

「ええぇ………途中まで良かったのに……
 雪に埋没した人形の悍ましさ、“殺意”の予感を臨界点にまで高めたその果てに現れた、殺人鬼スゴいダサい……」

「演出の巧みさや、あの老婆のマスクの因縁、殺意の背景など、金儲けのために製作された凡百のスラッシャー映画とは一線を画す名作スラッシャーがこの作品なんだが……」

「邦題が下衆エロの極みですし、更にこの老婆スケーター来られるとちょっとそうは……」

「そう、何かオカシいんだ。鎌を持ってヒロインを全力で殺りに来る、スケートが結構上手い殺人老婆マスク」

「ああアレですね。個性こじらせちゃっているんですね。オンリーワンの殺人鬼目指し気味ですね」

「そんな個性こじらせ意識高い系殺人鬼が第2位というわけだ」

ラテックスフォーム おばあちゃん

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「ということでとうとう堂々の第1位の発表だ!
 なのだが、ここに入れたい作品がどうしても絞れなかった故に、同率第1位を二つ紹介する。どちらもスラッシャー映画の俗悪ぶりを極めた本当にドイヒーな殺り方であると、読者には心がけてもらいたい。
 まず一つ、これは妊娠している方は観ない方が良いと思われる。イタリアパチモン映画の旗手ジョー・ダマトは『猟奇!喰人鬼の島』からのワンシーンである」

D

「うわぁぁぁああぁあぁ………胎児をお召し上がりになられてらっしゃるぅ………」

イタリア見世物根性の集大成と言っても過言ではないだろう!」

「……確かにこんなこと他の国では思い浮かぼうとも、まさか実行に踏み切るとは思えません……」

「しかし、やる。イタリア人はやる。
 近くのスーパーで買ってきた鳥のムネ肉400g392円(消費税込み)みたいな生肉――実際はウサギの肉らしいが――を使って、こんな人道に悖るような悍ましいブチ殺しをやってのけるんだ。しかもこの後、喰人鬼は自分の腹蔵より露わになったはらわたをモシャモシャ貪りながら絶命する……」

「ウェェェエェエ……何て度し難い………」

「俗悪に生き、俗悪に死す。それがイタリア残虐映画界だったのだ。その狂った過去を追体験するに『猟奇!喰人鬼の島』ひいてはジョー・ダマト作品は正にうってつけであろう。そしてスラッシャー映画の更なる深淵を行くならば、この映画を地獄門として鑑賞することをオススメしよう」

「はぁ……イタリアは、ヴィスコンティやズルリーニ、フェリーニにデシーカ達が成し遂げたネオリアリズモの時代が終わった後にスゴいことになっていったのですね……」

莫迦を言ってはいけない!イタリアはむしろコチラ側、色々な意味でヒトを楽しませる娯楽作大国だった!
 ヘラクレスゴリアテなどのイタリアマッスル史劇に始まり、
 リカルド・フレーダやアントニオ・マルゲリティによるイタリアホラー&SFの黎明、
 ヤコッペティに始まるモンド映画攻勢、セルジオ・レオーネ&コルブッチらのマカロニ・ウェスタン、
 更にセルジオ・マルティーノやマッシモ・ダラマーノのジャーロ作品、
 バーヴァ→アルジェント→ソアヴィというイタリアン・ホラーの系譜、
 そしてオヴィディオ・G・アソニティスを頭領としてルイジ・コッツィ、ウンベルト・レンツィ、ルッジェロデオダート、ジョー・ダマトというパクリ映画職人の大隆盛………
 今イタリア娯楽映画界は衰退の一途を辿っている。しかしだからと言って、彼らの偉業を過去の遺物として無視していいというのだろうか?イタリア映画を知りたいならば、ネオレアリズモだけでなく、彼らの作品も知らなくてはならない。
 私は微力ながらZ級映画という観点から、この先彼らの作品を取り上げて光を当てていきたいと思っている!!!
 …………と胎児の踊り食いから少し脱線しすぎたようだ……
 さてそれでは、もう一つの第一位の発表だ!それは――

D

『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』から、思春期からエロを奪ってはいけない!だ。
 私はこの映画が大好きだ!本当に大好きなんだ!!!
 ああ、幸せだなぁ、キミにこの映画を紹介出来る時が、ぼかぁ一番幸せなんだ………」

「うぇぇええ……こんな映画紹介されても困るのですけど……
 あの、これはエロガキがヌードパズルを邪魔してきた母親にブチ切れて斧でブチ殺しにした、という……?」

「だいぶ前に流行った『キレる十代』もビックリの突発的ブチ殺し加減だな」

「しかもちゃっかり罪を逃れて、エーンエーンと警察に助けてもらっちゃってますからね、エロガキ」

「そう、この映画はその変態殺人鬼が40年後、チェーンソーで女体をバラバラにしまくるというスラッシャーであるからしてゲロ以下の俗悪臭がプンプンするだろう!」

「ええ、これはもうドイヒーです……」

「そして、この映画の代表的な名場面をもう一つ御覧いただこう」

D

「はぁ…………??????」

「ヒロインがカンフー・プロフェッサーに襲われるシーンだ」

「いやいやいやいや!それは解りますけれど、もっと何か根本の、何か……」

「ヒロインが酔っぱらったカンフー・プロフェッサーに襲われるシーンだ」

「えっ、犯人はチェーンソー???使うのですよね………?!?!??」

「そうだ、だから彼は犯人ではない、彼はカンフー・プロフェッサーなんだ」

カンフー・プロフェッサーって物語に関係するのですか?」

カンフー・プロフェッサーは忙しい故に、出演時間は1分だ」

「それは今のシーンにしか、カンフー・プロフェッサーは登場しないということですよね?」

カンフー・プロフェッサーは忙しいんだ」

「何が何だかさっぱり分からない……Z級映画の恐ろしさに私はまたも震わされています……」

「正直見たくなったろう?」

「まあ、ちょっとだけ……」

「安心して欲しい、日本でもDVDが発売されている!君も思う存分このスラッシャー映画映画を体感できるぞ!
 廃盤ゆえ、頑張って中古屋を駆け回って探してもらいたい!
 そして今週末は『ローズマリー』&『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』の二本立てで、血みどろのウィークエンドを楽しんでもらえれば幸いだ!
 それではスラッシャー映画の再評価を願って、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……

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こんな映画の脚本を書いたのも、実はあのジョー・ダマトなのです……

2013-02-17

スラッシャー映画、このブチ殺し方がスゴい!

「第一回スラッシャー映画、このブチ殺し方がスゴい&ヒドい2013!
 今回は、そういえば近いうちにネオ・スラッシャー映画『キャビン』が公開するなぁ……と思い立ったが吉日。『キャビン』公開に先駆けて、スラッシャー映画の醍醐味たる殺害シーンを、独断と偏見みちみちのランキング形式で紹介して行きたいと思う。それと同時に『スラッシャー映画って本当に良い物ですね』と一般の映画ファンが言ってくれるように、スラッシャー映画を啓蒙していきたい所存だ」

「これほど血腥そうなランキング見たこと無い……って驚愕する未来しか見えません……」

「スラッシャー映画については拙記事を読んでいただくとして、早速このブチ殺し方が凄いベスト5を発表していこう!
 まず第5位だ」

D

「――『エルム街の悪夢』から、血柱大噴火!だ」

「これは確かにスゴい……血糊の大盤振る舞いですね」

「この撮影は、普通とは上下逆にしたセットを用いて行われた。ベッドが上、天井が下という風にな」

「つまり実際は血が落ちていくように流れて行ったのを、更にカメラを逆さまにして撮る事で、まるで血柱が勢い猛に天井へと噴き出していくように見せたわけですか」

「この技巧的なブチ殺し方も中々だが、このシーンで殺害されるグレンという少年に見覚えはないだろうか?」

「………………………………ああ!」

「気付いただろうか、この少年こそ『シザーハンズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』でハリウッドの頂点に君臨し続けるジョニー・デップだと言う事に。そう『シザーハンズ』から遡ること6年、これが彼のデビュー作なのだ」

「初出演作でこのド派手すぎる死に様……ある意味でこれもスター性の発露なのでしょうかね……」

「彼に限らず、スラッシャー映画に若い頃のあの有名人が!ということが偶さかある。
 例えば『13日の金曜日』には出演4作目のケヴィン・ベーコンが首をブチ抜かれて死ぬ若者役を演じている。『血塗られた花嫁』ではトム・ハンクスが主人公の恋人役で出演、これがデビュー作である。更にホリー・ハンターも『バーニング』がデビュー作、『赤ちゃん泥棒』でブレイクするのはこの6年後だ」

「考えてみれば『ハロウィン』でジェイミー・リー・カーティスが、『スクリーム』でネイヴ・キャンベルがブレイクを果たしましたもんね。そう考えれば、意外とスラッシャー映画って若手俳優の登竜門的役割を果たしているのやも」

「そういう意味で今後ブレイクするのではないかという女優が二人いる。
 一人は『キャビン』のクリステン・コノリーだ。
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この若手女優がカワイイ2013

 そしてもう一人が『Smiley』の主演女優ケイトリン・ジェラルド。
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この顔面がスゴい2013

 どちらもブレイクするに相応しいスクリーム・クイーン故に、今後もうちょっとホラー界で下積みを重ねておっぱいでもちょっと露わにした後、スターダムを駆け上ってもらいたいものだな」



「そして第4位は――

D

血のバレンタイン』から、人間シャワーの出来上がり!」

「頭蓋骨無視して、引っかけちゃってますね……」

「女性を何かに引っかける、という殺害方法はスラッシャー映画に限らず、もはやホラーの伝統殺法だ!
悪魔のいけにえ』から『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』の半裸女性、シカの角に死す!そして『人喰族』のおっぱい引っかけ殺人までその歴史は長い。ここでは更にシャワーに引っかけて口からお湯が出るという、画期的殺人方法!」

「こうゆう殺しに、ボケはいるんですかね?」

「グロと笑いは表裏一体。素晴らしいグロ描写は、得てして素晴らしい笑いを生み出すものだ。そんな素晴らしいグロ描写が日本で発売している正規版DVDではカットの憂き目に合っているので、買うならば輸入盤を私は推したい。
 それでは第3位だ――

D

『血みどろの入江」から顔面真っ二つ&エッチ・スケッチ・串刺し殺しだ」

「前回言っていた、スラッシャー映画の元ネタ作品ですよね。この緩急を付けながら緊張を持続させる手法は、かなりクるものがあります……」

「玄関開けたら5秒でグチャッ!と思い切りの良い殺り方で、見る度テンポの良さにコーラを噴き出しそうになる」

マチェーテを顔面から引き抜くときのヌチャヌチャした触感が伝わってきて、私はゾクゾクするんですけどね!
 そして出色の出来栄えなのがこの串刺しシーンですね……うぇぇ……」

「串刺しにされようとも腰はカクカクと動く所に、私は人間の下半身の素晴らしさを見たな」

「いやいやいや、人間の業の深さを表しているんでしょ、アレは!」

血みどろの入江 -HDリマスター版- [DVD]

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「気を取り直して第2位は――

D

バーニング』から恐怖のジョギリショックだ!」

「これは凄まじい……長い長い溜めから、凄惨な虐殺風景……」

「ハサミを使った殺害方法も魅力的だが、何よりも徹底的な人体破壊描写にはウットリだ。
 額を切り裂き、頸動脈を突き刺し、ゴボゴボと流れ出す赤い血潮……中でも指が切断されるショックシーンには絶嘆の一言しか浮かばない!」

「特に悪いことをしているようには見えない子供たちが嬲り殺しにされるのだから、その衝撃もひとしおでしょうね……」

「それも含めて、トム・サヴィーニの悪魔的手腕が存分に発揮された名シーンと言えるだろうな
 そして第1位は――」

D

ローズマリー』の殺害シーン全てだ!
 敢えてこれについては、殺害シーンそのものでなくトム・サヴィーニが実際に特殊メイクを行うメイキングシーンを見てもらった。これを見てからでも、これを見る前にでも、とにかくDVDを買い正座してこの殺害シーンを見て欲しいのである。この芸術的殺害シーンの数々は、この小さなパソコンの液晶でなく、TVの大画面で鑑賞して息を呑んでもらいたい」

ローズマリー HDリマスター版 [DVD]

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「ピッチフォークでの串刺しに始まり、ナイフで頭部を破砕、プールにおいては『狩人の夜』を彷彿とさせる美しき殺害の絶景!そして思春期のおっぱい野郎共のために、全裸美女のおっぱいのちょっと下辺りを刺して綺麗なおっぱいは観客の目に留めたままブチ殺すシーンは、エロへの気遣いに充ち溢れた感動的なブチ殺しと言わざるを得ない!!!」

「はいはい、おっぱいおっぱい……」

「『キャビン』のゴアゴア描写がこれら先人の芸術的殺害シーンを超えてくるかどうかは見ものである。まさかストーリー展開をツイストするのに忙しくて、ゴア描写の研鑽を怠るということは無いだろうし、期待しかない。逆に私の場合はネタバレの絨毯爆撃を喰らってストーリー展開について全部知ってしまったから、そういう所に期待するしかない……」

「うわぁ………それはご愁傷さまです」

「………さて次では、このブチ殺し方がヒドい!ベスト5を行う。どれもこれもZ級映画の真髄ここにあり!と言った物ばかりであるからして、そのヒドさに期待してもらってむしろ歓迎だ!それではサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……」

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次の記事まで、死なないように頑張りましょう。

2013-02-16

世界に一人だけの殺人鬼「エンゼル・ターゲット」その2

「ということでその2であるがまずはスラッシャー映画の成立について、私の持論を交えながらザッと説明していこう」

「……お願いします」

「まずスラッシャー映画の根源は、娯楽&俗悪映画帝国イタリアにある
 60年代イタリアでは、グァルティエロ・ヤコペッティの『世界残酷物語』を嚆矢とするモンド映画が隆盛を極めていた。しかしこちらが現実に依拠した見世物的な虚構に徹していたとするならば、虚構を虚構として開き直った上で、おっぱいだ!血飛沫だ!人体を痛めつけろ!殺ったのお前……えっお前!?と、奔放を以て作られた見世物サスペンスが“ジャーロ”だった。作り手には『サスペリア』のダリオ・アルジェント、『影なき淫獣』のセルジオ・マルティーノと枚挙に遑がないのだが、スラッシャー映画の成立に貢献したのが、マリオ・バーヴァというイタリア最高の映画作家だった!
 彼はその眩惑たる極彩色のセンスと、人間の肉から搾り取った脂さながらにドロついた火曜サスペンス的ストーリーを組み合わせて作り上げたのが『モデル連続殺人!』と『血みどろの入江』である。前者では美しい女性たちが、後者では男女問わず、謎の殺人鬼にブチ殺されていき、最後に犯人が明かされるという趣向になっている」

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イタリア映画界の巨匠、マリオ・バーヴァ監督。そっくりさんに詩人マリネッティと画家のダリがいる

「それがスラッシャー映画の雛形になっているという訳なのですね」

「そうだ、このジャーロ北米に輸入されたことによって生まれたのがスラッシャー映画だ」

北米、というと?」

「実は最初のスラッシャー映画と言われるボブ・クラーク監督の『暗闇にベルが鳴る』が作られたのはカナダにおいてであった。そしてスラッシャー映画の金字塔血のバレンタイン』もカナダ資本であったので、便宜上北米とした。
 さて、ジャーロがスラッシャー映画へと変貌を遂げたとき、名称と共にいくつかの形質も変わったのだ。
 1つはジャンルとして、サスペンスからホラーになった事。
 2つは全体的な描写のソフト化。
 3つは被害者が20〜30代から、ティーンエイジャーもしくは学生ばかりになった点。
 4つは1・2に起因する殺人鬼像の変化。
 この変化は纏めて、映画のポップ化と言ってもいいかもしれない。
 濃厚な官能描写は、将来殺られる学生たちが股間の赴くままイチャイチャ乳繰り合う、そんな鑑賞している学生たちもついイチャイチャイチャしてしまうようなソフトな物に置換された。
 猟奇的な殺害描写はネチっこく胃に溜まる物から、若いアベックが見たら『オォウ、ワオウ、オーマイガッ!!!』と彼女が彼氏に飛びついて、イチャイチャイチャイチャイチャ乳繰り合うきっかけになる類のホラー的ショックに変わってしまった。
 ジャーロの殺害描写が『ジワジワと嬲り殺しにしてやる……』というスタンスならば、スラッシャー映画の殺害描写は『この一瞬に全てを賭ける!』というスタンスだな」

「何故にそこだけジャンプっぽいんですか」

「そして殺される相手、というか登場人物全体に低年齢化で、デートで映画を見に来た学生アベックたちが登場人物たちへの強い共感によりスリルを高めた後、恐怖を恋人と共有したという吊り橋効果によってイチャイチャイチャイチャイチャイチャ乳繰り合えるようになった」

「………つまりはです、ポップ化というのはつまりポップコーン食べながら鑑賞しているカップル共が、ふとしたキッカケでイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ、キスとかネッキングとかやり易い映画化という訳なんですね、解ります!!!」

「ん、まあ、そんな所か」

「映画は、下半身に奉仕するための道具ではないのに、何て度し難い!!!FUCK!!!」

「結論としてはジャーロが退廃的エロスの杉本彩だとしたら、スラッシャー映画は健康的エロスの篠崎愛という訳だな」

「うわあーすごくわかりやすいたとえですねきょうじゅー」

「本当は前者を壇蜜にしたかったが、女性受けが悪いと思ったので止めた。
 そして本題の犯人像についてだ。サスペンスからホラーへの転換を果たしたことで、ただでさえ荒唐無稽さが際立っていた犯人像が、本当に何でもアリになった。マイケル・マイヤーズやジェイソンのような無敵ボディを手に入れた者もいれば、場所さえ構うことなく何故か洗車場に現れて洗車中の女性を斧でカチ割ったり、サンタの扮装をしたり、主人公に変装したり、スケートで氷の上を器用に滑ったり……」

D
殺人鬼アックスマンが、洗車中のご婦人に待った!

「殺人鬼にも個性が生まれ始めたんですね」

「そう、ホラーは虚構という枠内においても、SFやファンタジーに次いで現実との乖離が許容されるゆえに、競い合うように殺人鬼たちの個性が多様&肥大化していった。ナンバーワンよりオンリーワン、世界に一人だけの殺人鬼が指向されるようになった。そう、スラッシャー映画の殺人鬼とは印象派であり、分離派であり、未来派であり、ダダイズムであり、シュールレアリストだ!殺人鬼たちの近代自我の成立を私はスラッシャー映画に見る!
 せーかいにひーとりだーけのキラー
 ひーとつひとーつ違う殺りー方を持つ……」

「そんなだと逆に、俺みたいな殺人鬼に個性なんていらない!個性を礼賛した結果がこれだよ!!こんなことになるなら普通の殺人鬼になりたかった!!!とか、今の日本に通じる悩みを叫びながら、物語内で製作者に反抗する殺人鬼とかもいそうですね(笑)」

「それがいるんだな、本当に」

「え」

「『13日は金曜日PART25 ジャクソン倫敦』というスラッシャー映画があるんだな……」

「邦題が酷過ぎる……」

「と思いきや、観た後にはこれ以外の邦題が思いつかない哀しき邦題なんだ。SF要素や運命論を交えた哲学的スラッシャー映画なのだが、まあ詳細はググれ」

「怠慢という他ないです………」

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件のジャクソン氏。彼もまた、実存に悩む健全な若者なのです

「そして『エンゼル・ターゲット』の犯人に至る訳だが……この犯人の個性はズバ抜けて濃いだろうな」

「そうですね、まさかあの看護婦が犯人だとは……」

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この看護婦です

「まず殺人鬼の成立拝啓が凄い。
 彼女、実は性転換を経て女性になった元男性だとは!」

「女性がそんなに遠くまで槍投げられる訳ないでしょう!という疑問をもっともらしく解消すると共に、観客に驚きを――それがエエッ!にしろはぁ?にしろ――湧き起こす犯人の正体という条件を満たすにしても、エンターテイメント性に富んだ物ではありましたね」

「一瞬の新聞記事から汲み取れなかった者のために、わざわざ声色をグヘヘヘヘと男の声にしたり、その声で長々と自分について説明したりと親切さもポイント高かったな」

「考えてみれば彼女が主人公をマッサージする際、それはもう下心丸出しのエロい手つきでナデナデしまくりだったのも、彼女が同性愛者であることを暗示していたのではなく、彼女が元男性であったことの伏線だったのですね。かと言って、この伏線凄い!と褒める気にはなりませんが」

槍投げの有望選手であったが、オリンピックに選ばれなかったのを苦にして、性転換して女性としてオリンピックに出ようとしたら失格というのが、他にやる事あっただろうとツッコミ待ちな感じでまた面白い」

「まあ、そこはバカというか不器用というか……
 水泳選手殺す時も、彼女がプールから上がった際に刺せばいい物を、わざわざシュノーケル・ボンベ・槍とフル装備で潜水しながらブッ刺しますからね。死体の始末が面倒くさいでしょうに」

D

「その死体処理とやらも、ただロッカーに突っ込んでおくだけ。片付けられない女性が応急処置として荷物を押し入れにブチ込んだ、そんな風情だ」

「ロッカーに突っ込むだけ、まだマシじゃないでしょうか。普通放置ですし」

「主人公に正体がバレた時も、ヤッベバレた!って奥の部屋から槍を取りに行って、槍を手に携えながらたったかと逃げた主人公を追いかけてゆくのも、観客に『私、殺人鬼ですよ!』と必至に個性を主張しているようで微笑ましいものだった」

「その一連のシーン、引き画ワンショットで見せますからね。そこはマイケル・ベイ並にカット割りして魅せてよ!と言いたい所をグッと抑えました…………」

D

「このように、試行錯誤しているのかしていないのか解りかねるが、取り敢えず殺人鬼の個性の安売りが凄いということを、今回はみてきたがどうだった」

「何でもアリだからって、個を許容しすぎるのはどうかと思いました」

「それは本当に御スラッシャー映画全般に言えることだな……
 さて次回は特別企画として、独断と偏見に満ちた『スラッシャー映画、この殺り方がスゴい&ヒドい!』を行う。
 それではサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……」

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「slasher movies」で画像検索したら、こんなん出ましたけど

2013-02-12

ハイパーオリンピックと同年公開「エンゼル・ターゲット」その1

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「君はオリンピック東京で開催されることを良しとするか?」

「また突然ですね……」

「今度はキチンと時事ネタを仕込んできた私の歩み寄りに感謝すべきじゃあないか!」

「犯された云々の時節のズレは酷過ぎたと思いますけれどね……
 うーん、忌憚なく言わせて頂ければ、私スポーツには微塵も興味ありませんので、オリンピック東京で開催されようとされまいとどうでも良いですね。勿論リーフェンシュタールの「民族の祭典」もしくは市川昆の「東京オリンピック」的な映画が公開されるとすれば、確信を以て見に行くとは言えますけれども」

「ふむ……私は良しとしない一択だ」

「へぇ……理由をお聞かせ願っても宜しいでしょうか?」

東京からZ級映画が消えてしまう」

「は……………?」

オリンピックを鑑賞しに来た外国の方々の中に、もし鉄腸野郎Zチーム海外支部の人々がいたとしたら……!
 慧眼をその瞳に備えた海外組が、東京の至る所のみならず埼玉は越谷辺りまで穴場ビデオスポットを探りに探った結果、私さえもまだ見ぬZ級映画を見つけ奪ってしまうかもしれない……探せど探せど未だ巡り合えぬ『肉欲のオーディション 切り裂かれたヒロインたち』『ハロウィン1988/地獄のロック&ローラー』『2069:惑星遊女』……すべて奪い去られてしまうやもしれない、そんな事態に日本が陥ることを私は耐えられそうにない……」

「はぁ、被害妄想どうもお疲れさまです、教授」

「この前も『マーターズ』『トールマン』を監督したパスカル・ロジェ舞台挨拶に来日した際、ヘナチョコ映画の雄グレイドン・クラークの名作『ニンジャリアン』のVHSをカッ攫い、国外へと流出させてしまった。江戸末期の浮世絵国外流出の悲劇が再び巻き起ころうとしている!!!」

Z級映画のVHSが、現代にマネやゴッホを生み出すとは思えませんけれどね」

オリンピック東京招致はんたァァァーーーーーーーーーーいッ!
 私たちからZ級映画を奪うなぁぁあああああぁあぁぁぁあっぁあぁあx!!
 私たちから『ヘルクラッシュ・地獄の霊柩車』をォォォォオォォォッォォ!!!
 私たちから『金髪ドラゴン/ブロンド・フィンガー 悩殺篇』を奪うなァアアアアアアアァァアアァァx!!!」

「そんな理由ではPhotoShop都知事も迷惑でしょうし止めて下さい!度し難い!」

「という遺恨をドロリと引き摺りながらも、今回紹介する映画はこれだ

――――『エンゼル・ターゲット』!!!(デデェーーーーーーーーーン)

「妙な効果音を付けるのはやめて下さい、殊更にヘボく見えますから」

「…………気を取り直してあらすじを」

調子ぶっこいたオリンピック候補生が一杯殺されます。以上


「と読者方があらすじを読んでいる間に、私たちは本編を観終わるというパラドックスを経て後、この『エンゼル・ターゲット』君にはどう感じられた?」

「これ……前の犯されたお嬢さま云々に比べれば、格段と良い作品なんじゃあないでしょうか……?」

「そうだろうそうだろう!確かに素晴らしい!それどころか、私的には時代背景を脚本に反映したり、バカ学生の殺害方法のこだわりなど80年代のスラッシャー映画でも頭一つ秀でた魅力を持ち合わせた作品だと思っている!」

「ええ、確かにストーリー展開は考えられていましたね。
 1983年当時の冷戦構造を軸に、アメリカVSソ連の対立をオリンピックという疑似戦争に仮託し学生たちをその駒として扱っている、そんな背景が伺える脚本には驚きました……言ってはなんですけれど、このような俗悪映画に似つかわしくない程に練られていましたね」

「描かれるアメリカ内部においても、オリンピック候補生たちに薬物を使うべきか否か?という対立構造が形成されている、そんな二重の対立がまた興味深かったな」

「あの看護婦と医者の……ですか。あのころはまだドーピングについての認識が緩かったのでしょうか?と隔世の感を抱いてしまいました」

アメリカにおいてベン・ジョンソンドーピング問題が持ち上がったのが1988年、この『エンゼル・ターゲット』の製作年は1983年という所からも、まだ甘かったのではないかと私は思う。それ以前にもミュンヘンオリンピック時に競泳400m自由形でリック・デモントがエフェドリンを摂取した事で金メダルを剥奪という事件が1972年に起こった。が、しかし喘息の治療薬として使われていたエフェドリンに対する、利用者とIOCの認識齟齬という事態に立脚した事件ゆえに、この件とは少しベクトルが違う事件だと思われるな。
 ちなみに、あの薬物推進派であるジョルディン医師を演じたのは、監督のマイケル・クレイトン師だ」

「えっ……ヒッチコックシャマラン的なカメオとしてでなく、ガッツリ出ちゃってましたけど…………
 まあ、そんな対立の渦中にいる若者たちがトコトン馬鹿丸出しというのも、背景とのギャップで良かったのではないかって思います」

脳筋というステレオタイプめいた偏見に依拠したアホっぽさは、普段ジョックスにイジめられているナードの悪意がミッチミチだったな。国体出場記念祝賀パーチーで、ふざけていたと思ったら唐突に綱引きに発展するのは前半の迷シーンと言わざるを得ない」

「そういう類の脳筋が一気呵成に嬲り殺しにされるのを見て、ナードが日々の溜飲を下げると」

「まあそんな所だ」

中尾彬のネクタイよりも捻くれた心理体系ですね、それは」

「君に言われる筋合いは無い」

「…………………ぐぬぬ…………」

「そんな我らの溜飲を下げる救世主!『エンゼル・ターゲット』における殺人鬼は、良い意味で新鮮な驚きがあったとは思わないか?」

「んまあ………前の『犯されたお嬢さま/……何チャラかんちゃら……』ああ邦題がクソ長ったらしくて覚えられない!
 前のに比べれば、まあ悪くは無いと思いますけど………前述の対立構造に立脚した犯人像とも言えますし、殺し方も頗る酷いヘッポコサンタよりかは派手で良い……
って精一杯褒めようとしてしまっていますが、あくまで前のと比べれば!ですから!Z級の烙印を押されるに相応しい代物なんですからね、これも!」

「……ほう!その態度ッ!それが俗に言う“ツンデレ”という奴だな!」

「……若者文化が曲解される瞬間を、私は目撃してしまいました……」

「して“ツンデレ”君、君の意見を聴こう!」

「………………まず殺し方が派手でおおっ!となりました。オリンピックに関係して、殺傷能力があり、視覚的興奮もある点において“槍”という着眼点は良いと。そして最初の殺害シーンm重量挙げの女子選手のドテッ腹をズパーーーーーーーーーーーン!と貫いて、その勢いで壁にブッ刺さるなんて、わざとらしく上半身だけしか映されない工夫も含めて、製作者たちの試行錯誤が目に見えてヤダ………何これスゴい……と感銘を受けました」

「物理法則を無視してこそのスラッシャーだな!一体手に持って居たダンベルはいつ手から落ちたのか、など細かい事はNo Thank You精神が漲り過ぎて私も好きな場面だ!死体の処理についても雑だしな」

「私にも色々言及したいことはありますけれど、第一印象としてはこれ以上ない驚きの殺り方だと」

「まだZ級映画を2作しか見ていないのに、その思考と嗜好のZ化、“ツンデレ”君、キミという奴は…………
 にしても、そしてこの監督の素晴らしい所は、エロっとグロを殺しの中で両立させている所だろうな」

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殺人鬼、装備:ジャージ、槍、調子に乗っている学生共への怨恨

「まるでキリスト釈迦が降臨したかの如き後光だな」

「こう恰好良くサウナに登場しておいて、全裸少女に逃げられるというのがまた度し難い……」

「逃がす意味は君にも分かるだろう!
 全裸少女を無駄に走らせる、それは全てがエロのため!殺られる前にエロを全開!エロスリル!スリルエロ!」

「これまた暗くて良く見えませんけれどね、乳房も何もかも」

「だがエロをスクリーンにトコトンまで焼き付けようとするその凄まじい心意気に、エロス万歳と快哉を上げざるを得ないだろう!」

「そしてエロ担当も槍をブッ刺されて血反吐ブチ撒いて死亡となる訳ですけれど、その役割も何て儚いのでしょうね(笑)
 ところで教授、少しご質問があるのですが」

「何だ?」

「スラッシャー映画というのは、バカガキが無残にブチ殺されるのを楽しむ、とは前にも言いましたが、槍殺人はこの無残を十二分に充たしているとは思います。しかし第二にその無残さはヴァリエーションに富んでいなければならないと思えてならないのです」

「ふむ、スラッシャーについてやはり良く勉強しているな……!」

「その点に於いて『犯されたお嬢さま』は意識的に多種多様にブチ殺していたと思えます。しかしこの『エンゼル・ターゲット』は槍で殺り、そして槍で殺り、はたまた槍で殺り、雨後のタケノコさながらに槍でグッサグッサグッサグッサと、その殺害の派手さに凭れ掛かり過ぎではないかと思うんです。スラッシャー映画に殺害方法のワンパターン化は許されるのでしょうかそれとも否でしょうか?」

「私はそのワンパターン化も勿論是とする。そもそも殺害方法が槍ばかりな理由は、おそらく製作者たち全員の思惑が一致したからだろう、そう――面倒臭い、と」

「えぇぇぇええええぇぇぇえええ………」

「というのは冗談だ。私がワンパターン化を是とするのは、彼らの魂の込められた“こだわり”という物が感じられるからだ。それについてはこの稀代の殺害方法を見ながら語るとしよう」

D

「素晴らしいとは思えないか!もしかして彼が犯人なんじゃあないのか……?と観客に猜疑心を抱かせたところで、数十m離れた地点から槍投げで狙い刺しと来た!」

「いやいやいやいや!これは一番酷いと思った奴ですよ!
 ヘチョ〜〜〜〜〜〜〜〜〜んって飛んでってグサッ!って!
 ペニョヘロ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンって飛んでってグザァッて!
 何かちょっと格好良い演出を狙った小賢しさが、この前代未聞の殺害シーンを生んだと思われてならない!ならないんですよ!」

「君はそうかもしれない。だが私はこの描写に監督たちの並々ならぬ思いを、そしてその躍動にある一枚の絵画作品を見た」

「えっ……また前のドグマ的な………」

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「この英国ラファエル前派のローレンス・アルマ=タデマの『戦士の舞』を見よ
 この雄大豪壮、目前に湧き立つ砂塵と死に肉薄する闘志たちの轟声が見える、聞こえてくるだろう!
 そして命を懸けて揮われるこの一本の槍の躍動は斯くや!私はあの翔ける槍に戦士の槍を見出した!!!」

「やだ………教授の深読力が怖い………」

「ああ、深読みは良いぞ……深読みは思考の楽しみを遥か彼方へと押し広げてくれる……
新世紀エヴァンゲリオン』であっても数々の秀逸なる深読みが集積したことによって、今の地位を得たと言っても過言ではないだろう。深読みは良い……Z級映画が生んだ文化の極みだ……」

「行きつく先はただの誇大妄想でしょうから程々にしてくださいね、教授」 

「ということで今回はここまでだ。
 次回はネタバレ全開で犯人の正体についてと、スラッシャー映画における犯人像について語っていこうと思う。
 それではサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ………」

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日本版ビデオジャケット。そもそもエンゼル・ターゲットってどういう意味だという話である